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国際連合教育科学文化機関 | |
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各国語表記
United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(英語) |
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国際連合教育科学文化機関の旗
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概要 | 専門機関 |
略称 | UNESCO、ユネスコ |
代表 | イリナ・ボコヴァ |
状況 | 活動中 |
活動開始 | 1946年11月4日 |
本部 | フランス・パリ |
公式サイト | 国際連合教育科学文化機関 |
UNESCO Portal:国際連合 |
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国際連合教育科学文化機関(こくさいれんごうきょういくかがくぶんかきかん、フランス語: Organisation des Nations unies pour l'éducation, la science et la culture、英語: United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESCO ユネスコ)は、国際連合の経済社会理事会の下におかれた、教育、科学、文化の発展と推進を目的とした専門機関である。1945年11月に44カ国の代表が集いロンドンで開催された国連会議 "United Nations Conference for the establishment of an educational and cultural organization" (ECO/CONF)において11月16日に採択された[1] 「国際連合教育科学文化機関憲章」(ユネスコ憲章)に基づいて1946年11月4日に設立された。分担金(2016年現在)の最大の拠出国はアメリカ合衆国(22%)、2位は日本(9%)である(米国は拠出金支払いを全額停止している[2]ので、実質的に最大の拠出国は日本である)。
英語の正式名称は United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization。その頭字語である UNESCO (英語発音: [ju(ː)néskoʊ] ユネスコウ)も公式に用いられ、日本語では「ユネスコ」と称する。フランス語の場合はOrganisation des Nations unies pour l'éducation, la science et la culture。頭字語はONUÉSCと称する。本部はフランスのパリにある。
教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さないとの理念により設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」との文言があり、設立の目的とその精神を顕著に表している。
活動にあたっては、重点的に推進する目標として「万人のための基礎教育」「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」などを定める。それに基づき、例えば前者に関しては識字率の向上や義務教育の普及のための活動、後者については世界遺産の登録と保護、文化多様性条約の採択のほか、歴史的記録遺産を保全するユネスコ記憶遺産(世界の記憶)事業などを実施する。そのほか、極度の貧困の半減、普遍的初等教育の達成、初等・中等教育における男女差別の解消、持続可能な開発のための教育、危機に瀕する言語の保護などを内容とするミレニアム開発目標など、国際開発目標達成を目指す。
ユネスコの最高機関は加盟国すべてが参加する総会である。総会において各国はそれぞれ1票を持ち、ユネスコの政策や事業計画についての決定を行う[3]。総会での議決はユネスコ憲章の改正などの重要事項については加盟国の3分の2の賛成が必要となるが、通常の事項については過半数の賛成で決定される。総会は2年に一度、通常はパリにおいて開催される。この総会の決定に基づく計画の監督や、事務局が作成した予算計画などを総会にかける前に審議するのが執行委員会である。執行委員会は1年に2回開催される。この両機関の下に、事務局他実行機関が存在する。事務局長はユネスコの代表となっている。パリの本部のほか、世界各地に通常複数国を管轄する地域事務所が置かれている。また、各国にはそれぞれユネスコ国内委員会が設置され、ユネスコ本部と各国政府との間の連絡機関となっている。日本にも、日本ユネスコ国内委員会が設置されている。
ユネスコ活動の普及と理解促進のため、世界の著名人を「ユネスコ親善大使」に任命し、様々な活動を行っている。
