- 英
- pseudopregnancy、pseudocyesis、phantom pregnancy、false pregnancy、pseudopregnant
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/20 22:24:27」(JST)
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想像妊娠(そうぞうにんしん、pseudocyesis、false pregnancy)とは、実際には妊娠していないにもかかわらず、妊娠における様々な兆候が見られる心身症状の一種。精神状態が肉体の変化を起こす一例であり、多くは妊娠を強く望むか逆に強く恐れている神経質な女性にみられる。医師の診断によって想像妊娠だと認識すると、妊娠兆候は減退する。偽妊娠とも言われる。
人間以外の犬やウサギなどの哺乳類も、原理は異なるが想像妊娠をすることがわかっている。
人間の場合
症状
妊娠時に見られる各種の身体症状と同様のものが起こる。
- 月経閉止。あるいは、月経が来たとしても量が少なく、妊娠中の不正出血と判別しにくい。
- 月経を司る女性ホルモンは、脳の下垂体や視床下部から分泌される性腺刺激ホルモンなどの制御を受けており、精神的な負荷はしばしば女性に無月経や月経不順の変調をもたらす。
- 悪阻(つわり)、子宮内膜の増加、乳頭・乳輪の変化、初乳の分泌など、ホルモンの作用に付随するもの。
- なお、妊娠検査薬の陽性をもたらすhCGは、着床した受精卵の根元から分泌される実際の妊娠時特有のホルモンなので、想像妊娠では陽性にならない。
- 腹部の膨張、胎動の自覚など、物理的な胎児の存在を感じさせるもの。
- ホルモンの作用による皮下脂肪の増加や便秘での膨満・蠕動による。
原因
以下のような、妊娠という事柄に対する強いストレスが原因とされる。
- 妊娠に対する過度の願望。
- 妊娠に対する過度の恐怖。
対処
- 医師の診断を受け、想像妊娠の事実を認識すると症状は減退する。
現代では、妊娠検査薬・エコー(超音波検査)・心音計などの発達により早期から明らかな証拠で妊娠の有無を確定できるようになったこと、女性に対して跡継ぎを産まねばならぬという社会的圧力が少なくなったことなどから、かつてに比べて激減し、稀な現象となっている。
動物の場合
犬などの動物にも、つわり、腹部の膨張、乳腺の発達や乳汁分泌、巣作り行動といったの想像妊娠が見られることがある。しかし、これは発情期に伴うホルモン変化によって引き起こされる現象であり、人間のように心理的原因によるものとは異なる。そのため、想像妊娠とは呼ばず、偽妊娠あるいは擬似妊娠の用語で呼ばれることも多い。
原因
発情期に入って排卵すると、妊娠を維持するための黄体ホルモンが分泌され、身体や行動に変化が起こる。妊娠が不成立だった場合は排卵からしばらくすると黄体ホルモンの分泌が終わるはずだが、個体差により、ホルモンの分泌が活発すぎると妊娠していなくても分泌が続くことがある。こうした黄体ホルモンを主体としたホルモンの影響で、擬似妊娠状態の症状が現れる。これは、発情期中に交尾をしなかったメスにでも起こり得る。
対処
排卵後の擬似妊娠状態はどの個体でも多少なりとも起こる生理現象ではあるが、期間が短いと飼い主には気付かない程度であり、長期にわたって妊娠状態が現れたままなのは、ホルモンの分泌が過剰な病的様態といえる。発情期のたびに想像妊娠を繰り返しやすい個体は、子宮・卵巣・乳腺などにホルモンの影響を原因とする疾患を発症するリスクが高まると考えられる。また、想像妊娠を何度も繰り返すのは、身体的負担や精神的ストレスもかかる虞があり、頻繁であれば対処を考えた方がよいケースもある。
一番の根本的な対策は不妊手術であり、卵巣を摘出すれば想像妊娠が起こることも無くなる。
そうでない場合も、オスとの接触を避け交尾させない、飼い主が尻や陰部に触れて刺激しないよう気を付けるなど、なるべくホルモン分泌を活発化させやすい要因を与えないよう注意する。
関連項目
精神と行動の疾患 (ICD-F - 290-319) |
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器質的 |
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認知症
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Mild cognitive impairment - アルツハイマー型認知症 - Multi-infarct dementia - Pick's disease - クロイツフェルト・ヤコブ病 - ハンチントン病 - パーキンソン病 - AIDS dementia complex - Frontotemporal dementia - Sundowning - Wandering
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その他
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せん妄 - Post-concussion syndrome - Organic brain syndrome
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向精神薬・薬物乱用・薬物に関する障害 |
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薬物中毒/オーバードース - 身体依存 - 薬物依存症 - リバウンド効果 - 二重リバウンド - 離脱
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統合失調症 - 妄想 |
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精神病 |
統合失調感情障害 - 統合失調症様障害 - 短期反応性精神病
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統合失調症 |
破瓜型統合失調症 - Delusional disorder - Folie a deux
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気分障害 (affective) |
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躁病 - 双極性障害(I型 - II型 - 気分循環症) - うつ病(大うつ病 - 気分変調症 - 季節性情動障害 - 非定型うつ病 - メランコリー型うつ)
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神経症 - ストレス関連 - 身体表現性障害 |
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不安障害
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恐怖症
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広場恐怖症 - 社会恐怖/社交不安障害 (Anthropophobia) - 単一恐怖(閉所恐怖症) - 単一社会恐怖
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その他
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パニック障害 - 全般性不安障害 - 強迫性障害 - ストレス(急性ストレス障害 - PTSD)
