- 英
- pemetrexed
- 商
- アリムタ
- 関
- 代謝拮抗剤
- 悪性胸膜中皮腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
添付文書
- アリムタ注射用100mg/アリムタ注射用500mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4229401D1020_1_05/4229401D1020_1_05?view=body
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ペメトレキセド
|
IUPAC命名法による物質名 |
(S)-2-[4-[2-(4-amino-2-oxo-3,5,7-triazabicyclo[4.3.0] nona-3,8,10-trien-9-yl)ethyl] benzoyl] aminopentanedioic acid |
臨床データ |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
?
|
投与方法 |
点滴静注 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
NA |
血漿タンパク結合 |
81% |
代謝 |
ほとんど代謝されない |
半減期 |
3.5時間 |
排泄 |
尿排泄 |
識別 |
CAS番号 |
137281-23-3 |
ATCコード |
L01BA04 |
PubChem |
CID 60843 |
DrugBank |
APRD00573 |
KEGG |
D07472 |
化学的データ |
化学式 |
C20H21N5O6 |
分子量 |
427.41 g/mol |
ペメトレキセド(pemetrexed)は、抗がん剤の一種。分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで細胞に傷害を与える医薬品(葉酸代謝拮抗剤)。点滴静注薬であり、主に悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌に対する治療薬として使われる。イーライリリー・アンド・カンパニーにより開発され、2ナトリウム7水和物が商品名アリムタ (Alimta) として製造・販売されている。MTAと略される。開発コード名はLY231514。
ペメトレキセドナトリウム水和物は白色〜微黄色または黄緑色の凍結乾燥された結晶性の粉末であり、化学式は C20H19N5Na2O6・7H2O、分子量は597.49 g/molである[1]。これを溶解して点滴静注で使用する。2004年2月5日米国食品医薬品局により悪性胸膜中皮腫への治療薬として米国で承認を受け[2]、さらに2004年8月19日非小細胞肺癌の治療薬として追加承認された[3]。その後、EU、オーストラリア、カナダ、タイ、シンガポール、中国、台湾等、多くの国で承認を受けた。
2006年6月26日日本イーライリリーは本薬剤の製造販売承認を厚生労働省に申請し、厚生労働省はアリムタを薬事承認の優先審査の対象とし、2007年1月4日悪性胸膜中皮腫治療薬[4][5]として製造販売承認した[6]。同年1月19日中央社会保険医療協議会は本薬剤を薬価基準収載し、アリムタ注射用 500 mg 1バイアルで240,649円と決定した。
目次
- 1 概要(製剤)
- 2 作用機序
- 3 臨床成績
- 4 脚注
- 5 外部リンク
概要(製剤)
- 化合物名: L-Glutamic acid, N-[4-[2-(2-amino-4,7-dihydro-4-oxo-1H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-5-yl)ethyl]benzoyl]-, disodium salt, heptahydrate
- 一般名: ペメトレキセド2ナトリウム7水和物
- 略称: MTA
- 化学式: C20H15N5Na2O6・7 H2O
- 分子量: 597.49
- CAS登録番号:150399-23-8
- 性状: 白色〜微黄色または黄緑色の凍結乾燥された結晶性の粉末。
作用機序
ペメトレキセドは葉酸に分子構造が類似している葉酸代謝拮抗剤である。
プリンおよびピリミジンの合成に使用される3つの酵素、すなわちチミジル酸生成酵素、ジヒドロフォレート還元酵素 (DHFR)、グリシンアミドリボヌクレオチド・ホルミル基転移酵素 (GARFT) を阻害することにより作用する。プリンおよびピリミジン・ヌクレオチド前駆体の合成を阻害することによって、正常な細胞および癌細胞の両方の成長および存続のために必要になるDNAとRNAの合成を防ぐ。
臨床成績
悪性胸膜中皮腫
456名の手術不能で未治療の悪性中皮腫患者(主に白色人種)を対象にした第III相臨床試験[7] にて、シスプラチンとペメトレキセド併用投与群226名では生存期間中央値12.1か月、無増悪期間中央値5.7か月、奏功率41.3%であり、シスプラチン単独投与群222名の生存期間中央値9.3か月、無増悪期間中央値3.9か月、奏功率16.7%を有意に上回り、また死亡リスクを23%減少させた。また、ビタミンB12製剤を併用することで、副作用が軽減された[7]。
非小細胞肺癌
既治療非小細胞肺癌患者171名を対象にした第III相臨床試験[8] にて、既治療非小細胞肺癌に対する標準療法であるドセタキセル投与群では生存期間中央値7.9か月、無増悪期間中央値2.9か月、奏功率8.8%であり、ペメトレキセド投与群は生存期間中央値8.3か月、無増悪期間中央値2.9か月、奏功率9.1%と、標準療法と比べて遜色がない結果であった。また副作用はドセタキセル投与群に比べて有意に少なかった。この結果より、ペメトレキセドは既治療非小細胞肺癌に対する標準療法の一つとなった。 2008年9月29日、米食品医薬品局(FDA)は米国において、扁平上皮癌以外の組織型を示す局所進行/転移性非小細胞肺癌に対して、ペメトレキセドを、シスプラチンとともに用いる第一選択薬として承認した。 注意すべきなのは、既に承認を得ていた局所進行/転移性非小細胞癌に対する第二選択としての単剤適用についても、対象が非扁平上皮癌に限定されたことである。
脚注
- ^ アメリカ食品医薬品局 (2007年). “ALIMTA pemetrexed for injection DESCRIPTION (PDF)”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ アメリカ食品医薬品局 (2004年2月5日). “FDA approves first drug for rare type of cancer”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ FDA approval for pemetrexed disodium - National Cancer Institute
- ^ 日本においては、2005年6月、アスベスト(石綿)を使った水道管や建材を製造していたクボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の元従業員や工場周辺住民に高率に悪性中皮腫が発症していたことが判明し、悪性中皮腫とアスベストの関連や、悪性中皮腫が増加傾向にあることが一般に広く知られ社会問題となった。
- ^ クボタ (2005年6月30日). “アスベスト(石綿)健康被害に関する当社の取り組みについて”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ 日本イーライリリー (2007年1月4日). “悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ®注射用 500mg」の承認を取得”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ a b Vogelzang NJ, Rusthoven JJ, Symanowski J, et al. (2003). "Phase III study of pemetrexed in combination with cisplatin versus cisplatin alone in patients with malignant pleural mesothelioma". J. Clin. Oncol. 21 (14): 2636–2644. PMID 12860938.
