出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/02 10:55:13」(JST)
乳牛(にゅうぎゅう)あるいは乳用牛(にゅうようぎゅう)は、家畜化された牛のうち、特に乳の出る量が多くなるように品種改良された牛のこと。日本ではホルスタインがよく知られている。
乳牛には雄牛も存在するが、乳は出ない。種牡に適さない雄牛や、乳の生産量が落ちた高齢の雌牛は肉牛として出荷される。仔牛肉用の牛は、雄として生まれた乳牛が多い。
子牛は生まれてすぐに母牛から離され、母牛から取った乳[1]が人間の手で与えられる。ただし、乳を牛乳の生産ラインにのせるために、できるだけ早く母乳から代用乳(粉ミルク)への切り替えが行われる。母牛から離された子牛の多くは、つなぎ飼いか単頭飼いのストール(囲い)で飼育され、1か月 - 1か月半にわたって代用乳や人工乳(離乳食)を与えられる。徐々にやわらかい乾草や濃厚飼料(配合飼料)へ慣らしていき、離乳後は群飼に移されることが多い。
生まれた子牛が雄ならば、生後2 - 3週間後に肉牛、もしくは種牡にするため肥育農家へ売りに出される(国産牛肉の1/4は、乳牛から生まれた雄子牛を28か月程肥育してから屠殺したものである[2])か、子牛肉として18週 - 20週飼育されてから屠殺される。
子牛は生後3 - 6か月ほどで除角が行われる。牛舎内での過密飼いをする場合には、牛の攻撃性を抑えるためや、管理者の角による怪我を防ぐために、除角をすることが望ましいとされている。放牧主体の酪農がほとんど行われていない日本では、乳牛の93%以上に除角が行われている[3]。農林水産省の委託を受けて社団法人 畜産技術協会が策定した「アニマルウェルフェア(動物福祉)に対応した乳用牛の飼養管理指針」では「除角を行う際は、牛への過剰なストレスを防止し、可能な限り苦痛を生じさせない方法をとることとする。(中略)除角によるストレスが少ないと言われている焼きごてでの実施が可能な生後2ヵ月以内に実施することが推奨される」とされている。
離乳からはじめて子牛を生むまでの期間を育成牛と呼ばれる。生後14か月 - 16か月ではじめての人工授精が行われる[4]妊娠後、約9か月で分娩する。完全放牧の牛と違い、牛舎内で飼われる牛は運動量が少ないため、自力で出産することが困難であり、人の介助が必要であることが多い。
出産後約300日間搾乳される。日本の搾乳牛の飼養方法はつなぎ飼い (73.9%) 、牛舎内での放し飼い (24.8%) が主流であり、自然放牧による飼養は2%に満たない[3]。
なお、出産しなければ乳は出ないため、経済効率を上げるために、出産後2か月ほどで次の人工授精が行われる。
乳の泌乳量は3-4回目の出産後がピークであり、その後徐々に泌乳量は減少し、繁殖力も下がっていき、最終的には屠殺される。乳量が下がったり繁殖ができなくなるなどして屠殺された乳牛のことを「乳廃牛」という。乳廃牛は食肉に利用されるほか、肥料や革製品などにも利用される[5]。
牛の寿命は自然界では20年ほどだが、乳牛は6-7年で廃牛とされる。
ひづめを削ること。
「自然放牧の牛は採餌のため1日11時間も歩くことがありひづめはしっかりと割れ、擦り減っていく。しかし、牛舎内での飼育ではほとんど歩かないため、ひづめが伸び放題になる。ひづめが伸びすぎると巨体を支えられなくなったり、踏んばることができなくなる。また糞尿で滑りやすくなったコンクリート床の上で転びやすくなる。このため定期的に年に1-2回削蹄を行う必要がある」[6]
日本の乳牛の90%以上で削蹄が行われている[3]。
第四胃変位は、ガスがたまった第4胃が膨張し、第1胃と腹壁の間に第4胃が移動してしまうことをいう。牛は草を食べる生き物として、繊維質の多い草を消化しやすいよう4つの胃を持っている。しかし近年、高脂肪の乳を搾り取るため、粗飼料(草)中心の酪農から繊維質の少ない濃厚飼料中心の酪農へと変わってきている。この濃厚飼料の給餌過多が第四胃変位の大きな原因として考えられている[7]。
日本では2000年頃に初めて感染が確認された。 脳の異常プリオンが増殖することにより、最終的には立てなくなる。通称BSE。詳細はBSEを参照。
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