1946年11月4日に設立されたのち、ユネスコは徐々に加盟国を増加させ、活動も多岐にわたるようになった。1951年にはいまだ国際連合本体に加盟していなかった日本が加盟するなど旧枢軸国の加盟も比較的早く進んだが、なによりも大きな影響を与えたものは1954年のソヴィエト連邦の加盟である。これによりユネスコは共産諸国にも活動の場を広げ、さらに1950年代から1960年代にかけてアジアやアフリカの新独立国が次々と加盟を果たし、加盟国の大半が南側諸国によって占められるようになった[4]。これはユネスコの活動を大規模化させることとなったが、本来設立の中心となった欧米先進諸国が数の上では少数派となったことにより両派の間で対立が起こるようになり、この問題は1980年代に入って噴出することとなった。
1980年代には、放漫財政等のマネージメントの問題に加え、活動が「政治化」していることに先進諸国の間で不満が高まってきていた。中でも問題となったものが、当時のムボウ事務局長が提唱した「新世界情報秩序」である。これは世界の情報の流れが先進国から一方的に発信されている状況を是正しようとするものであり、発展途上国の間で強い支持を得たものの、この計画はジャーナリストの認可制を導入し、報道の自由を制限するものだとして、先進国からは強い反対の声が上がった。なかでも強い不満を示したのはアメリカとイギリスであり、結局これを一番の原因として1984年に最大の分担金拠出国であるアメリカ合衆国が、次いで1985年にはイギリスおよびシンガポールが脱退し[5]、ユネスコの存続は危機に立たされた。この間日本は、ユネスコにとどまり、分担金の約4分の1近くを担う最大の拠出国として、ユネスコの存続に大きな役割を果たした。結局、政治的偏向や報道の自由に対する問題を解消したマヨール事務局長につづき、松浦事務局長のもと管理運営についても全般的な改革がなされ、イギリスが1997年7月に、アメリカ合衆国が2003年10月にそれぞれ復帰する[6]。このように、松浦事務局長の改革については高く評価され、総会や執行委員会でも多くの加盟国から繰り返し表明された。一方で、改革の根幹であるRBMの進展やプログラムの整理、官僚主義的な組織機構について、さらなる取組も求められた。
2013年11月現在の加盟国数は195ヶ国[7][8]、準加盟9地域[9]である。日本は1951年7月2日に加盟[10]。最も新しい加盟国はパレスチナである。2011年10月31日に総会が開かれ賛成107、反対14、棄権52で国としての正式加盟を承認した。アメリカ合衆国、イスラエルなどは反対し、日本などは棄権[11]。アメリカ合衆国国務省は、この決議案採択への対抗措置として、ユネスコ分担金の停止を実行した。イスラエル外務省は、パレスチナを非難すると共にユネスコとの協力関係について再検討するとしている。一方、分担金負担停止から2年経過した2013年、両国は議事への投票資格が停止された。
代 | 事務局長 | 出身国 | 在任期間 | |
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1 | ジュリアン・ハクスリー | イギリス | 1946年12月 - 1948年12月 | |
2 | ハイメ・トレス・ボデー | メキシコ | 1948年12月 - 1952年12月 | |
代 理 |
ジョン・W・テイラー | アメリカ | 1952年12月 - 1953年7月 | |
3 | ルーサー・H・エバンス | アメリカ | 1953年7月 - 1958年12月 | |
4 | ヴィットリーノ・ヴェロネーゼ | イタリア | 1958年12月 - 1961年11月 | |
代 理 |
ルネ・マウ | フランス | 1961年11月 - 1962年11月 | |
5 | ルネ・マウ | フランス | 1962年11月 - 1974年11月 | |
6 | アマドゥ・マハタール・ムボウ | セネガル | 1974年11月 - 1987年11月 | |
7 | フェデリコ・マヨール | スペイン | 1987年11月 - 1999年11月 | |
8 | 松浦晃一郎 | 日本 | 1999年11月 - 2009年11月 | |
9 | イリナ・ボコヴァ | ブルガリア | 2009年11月 - (現職) |
1946年の第一回総会以来開催されたユネスコ総会は下記のようになっている[12]。総会は1954年までは毎年開催だったが、その後は2年に一回の開催となっている。
総会 | 開催地 | 年 | 議長 | 議長出身国 |
---|---|---|---|---|
第38回 | パリ | 2015 | Stanley Mutumba Simataa[13] | ナミビア |
第37回[14] | パリ | 2013 | 郝平 | 中国 |
第36回 | パリ | 2011 | Katalin Bogyay | ハンガリー |
第35回 | パリ | 2009 | Davidson Hepburn | バハマ |
第34回 | パリ | 2007 | George N. Anastassopoulos | ギリシャ |
第33回 | パリ | 2005 | Musa Bin Jaafar Bin Hassan | オマーン |
