- 英
- myelin
- 関
- 髄鞘
WordNet
- a white fatty substance that forms a medullary sheath around the axis cylinder of some nerve fibers (同)myeline, medulla
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/05 22:04:31」(JST)
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髄鞘をもつ末梢ニューロンの模式図。軸索にシュワン細胞が幾重にも巻き付くことによって髄鞘が形成されている。 |
樹状突起
細胞体
軸索
核
ランヴィエ絞輪
軸索末端
シュワン細胞
ミエリン鞘
|
神経科学において髄鞘 (ずいしょう、myelin sheath) は、脊椎動物の多くのニューロンの軸索の周りに存在する絶縁性のリン脂質の層を指す。 ミエリン鞘とも言う。コレステロールの豊富な絶縁性の髄鞘で軸索が覆われる[1]ことにより神経パルスの電導を高速にする機能がある。
髄鞘はグリア細胞の一種であるシュワン細胞とオリゴデンドロサイト (乏突起または稀突起グリア細胞、en:oligodendrocyte) からなっている。 シュワン細胞は末梢神経系の神経に髄鞘を形成し、一方オリゴデンドロサイトは中枢神経系の神経での髄鞘を形成している。 大脳では大脳皮質の内側に髄鞘化された神経細胞の軸索の線維が集まっており、髄鞘中のリン脂質によって見た目が相対的に白く見えるので、白質と呼ばれている。
神経細胞の構造図 en:Dendrites=樹状突起、en:Rough ER (en:Nissl body)=粗面小胞体(ニッスル小体)、en:Polyribosomes=ポリリボソーム、en:Ribosomes=リボソーム、en:Golgi apparatus=ゴルジ体、en:Nucleus=細胞核、en:Nucleolus=核小体、en:Membrane=膜、en:Microtubule=微小管、en:Mitochondrion=ミトコンドリア、en:Smooth ER=滑面小胞体、en:Synapse (Axodendritic)=シナプス(軸索樹状突起) en:Synapse=シナプス、 en:Microtubule en:Neurofibrils=微小管ニューロフィラメント、en:Neurotransmitter=神経伝達物質、en:Receptor=受容体、 en:Synaptic vesicles=シナプス小胞、en:Synaptic cleft=シナプス間隙、 en:Axon terminal=軸索末端、en:Node of Ranvier =ランヴィエの絞輪 、en:Myelin Sheath(en:Schwann cell)=ミエリン鞘(シュワン細胞)、en:Axon hillock=軸索小丘、 en:Nucleus (en:Schwann cell)=細胞核(シュワン細胞)、en:Microfilament=マイクロフィラメント、en:Axon=軸索
目次
- 1 髄鞘の機能
- 2 脱髄疾患及び髄鞘形成不全疾患
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
髄鞘の機能
髄鞘は伝導性が低いために、髄鞘化されていることによって神経線維の内外の抵抗は5000倍に、静電容量は50分の1となる。この絶縁性の高い髄鞘が存在することの主たる機能は、髄鞘化された神経線維(有髄線維)に沿った神経パルスの伝導速度が速くなることである。線維は完全に髄鞘に覆われているわけではなく、数十 µm から数 mm おきに存在する間隙を残して髄鞘化されている。この間隙はランヴィエの絞輪と呼ばれている。髄鞘化されていない線維では神経パルスは連続的に伝わるが、線維がランヴィエの絞輪を残して髄鞘化され絶縁されることによって、パルスはこれらの間隙の間を跳躍的に伝導する。これを跳躍伝導という。ランヴィエの絞輪にはパルスの伝導にかかわるイオンチャネルが特に多く存在している。髄鞘が傷害される脱髄疾患では神経の伝導速度が低下するため、多様な症状が起こることとなる。
また髄鞘は軸索から電流が漏れ、短絡することを防ぐ、電線の絶縁材のような働きをしている。 さらに末梢の神経線維が切断されたときにも、髄鞘は線維が再生するための経路を確保する。しかし哺乳類の中枢神経系では髄鞘化されているかどうかに関わらず線維は再生しない。
スフィンゴ脂質の一種であるスフィンゴミエリン(Sphingomyelin)(SPH)は、動物の細胞膜中に存在しており、特に神経細胞の軸索を膜状に覆うミエリン鞘の構成成分としてよく知られている。
脱髄疾患及び髄鞘形成不全疾患
詳細は「脱髄疾患」を参照
脱髄は、神経を絶縁しているミエリン鞘の崩壊であり、白質ジストロフィ(en:Leukodystrophy)、シャルコー・マリー・トゥース病のような多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、横断性脊髄炎(en:transverse myelitis)、慢性炎症性脱髄性多発性神経炎、ギラン・バレー症候群、中央脳梁ミエリン症(en:central pontine myelinosis)、遺伝性脱髄疾患を含む代表的な神経変性である自己免疫疾患である。悪性貧血を罹患している患者は、迅速に適切な診断がなされなければ、神経損傷をも罹患することになる。悪性貧血に続く亜急性連合性脊髄変性症は、些細な末梢神経障害から会話、認識、意識などをつかさどる中枢神経に重大な損傷を与えることができる。ミエリンが崩壊すると、神経に沿った信号伝達が障害を受け、失われ、ついには神経が失われてしまう。
腫瘍壊死因子(TNF)[2]やインターフェロンの指令を受けたサイトカインの過剰生産により脱髄を生じさせている炎症を含めた疾患が免疫系の関連で脱髄に関係しているかもしれない。
脚注
- ^ コレステロールの体内での働きは? - よくある質問 (財団法人日本食肉消費総合センター)
- ^ Ledeen RW, Chakraborty G (March 1998). "Cytokines, Signal Transduction, and Inflammatory Demyelination: Review and Hypothesis". Neurochem. Res. 23 (3): 277–89. doi:10.1023/A:1022493013904. PMID 9482240.
