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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/06 16:53:04」(JST)
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厩肥(きゅうひ/うまやごえ)とは、家畜の糞尿と藁や落葉等を混合し、牛馬に踏ませることで腐熟させた有機質肥料のこと。
概要
元々は厩から出る大量の糞尿を利用して作られたことに由来している。『延喜式』には馬寮で出来た厩肥を内膳司の園に転用することが規定されている。刈敷・堆肥とともに自給肥料の代表的な存在で、日本の中世後期には広く用いられるようになって水田二毛作の普及などに影響を与えたが、近世に入ると家畜飼育が停滞する一方で耕地の拡大で秣場が減少し、また干鰯などの購入肥料(金肥)の普及によって衰退していった。ただし、経済的に購入肥料の獲得が困難で、かつ入会地が乏しく刈敷に自給肥料を依存することが出来なかった平野部の中小農家では厩肥が近代以後も用いられていた。明治の農学者である酒匂常明もその著書『日本肥料全書』において、厩肥を「肥料三要素」と称される窒素・燐酸・カリウムを土中において補給・持続させるために有効な肥料として取り上げている。
参考文献
- 三橋時雄「厩肥」(『国史大辞典 4』(吉川弘文館、1984年) ISBN 978-4-642-00504-3)
- 田中耕司「厩肥」(『日本史大事典 2』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13102-4)
- 井奥成彦「厩肥」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-095-23001-6)
Japanese Journal
- 10 堆厩肥の水〜希塩酸抽出液風乾残渣中に含まれるリン酸塩(東北支部講演会,2013年度各支部会)
- 神奈川県伊勢原市における地下水および河川の長期水質変動
- 吉羽 雅昭,小林 雄二,三綸 睿太郎 [他],但野 利秋
- 日本土壌肥料學雜誌 84(6), 493-502, 2013-12-05
- … 畜飼養が集中する高部屋地区にある渋田川上流域上流部の高地畑作地帯と大田地区にある渋田川上流域下流部と歌川流域にまたがる低地畑作地帯の井戸群であった.野菜・果樹作における施肥と畜産廃棄物の厩肥利用などによる窒素負荷が原因となっていることが示唆された.III類型・IV類型は基準値には達しないが汚染が認められるもので,新興住宅地や山地の井戸,V類型は汚染がきわめて少ないもので,水田地区にある …
- NAID 110009766670
- 李 世安
- 畜産の研究 67(3), 367-370, 2013-03
- … 本来,伝統的畜産と放牧畜産においては,家畜の糞尿は土地に戻って植物に利用されるのであるが,近代農業ではこれら厩肥の代わりに化学肥料を多く使用するため,残った厩肥は悪臭と蝿の発生源として環境汚染の原因となり畜産公害を招くこととなった。 …
- NAID 120005580077
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