- 英
- ropivacaine、ropivacaine hydrochloride、ropivacaine hydrochloride hydrate
- 化
- 塩酸ロピバカイン水和物 ropivacaine hydrochloride hydrate、塩酸ロピバカイン ropivacaine hydrochloride
- 商
- アナペイン Anapeine
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1214405A1025_1_07/1214405A1025_1_07?view=body
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 「左利きの局所麻酔薬-レボブピバカインとロピバカイン-の基礎から臨床まで」によせて
- 山本 健,川真田 樹人
- 日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia 30(4), 534, 2010-07-15
- NAID 10026917428
- 澤木 康平,大久保 みぎわ,四宮 敬史,塚越 絵里,山﨑 貴希,劔持 正浩,宮尾 真理子,金子 譲,一戸 達也,川口 充
- 歯科学報 110(3), 347-352, 2010-06-30
- NAID 120002273868
- 懸濁性ステロイド剤を用いた頸部神経根ブロックにより小脳・脳幹部梗塞をきたした1例
- 川股 知之,並木 昭義
- The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 17(1), 25-28, 2010-01-25
- … 板ヘルニアによるC6,C7の根性痛が増強したため,近医より神経根ブロック目的で当科に紹介された.X線透視下で神経根ブロックを試み,造影剤にて血管陰影を認めずC6神経根鞘が描出されたため,0.75%ロピバカイン1 mlと懸濁性メチルプレドニゾロン1 mlの混合液を1 ml注入したが異常なく,さらに0.5 ml注入した30秒後に意識が消失し,呼吸も停止した.7時間後のMRIで小脳・脳幹部梗塞と切迫ヘルニアがあったため,内・ …
- NAID 10026389009
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- Local anesthetic, リドカイン/メピバカイン/ブピバカイン/レボブピバカイン/ロピバカイン/ プロカイン/テトラカイン/ジブカイン/プリロカイン(コカイン、アンブロキソール). ┣抗 不整脈薬 Anti-arrhythmics, プロカイン/リドカイン/メキシレチン/フレカイニド/キニジン ...
- 組成(1ml中), 1ml中に塩酸ロピバカイン(無水物として)アナペイン注2mg/mLは2mg〔 0.2%〕、アナペイン注7.5mg/mLは 7.5mg〔0.75%〕、アナペイン ... 手術終了時に、通常 、成人に6mL/h(塩酸ロピバカイン無水物として12mg/h)を硬膜外腔に持続投与する。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アナペイン注7.5mg/mL
組成
成分・含量(1mL中)
- ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)7.5mg(0.75%)
添加物(1mL中)
禁忌
[共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
[硬膜外麻酔]
- 大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある。]
- 注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
- 敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
効能または効果
アナペイン注7.5mg/mL:麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)
アナペイン注10mg/mL:麻酔(硬膜外麻酔)
- <アナペイン注7.5mg/mL>
- 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 伝達麻酔には、通常、成人に1回40mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- <アナペイン注10mg/mL>
- 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 本剤に血管収縮剤(アドレナリン)を添加しても、作用持続時間の延長は認められない。
慎重投与
[共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- 高齢者(「高齢者への投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
- 全身状態が不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある。]
- 重篤な肝機能障害又は腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる。]
[硬膜外麻酔]
- 中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄・脊椎に腫瘍又は結核等のある患者[硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。]
- 血液凝固障害や抗凝血薬投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがあるので、やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。]
