出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/17 19:04:00」(JST)
この項目では、仏教音楽の一つである声明(しょうみょう)について記述しています。「声明」の語義については、ウィクショナリーの「声明」の項目をご覧ください。 |
声明(しょうみょう、旧字体:聲明)とは、仏典に節をつけた仏教音楽のひとつで、儀礼に用いられる。日本では、梵唄(ぼんばい)・梵匿(ぼんのく)・魚山(ぎょざん)ともいう。
仏教 |
---|
基本教義 |
縁起 四諦 八正道 三法印 四法印 |
人物 |
釈迦 十大弟子 龍樹 |
信仰対象 |
仏の一覧 |
分類 |
原始仏教 部派仏教 大乗仏教 密教 |
宗派 |
仏教の宗派 |
地域別仏教 |
インド スリランカ ネパール チベット |
聖典 |
経蔵 律蔵 論蔵 |
聖地 |
八大聖地 |
歴史 |
原始 部派 上座部 大乗 |
ウィキポータル 仏教 |
|
仏教が起こったインドで生まれたあと中国に伝わり、中国から仏教伝来と共に日本に伝わり、定着した。
キリスト教に賛美歌があり、聖歌隊がいるように、仏教にも仏教を賛美してお経に節をつけて歌う専門の僧侶がいた。
古代インドの学問分野(五明・ごみょう)の一つ。五明とは、声明(音韻学・文法学)・工巧明(工芸・技術論)・医方明(医学)・因明(倫理学)・内明(自己の宗旨の学問、仏教者の場合は仏教学)の5種類の学問分野を指す。
日本での声明の発祥地は三千院のある大原魚山である。754年(天平勝宝4年)に東大寺大仏開眼法要のときに声明を用いた法要が行われた記録があり、奈良時代には、声明が盛んにおこなわれていたと考えられる。
平安時代初期に最澄・空海がそれぞれ声明を伝えて、天台声明・真言声明の基となった。天台宗・真言宗以外の仏教宗派にも、各宗独自の声明があり、現在も継承されている。源氏物語の中に度々出てくる法要の場でも、比叡山の僧たちによって天台声明があげられていた。
声明は口伝(くでん)で伝えるため、現在の音楽理論でいうところの楽譜に相当するものが当初はなかった。そのため、伝授は困難を極めた。後世になってから楽譜にあたる博士(はかせ)が考案された。なお、各流派により博士などの専門用語には違いがある。
しかし博士はあくまでも唱えるための参考であり、声明を正式に習得しようとすれば、口伝(「ロイ」とも言う。指導者による面授。)が必要不可欠であり、面授によらなければ、師から弟子への流派の維持・継承は出来ない。そのために指導者・後継者の育成が必須であった。
戦乱や明治期の廃仏毀釈により、寺院が荒廃した。それにともない、僧侶が離散するなど、さまざまな条件が重なって、多くの流派が廃絶した。
天台声明は最澄が伝えたものが基礎となり、独自の展開をした。最澄以後は、円仁・安然が興隆させた。融通念仏の祖の良忍が中興の祖として知られる。1109年(天仁2年)に、良忍は、京都・大原に来迎院を建立した。大原の来迎院の山号を、中国の声明発祥の地・魚山(ぎょざん)に擬して、魚山と呼称された。やがて、来迎院・勝林院の2ヶ寺を大原流魚山声明の道場として知られるようになった。また、後に寂原が一派をなして、大原には2派の系統の声明があった。のちに宗快が大原声明を再興するに至った。
湛智が新しい音楽理論に基づいた流れを構築した。以降、天台声明の中枢をなし、現在の天台声明に継承されている。融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗の声明は、天台声明の系統である。
明治以降に、魚山声明正統の復興・伝承に尽力した大原魚山声明研究会主宰者の故天納傳中實光院住職は、1998年にチェコではじめて天台声明を紹介し、同時にプラハ・グレゴリオ聖歌隊との協力を薦めた。主宰者を失った大原魚山声明研究会の解散後、「魚山流天台声明研究会會」が、故天納傳中大僧正直伝の声明を伝える天台宗僧侶たちによって、新たに発足された。
魚山流天台声明研究會は「一人一切人一切人一人(=一人は全員のために全員は一人のために)」をスローガンとする「天台声明」を歌い継いでいる無伴奏男性ユニゾンとして、ヨーロッパでCD『遙声』を発売、デビューを果たした。
真言声明は空海が伝えたものが基礎となり、現在に至っている。声明が体系化されてきたのは真雅以降である。寛朝はなかでも中興の祖ともいえる。声明の作曲・整備につとめた。
鎌倉時代までは多くの流派があったが、覚性法親王により、本相応院流・新相応院流・醍醐流・中川大進流の4派にまとめられた。このうち中川大進流は、奈良・中川寺の大進が流祖。
古義真言宗の声明は江戸時代にかけて衰微・廃絶した。本相応院流・新相応院流・醍醐流は明治中期ごろまでには廃絶した。現在では、中川大進流を継ぐ智山(ちざん)声明(京都・智積院)、豊山(ぶざん)声明(奈良・長谷寺)、南山進流(なんざんしんりゅう・高野山、京都・古義真言宗寺院)に分別される。
平曲・謡曲、民謡、浄瑠璃などの音曲は声明の転化といえる。単旋律音楽に与えた影響が大きい。[要出典]
この項目は、音楽に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル 音楽/ウィキプロジェクト 音楽)。 |
この項目は、仏教に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル 仏教/ウィキプロジェクト 仏教)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「記載」「statement」「ステートメント」 |
.