- ^ Hanna N, Shepherd FA, Fossella FV, et al. (2004). "Randomized phase III trial of pemetrexed versus docetaxel in patients with non-small-cell lung cancer previously treated with chemotherapy". J. Clin. Oncol. 22 (9): 1589–1597. PMID 15117980.
外部リンク
- Eli Lilly and Company ホームページ(英語)
- 日本イーライリリー株式会社 ホームページ
- Lilly Oncology (英語)
- Alimta (英語)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P-0140 ペメトレキセドによる発疹についての後ろ向き実態調査(一般演題 ポスター発表,がん薬物療法(副作用対策),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 廣上 典和,石川 智子,福武 純子,石川 見佳,石浦 嘉久,稲生 隆行
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 205, 2011-09-09
- NAID 50007984951
- P-0342 ペメトレキセドに及ぼす非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の影響(一般演題 ポスター発表,がん薬物療法(その他),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 伊藤 真子,宮崎 雅之,近藤 征史,長谷川 好規,永井 拓,山田 清文
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 238, 2011-09-09
- NAID 110008909810
Related Links
- ペメトレキサド(アリムタ)は葉酸とよく似た分子構造を持つ葉酸代謝拮抗剤で、DNAやRNAの合成に関与する酵素の働きを阻害して、がん細胞の増殖を抑えます。悪性胸膜中皮腫に対してシスプラチンと併用されます。
- アリムタ(ペメトレキセド)の作用機序:抗がん剤 高齢になるほどがんを発症する可能性が高くなり、がんによって多くの方が亡くなります。がんを治療するためには手術が基本であり、ここに放射線治療や薬を用いた化学療法を ...
- 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスのウェブサイトです ... インタビューフォーム 未承認薬使用問題検討会議での検討結果を受けて国内で治験準備中又は実施中の医薬品に関する情報
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アリムタ注射用100mg
組成
成分・含量
(1バイアル中):
- ペメトレキセドナトリウム水和物151.7mg
(ペメトレキセドとして108.5mg)
成分・含量
(1バイアル中)
添加物:
禁忌
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 高度な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、致命的となることがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。]
効能または効果
- 悪性胸膜中皮腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 術後補助化学療法における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 悪性胸膜中皮腫においては、がん化学療法既治療例における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌においては、扁平上皮癌等の組織型ごとの結果及び化学療法既治療例での結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、患者の選択を行うこと(【臨床成績】の項参照)。
悪性胸膜中皮腫
- シスプラチンとの併用において、通常、成人にはペメトレキセドとして、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 通常、成人にはペメトレキセドとして、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 本剤による重篤な副作用の発現を軽減するため、以下のように葉酸及びビタミンB12を投与すること。
- 葉酸:本剤初回投与の7日以上前から葉酸として1日1回0.5mgを連日経口投与する。なお、本剤の投与を中止又は終了する場合には、本剤最終投与日から22日目まで可能な限り葉酸を投与する。
- ビタミンB12:本剤初回投与の少なくとも7日前に、ビタミンB12として1回1mgを筋肉内投与する。その後、本剤投与期間中及び投与中止後22日目まで9週ごと(3コースごと)に1回投与する。
- シスプラチン以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。なお、シスプラチンは本剤投与30分後に75mg/m2(体表面積)を投与し、投与に際しては、シスプラチンの添付文書に従い腎毒性軽減のための処置等を行うこと。
- 悪性胸膜中皮腫に対して、本剤を単剤で使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。
- 欧米の添付文書中には、次表の減量基準の記載がある。
減量に関する推奨事項?次回のコース開始時の用量調節は、前回の投与コースでの最低血球数又は最大非血液毒性に基づき決定すること。回復に十分な時間をかけるために投与を延期してもよい。回復時には、表1、2、3のガイドラインに従い再投与を行うこと。これらは本剤を単剤又はシスプラチンとの併用で使用する際いずれにも適用する。
表1)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節?血液毒性
最低好中球数<500/mm3及び最低血小板数≧50,000/mm3
- 本剤及びシスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の75%
最低好中球数に関わらず最低血小板数<50,000/mm3
- 本剤及びシスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の75%
最低好中球数に関わらず出血を伴う最低血小板数<50,000/mm3
