出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/05 17:45:33」(JST)
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レーヨン (rayon) は絹に似せて作った再生繊維であり、昔は人絹(じんけん、人造絹糸)、ステープル・ファイバーからスフとも呼ばれていた。レーヨンは光線(英:ray)と綿 (cotton) を組み合わせた言葉である。
パルプやコットンリンターなどのセルロースを水酸化ナトリウムなどのアルカリと二硫化炭素に溶かしてビスコースにし、酸の中で紡糸して(湿式紡糸)製造する。ポリエステルなど石油を原料とした化学繊維と違い、加工処理したあと埋めると土に還る。そのため、レーヨン自体は環境に負荷をかけない繊維とされるが、製造時の二硫化炭素の毒性や、強度が低いことなどが問題となっていたことと、日本においては原料パルプを針葉樹に求めていたため製造は中止された。その一方で、レンチングリヨセル社がN-メチルモルホリン-N-オキシドを溶媒としたリヨセルを開発し、最近では高級品として広がりつつある。日本固有のセルロース繊維としてはキュプラがあり、コットンリンターを原料としたパルプを銅アンモニア溶液に溶かし、細孔から水中に押し出した再生繊維である。これは銅アンモニアレーヨンの一種である。絹に似た光沢・手触りが特徴。洋服の裏地などに用いられる。
ニトロセルロースを揮発性の有機溶媒に溶かしたものをピロキシリンと呼ぶ。ピロキシリンは、その呼び名がギリシア語の pyr(火)とxylon(木)に由来したように燃えやすい化合物であった。ピロキシリンを小さい孔から噴出させると溶媒は瞬時に蒸発し、ピロキシリンの細い光沢ある繊維が得られた。これは最初の化学繊維で、1855年にフランスのイレール・ド・シャルドネ(Hilaire de Chardonnet)により「レーヨン」として特許が取得されているが、きわめて燃えやすく危険で、レーヨンのドレスを着た人間が火だるまになるという事故が続出し、第一次世界大戦前までには生産は中止された。その後燃えにくい繊維が開発され実用化されたので、ピロキシリンは原料として使用されなくなった。現在のレーヨンはセルロースそのものを再配列したもので再生繊維と呼ばれる。
また、ピロキシリンは化学繊維から医薬部外品に活躍の場を移し、数種の添加物を加えた上で液体絆創膏・水絆創膏として現在も販売されている。
ポータル ファッション |
日本の繊維メーカはかつてレーヨンを主力商品にしており、社名にその名残のある会社がある。
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リンク元 | 「rayon」「レイヨン」 |
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