- 英
- triacylglycerol, TAG
- 同
- トリグリセリド, triglyceride, TG
基準値
臨床関連
WordNet
- glyceride occurring naturally in animal and vegetable tissues; it consists of three individual fatty acids bound together in a single large molecule; an important energy source forming much of the fat stored by the body
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/13 15:23:11」(JST)
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トリアシルグリセロール分子種の例。緑色がグリセロール部で、3分子のパルミチン酸(パルミトイル基)がエステル結合している。
トリアシルグリセロールとは、1分子のグリセロール(Glycerol、グリセリン、Glycerine、Glycerin)に3分子の脂肪酸がエステル結合したアシルグリセロール(Acylglycerol、グリセリド、Glyceride)で、単純脂質に属する中性脂肪の1つである。略称してTGまたはTAGと表し、別名をトリグリセリドともいう。
中性脂肪は動物の体内脂肪組織に蓄えられる脂肪や、食品中の油脂、植物油(種子)などを構成する脂質の8から9割を占めるが、その中ではトリアシルグリセロールが圧倒的に多く、特に動物の脂肪組織では95%を超える。このことから、単に「トリアシルグリセロール」というときは油脂のことを指し、グリセロールと3分子の脂肪酸が結合したひとつの分子を示すときは「トリアシルグリセロール分子種」ともいう。
目次
- 1 構造と物理化学的性質
- 2 健康への影響
- 3 脚注
- 4 関連項目
構造と物理化学的性質[編集]
グリセロール(グリセリン)に結合する脂肪酸の部分は、置換基としてはアシル基である。従って、トリ・アシル・グリセロール=3分子・脂肪酸・グリセロールという意味となる。アシル基となる脂肪酸の種類は極めて多いが、それらアシル基の組み合わせ、グリセロールへの結合位置によって様々なトリアシルグリセロール分子種が生ずる。脂肪酸がn種あるとすれば、理論的にはおよそn3種類のトリアシルグリセロール分子種が存在すると考えて良い。個々のトリアシルグリセロール分子種は以下の例の様に呼ばれて区別される。
- パルミチン酸が3分子結合した分子種
- トリパルミチン、CAS登録番号は555-44-2。パルミチン酸(Palmitic acid)は、略してPと表示できるので、簡単にPPPとも書く。
- パルミチン酸が1分子、オレイン酸が2分子結合した分子種
- グリセロールへの結合位置によって、1-パルミトイル-2,3-ジオレオイルグリセロール (POO)、1,3-ジオレオイル-2-パルミトイルグリセロール (OPO) などと表示する。オレイン酸 (Oleic acid) は略してOと示す。
- パルミトレイン酸、ステアリン酸、リノール酸がそれぞれ1分子ずつ結合した分子種
- 前述と同様に、1-パルミトオレオイル-2-ステアロイル-3-リノレオイルグリセロール (PoSL)、1-リノレオイル-2-パルミトオレオイル-3-ステアロイルグリセロールなどと表示する。パルミトレイン酸 (Palmitoleic acid)、ステアリン酸 (Stearic acid)、リノール酸 (Linoleic acid) はそれぞれPo、S、Lと略される。
トリアシルグリセロール分子種には立体位置異性体が存在し、2 や 3 の例のように、同じ脂肪酸で構成される分子種であっても POO - OPO - OOP、PoSL - PoLS - SPoL - SLPo - LPoS - LSPo はそれぞれ異なる分子種となる。結合位置が不明な場合(どの異性体か不明な場合)は、POO、PoSL というように脂肪酸の炭素数が小さい順に、二重結合の少ない順に表示することが多い。LPoS というようにアルファベット順に示す場合もある。
個々の脂肪酸は二重結合の有無(不飽和度)によって融点が異なるが、この不飽和度によってトリアシルグリセロールの性質が大きく異なる。不飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは室温 (25 °C) で油状の液体だが、飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは固体となる。オリーブ油やサフラワー油などは前者に、ココナッツ油やパーム核油は後者に当たる。またトリアシルグリセロールは一般に有機溶媒によく溶けるが、ステアリン酸のような長鎖の飽和脂肪酸が多くなると、アルコール、石油エーテル、ジエチルエーテルなどにも難溶になる。
健康への影響[編集]
トリアシルグリセロールが高値になると動脈硬化・膵臓炎になる。肝臓にトリアシルグリセロールが過剰に沈着すると、脂肪肝になる。
血液検査の参考基準値[編集]
トリアシルグリセロールについての血液検査の参考基準値は以下のとおりである。
項目 |
年齢 |
下限値 |
上限値 |
単位 |
最適範囲 |
トリアシルグリセロール |
10–39 歳 |
54[1] |
110[1] |
mg/dL |
< 100 mg/dL[2]
or 1.1[2] mmol/L |
0.61[3] |
1.2 [3] |
mmol/L |
40–59 歳 |
70[1] |
150[1] |
mg/dL |
0.77[3] |
1.7[3] |
mmol/L |
>60歳 |
80[1] |
150[1] |
mg/dL |
0.9[3] |
1.7[3] |
mmol/L |
脚注[編集]
- ^ a b c d e f Blood Test Results - Normal Ranges Bloodbook.Com
- ^ a b Adëeva Nutritionals Canada > Optimal blood test values Retrieved on July 9, 2009
- ^ a b c d e f Derived from values in mg/dl to mmol/l, by dividing by 89, according to faqs.org: What are mg/dl and mmol/l? How to convert? Glucose? Cholesterol? Last Update July 21, 2009. Retrieved on July 21, 2009
関連項目[編集]
- 高トリグリセリド血症
- 脂質降下薬
- 脂質
- 脂肪
- 脂肪酸
- 脂肪組織
- 油
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 中鎖脂肪酸を構成成分とするトリアシルグリセロール摂取が男子レスリング選手の筋肉厚と血液成分に及ぼす影響
- 野坂 直久,久木留 毅,鈴木 佳恵,笠井 通雄,青山 敏明,近藤 和雄,田口 素子,佐藤 満,河野 一郎
- 日本臨床栄養学会雑誌 33(1), 12-21, 2011-08-10
- NAID 10029611917
- 雫石 聰,田中 宗雄,永田 英樹
- 口腔衛生学会雑誌 61(1), 2-12, 2011-01-30
- 歯周病は慢性感染症であるとともに,生活習慣病の側面をもつと考えられているが,歯周病と栄養素・食品の関連性については十分明確にされていない.本総説では1995年1月から2010年7月における歯周病と栄養素・食品に関する英語の原著論文についてシステマティックレビューを行った.ビタミンCについては,横断研究により,その摂取量や血清(漿)レベルと歯周病有病との間に負の関連性や量-反応関係が示された.カルシ …
- NAID 110008440556
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- 英
- fat
- 関
- トリアシルグリセロール、脂肪酸
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トリアシルグリセロール triacylglycerol
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トリアシルグリセロール TG
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トリアシルグリセロール
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- 英
- hepatic triacylglycerol lipase, HTGL
- 同
- 肝性リパーゼ hepatic lipase
[★]
- 英
- triacylglycerol lipase
- 関
- リパーゼ、膵リパーゼ
[★]
- 英
- middle chain triacylglycerol, MCT
- 関
- 中鎖脂肪
[★]
- 英
- triacylglycerol-fatty acid cycle
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類