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ナス | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Solanum melongena | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ナス ナスビ |
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Aubergine, Eggplant |
ナス(茄子、茄、ナスビ、学名:Solanum melongena)はナス科ナス属の植物。また、その果実のこと。
原産地はインドの東部が有力である[1]。その後、ビルマを経由して中国へ渡ったと考えられている。中国では茄もしくは茄子の名で広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り栽培されている。温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。
平城京の長屋王邸宅跡から出土した木簡に『進物 加須津毛瓜 加須津韓奈須比』との記述があり、高位の者への進物にナスの粕漬けが使われていたことが判明した。また、正倉院文書には「天平六年(734年)茄子十一斛、直一貫三百五十六文」をはじめとして多数の「茄子」の記述がみられる。これらのことから、日本では奈良時代すでにナスの栽培が行われていたことがわかる。
実の味から「中酸実」(なかすみ)が語源とされる[2][3]。夏に実がなるので「夏実」(なつみ)と読んだが、それが訛って「なすび」(奈須比)と呼ばれたとする説もある。室町時代頃に宮廷の女官が女房言葉として「なす」と呼び[3]、その呼称が定着した。元は貴重な野菜であったが、江戸時代頃より広く栽培されるようになり、以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。[4]葉とヘタには棘があり、葉には毛が生えている。
世界の各地で独自の品種が育てられている。加賀茄子などの一部、例外もあるが、日本においては南方ほど長実または大長実で、北方ほど小実品種となる。本州の中間地では中間的な中長品種が栽培されてきた。これは寒い地域では栽培期間が短く大きな実を収穫する事が難しい上に、冬季の保存食として小さい実のほうが漬物に加工しやすいからである。しかし食文化の均一化やF1品種の登場により野菜炒めや焼き茄子など、さまざまな料理に利用しやすい中長品種が全国的に流通している。日本で栽培される栽培品種のほとんどは果皮が紫色又は黒紫色である。しかしヨーロッパやアメリカ等では白・黄緑色・明るい紫、さらに縞模様の品種も広く栽培される。果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分には鋭いトゲが生えている場合がある。新鮮な物ほど鋭く、鮮度を見分ける方法の一つとなるが、触った際にトゲが刺さり怪我をすることがある。収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。
品種によって様々な食べ方がある。栄養的にはさほど見るべきものはないが、東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。和漢三才図絵ではヘタにしゃっくり止めの効果があるとされるが、俗信の域を出ない。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。
なかには、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているもの(熊本県などで「赤ナス」の商品名で栽培されている食用の品種とは別物、また赤茄子はトマトを表す)もある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(観賞用の赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)。
ナス全体
ナスの葉
ナスの蕾
ナスの花
若い果実
果実の断面
基本は「三本仕立て」である。一番花のすぐ下2つのわき芽を残し、他のわき芽はすべて摘み取る。原産がモンスーン気候地帯であることから、蒸し暑い日本の夏を好む。乾燥を嫌うため、藁やビニールなどでマルチングをするとよい。「ナスの葉は座布団にせよ」との格言があるほどで、開花するまでに枝葉を充分に発達させる。畝幅は広めに取り、根張りをよくするために肥料は薄く幅広くまんべんなく施す。追肥を充分に与える。石ナスと呼ばれる食用に適さない硬い実が着く事がある。石ナスの原因は水不足や肥料不足などとされるが主な原因は受粉(受精)不良であり、さらに詳しくは受精後に分泌される植物ホルモンの不足である。
受粉不良の原因は水不足や肥料不足などによる樹勢の低下である。また温室・ハウス栽培では樹勢が十分であっても低温や高温によって花粉の受精能力が低下しやすく、この場合は人工的に植物ホルモンを与えてやれば解決する。
7月末頃になると、病虫害や自然な傷み、さらに枝の老化によって実付きが悪くなる。そこで、お盆頃に思い切って地面から高さの約2分の1くらいの高さに切返し剪定(更新剪定)を行う。切り返し剪定と同時に根元にスコップを刺して根を切断することもある。これを行うことによって9月には再び新芽が出てきて、美味しい「秋ナス」が収穫できる。冬作物の作付けの為に早めに栽培を終了する場合は切り返し剪定を行わない事もある。
また、ナスは連作障害を起こしやすい野菜である。ナスを連作した場合のみならず、トマト、ジャガイモ、ピーマン、シシトウなど同じナス科の野菜とも相性が悪く、何も処置を施さない場合、5-7年以上間を空けないと障害が起きやすいといわれている。
皮の色は紫外線を浴びる事で発色する。かつて温室やハウス栽培では被覆資材が紫外線を吸収してしまい実に色が着かない問題が発生したことがある。現在では紫外線を透過する資材が利用されている。紫外線を通さないシールを貼り付ける事で実に模様を描くことができる。
品種は日本で概ね180種類を超える。[5] 世界では1,000種類もあると言われている[6]
【形状】
【産地】
実際の栄養価は、栽培条件、生育環境、収穫時期、品種などで異なるため記載されている値は代表値である。
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 102 kJ (24 kcal) |
炭水化物
|
5.7 g
|
糖分 | 2.35 g |
食物繊維 | 3.4 g |
脂肪
|
0.19 g
|
飽和脂肪酸 | 0.034 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.016 g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.076 g |
タンパク質
|
1.01 g
|
トリプトファン | 0.009 g |
トレオニン | 0.037 g |
イソロイシン | 0.045 g |
ロイシン | 0.064 g |
