- 英
- glyoxylate cycle
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/02 01:09:15」(JST)
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グリオキシル酸回路(ぐりおきしるさんかいろ)とは微生物の一部や植物にみられる生化学的代謝回路で、ハンス・クレブスらによって発見された。多くの酵素がクエン酸回路と共通している。植物においてはグリオキシソームという細胞内小器官とミトコンドリアで発現している。クエン酸回路と異なる点として二酸化炭素を生成せず、NADHもあまり生み出さないということが挙げられる。また、反応で生成したグリオキシル酸はリンゴ酸リアーゼによってアセチルCoAとの反応により、リンゴ酸となる。従ってアセチルCoA二分子からオキサロ酢酸を作ることになる。このことから、グリオキシル酸回路は異化反応回路よりも同化反応回路としての意味合いが強い。
グリオキシル酸回路の反応系
- 2-オキソグルタル酸+アスパラギン酸 → グルタミン酸+オキサロ酢酸
- オキサロ酢酸+アセチルCoA → クエン酸+補酵素A
- クエン酸 → イソクエン酸
- イソクエン酸 → コハク酸+グリオキシル酸
- グリオキシル酸+アセチルCoA → リンゴ酸+補酵素A
- コハク酸+FAD → フマル酸+FADH
- フマル酸+水 → リンゴ酸
- リンゴ酸+NAD → オキサロ酢酸+NADH
- オキサロ酢酸+グルタミン酸 → 2-オキソグルタル酸+アスパラギン酸
以上の反応は以下の酵素によって触媒される。
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
- クエン酸シンターゼ
- アコニターゼ
- イソクエン酸リアーゼ
- リンゴ酸シンターゼ
- コハク酸デヒドロゲナーゼ
- フマラーゼ
- リンゴ酸デヒドロゲナーゼ
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
代謝 (異化, 同化) |
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タンパク質 |
タンパク質生合成 · アミノ酸 · アミノ酸合成 · アミノ酸の代謝分解
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炭水化物 |
同化
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他
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脂肪 |
β酸化 · 脂肪酸の合成
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 清酒の小仕込み試験における酒質, 特に有機酸生成に及ぼす影響因子
- 松田 章,有手 友嗣,中村 静夫 [他],辻 奈緒子,澤野 礼奈,矢野 俊博
- 日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan 108(7), 527-538, 2013-07-15
- … 有機酸含量の相違は,仕込み容器の違いで生じる嫌気的環境の変化に関係しており,それがTCA回路及びグリオキシル酸回路における酵素の働きに影響を与えるのではないかと推察している。 …
- NAID 10031184098
- 1Fp18 グリオキシル酸回路二酵素の染色体上高発現系によるAshbya gossypiiのリボフラビン生産性の向上(発酵生理学・発酵工学,一般講演)
- 微生物の分泌する有機酸による森林活性化と重金属捕集
- 服部 武文,岩瀬 剛二,島田 幹夫
- バイオサイエンスとインダストリー = Bioscience & industry 63(2), 93-96, 2005-02-01
- NAID 10014369421
Related Links
- 植物と一部の微生物では,TCA回路以外に,その変形であるグリオキシル酸回路をもっている。発芽中の植物種子にはグリオキシソーム(glyoxysome)と呼ばれる小器官があり,グリオキシル酸回路はその中で行われる。動物にはこの経路は ...
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - グリオキシル酸回路の用語解説 - アセチルコエンザイムA (アセチル CoA) の代謝経路の一つ。高等植物のグリオキシソーム細胞器官および微生物にみられる。アセチル基 ( C2 ) をもつアセチル CoAは ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- glyoxylicacid cycle
- 同
- グリオキシル酸回路
[★]
[★]
- 英
- (電気)circuit、(代謝)cycle
- 関
- サイクル、周期
[★]
- 英
- tract
- ラ
- tractus