- 英
- lanolin
- ラ
- lanolinum
- 同
- 精製ラノリン anhydrous lanolin
WordNet
- a yellow viscous animal oil extracted from wool; a mixture of fatty acids and esters; used in some ointments and cosmetics (同)wool fat, wool grease
- an emollient containing wool fat (a fatty substance obtained from the wool of sheep)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/12/15 00:36:36」(JST)
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ラノリン (Lanolin) は、ウールに覆われた動物の皮脂腺から分泌される蝋である。英語ではwool wax、wool greaseとも呼ばれる。ラテン語でウールを意味するlānaと、油を意味するoleumに由来する。
人類によるラノリンの利用は、ウール生産を目的とした家畜羊の飼育から始まった。歴史的には、多くの薬局方がラノリンをwool fat (adeps lanae) としているが、実際はラノリンはグリセリドを欠き、真の脂質ではない[1][2]。代わりに、ラノリンは主にステロールのエステルで構成されている[3]。ラノリンの持つ防水性のため、ヒツジの皮は水を弾く。特定の品種のヒツジは、多量のラノリンを生産する。繊維の直径とラノリンの量には、逆相関の関係がある。
自然界におけるラノリンの役割は、ウールと表皮を気候や環境から守ることである。また、外皮系の衛生にも寄与していると考えられている[1]。ラノリンとその多くの誘導体は、ヒトの皮膚の保護、美容製品にも広く用いられている[1]。
目次
- 1 組成
- 2 利用
- 3 製造
- 4 出典
- 5 外部リンク
組成
高純度のラノリンは、重量で約97%の長鎖の脂質エステルであり、残りはラノリンアルコール、ラノリン酸、ラノリン炭化水素等である[1]。
ラノリン中には、これまでに200程度の異なるラノリン酸と100程度の異なるラノリンアルコールが同定されており、そのため約8,000から2万と推定される異なるタイプのラノリンエステルが存在する[1][2]。
長鎖エステル、ヒドロキシエステル、ジエステル、ラノリンアルコールからなるラノリンの複雑な組成は、それ自体が価値のある製品であるとともに、幅広い性質を持つ様々な物質の合成の出発物質となる。主な誘導体化法には、加水分解、分画結晶化、水素化、アルコキシル化[4]、四級化[1][2][5]等がある。これらのプロセスにより得られるラノリン誘導体は、高付加価値の化粧品やスキンケア製品に用いられる。
ラノリンの加水分解により、ラノリンアルコールとラノリン酸が得られる。ラノリンアルコールは、皮膚脂質の重要な成分であるコレステロールを多く含み、強力な乳化剤でもあり、スキンケア製品として100年以上も使われてきた。特に、ラノリン由来の酸の約40%はα-ヒドロキシ酸 (AHA) であり[1][2]、スキンケア製品へのAHAの利用は、近年大きな注目を集めている。ラノリンから単離されるAHAの詳細は、以下の表の通りである。
ラノリン酸の種類 |
炭素鎖の長さ |
同定数 |
通常 |
C13–C24 |
12 |
イソ |
C13–C23 |
6 |
アンテイソ |
C12–C24 |
7 |
利用
ラノリンとその多くの誘導体は、化粧品やヘルスケア製品に用いられてきた。また、「潤滑油、錆止め剤、靴磨き剤等のパーソナルケア製品やヘルスケア製品、その他の市販製品」でも見られる[6]。
ラノリンは比較的一般的なアレルゲンで、羊毛のアレルギーと誤解されることも多い。しかし、ラノリンを含む製品へのアレルギーを正確に示すことは難しく、ラノリンのアレルギーが疑われる時にはパッチテストが行われる[6]。また、赤ちゃんのスキンケアや母親の乳頭痛の治療にも用いられる[7]。
産業的には、錆止め剤や潤滑剤等の多数の製品に用いられる。また、スクリュープロペラや船尾の歯車に蔓脚類を付着させないために、滑りやすい表面にするため用いられることもある。さらにその防水性のため、腐食が問題になる場所での潤滑剤グリースとして重要である。
照射によりコレカルシフェロールを生産するための原料としても用いられる。野球選手は、グローブを柔らかくするために、よくシェービングクリームにラノリンを混ぜたものを用いる。
無水ラノリンは、金管楽器の変調スライドの潤滑剤としても用いられる。またラノリンは、布おむつ等のウール製品に防水性や防汚性を持たせるために用いられる。
カーメックス等のリップクリームにも用いられているが、唇がヒリヒリする人もいる。
牛脚油、蜜蝋、グリセリン等と混合したものは、皮革処理に用いられる。
製造
粗ラノリンは、重量で刈られたウールの5-25%を占める。1頭のメリノ種のウールから約250-300 mLのウールグリースが得られる。ラノリンは、特殊な界面活性剤とともにウールを熱水で洗うことで抽出される。ウールグリースはこの洗浄過程で遠心分離により分離され、融点約38℃のワックス状の物質に濃縮される。
出典
- ^ a b c d e f g Udo Hoppe, ed (1999). The Lanolin Book. Hamburg: Beiersdorf AG. ISBN 978-3931146054.
