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- Commelina communis
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ツユクサ |
ツユクサ
(愛媛県広見町、2001年9月2日)
|
分類(APG III) |
界 |
: |
植物界 Plantae |
階級なし |
: |
被子植物 Angiosperms |
階級なし |
: |
単子葉類 Monocots |
階級なし |
: |
ツユクサ類 Commelinids |
目 |
: |
ツユクサ目 Commelinales |
科 |
: |
ツユクサ科 Commelinaceae |
亜科 |
: |
ツユクサ亜科 Commelinoideae |
属 |
: |
ツユクサ属 Commelina |
種 |
: |
ツユクサ C. communis |
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学名 |
Commelina communis
L.[1] |
英名 |
Asiatic dayflower |
変種・品種[2] |
- オオボウシバナ C. c. var. hortensis
- シロバナオオボウシバナ C. c. var. hortensis f. candida
- ホソバツユクサ C. c. var. ludens
- シロバナツユクサ C. c. f. albiflora
- ケツユクサ C. c. f. ciliata
- ウサギツユクサ C. c. f. miranda
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緑色 = Native、赤色 = Introduced
|
ツユクサ(露草、学名: Commelina communis)は、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。畑の隅や道端で見かけることの多い雑草である。
朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから「露草」と名付けられたという説がある。英名の Dayflower も「その日のうちにしぼむ花」という意味を持つ。また「鴨跖草(つゆくさ、おうせきそう)」の字があてられることもある。ツユクサは古くは「つきくさ」と呼ばれており、上述した説以外に、この「つきくさ」が転じてツユクサになったという説もある。「つきくさ」は月草とも着草とも表され、元々は花弁の青い色が「着」きやすいことから「着き草」と呼ばれていたものと言われているが、『万葉集』などの和歌集では「月草」の表記が多い。この他、その特徴的な花の形から、蛍草(ほたるぐさ)や帽子花(ぼうしばな)、花の鮮やかな青色から青花(あおばな)などの別名がある。
目次
- 1 形態・生態
- 2 分布
- 3 人間との関わり
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
形態・生態[編集]
高さは15~50cmで直立することはなく、茎は地面を這う。
6 - 9月にかけて1.5 - 2cmほどの青い花をつける。花弁は3枚あり、上部の2枚は特徴的で青く大きいが、下部の1枚は白くて小さく目立たない[3]。雌しべが1本、雄しべが6本で成り立っている。アサガオなどと同様、早朝に咲いた花は午後にはしぼんでしまう。
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この節の加筆が望まれています。 (2013年9月) |
分布[編集]
日本全土、アジア全域、アメリカ東北部など世界中に広く分布する。
人間との関わり[編集]
花の青い色素はアントシアニン系の化合物で、着いても容易に退色するという性質を持つ。この性質を利用して、染め物の下絵を描くための絵具として用いられた。ただしツユクサの花は小さいため、この用途には栽培変種である大型のオオボウシバナ(アオバナ)が用いられた。オオボウシバナは観賞用としても栽培されることがある。
花の季節に全草を採って乾燥させたものは鴨跖草(おうせきそう)と呼ばれ、下痢止め、解熱などに用いる。
ツユクサと文学[編集]
『万葉集』には月草・鴨頭草(つきくさ)を詠ったものが9首存在し、古くから日本人に親しまれていた花の一つであると言える。朝咲いた花が昼しぼむことから、儚さの象徴として詠まれたものも多い。
- つき草のうつろいやすく思へかも我(あ)が思(も)ふ人の言(こと)も告げ来(こ)ぬ(巻4 583)
- 月草之 徒安久 念可母 我念人之 事毛告不来
- つき草に衣(ころも)ぞ染(し)むる君がためしみ色(或 まだらの)ごろもすらむと思(も)ひて(巻7 1255)
- 月草尓 衣曽染流 君之為 綵色衣 将摺跡念而
- つき草に衣(ころも)色どりすらめどもうつろふ色と言うが苦しさ(巻7 1339)
- 鴨頭草丹 服色取 摺目伴 移變色登 稱[4]之苦沙
- つき草に衣(ころも)はすらむ朝露にぬれての後はうつろひぬとも(巻7 1351)
- 月草尓 衣者将摺 朝露尓 所沾而後者 徒去友
- 朝露に咲きすさびたるつき草の日くたつ(或 日たくる)なへに消(け)ぬべく思ほゆ(巻10 2281)
- 朝露尓 咲酢左乾垂 鴨頭草之 日斜共 可消所念
- 朝(あした)咲き夕(ゆうべ)は消(け)ぬるつき草の消(け)ぬべき戀(こひ)も吾(あれ)はするかも(巻10 2291)
- 朝開 夕者消流 鴨頭草之 可消戀毛 吾者為鴨
- つき草の假(か)れる命にある人を(或 假なる命なる人を)いかに知りてか後もあはむといふ(或 あはむとふ)(巻11 2756)
- 月草之 借有命 在人乎 何知而鹿 後毛将相云
- うち日さす宮にはあれどつき草の移ろふ心わが思はなくに(巻12 3058)
- 内日刺 宮庭有跡 鴨頭草乃 移情 吾思名國
- 百(もも)に千(ち)に人はいふともつき草の移ろふこころ吾(われ)持ためやも(巻12 3059)
- 百尓千尓 人者雖言 月草之 移情 吾将持八方
また、俳句においては、露草、月草、蛍草などの名で、秋の季語とされる。
脚注[編集]
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Commelina communis L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年9月14日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2013年9月14日閲覧。
- ^ 岩槻秀明 『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本 : handy & color illustrated book : 収録数550種超!』 秀和システム、2006年、434-436頁。ISBN 4-7980-1485-0。
- ^ 「稱」は原文はにんべん。
参考文献[編集]
|
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明示してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2013年9月) |
- 『新訓万葉集 上巻』 佐佐木信綱編、岩波書店〈ワイド版岩波文庫〉、1991年、新訂。ISBN 4-00-007014-2。
- 『新訓万葉集 下巻』 佐佐木信綱編、岩波書店〈ワイド版岩波文庫〉、1991年、新訂。ISBN 4-00-007015-0。
- 佐竹昭広・木下正俊・小島憲之 『萬葉集 本文篇』 塙書房、1998年、補訂版。ISBN 4-8273-0081-X。
関連項目[編集]
|
ウィキスピーシーズにツユクサに関する情報があります。 |
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ウィキメディア・コモンズには、ツユクサに関連するカテゴリがあります。 |
- 花の一覧
- 成分本質 (原材料) では医薬品でないもの-植物由来物等-後半
- ムラサキツユクサ
- トキワツユクサ
- 露草色
外部リンク[編集]
- “Commelina communis L.”. ITIS. 2013年9月14日閲覧。 (英語)
- Commelina communis - National Center for Biotechnology Information (NCBI) (英語)
- Commelina communis - Encyclopedia of Life (英語)
- 波田善夫. “ツユクサ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学生物地球学部. 2013年9月14日閲覧。
- 福原達人. “ツユクサ”. 植物形態学. 福岡教育大学教育学部. 2013年9月14日閲覧。
- “ツユクサの庭” (2013年9月15日). 2013年9月14日閲覧。
Japanese Journal
- ツユクサ科イボクサ属の日本新産外来種アレチイボクサ
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