出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/10 15:46:04」(JST)
MK-801はグルタミン酸受容体のサブタイプのひとつ、NMDA受容体の選択的人工アンタゴニスト。ジゾシルピン (dizocilpine)と呼ばれることもある。分子式はC16H15Nで表され、分子量は337.37、CAS登録番号77086-22-7。水溶性。通常マレイン酸塩にて市販される。
他のNMDA受容体アンタゴニストであるAP5と決定的に違う点は、AP5が定常状態のNMDA受容体を全般的に阻害するのに対し、このMK-801はリガンドの結合を受けて開いたイオンチャネル部にのみ阻害をかける (open-channel blocker) という点である。つまり、NMDA受容体が機能できない環境下(リガンド不在・静止膜電位条件・高マグネシウムイオン条件等)においては作用できない。逆に言えば、一旦機能しかけたNMDA受容体のみを阻害すると言える。
この特性を利用し、近年ではシナプス刺激中にMK-801を投与することでシナプス部に存在するNMDA受容体のみを一旦阻害させ、その後NMDAを投与してシナプス外に存在するNMDA受容体の存在を探す、などといった用途に用いられる。
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