- 英
- panitumumab
- 商
- ベクティビックス
- 関
- その他の腫瘍用薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/22 11:48:08」(JST)
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パニツムマブ ?
モノクローナル抗体 |
種類 |
全長抗体 |
原料 |
ヒト |
抗原 |
EGFR |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
要処方 |
投与方法 |
静脈内投与 |
薬物動態的データ |
半減期 |
∼7.5 days (range: 4-11 days) |
識別 |
CAS登録番号 |
339177-26-3 |
ATCコード |
L01XC08 |
化学的データ |
化学式 |
C6398H9878N1694O2016S48 |
分子量 |
147 kDa |
パニツムマブ(英: panitumumab)は、ヒト上皮増殖因子受容体 (epidermanl growth factor receptor; EGFR) に対するヒトモノクローナル抗体製剤である。商品名はベクティビックス®点滴静注100mg(開発アムジェン、販売武田薬品工業)。分子標的治療薬のひとつとされる[1]。
適応症
2009年12月現在、34ヵ国で承認されているが、日本における適応は、「KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」である[2][3]。
特徴
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対しては、抗体製剤としてすでにベバシズマブ(商品名:アバスチン®)やセツキシマブ(商品名:アービタックス®)が上市されている[4]。セツキシマブとパニツムマブとは同様の作用機序をもつ抗ヒトEGFR抗体であるが、パニツムマブは、ヒト型モノクローナル抗体である点が大きな特徴である(セツキシマブはヒト:マウスのキメラ抗体)。セツキシマブに比べて、アレルギー機序による副作用が軽減されている。
脚注
- ^ 武田薬品工業、p1。
- ^ 武田薬品工業、p9。
- ^ 武田薬品工業、p68。
- ^ 武田薬品工業、p65。
参考文献
- “ベクティビックス®点滴静注100mg (PDF)”. 武田薬品工業 (2010年6月). 2010年6月17日閲覧。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 抗悪性腫瘍剤/ヒト型抗EGFR注1)モノクローナル抗体
- 注1)EGFR : Epidermal growth factor receptor(上皮細胞増殖因子受容体)
販売名
ベクティビックス点滴静注100mg
組成
有効成分 1バイアル(5mL)中の分量
- パニツムマブ(遺伝子組換え)注3) 100mg
注3)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
添加物 1バイアル(5mL)中の分量
- 塩化ナトリウム29mg
酢酸ナトリウム水和物34mg
その他,添加物としてpH調節剤を含有する。
禁忌
- 本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者(【警告】,「重大な副作用」の項参照)
効能または効果
- KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- 術後補助化学療法として本剤を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。
- KRAS遺伝子変異を示す患者での有効性は確立していない。
- 【臨床成績】の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
- 通常、成人には2週間に1回,パニツムマブ(遺伝子組換え)として1回6mg/kg(体重)を60分以上かけて点滴静注する。なお,患者の状態に応じて適宜減量する。
- 本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は,【臨床成績】及び「その他の注意」の項の内容を熟知し,選択すること。
- 重度(Grade3以上)の皮膚障害があらわれた場合は,下表を目安に本剤の用量を調節すること。(「重大な副作用」の項参照)
<重度(Grade3以上)の皮膚障害発現時の用量調節の目安>
注4)6週間以内にGrade2以下に回復しなかった場合は,本剤の投与を中止する。
- 重度(Grade3以上)のInfusion reactionがあらわれた場合,本剤の投与を中止し,以降,本剤を再投与しないこと。また,Grade2以下のInfusion reactionがあらわれた場合は,投与速度を減じて慎重に投与すること。(「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照)
- 本剤の投与にあたっては,インラインフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を使用すること。
- 注射液の調整法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照)
- 本剤の投与時には1回投与量として6mg/kgとなるように必要量を抜き取り,日局生理食塩液に添加して全量を約100mLとする。なお,日局生理食塩液で希釈後の点滴溶液中の本剤の最終濃度は10mg/mLを超えないこと。
- 本剤は,60分以上かけて点滴静注すること。ただし,1回投与量として1,000mgを超える場合は,日局生理食塩液で希釈し約150mLとし,90分以上かけて点滴静注すること。
慎重投与
- 間質性肺炎,肺線維症の患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患を増悪するおそれがある。(【警告】,「重大な副作用」の項参照)]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
重大な副作用
重度の皮膚障害注5)
- 重度のざ瘡様皮膚炎(5%),紅斑(5%),発疹(3%),そう痒(2%),爪囲炎(1%),皮膚剥脱(1%未満),皮膚亀裂(1%未満)及び皮膚乾燥(1%未満)があらわれることがあるので,重度の皮膚障害があらわれた場合は,投与を一時中止し,適切な処置を行うこと。なお,続発する炎症性又は感染性の症状の発現に十分注意し,これらの症状に対する適切な処置を行うこと。また,必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
間質性肺疾患(間質性肺炎,肺線維症,肺臓炎,肺浸潤)注5)
(頻度不明)
- 間質性肺疾患があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合は,本剤の投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(【警告】,「慎重投与」の項参照)
重度のInfusion reaction注5)
(1%未満)
- 重度のInfusion reactionとして,アナフィラキシー様症状,血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低血圧等があらわれることがあるので,重度のInfusion reactionを認めた場合,本剤の投与を中止し,薬物治療(アドレナリン,副腎皮質ステロイド剤,抗ヒスタミン剤等)等の適切な処置を行うとともに,以降,本剤を再投与しないこと。(【警告】,【禁忌】,「重要な基本的注意」,<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
重度の下痢注5)
(1%未満)
- 重度の下痢及び脱水があらわれることがある。重度の下痢及び脱水により急性腎不全に至った症例も報告されていることから,患者の状態を十分に観察し,このような症状があらわれた場合には,止しゃ薬(ロペラミド等)の投与,補液等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- パニツムマブは,遺伝子組換え型ヒト型IgG2モノクローナル抗体である。7〜9)パニツムマブは,ヒトEGFR発現細胞のEGFRに対して特異的かつ高親和性に結合し7〜9),EGFRに対するリガンドの結合の阻害及びEGFRの内在化が誘導された。
抗腫瘍作用
- パニツムマブは,in vitro及びin vivo試験において,ヒト腫瘍細胞株(ヒト結腸癌由来HT29細胞株,DLD1細胞株等)の増殖を阻害した。10,11)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- パニツムマブ(遺伝子組換え)
(Panitumumab(Genetical Recombination))〔JAN〕
本質
- ヒト抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であるIgG2をコードするゲノムDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される214個のアミノ酸残基(C1028H1588N274O336S6,分子量:23,353.63)からなる軽鎖2分子及び445個のアミノ酸残基(C2171H3355N573O672S18,分子量:48,811.47)からなる重鎖2分子から構成される糖タンパク質(分子量:約147,000)であり,重鎖サブユニットの主成分はC末端のリジンを欠く。