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適応障害
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うつ症状を伴う適応障害
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身体表現性障害
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身体化障害 - 身体醜形障害 - 心気症 - 疾病恐怖 - Da Costa's syndrome - 精神痛 - 転換性障害(ガンザー症候群 - 咽喉頭異常感症) - 神経衰弱 - Mass Psychogenic Illness
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解離性障害
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解離性同一性障害 - 解離性健忘 - Fugue state - 離人症性障害
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生理的・身体的 |
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摂食障害
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神経性無食欲症 - 神経性大食症 - Rumination syndrome - NOS
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非器質性
睡眠障害
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過眠症 - 不眠症 - 睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害 - 夜驚症 - 悪夢)
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性的機能不全
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sexual desire - (Hypoactive sexual desire disorder - Hypersexuality) - sexual arousal - (Female sexual arousal disorder) - Erectile dysfunction - orgasm - (Anorgasmia - Delayed ejaculation - Premature ejaculation - Sexual anhedonia) - pain - (Vaginismus - Dyspareunia)
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産後
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産後うつ病 - Postnatal psychosis
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成人のパーソナリティ及び行動 |
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Sexual and
gender identity
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Sexual maturation disorder - Ego-dystonic sexual orientation - Sexual relationship disorder - 性的倒錯(性依存症 - 窃視症 - フェティシズム)
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Other
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パーソナリティ障害 - 衝動制御障害(窃盗症 - 抜毛症 - 放火癖) - Body-focused repetitive behavior - 虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)
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小児の精神障害 |
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精神遅滞
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X-Linked mental retardation - (Lujan-Fryns syndrome)
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Psychological development
(発達障害)
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Specific - 広汎性発達障害
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Emotional and behavioral
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ADHD - 行為障害 (ODD) - 情動障害 (Separation anxiety disorder) - 社会的機能(場面緘黙症 - 愛着障害 - DAD) - チック症(トゥレット障害) - 言語障害(吃音症 - Cluttering) - Movement disorder (Stereotypic)
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未分類 |
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性同一性障害(性転換症 - 性別違和症候群) - 想像妊娠 - Catatonia - Intermittent explosive disorder - Psychomotor agitation - Stereotypy - Psychogenic non-epileptic seizures - Kluver-Bucy syndrome
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- OCとLEPの違いと歴史について教えて下さい (特集 OC・LEPの静脈血栓塞栓症リスクQ&A)
- 受胚雌へのPlacental Lactogen(PL)投与がマウスクローン胚の体内発生能に及ぼす影響
- ZFNおよびTALENを用いたノックアウトラットの作製
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- 人間の 『想像妊娠』 と犬の 『偽妊娠』 は混同されることが多いのですが、この2つは発症の仕組みが完全に異なります。 人間の想像妊娠は、妊娠を強く望む場合、あるいは妊娠を強く恐れる場合に起こります。 望むか恐れるか ...