- ^ a b c d Barnett G (1986). “Lanolin and Derivatives”. Cosmetics & Toiletries 101: 21–44.
- ^ Riemenschneider, Wilhelm; Bolt, Hermann M. (2005). “Esters, Organic”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. doi:10.1002/14356007.a09_565.pub2.
- ^ BASF website – Alkoxylation: Reaction of ammonia or amines with ethylene oxide or propylene oxide to produce aminoalcohols. The process is also adaptable to produce specialty aminoalcohols from other epoxides
- ^ Meriam-Webster medical dictionary – quaternise: to convert (as an amine) into a quaternary compound
- ^ a b Zirwas MJ, Stechschulte SA (2008). “Moisturizer allergy: diagnosis and management”. J. Clin. Aesthet. Dermatol. 1 (4): 38–44. PMC 3016930. PMID 21212847. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3016930.
- ^ “HPA® Lanolin Cream”. (2014). Retrieved December 1st, 2014, from Lansinoh: https://www.lansinoh.com/products/hpa-lanolin
外部リンク
- Lanolin.com – Comprehensive view on history, manufacturing and applications
- MedlinePlus Encyclopedia Lanolin poisoning
化粧品 |
スキンケア |
洗顔料 - クレンジング - コールドクリーム - 化粧水 - 柔軟化粧水 - 乳液 - 美容液 - クリーム - サンスクリーン剤 - アフターシェーブローション - シェービングソープ - シェービング・オイル - ケミカルピーリング
|
|
メイクアップ |
化粧下地 - ファンデーション - コンシーラー - 水おしろい - おしろい - ドーラン - 眉墨 - マスカラ - アイライン - アイシャドーベース - アイシャドー - ノーズシャドー - アイプチ - つけまつげ - 口紅 - リップグロス - リップペンシル - 頬紅 - コントロールカラー
|
ヘアケア |
髪型 - シャンプー - ドライシャンプー - 冷やしシャンプー - コンディショナー - リンスインシャンプー - トリートメント - ヘアカラートリートメント - ヘアカラー - 整髪料 - 髪油 - ポマード - ヘアトニック - 染髪 - かつら - ヘアーエクステンション - パーマ - 縮毛矯正
|
ネイルケア |
マニキュア - ベースコート - トップコート - キューティクルリムーバー - キューティクルオイル - ネイルアート - スカルプチュア - ネイルチップ - 爪切り - 爪やすり
|
オーラルケア |
歯ブラシ - 歯間ブラシ - 糸ようじ - 歯磨剤 - 洗口液
|
その他 |
香水 - オーデコロン - デオドラント - ベビーパウダー - リップクリーム - 石鹸 - ワセリン - 椿油 - 馬油 - オリーブ・オイル - アルガン油 - ホホバ油 - ココアバター - シアバター - 鉱油 - 油 - 蜜蝋 - 蝋 - 木蝋 - パラフィン - ラノリン - 保湿剤(英語版) - 美白 - カモフラージュメイク - アンチエイジング - 脱毛 - 剃毛 - 装身具 - トイレタリー
|
歴史的 |
お歯黒 - 引眉 - 隈取 - 臉譜
