出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/12/18 19:01:18」(JST)
ナメクジウオ | |||||||||
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ニシナメクジウオ
Branchiostoma lanceolatum (Pallas) |
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分類 | |||||||||
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学名 | |||||||||
Branchiostoma belcheri Gray | |||||||||
綱 | |||||||||
ナメクジウオ綱 Leptocardia |
ナメクジウオ(蛞蝓魚)は、脊索動物門頭索動物亜門に分類される原始的な脊索動物である。脊椎動物の最も原始的な祖先に近い動物であると考えられ、生きた化石である。
体長3 - 5センチ程度で、魚のような形態をしている。体色は半透明。背側と腹側の出水口より後方の縁はひれ状にやや隆起してひれ小室と呼ばれる構造が並び、それぞれ背ひれ、腹ひれと呼ばれる。後方のひれ小室を伴わない部分は尾ひれとして区別される。神経索の先端には色素斑や層板細胞、ヨーゼフ細胞と呼ばれる光受容器をもつほか、神経索全体にわたってヘッセの杯状眼と呼ばれる光受容器がある。閉鎖血管系(下図7)をもつが、心臓はもたず、一部の血管が脈動することで血液を循環させている。体の前半部にある
頭部から尾部にかけて、筋肉組織でできた棒状組織である「脊索」をもつ。多くの脊椎動物では、発生過程において脊椎が形成されると「脊索」は消失するが、ナメクジウオ(頭索動物)は生涯にわたって「脊索」をもち続ける。また脊椎動物と異なり、頭骨や脊椎骨はもたない。脊索の背側に神経索 (下図3) をもつ。神経索の先端は脳室 (下図1) と呼ばれ、若干ふくらんでいるが、脳として分化しているとは見なされない。かつては食用とされた。
全世界の暖かい浅海に生息している。体全体を左右にくねらせて素早く泳ぐことができるが、通常は海底の砂のなかに潜って生活している。ホヤなどと同様、水中の食物を濾過することで摂食している。体内に緑色蛍光タンパク質を持ち、特に頭部が明るく発光する。雌雄異体であり、精子と卵を体外に放出し、体外受精を行う。
カンブリア紀のバージェス動物群(5億1500万年前)のひとつとして発見されたピカイアがナメクジウオによく似ていると言われる。そのため、これが脊椎動物のもっとも古い先祖と言われたこともある。しかし、それよりやや前の澄江動物群から発見されたハイコウイクチスが当初は頭索類ではないかと言われたが、頭に当たる構造が確認されたことで脊椎動物と考えられるに至った。したがって、それらの系統の分岐はさらに遡ると考えられる。また、同じくユンナノゾーンも当初は頭索類とされながら、現在では半索動物と考えられるに至った。
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脊索動物門 - 頭索動物亜門に分類される。頭索動物亜門は1綱1目1科2属からなり、約35種の現生種が確認されている。
日本近海にはナメクジウオ Branchiostoma belcheri、カタナメクジウオ Epigonichthys maldivense、オナガナメクジウオ Epigonichthys lucayanum、ゲイコツナメクジウオ Asymmetron inferum の4種が生息している。愛知県蒲郡市三河大島と広島県三原市有竜島がナメクジウオの生息地として天然記念物に指定されている。
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