出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/01 22:46:40」(JST)
コーンスターチ (cornstarch) は、トウモロコシから処理され、作られたデンプン。またはでんぷん食品。
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トウモロコシは、種子の胚乳に含まれる角質デンプンの分布や特性によっていくつかの品種に分けられるが、コーンスターチの原料となるものは、食用として一般に広く認知されているスイートコーン(甘味種)や ポップコーン(爆裂種)などは用いず、デントコーン(馬歯種)やワキシーコーン(糯種)といった品種が使われる。デント種やワキシー種は、その用途によって使い分ける。(トウモロコシ澱粉、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチを参照。)
日本において、原料のトウモロコシは、ほぼ全量が米国や中国など海外からの輸入である。そのため、国内産のデンプン(馬鈴薯デンプン・甘藷デンプン)の原料となる農作物の農家の保護のため、高い関税を掛けられているが、「抱き合わせ制度」によって、これらのコーンスターチメーカーでは、関税を免除される代わりに国内産のデンプンを購入することになるなど、農業政策とも関わりがある。
トウモロコシを工業的に処理する方法は、ウェットミリング(加湿製粉)とドライミリング(乾燥製粉)と呼ばれる粉砕方法の違いによって2つに大別される。
コーンスターチの製造方法は ウェットミリングが採られることが多く、最終的にはコーンスターチと、グルテンフィードやグルテンミールなどの副産物ができる。原料のトウモロコシのほとんど全てが何らかの製品となり、廃棄は非常に少ない。ドライミリングの場合は、最近のエネルギー政策で注目されているエタノールも製造できる。
コーンスターチの用途は様々であるが、主要なものとしては次のようになる。
プリンなどの食品の凝固剤としてもよく使われる。スーパーで売られているプリンの素にもコーンスターチがよく使われている。牛乳、砂糖、コーンスターチ、香料などを混ぜて蒸し器にかければ簡単にプリンを作ることができる。
コーンスターチはフランス料理や中華料理でとろみをだすためによく使われる。中華料理のあんかけには普通コーンスターチに醤油と砂糖を混ぜたものが使われる。
日本において、麦芽100%ではないビールや発泡酒で副原料に使われていることが多い。原材料名の「スターチ」は、ほとんどの場合コーンスターチが使用されている。
コーンスターチは食品以外にもさまざまな用途に使われる。2004年にパイオニアはコーンスターチの一種でBlu-ray Discを作ったと発表した[1]。
紙製品(塗工紙や段ボール)の加工・製造の際の接着剤として使われることが知られている。 コーンスターチメーカーにとっては、食品会社・製薬会社などと共に、製紙会社も重要な顧客先となっている。
コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミールと様々名呼び方がある。たとえば、米国では、外皮を含むか、油分はどれくらいか、粗蛋白は何%かによってコーングリッツ、コーンフラワー、コーンミール、コーンスターチを区別しているが、この区分は米国でしか通用せず、ヨーロッパ各国ではまったく基準値が異なる。
香港とマカオでは粟粉と呼ぶ。日本の片栗粉とはまったく異なる。
日本では、食品用・工業用が10数社により製造されている。
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リンク元 | 「cornstarch」「トウモロコシデンプン」 |
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