第32回 | パリ | 2003 | Michael Omolewa | ナイジェリア |
第31回 | パリ | 2001 | Ahmad Jalali | イラン |
第30回 | パリ | 1999 | Jaroslava Moserova | チェコ |
第29回 | パリ | 1997 | Eduardo Portella | ブラジル |
第28回 | パリ | 1995 | Torben Krogh | デンマーク |
第27回 | パリ | 1993 | Ahmed Saleh Sayyad | イエメン |
第26回 | パリ | 1991 | Bethwell Allan Ogot | ケニア |
第25回 | パリ | 1989 | アンワル・イブラヒム | マレーシア |
第24回 | パリ | 1987 | Guillermo Putzeys Alvarez | グアテマラ |
第23回 | ソフィア | 1985 | Nikolai Todorov | ブルガリア |
第22回 | パリ | 1983 | Saïd Tell | ヨルダン |
第4回臨時 | パリ | 1982 | ||
第21回 | ベオグラード | 1980 | Ivo Margan | ユーゴスラビア |
第20回 | パリ | 1978 | Napoléon LeBlanc | カナダ |
第19回 | ナイロビ | 1976 | Taaita Toweett | ケニア |
第18回 | パリ | 1974 | Magda Jóború | ハンガリー |
第3回臨時 | パリ | 1973 | ||
第17回 | パリ | 1972 | 萩原徹 | 日本 |
第16回 | パリ | 1970 | Atilio Dell'Oro Maini | アルゼンチン |
第15回 | パリ | 1968 | William Eteki Mboumoua | カメルーン |
第14回 | パリ | 1966 | Bedrettin Tuncel | トルコ |
第13回 | パリ | 1964 | Norair Sisakian | アルメニア・ソビエト社会主義共和国 |
第12回 | パリ | 1962 | Paulo de Berrêdo Carneiro | ブラジル |
第11回 | パリ | 1960 | Akale-Work Abte-Wold | エチオピア |
第10回 | パリ | 1958 | Jean Berthoin | フランス |
第9回 | ニューデリー | 1956 | Abul Kalam Azad | インド |
第8回 | モンテビデオ | 1954 | Justino Zavala Muñiz | ウルグアイ |
第2回臨時 | パリ | 1953 | ||
第7回 | パリ | 1952 | サルヴパッリー・ラーダークリシュナン | インド |
第6回 | パリ | 1951 | Howland H. Sargeant | アメリカ |
第5回 | フィレンツェ | 1950 | Stefano Jacini | イタリア |
第4回 | パリ | 1949 | Edward Ronald Walker | オーストラリア |
第1回臨時 | パリ | 1948 | ||
第3回 | ベイルート | 1948 | Hamid Bey Frangie | レバノン |
第2回 | メキシコシティ | 1947 | Manuel Gual Vidal | メキシコ |
第1回 | パリ | 1946 | レオン・ブルム | フランス |
1995年以降、執行委員会は58か国によって構成されている[15]。委員国の選挙区は地域別に6つのグループに分かれており、その中から決められた議席に応じて総会で選挙が行われ、委員国が選出される。委員国の任期は4年で、選出された総会から二回あとの総会までを任期とする。
任期 | グループI (9議席) |
グループII (7議席) |
グループIII (10議席) |
グループIV (12議席) |
グループV(a) (14議席) |
グループV(b) (7議席) |
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2016–19[16] |
フランス |
リトアニア |
ブラジル |
イラン |
カメルーン |
レバノン |
2014–17[17] |
ドイツ |
アルバニア |
アルゼンチン |
バングラデシュ |
チャド |
アルジェリア |
2012–15 |
オーストリア |
チェコ |
ブラジル |
アフガニスタン |
アンゴラ |
チュニジア |
以下の研究所はユネスコの計画を支える組織の専門機関であり、国家機関や各分野に専門的な支援を行っている。
略語 | 名称 | 所在地 |
---|---|---|
IBE | ユネスコ国際教育局 | ジュネーブ[18] |
UIL | ユネスコ生涯学習研究所 | ハンブルク[19] |
IIEP | ユネスコ国際教育計画研究所 | パリ(本部)およびブエノスアイレス (地域事務所)[20] |
IITE | ユネスコ教育情報工学研究所 | モスクワ[21] |
