- 英:Hepadnaviridae
- 関
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/07 15:39:01」(JST)
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ヘパドナウイルス科(へぱどなういるすか、Family Hepadnaviridae)とはウイルスの1科。ヘパドナウイルス科の名前は肝臓を標的として肝細胞内で増殖することにちなむ(肝向性、英:hepatotropism)。そのビリオンは直径40~48nmの球形粒子でありエンベロープを有する。部分的に一本鎖領域のある二本鎖DNAをゲノムとする。耐熱性が高く、60℃で数時間処理しても失活しない。ヘパドナウイルス科のウイルスのゲノムDNAは宿主細胞質内でビリオンに含まれるDNAポリメラーゼにより完全な二本鎖DNAとなり、マイナス鎖DNAからプラス鎖RNAが転写され、このプラス鎖RNAから再びマイナス鎖DNAが逆転写される。このマイナス鎖DNAを鋳型としてプラス鎖DNAが合成されるが、完全な二本鎖DNAとなる前に細胞から放出されるため、ビリオンに含まれるウイルスゲノムは不完全な二本鎖DNAとなる。
分類
- Genus Orthohepadnavirus
- B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus)など
- Genus Avihepadnavirus
- アヒルB型肝炎ウイルス(Duck hepatitis B virus)など
- 未分類
- ロスガチョウB型肝炎ウイルス(Ross's goose hepatitis B virus)
関連項目
参考文献
- 鹿江雅光ほか編集 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
- 大里外誉郎 『医科ウイルス学 改訂第2版』 南江堂 2000年 ISBN 4524214488
- 原澤亮 「動物ウイルスの新しい分類(2005)」 『獣医畜産新報』 58号 921-931頁 2005年 ISSN 0447-0192
ウイルスの分類(ボルティモア分類) |
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DNA |
I: 2本鎖DNAウイルス (dsDNA) |
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カウドウイルス目
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マイオウイルス科 - サイフォウイルス科 - ポドウイルス科
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有エンベロープ: ヘルペスウイルス科 - ポックスウイルス科 無エンベロープ: アデノウイルス科 - パピローマウイルス科 - ポリオーマウイルス科
未分類: アスコウイルス科 - アスファウイルス科 - バキュロウイルス科 - コッコリスウイルス科 - コルチコウイルス科 - フセロウイルス科 - グッタウイルス科 - イリドウイルス科 - リポスリクスウイルス科 - ニマウイルス科 - フィコドナウイルス科 - プラズマウイルス科 - ルディウイルス科 - テクティウイルス科
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II: 1本鎖DNAウイルス (ssDNA) |
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有エンベロープ: パルボウイルス科(パルボウイルスB19)
未分類: サーコウイルス科 - ジェミニウイルス科 - イノウイルス科 - ミクロウイルス科 - ナノウイルス科
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RNA |
III: 2本鎖RNAウイルス (dsRNA) |
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レオウイルス科(ロタウイルス) - ビルナウイルス科 - クリソウイルス科 - シストウイルス科 - ハイポウイルス科 - パルティティウイルス科 - トティウイルス科
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IV: 1本鎖RNA+鎖 ((+)ssRNA) |
|
ニドウイルス目
|
コロナウイルス科 - アルテリウイルス科 - ロニウイルス科
|
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トガウイルス科(風疹ウイルス) - フラビウイルス科 - ピコルナウイルス科(エンテロウイルス, ライノウイルス) - カリシウイルス科 - アストロウイルス科 - へペウイルス科 - バルナウイルス科 - ブロモウイルス科 - カルシウイルス科 - クロステロウイルス科 - コモウイルス科 - ディシストロウイルス科 - フレキシウイルス科 - レビウイルス科 - ルテオウイルス科 - マルナウイルス科 - ナルナウイルス科 - ノダウイルス科 - ポティウイルス科 - セキウイルス科 - テトラウイルス科 - トンブスウイルス科 - ティモウイルス科