参考文献
- 『生理心理学』、サイエンス社、岡田隆・廣中直行・宮森孝史 共著
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 脊髄長大病変を有し抗アクアポリン-4抗体陰性の小児多発性硬化症の一例
- 鈴木 恵子/富沢 尚子/新井 麻子/上田 哲/梅津 亮二/杉原 茂孝
- 東京女子医科大学雑誌 83(E1), E331-E335, 2013-01-31
- … sclerosis;MS)に対する診断マーカーとして注目されている.症例は15歳の女子.13歳6ヶ月時に,四肢のしびれ,脱力,めまい,構音障害を主訴に入院した.髄液検査では細胞数は15.7μLで,蛋白は40.6mg/dLであったが,ミエリン塩基性蛋白は高値,オリゴクローナルバンドは陽性であった.MRI画像で両側大脳皮質下白質および深部白質,左尾状核,右中脳などに脱髄病変を多発性に認めた.さらに頸髄ではC3?C6にかけてLSCLを認めた.メチルプ …
- NAID 110009559427
- 血液疾患と脳神経疾患 M蛋白血症と末梢神経障害 (特集 内科疾患と脳神経疾患 : 診断と治療の進歩)
Related Links
- 栄養・生化学辞典 - ミエリンの用語解説 - ミエリン鞘の構成成分で,コレステロール,リン脂質,スフィンゴリピド,ホスファチドから構成される脂質ラメラとタンパク質の複合体. ... ミエリン みえりん myelin 有髄神経細胞の突起で ...
- 上:中枢神経系の髄鞘(ミエリン鞘)はオリゴデンドロサイトからなり、神経細胞の軸索を覆っており、神経信号の高速伝達に重要な役割を果たしている。 下:脱髄疾患ではミエリンが消失し(脱ミエリン化)、神経信号の ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vitamin B12
- 同
- コバラミン cobalamin
- 商
- アリチア配合
- 関
- シアノコバラミン、悪性貧血、ビタミン、メチルコバラミン
吸収
- 食物(コバラミン+蛋白質)→胃(コバラミン)+壁細胞が分泌する糖タンパク;内因子→コバラミン-内因子複合体→回腸 (SP.742)
- 回腸上皮細胞の刷子縁膜にコバラミン-内因子複合体に特異的なレセプターが存在 (SP.742)
- 細胞内ではβグロブリン(トランスコバラミン II)と結合して血中に入り組織に運ばれる (SPC.280, SPC.742)
部位: ビタミンB12は回腸。 葉酸は空腸。 鉄も空腸、ついでに十二指腸でも。
機能
- コバラミン依存の酵素は全部で十数種ある。コバラミン依存の酵素は分子内転移、メチル転移を触媒 (FB.387)
- 正常ミエリンの維持 (SPC.280)
- 葉酸の代謝(葉酸は核酸代謝に関わっている) (SPC.280)
- 奇数脂肪酸の酸化 (FB.386)
- メチルマロニルCoAムターゼの補酵素(奇数脂肪酸の酸化)
補酵素
必要量
- 一日の消費量(排泄):1-3ug (体の貯蔵量の-0.1%) (HIM.643)
- 体に貯蔵されてる量:2-3mg → 摂取しなくとも3-4年は欠乏しない
基準値
- 260-1,050pg/ml(192-775pmol/ml)
判定
低値
- 悪性貧血(内因子抗体、壁細胞抗体?)
- 胃切除後
- 萎縮性胃炎
- 吸収不良をきたす病態:クローン病、セリアック病、吸収不良症候群
高値
- 血液疾患:顆粒球増加を示す疾患 ← 顆粒球由来のビタミンB12輸送蛋白(トランスコバラミン?)が増加するため(QB.G-257)、崩壊した白血球から放出するため(YN.G-53)
臨床関連
[★]
- 英
- luxol fast blue stain
- 同
- ルクソール・ファスト青染色、LFB染色
- 関
- ルクソール・ファストブルー液、染色法
- ミエリンの染色に用いられる
- ミエリンの塩基性のリポプロテインと塩基性の染色剤との置換により染色される。
- ミエリンは青、好中球はピンク、神経細胞は紫に染まる
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/17/Pons_-_very_high_mag.jpg/800px-Pons_-_very_high_mag.jpg
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/Luxol_fast_blue_stain
[★]
- 英
- myelin sheath, medullary sheath
- 同
- ミエリン鞘、シュワン鞘
- 関
- ミエリン myelin
臨床関連
[★]
- 英
- myelinolysis
- 関
- ミエリン、ミエリン溶解性、融解症
[★]
- 英
- myelinated fiber
- 関
- ミエリン
[★]
- 英
- myelination、myelinated
- 関
- 髄鞘形成、ミエリン形成、有髄、有髄化、ミエリン鞘形成
[★]
- 英
- sphingomyelin phosphodiesterase
- 関
- スフィンゴミエリン分解酵素、スフィンゴミエリナーゼ
[★]
- 英
- myelin proteolipid protein
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3