IICBA | ユネスコ・アフリカ地域能力開発国際研究所 | アディスアベバ[22] |
IESALC | ユネスコ南米・カリブ海地域高等教育国際研究所 | カラカス[23] |
UNESCO-UNEVOC | 国際職業技術教育事業 | ボン[24] |
CEPES | ユネスコヨーロッパ高等教育センター | ブカレスト[25] |
UNESCO-IHE | ユネスコ水教育研究所 | デルフト[26] |
ICTP | 国際理論物理学センター | トリエステ[27] |
UIS | ユネスコ統計研究所 | モントリオール[28] |
ユネスコが祝う国際デーは以下のようになっている。[29]
日付 | 名称 |
---|---|
1月27日 | 国際ホロコースト記念日 |
2月13日 | 世界ラジオデー |
2月21日 | 国際母語デー |
3月8日 | 国際女性デー |
3月20日 | 国際フランコフォニーデー |
3月21日 | 国際ノウルーズ・デー |
3月21日 | 世界詩歌記念日 |
3月21日 | 国際人種差別撤廃デー |
3月22日 | 世界水の日 |
4月23日 | 世界図書・著作権デー |
4月30日 | 国際ジャズ・デー |
5月3日 | 世界報道自由デー |
5月21日 | 対話と発展のための世界文化多様性デー |
5月22日 | 国際生物多様性の日 |
5月25日 | アフリカデー / アフリカ週間 |
6月5日 | 環境の日 |
6月8日 | 世界海洋デー |
6月21日 | 国際ヨーガの日 |
8月9日 | 世界先住民の日 |
8月12日 | 国際青少年デー |
8月23日 | 奴隷貿易とその廃止を記念する国際デー |
9月8日 | 国際識字デー |
9月15日 | 国際民主主義デー |
9月21日 | 国際平和デー |
9月28日 | International Day for the Universal Access to Information |
10月5日 | 世界教師デー |
10月第2水曜日 | International Day for Disaster Reduction |
10月17日 | 貧困撲滅のための国際デー |
10月20日 | 統計の日 |
10月27日 | 世界視聴覚遺産デー |
11月10日 | 平和と開発のための世界科学デー |
11月第三木曜日 | 世界哲学の日 |
11月16日 | 国際寛容デー |
11月19日 | 国際男性デー |
11月25日 | 女性に対する暴力撤廃の国際デー |
11月29日 | パレスチナ人民連帯国際デー |
12月1日 | 世界エイズデー |
12月10日 | 世界人権デー |
12月18日 | 国際移民デー |
ユネスコは2005年より、電子図書館プロジェクト(World Digital Library, WDL)に取り組んできたが、2009年4月21日にインターネット上にて公開された。この公式サイトでは、各国の文化資料を地域別、テーマ別、年代別に横断して一望でき、一般の利用者、研究者の別なく無料で閲覧できる。
展示資料は、米国議会図書館、アレクサンドリア図書館(エジプト)、国立国会図書館(日本)など世界の32機関が参加し、現在、書籍・手稿・地図・写真・動画など、約1200点のコンテンツが閲覧できる。
ユネスコ加盟国は195か国である。この表では加盟国とその加盟日時を記す。[30][31]
2012年現在、リヒテンシュタインはユネスコ加盟国ではないが、国内委員会は存在する[31]。
以下の9地域はユネスコ準会員となっている[30]。
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座標: 北緯48度51分0秒 東経2度18分22秒 / 北緯48.85000度 東経2.30611度 / 48.85000; 2.30611 (UNESCO本部ビル)
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関連記事 | 「国際連合」「連合」「教育」「機関」「文化」 |
国際連合は、国際連盟の反省をふまえて第二次世界大戦時の戦勝国である連合国 (第二次世界大戦) (United Nations) が中心となる。1945年10月24日に、アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンフランシスコで発足した。最初の加盟国(原加盟国)は51ヵ国であった。
日本はテンプレート:和暦12月18日に80番目の加盟国となった。2006年6月末現在、国際連合の加盟国数は192ヵ国。最も新しい加盟国は、モンテネグロ(2006年6月28日加盟)である。国際連合の本部は、アメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン島にある。
国際連合本部ビル(オスカー・ニーマイヤーを中心とした建築家国際委員会が設計)は老朽化しており、新館を建築家・槇文彦が設計予定。ただし、国際連合の資金難により計画は滞っている。
…
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