|
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|
|
V: 1本鎖RNA-鎖 ((−)ssRNA) |
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モノネガウイルス目
|
パラミクソウイルス科 - ラブドウイルス科 - フィロウイルス科 - ボルナウイルス科
|
|
オルトミクソウイルス科 - アレナウイルス科 - ブニヤウイルス科
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逆転写 |
VI: 1本鎖RNA逆転写ウイルス(ssRNA-RT) |
|
レトロウイルス科 - メタウイルス科 - シュードウイルス科
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VII: 2本鎖DNA逆転写ウイルス (dsDNA-RT) |
|
ヘパドナウイルス科 - カリモウイルス科
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hepatitis
- 関
- 肝炎ウイルス、肝臓の病理
概念
疫学
- B型肝炎:感染者数は約110~140万人、患者数は約7万人(慢性肝炎:約5万人、肝硬変・肝がん:約2万人) (参考1)
- C型肝炎:感染者数は約190~230万人、患者数は約37万人(慢性肝炎:28万人、肝硬変・肝がん:約9万人) (参考1) → 肝細胞癌の80%がC型肝炎ウイルスによる
病因
- 薬物性
- アルコール性
- 細菌性
- ウイルス性
- 自己免疫性
病理
細菌
ウイルス
- 形態・増殖などピコルナウイルス参考
- 他のピコルナウイルスと異なり細胞培養では、 CPEを起こさない。
- 感染経路:主に経口、糞便にウイルスを排世
- 発熱を伴う。慢性化しない。
- 予防:A型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)
- 逆転等酵素を有するDNAウイルス。エンベロープあり。
- 抗HBs抗体一中和抗体・感染防止抗体 B型肝炎ワクチンによる予防 3TC
- 感染経路:血液、体液、垂直感染 慢性化 約10%
- Gianotti病(extrahepatic)
- 感染経路:血液体液、
- 慢性化:50-70%
- インターフェロン療法HCV I FN昔効例全体で約30%
- 日-t V型 f FN曹効例 2a60%、 2b45%、日本で多い1b15%)
- HBVと同時に感染する。
- Rib ozyme活性(RNAがRNAを切断)
- 慢性化
- E nterically-transmitted、 E ndemic
- RNAウイルス
- 妊婦での死亡率高い(10-20%)他 (HAV 約0-1%)
- 人畜共通感染症(豚、イノシシ、鹿)
- G型肝炎 肝炎との関連は当初考えられたほど高くない
- TTV 1本鎖(-)DNA9歳以下8%、 10-20代50%、30代以降70%以上感染者
- サイトメガロウイルス、アデノウイルス、EBウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、B19ウイルス など
肝炎ウイルスまとめ
肝炎ウイルス.xls
感染症
|
A型肝炎
|
B型肝炎
|
C型肝炎
|
D型肝炎
|
E型肝炎
|
ウイルス
|
HAV
|
HBV
|
HCV
|
HDV
|
HEV
|
科
|
ピコルナウイルス科
|
ヘパドナウイルス科
|
フラビウイルス科
|
未分類
|
ヘペウイルス科
|
属
|
ヘパトウイルス属
|
オルソヘパドナ属
|
ヘパシウイルス属
|
デルタウイルス属
|
ヘペウイルス属
|
ゲノム
|
ssRNA+
|
dsDNA
|
ssRNA+
|
ssRNA-
|
ssRNA+
|
エンベロープ
|
-
|
+
|
+
|
+
|
-
|
逆転写酵素
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
潜伏期
|
文献1
|
15-40days
|
50-180days
|
1-5months
|
21-90days
|
2-9weeks
|
文献2
|
約4週
|
1-6ヶ月
|
平均6-8週
|
平均7週
|
平均5-6週
|
|
|
|
|
|
|
type of onset
|
急性
|
潜行性
|
潜行性
|
急性
|
急性
|
前駆症状
|
|
関節炎、皮疹
|
関節炎、皮疹
|
|
|
感染経路
|
経口・糞光
|
○
|
無
|
無
|
無
|
○
|
非腸管
|
稀
|
○
|
○
|
○
|
無
|
その他
|
食物、水
|
性的接触、周産期感染。血液、体液、垂直感染
|
性的接触(稀)。血液、体液
|
性的接触(稀)
|
水
|
後遺症
|
キャリアー
|
×
|
○(約10%)
|
○(約50-70%)
|
○(重複感染:2-20%)
|
×
|
慢性肝炎
|
×
|
○
|
○
|
○
|
×
|
肝硬変→肝細胞癌
|
×
|
2.5-3 %/年
|
5-7 %/年
|
|
×
|
劇症肝炎
|
0.1%
|
0.2 %
|
0.2 %
|
|
0.3-5.0%
|
死亡率
|
0.1-0.2%
|
0.5-2.0%(健常者)
|
1-2%(健常者)
|
2-20%
|
2%(一般)。20%(妊婦)
|
発熱
|
○
|
?