- 本剤及びシスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の50%
- 患者にグレード3以上の非血液毒性が発現した場合には、投与開始前の値以下に回復するまで本剤の投与を控えること。投与再開は表2のガイドラインに従うこと。
表2)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節?非血液毒性注1)、注2)
粘膜炎を除くグレード3又は4の毒性
- 本剤の用量(mg/m2):前回の用量の75%,シスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の75%
入院を要する下痢(グレードは問わない)又はグレード3若しくは4の下痢
- 本剤の用量(mg/m2):前回の用量の75%,シスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の75%
グレード3又は4の粘膜炎
- 本剤の用量(mg/m2):前回の用量の50%,シスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の100%
- 注1)米国国立癌研究所共通毒性規準(CTC)
- 注2)神経毒性を除く
- 神経毒性の発現時に推奨される本剤とシスプラチンの用量調節を表3に示す。グレード3又は4の神経毒性が認められた場合には投与を中止すること。
表3)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節?神経毒性
CTCグレード:0?1
- 本剤の用量(mg/m2):前回の用量の100%,シスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の100%
CTCグレード:2
- 本剤の用量(mg/m2):前回の用量の100%,シスプラチンの用量(mg/m2):前回の用量の50%
- 2回の減量後にグレード3若しくは4の血液毒性あるいは非血液毒性が認められた場合又はグレード3若しくは4の神経毒性が観察された場合は直ちに本剤の投与を中止すること。
(注射液の調製法)
- 本剤1バイアルに日局生理食塩液を、アリムタ注射用100mgの場合4.2mL、アリムタ注射用500mgの場合20mLを注入して十分に溶解する。溶解後のペメトレキセド濃度は25mg/mL(実測値)である。投与量に応じて必要量の溶解液を抜き取り、日局生理食塩液に混和して100mLとして用いる。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
- 間質性肺炎、肺線維症、又はこれらの疾患の既往歴のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
- 胸水又は腹水が認められる患者[「重要な基本的注意」の項参照]
- 腎障害のある患者[本剤は主として腎より排泄される。腎障害の程度に応じて本剤の血中濃度の増加が認められている。クレアチニン・クリアランスが45mL/min未満の患者については十分なデータがない。]
- 肝障害のある患者[安全性についての十分なデータがない。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
- 骨髄抑制:白血球減少(71.6%)、好中球減少(64.4%)、ヘモグロビン減少(54.2%)、リンパ球減少(51.1%)、血小板減少(46.2%)、貧血、発熱性好中球減少、汎血球減少症があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。注)
- 感染症:敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。注)
- 間質性肺炎(3.6%):間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。注)
- ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、血圧低下、発疹、発赤、そう痒感等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。注)
- 重度の下痢(1.3%):重度の下痢があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。注)
- 脱水(1.3%):脱水があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬、補液、電解質投与等適切な処置を行うこと。注)
- 腎不全:クレアチニン上昇(7.1%)、腎不全、クレアチニン・クリアランス低下があらわれることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。注)
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。注)
- 注)非小細胞肺癌を対象とする国内臨床試験において認められた副作用については発現頻度を記載した。
薬効薬理
抗腫瘍効果
In vitro試験
- 本剤はヒト中皮腫細胞に対して抗腫瘍活性を示し9)、更にシスプラチンとの併用で抗腫瘍効果の増強がみられた。また、各種ヒト由来非小細胞肺癌株(細気管支肺胞上皮癌、腺癌、大細胞肺癌、扁平上皮癌)に対しても濃度に依存して腫瘍増殖抑制作用を示した10)。
In vivo試験
- 本剤は、腹側皮下にヒト由来非小細胞肺癌(H2122腺癌)を移植した異所移植ヌードマウスの腫瘍増殖を有意に抑制した。また、同細胞株を左肺に移植した同所移植ヌードラットにおいて延命作用を示した10)。
作用機序
- ペメトレキセドは、複数の葉酸代謝酵素を同時に阻害することによりDNA合成を阻害して抗腫瘍効果を発揮する。本剤は細胞内に取り込まれた後にポリグルタミン酸化を受け11),12)、チミジル酸シンターゼ(TS)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ(GARFT)などを阻害する13)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ペメトレキセドナトリウム水和物(JAN)
Pemetrexed Sodium Hydrate
化学名:
- Disodium N-{4-[2-(2-amino-4-oxo-4,7-dihydro-1H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-5-yl)ethyl]benzoyl}-L-glutamate heptahydrate
分子式:
分子量:
- 597.48
- 白色の粉末又は塊である。
水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。