|
道具一覧 |
チークブラシ - 眉ブラシ - マスカラコーム - パウダーパフ - アイラッシュカーラー - リップブラシ - 櫛 - ヘアブラシ - ヘアドライヤー - ヘアーアイロン - スキ鋏 - 笄 - 簪 - 毛抜き - 脱毛機 - 剃刀 - 安全剃刀 - バリカン - 手鏡 - 鏡 - 洗顔用泡立てネット - あぶらとり紙 - 蒸しタオル
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- まつ毛エクステンション用接着剤による接触皮膚炎の1例
- ジャパニーズスタンダードアレルゲン (2008) 2013年度・2014年度陽性率
- GA3+4 および GA4+7 のプロヘキサジオンカルシウム剤との単独または混合処理がニホンナシ'幸水'の果実成長に及ぼす影響
Related Links
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- 精製ラノリン、lanolin 羊毛から得た脂肪様物質を精製したもので、淡黄色の軟膏様の物質である。主成分は、コレステロール、イソコレステロール、高級脂肪酸、高級アルコールおよびそのエステルで、抱水性に優れ、自重の2倍量の水 ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エキザルベ
組成
成分・含量(1g中)
- 混合死菌浮遊液:0.166mL
大腸菌死菌:約1.5億個
ブドウ球菌死菌:約1.5億個
レンサ球菌死菌:約0.15億個
緑膿菌死菌:約0.15億個を含有
ヒドロコルチゾン:2.5mg
添加物
禁忌
(次の場合には使用しないこと)
- 皮膚結核、単純疱疹、水痘、帯状疱疹、種痘疹〔本剤に含まれるヒドロコルチゾンはこれらの疾患を悪化させるおそれがある〕
- 真菌症(カンジダ症、白癬等)〔本剤に含まれるヒドロコルチゾンは真菌症(カンジダ症、白癬等)を悪化させるおそれがある〕
- 本剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
- 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷〔本剤に含まれるヒドロコルチゾンはこれらの疾患、症状の治癒を遅延させるおそれがある〕
効能または効果
湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している下記疾患
- 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、熱傷、術創
湿疹様変化を伴う膿皮症(感染性湿疹様皮膚炎、湿疹様膿痂疹)
- 通常、1日1〜数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。
なお、症状により適宜増減する。
薬効薬理
- 本剤の局所感染防御作用、肉芽形成促進作用及び抗炎症作用は、混合死菌浮遊液及びヒドロコルチゾンの協力作用に基づく2)。(ラット、マウス)
- 混合死菌浮遊液は白血球遊走能を高め3)、局所感染防御作用を示す2)。(in vitro、マウス)
- 混合死菌浮遊液は、肉芽形成促進作用により創傷治癒を促進する2)。(ラット)
- ヒドロコルチゾンは血管透過性亢進抑制、浮腫抑制等の抗炎症作用を有する2)。(ラット)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- adeps lanae purificatus
- 商
- エキザルベ、プロクトセディル、ポステリザン、メンタームQ、強力ポステリザン
- 関
- ラノリン。鎮痛,鎮痒,収歛,消炎剤
- 羊毛から得た脂肪様物質を精製したもの
- コレステロール、イソコレステロール、高級脂肪酸、高級アルコールおよびそのエステルなどから構成される
- 抱水性に優れ、自重の2倍量の水と混和することができる
- 皮膚粘着性が良く、軟膏剤の医薬品添加物として用いられる
- 油性基剤に水溶性薬物を配合するとき、薬物水溶液をラノリンに吸収させ、それを油性基剤に混ぜたりして用いられる。
- 分泌液の吸収効果を期待して、分泌液の多い患部に適用される。
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3