|
?
|
?
|
?
|
予防
|
A型肝炎ワクチン(不活化)
|
B型肝炎ワクチン(成分, HBs抗原)、HBIG
|
なし
|
B型肝炎ワクチン(成分, HBs抗原)
|
ワクチン
|
治療
|
なし
|
IFN ラミブジン アデフォビル エンテカビル テルビブジン
|
INF+リバビリン
IFN(著効率:30%。2a 60%, 2b 45%, 1b 15%)
|
IFN?
|
なし
|
その他
|
CPEなし
|
Gianotti病
|
|
HBVと同時感染、Ribozyme活性
|
風土病。人獣共通感染症(豚、イノシシ、鹿)
|
参考
- 1. 肝炎対策の経緯と今後 ―B 型肝炎訴訟・C 型肝炎訴訟を中心に― 国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 702(2011. 2.22.)
- 2011年以前までの状況がサマリーしてあってよい
- http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/pdf/0702.pdf
- 2. 肝炎総合対策の推進 - 健康局疾病対策課肝炎対策推進室
- http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/index.html
[★]
- 英
- hepatitis virus
- 関
- ウイルス、ウイルス性肝炎、肝炎
典型的なウイルス
肝炎ウイルスによる肝炎
|
A型肝炎
|
B型肝炎
|
C型肝炎
|
D型肝炎
|
E型肝炎
|
ウイルス科
|
ピコルナウイルス科
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ヘパドナウイルス科
|
フラビウイルス科
|
|
ヘペウイルス科
|
ウイルス属
|
ヘパトウイルス属
|
オルソヘパドナウイルス属
|
ヘパシウイルス属
|
デルタウイルス属
|
ヘペウイルス属
|
エンベロープ
|
-
|
+
|
-
|
+
|
-
|
ゲノム
|
RNA1本鎖(+)
|
DNA
|
RNA1本鎖(+)
|
RNA1本鎖(-)
|
RNA1本鎖(+)
|
潜伏期
|
15-40日
|
50-180日
|
21-90日
|
1-5月
|
2-9週
|
発症型
|
急性
|
潜伏性
|
潜伏性
|
急性
|
急性
|
感染経路
|
糞口感染、 飲料水
|
母子感染、 性感染、 周産期感染
|
母子感染、 性感染
|
母子感染、 性感染
|
飲料水、 人獣共通感染症 (イノシシ、豚の肝臓)
|
保因者
|
しない
|
する
|
する
|
する
|
しない
|
慢性肝炎
|
なし
|
約10%
|
50-70%
|
あり
|
なし
|
死亡率
|
0.1%-0.2%
|
0.5%-2.0%
|
1%-2%
|
2%-20%
|
1%-2%(20%:妊婦)
|
特徴
|
|
|
|
Ribozyme活性を持つ
|
|
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
- family
- 関
- 家族、系統群、ファミリ、ファミリー
[★]
- 英
- hepadnavirus
- 関
- ヘパドナウイルス科