- デジタル大辞泉 偽妊娠の用語解説 - 妊娠をしていないのに、黄体ホルモンの分泌が続き、腹部の膨張など妊娠しているかのうな変化が起こること。→想像妊娠
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★リンクテーブル★
[★]
- 関
- false pregnancy、phantom pregnancy、pseudopregnancy、pseudopregnant
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- 関
- false pregnancy、phantom pregnancy、pseudocyesis、pseudopregnant
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- 関
- false pregnancy、pseudocyesis、pseudopregnancy、pseudopregnant
[★]
- 英
- pseudopregnancy treatment, pseudopregnancy therapy
[★]
- 英
- pregnancy, gravidity, gestation
- 関
- 妊娠週数、妊娠期間、(妊娠週数・妊娠月数の推定)子宮#子宮の大きさ、trimester。妊婦
- 妊娠x週
- x weeks of gestation
妊娠期間 (L.107)
- 最終月経の開始から280日(40週)
- 受精後266日(38週)
妊娠に伴う自覚、検査所見
- QB必修
- 尿検査による妊娠反応陽性:4週
- つわり症状 :6週
- 胎動の自覚 :18-20週
検査
超音波検査
- QB必修
- 妊娠4週:胎囊
- 妊娠5週:胎児
- 妊娠6週:胎児心拍
- 妊娠10-12週:ドップラーによる胎児心拍
尿妊娠反応
妊娠による変化
- G10M.38 NGY.293-303
- 循環血液量増加 → 血漿量の増加が血球成分の増加より著しい → 血液希釈(赤血球数↓、Hb↓、Ht↓)
- 白血球増加(5000~12000 /ul)。多核白血球優位に増加。
- 凝固能:凝固系亢進、線溶系抑制
- 血液凝固因子:第XI因子、第XIII因子を除き、血液凝固因子の濃度が上昇
- 胃:緊張度と運動性低下。食道括約筋圧低下、妊娠子宮による胃の変異により胃食道逆流が生じやすい(→麻酔管理では妊婦はfull stomach扱い)。
- 胸郭弛緩、横隔膜挙上、気道拡張(プロゲステロンによる気管平滑筋弛緩)
- →[一回換気量]増加、[予備呼気量]減少、[残気量]減少 → 残気量が減少し、一回換気量が増加 → 分時換気量増加
-
- 食後血糖は上昇。空腹時血糖は低下する。また、食後に高インスリン血症が持続する。 (NGY.293)
- FSH, LH:非妊娠時の基礎値
- hCG:10週前後にピークとなり以降、減少。
- PRL:妊娠末期に向かって増加
妊娠によるエネルギー付加量
- NGY.324
- 日本人成人女子の生活活動強度別の栄養所要量(kcal/day)
- 妊婦 +350
- G10M.72
- 妊娠初期:50kcal
- 妊娠中期:250kcal
- 妊娠末期:500kcal
- 授乳中:450kcal
妊娠と服用薬
- 妊娠と薬情報センター - 独立行政法人 国立成育医療研究センター
- http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
服用薬の影響
- 4週から7週末までは器官形成期であり、催奇形性が確認されているものはワルファリン(鼻奇形、骨形成不全)、メトトレキセート(種々の奇形)、抗てんかん薬(種々の奇形)がある。(参考1)
臨床関連
届出
参考
- http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/FUJ-FULL.pdf