リシン | 0.047 g |
メチオニン | 0.011 g |
シスチン | 0.006 g |
フェニルアラニン | 0.043 g |
チロシン | 0.027 g |
バリン | 0.053 g |
アルギニン | 0.057 g |
ヒスチジン | 0.023 g |
アラニン | 0.051 g |
アスパラギン酸 | 0.164 g |
グルタミン酸 | 0.186 g |
グリシン | 0.041 g |
プロリン | 0.043 g |
セリン | 0.042 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量
β-カロテン
ルテインと
ゼアキサンチン |
(0%)
1 μg (0%)
16 μg0 μg
|
チアミン (B1) |
(3%)
0.039 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%)
0.037 mg |
ナイアシン (B3) |
(4%)
0.649 mg |
パントテン酸 (B5)
|
(6%)
0.281 mg |
ビタミンB6 |
(6%)
0.084 mg |
葉酸 (B9) |
(6%)
22 μg |
ビタミンB12 |
(0%)
0 μg |
コリン |
(1%)
6.9 mg |
ビタミンC |
(3%)
2.2 mg |
ビタミンD |
(0%)
0 IU |
ビタミンE |
(2%)
0.3 mg |
ビタミンK |
(3%)
3.5 μg |
ミネラル | |
カルシウム |
(1%)
9 mg |
鉄分 |
(2%)
0.24 mg |
マグネシウム |
(4%)
14 mg |
マンガン |
(12%)
0.25 mg |
セレン |
(0%)
0.3 μg |
リン |
(4%)
25 mg |
カリウム |
(5%)
230 mg |
ナトリウム (塩分の可能性あり) |
(0%)
2 mg |
亜鉛 |
(2%)
0.16 mg |
他の成分 | |
水分 | 92.41 g |
成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細) |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
項目 | 分量 |
---|---|
炭水化物 | 5.1 g |
食物繊維総量 | 2.2 g |
水溶性食物繊維 | 0.3 g |
不溶性食物繊維 | 1.9 g |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 113 kJ (27 kcal) |
炭水化物
|
6.1 g
|
食物繊維 | 2.7 g |
脂肪
|
0.1 g
|
飽和脂肪酸 | 0 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0 g |
多価不飽和脂肪酸 | 0 g |
タンパク質
|
1.7 g
|
ビタミン | |
ビタミンA相当量
β-カロテン
|
(0%)
2 μg (0%)
26 μg |
チアミン (B1) |
(9%)
0.10 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%)
0.04 mg |
ナイアシン (B3) |
(7%)
1.0 mg |
パントテン酸 (B5)
|
(13%)
0.67 mg |
ビタミンB6 |
(12%)
0.15 mg |
葉酸 (B9) |
(11%)
43 μg |
ビタミンB12 |
(0%)
0 μg |
ビタミンC |
(10%)
8 mg |
ビタミンD |
(0%)
(0) μg |
ビタミンE |
(2%)
0.3 mg |
ビタミンK |
(11%)
12 μg |
ミネラル | |
カルシウム |
(2%)
21 mg |
鉄分 |
(4%)
0.5 mg |
マグネシウム |
(9%)
33 mg |
リン |
(6%)
44 mg |
カリウム |
(9%)
430 mg |
ナトリウム (塩分の可能性あり) |
(66%)
990 mg |
亜鉛 |
(2%)
0.2 mg |
他の成分 | |
水分 | 88.7 g |
成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細) |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2014年7月) |
ナスの果実の主成分の93%は水分と糖質である。他の野菜と比べると、栄養価やカロリーの点から見れば特に多い方ではない。夏野菜として代表的なトマトとの成分を比較してみても、脂質、タンパク質、ビタミン類、ミネラルなどの含有率の低い野菜である。しかし食物繊維の含有量は、100g中に3.4gと比較的多く含まれている。またナスニンには活性酸素の発生を抑制する抗酸化作用があり、癌を抑制するのに効果的な野菜である。
またナスにはコリンという機能性成分が含まれている。このコリンは無色の強アルカリ性物質で、血圧やコレステロールを下げる、動脈硬化を防ぐ、胃液の分泌を促す、肝臓の働きを良くするなどの作用が認められている。またプロテアーゼインヒビターは、口内炎や胃炎、肝炎、関節炎などの痛みを抑え、症状を改善する。神経痛や痔にも有効である。
未熟で果肉や種子が柔らかいうちに収穫し、食用とする。
焼く、煮る、揚げるなどあらゆる方法で調理される。淡白な味で他の食材とも合せやすく、また油を良く吸収し相性が良い。野菜炒めなどで油を吸わせたくない場合は、油を入れる前にナスを少量の水で軽く煮るように炒めて、スポンジ状の実に水分を含ませてやると油を吸い難くなる。皮も薄く柔らかいので剥かずに調理されることが多い。 また、ナスは古くからフグと相性が良いとされ、てっちりやフグ汁には切ったナスが盛り込まれることがある。
ナス科植物なのでアルカロイド(灰汁)を多く含み、一部の品種を除き生食はされない。加熱調理しない場合は漬物にするか、塩揉みで灰汁抜きしてから供される。塩で揉んだ後さらにマリネなどに加工されることもある。多くの栽培品種は、品種改良により灰汁が少なくなっている。 大阪の泉州水茄子など水なすと呼ばれる一部の品種は生食が可能で、皮を剥いて味噌だれで食べることができるほか、漬け物(ぬかづけ)などにもする。
よく『切ったら水に浸してアク抜きをする』とされるが、効果はなく無意味。切断面の空気酸化による変色を防ぐ酢水さらしが、誤って広まったもの。
菓子として、小ぶりのナスを砂糖漬けにした「初夢漬」(千葉県)がある。また、水ナスなどをコンポートにする事もある。
ウィキメディア・コモンズには、ナス料理に関連するカテゴリがあります。 |
ウィキメディア・コモンズには、ナスに関連するカテゴリがあります。 |
ウィキクォートにナスに関する引用句集があります。 |
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リンク元 | 「Solanum melongena」 |
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