- 脊柱に著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難であるので、やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
- 妊産婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 腹部腫瘤のある患者[仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがあるので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
- 重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすいので、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
重大な副作用
- ショック(頻度不明):徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
- 意識障害、振戦、痙攣(0.1%未満):意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「過量投与」の項参照)
- 異常感覚、知覚・運動障害(0.1〜1%未満):注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔及び術後鎮痛では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
薬効薬理
ロピバカイン塩酸塩の局所麻酔薬としての特徴
- ロピバカイン塩酸塩は、局所麻酔薬では最初のS(-)-エナンチオマーで、脂質親和性が比較的低く、アミド型の長時間作用性局所麻酔薬に属する16)。本薬はS(-)-エナンチオマーであるため、神経膜ナトリウムチャンネルに対する作用選択性が高く、心筋ナトリウムチャンネルへの作用は弱い17)。これに対し、同じ長時間作用性のブピバカイン塩酸塩はラセミ体でかつ脂質親和性が高いため、神経膜のナトリウムチャンネルばかりでなく心筋ナトリウムチャンネルへの作用も強く持続的である17)。また、ブピバカイン塩酸塩は脂質親和性が高いため、運動神経の厚い髄鞘・神経膜、並びに、血液脳関門を透過しやすく、持続的で強い運動神経遮断作用及び中枢作用(痙攣誘発作用)を示すと考えられる。これら作用様式の違いにより、髄鞘が無いか又は薄い痛覚神経に対する本薬の遮断作用はブピバカイン塩酸塩と同程度で、運動神経に対する遮断作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱く、高用量の静脈内投与時の痙攣誘発作用及び不整脈誘発作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱いと考えられる。
局所麻酔作用
- ロピバカイン塩酸塩の硬膜外麻酔作用及び伝達麻酔作用はブピバカイン塩酸塩と同程度であった。イヌ18)及びヒツジ19)への硬膜外投与において、本薬(5及び7.5mg/mL)の硬膜外麻酔作用の持続時間はブピバカイン塩酸塩(5及び7.5mg/mL)と同程度であった。モルモット坐骨神経20)及び腕神経叢21)において、本薬(5mg/mL)の伝達麻酔作用の持続時間はブピバカイン塩酸塩(5mg/mL)と同程度であった。
- ロピバカイン塩酸塩の痛覚神経遮断作用はブピバカイン塩酸塩と同程度で、運動神経遮断作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱かった。ウサギ副交感神経標本において、ロピバカインはC線維(無髄線維;主として痛覚神経)の活動電位に対してブピバカインと同程度の抑制作用を示したが、A線維(有髄線維;主として運動神経)の活動電位に対する抑制作用はブピバカインに比べて弱かった22)。また、下腹部開腹手術患者にロピバカイン塩酸塩2mg/mL製剤を持続硬膜外投与した結果、安定した痛覚遮断効果が得られたが、投与終了時の運動神経遮断の程度は弱かったことから、術後鎮痛に有用であると考えられた23)。
中枢神経系及び心循環器系への影響
- 高用量静脈内投与時のロピバカイン塩酸塩の痙攣誘発作用及び不整脈誘発作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱かった。静脈内投与試験における本薬の痙攣誘発作用(ラット24)、イヌ25)及びヒツジ26))及び不整脈誘発作用(イヌ25))はブピバカイン塩酸塩よりも弱かった。また、健康成人男子(外国人)に本剤を静脈内持続投与し、ブピバカイン塩酸塩と比較した結果、本剤は中枢神経系及び心循環器系への影響がブピバカイン塩酸塩よりも弱く、忍容性の高いことが認められた27),28)。
- ロピバカイン塩酸塩の硬膜外投与時の血圧低下作用はブピバカイン塩酸塩と同程度であった。イヌへの硬膜外投与試験において、本薬(10mg/mL)は投与前値に比べて血圧を31%低下させ、ブピバカイン塩酸塩(7.5mg/mL)は25%低下させたが、両群間に統計的に有意な差は認められなかった29)。一方、患者を対象とした硬膜外麻酔試験において、本剤(5又は7.5mg/mL)は基準値に比べて血圧を約20%低下させ、その作用は同濃度のブピバカイン塩酸塩と同程度であった30)。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:ロピバカイン塩酸塩水和物 (Ropivacaine Hydrochloride Hydrate)(JAN)
- 化学名:(S)-N-(2,6-Dimethylphenyl)-1-propylpiperidine-2-carboxamide monohydrochloride monohydrate
- 構造式:
- 分子式:C17H26N2O・HCl・H2O
- 分子量:328.88
- 融点 :約263℃(分解)
- 性状 :ロピバカイン塩酸塩水和物は白色の結晶性の粉末で、水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくい。