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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/14 16:49:48」(JST)
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チマーゼ(Zymase)は、スクロースをエタノールと二酸化炭素に発酵させる酵素複合体である。酵母が天然に生成する。
チマーゼは1897年にドイツの化学者エドゥアルト・ブフナーによって酵母の細胞から初めて単離された。彼は無細胞の環境で砂糖を発酵させ、1907年にノーベル化学賞を受賞した。
チマーゼは、アミラーゼ、ぺプチダーゼ、リパーゼ等を含むサプリメントのブランド名にもなっている。これは消化酵素が十分分泌されない人の消化を助けるために販売されている。
§無細胞での発酵実験
ブフナーがノーベル化学賞を受賞した実験で、彼は酵母細胞を含まない酵母抽出物を作り、この「絞り汁」がスクロースを発酵させられることを示した。この実験は、生きた酵母細胞が発酵に不必要なことを示し、生気論に打撃を与えた。無細胞抽出物は、乾燥酵母細胞と石英、珪藻土を混合し、すり鉢とすりこぎで酵母細胞を粉砕することで調製された。酵母細胞の内容物が流れ出るため、この混合物は湿り気を帯びた。混合物を絞り、グルコース、フルクトース、マルトースを加えると、時々二酸化炭素の発生が見られた。顕微鏡での観察により、抽出液中に生きた酵母細胞は含まれていないことが分かった。
興味深いことに、ブフナーは酵母細胞の内部で発酵が起こっているという真実には至らずに、スクロースを発酵させるため、酵母が細胞外に酵素を分泌しているという仮説を考えた。
1905年、イギリスの化学者アーサー・ハーデンはチマーゼを透析可能性により2つのグループに分類した。
科学史家の中には[1]、エドゥアルト・ブフナーは1897年の論文で単に1857年にアントワーヌ・ベシャンが行っていた実験を繰り返したに過ぎないと主張する者もいる。しかしベシャンは、酵母細胞なしで、彼が「チマーゼ」と呼ぶものだけでは、スクロースの反転は起こるが、アルコール発酵は起こらないとはっきり述べているのに対し、ブフナーは酵母のチマーゼだけでアルコール発酵を起こしている[2]。K.L. Manchesterによると[3]、ベシャンが「チマーゼ」と呼んでいたものは実際にはサッカラーゼであった。
§関連項目
§出典
- ^ " Our textbooks, however, erroneously tell us that Buchner was the first to extract an enzyme from yeast, and call it zymase, a 'breakthrough' that was achieved in 1897, some 35 years after Bechamp's experiments ! " (Milton Wainwright, " Early history of microbiolgy ", Advances in applied microbiology, vol. 52, 2003, pp. 333-355, partly available on Google Books, esp. pp. 341-342.)
- ^ Antoine Béchamp, Les microzymas, Paris, 1883 (repr. Paris, 1990), pp. 286-288
- ^ Keith L. Manchester : " Antoine Béchamp: père de la biologie. Oui ou non? ", Endeavour, Vol. 25, n° 2, 1 juny 2001, pp. 68-73; Keith L. Manchester : " Louis Pasteur, fermentation, and a rival ", South African Journal of Science, vol. 103 (2007), online.
Japanese Journal
- 高松 由佳,八田 尚人,森 俊典,坂井 秀彰,高田 実,竹原 和彦
- 日本皮膚科学会雑誌 108(14), 1971, 1998
- 66歳男性にみられた成人発症の皮膚限局型肥満細胞症(色素性蕁麻疹)を報告した.体幹および大腿にDarier徴候陽性を示す米粒大褐色局面が多数存在し,皮膚生検標本で乳頭層と真皮上層に密な肥満細胞の浸潤を認めた.免疫組織学的に浸潤肥満細胞はトリプターゼとチマーゼがともに陽性であり,TC型の肥満細胞と考えられた.血漿ヒスタミン値は上昇,血清stem cell factor値は正常範囲内であった.全身検索 …
- NAID 130004681085
- パン酵母の育成(第1報):選択・交配によるパン酵母の実用的性質の改良について
- 郡家 徳郎,中富 康夫
- 日本農芸化学会誌 38(3), 149-157, 1964
- 胞子を分離して得た多数のsegregantの中から,良好な耐滲透圧醗酵能を示す株を選出し交配することを数世代にわたり繰返すことによって,改良菌株の造成を試み,下記の結果を得た. (1) 交配育成の過程中,多数の呼吸欠損株の分離を認めた.すなわち,呼吸正常segregant同志の交雑株から30%,呼吸欠損segregant同志の交雑株から70%の頻度で呼吸欠損株がsegregateした. (2) 呼 …
- NAID 130001230139
- 醗研1号酵母の醗酵 (第3報) : 本菌のマルトチマーゼ
- 森田 正英,山本 達夫
- 醗酵工學雑誌 37(9), 369-373, 1959-09-15
- 1) In the fermentation of maltose solution containing a small amount of glucose and 0.002M As_2O_3,the glucose-grown cells of Hakken No. 1 could ferment both glucose and maltose in the presence of As_ …
- NAID 110002852588
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