- 英
- subarachnoid space (KH), subarachnoid cavity
- ラ
- cavum subarachnoideale, spatium subarachnoideum
- 同
- くも膜下腔
- 関
- 髄膜、クモ膜、軟膜
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/06 19:39:08」(JST)
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クモ膜下腔 |
ラテン語 |
spatium subarachnoideum
あるいは
cavum subarachnoideale |
英語 |
Subarachnoid space |
クモ膜下腔(蜘蛛膜下腔、くもまくかくう、くもまっかくう)は、中枢神経系を覆う髄膜のうち、一番内の軟膜と、その隣のクモ膜の間にある空間を指す。軟膜とクモ膜は密着しておらず、小柱と呼ばれる線維の束で結ばれている。小柱は軟膜とクモ膜の間ではいたるところで無数に入り乱れ、その様子がクモの網に似ていることからクモ膜の名がある。小柱の隙間に鍾乳洞のような形で残るのがクモ膜下腔である。クモ膜下腔は脳脊髄液で満たされている。
頭蓋内のクモ膜下腔[編集]
頭蓋内では、クモ膜は脳に密着せず、特に入り組んだ構造の周りでは少し離れた場所を大きく取り囲むような形になっている。一方軟膜は脳の実質に密着しているので、脳に大きい凹凸のある場所ではクモ膜下腔が広くなっている。この広がりを特にクモ膜下槽と呼ぶことがある。クモ膜下槽は、小脳と延髄の隙間にある小脳延髄槽、小脳・中脳・松果体などが向き合う場所にある迂回槽、視交叉の周りにある交叉槽、間脳と中脳の大脳脚に挟まれた脚間槽のほか、大小の脳溝にある。
脳脊髄液はクモ膜下腔だけでなく、脳室系にも入っている。クモ膜下腔と脳室系は脳の実質で隔てられているが、第四脳室に開いたルシュカ孔・マジャンディ孔では互いに交通している。圧力の違いから、脳脊髄液は通常、第四脳室からクモ膜下腔へ流れ出す。クモ膜下腔の脳脊髄液は、クモ膜が硬膜静脈洞に突出したクモ膜顆粒から静脈血に吸収されるとされる。詳しくは脳脊髄液#脳脊髄液の循環を参照されよ。
脊柱管のクモ膜下腔[編集]
脊柱管では、クモ膜下腔は一定の広がりをもったまま仙骨まで続いている。脊髄神経が出るところでは、髄膜もともに脊柱管から出るため、クモ膜下腔も末梢神経の周りへ続くことになる。ただし脊髄神経節よりも末梢では、クモ膜は神経周膜と名を変えて神経に密着しているため、クモ膜下腔はほとんど途切れている。
参考文献[編集]
Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、日本語版2003年)
神経解剖学: 脊髄 |
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脊髄神経 |
背側(後根、神経節、後枝) - 腹側(前根、前枝) - 交感神経幹 - 交通枝(灰白交通枝、白交通枝)
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灰白質/レクセドの層 |
後角(背核、ローランドの膠様質、固有核) - 側角 - 前角 - 中心管/中心膠様質
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白質 |
体性感覚/上行 |
後索/後索・内側毛帯路: 触覚・固有覚: 薄束 - 楔状束
側索: 固有覚: 脊髄小脳路(背側脊髄小脳路、腹側脊髄小脳路) - 温痛覚: 脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路) - 後外側路 - 脊髄視蓋路
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運動/下行 |
側索: 皮質脊髄路(外側) - 錐体外路系(赤核脊髄路、オリーブ脊髄路)
前索: 皮質脊髄路(前皮質脊髄路) - 錐体外路系(前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)
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周囲 |
硬膜外腔 - 硬膜 - 硬膜下腔 - クモ膜 - クモ膜下腔 - 軟膜
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その他 |
歯状靱帯 - 脊髄円錐 - 馬尾 - 終糸 - 頸膨大 - 腰膨大 - 前正中裂
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- MRI用ガドリニウム造影剤を用いた脳関門の時空間的解析
- 伊藤 康一
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 140(4), 151-155, 2012-10-01
- … や破綻の時空間的検討が可能となる.脳内出血における出血,血腫また脳浮腫さらに運動機能障害などを合わせて経時的に検討するためにはMRIは大変有効な手法である.また,炎症疾患である髄膜炎は,クモ膜下腔という微細部位を高磁場MRIで観察することができる.このように,基礎研究においてMRIと疾患モデル動物を用いた研究は,形態学的研究のみならず病態生理学的研究,各種造影剤を用いた分子イメージン …
- NAID 10031072194
- 特発性正常圧水頭症の治療 (特集 特発性正常圧水頭症 : Update)
- 小児腰仙部脊髄脂肪腫 : 形態的特徴と自然経過,治療成績の検討
- 吉藤 和久,越智 さと子,村上 友宏,金子 高久,小柳 泉
- 脳神経外科ジャーナル 20(3), 208-215, 2011-03-20
- … ち,「脊髄の脊椎管外突出」,「脂肪腫が脊髄と広く移行」,「神経根とその硬膜貫通部の異常」のいずれかが認められる場合,症候性となる可能性は高く,手術においては神経学的合併症,係留解除困難,術後のクモ膜下腔狭小の残存に有意に影響した.術前MRIでは脊髄の脱出と脂肪腫の広汎な移行は診断が可能であったが,神経根の走行異常は50%の症例で診断可能であった.このような脊髄脂肪腫の形態は,臨床経過や手術の困難 …
- NAID 110008460951
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- 髄膜と脳室. ①, 脳および脊髄は、外側から順に、硬膜、クモ膜、軟膜の3層の髄膜の 3層の髄膜でおおわれている。 ②, クモ膜は、オブラート様の膜で、その下に脳脊髄液で 満たされた クモ膜下腔 がある。脳は脊髄液の中に浮かんだ ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- arachnoid mater, cranial and spinal arachnoid
- ラ
- arachnoidea encephali et spinalis
- 同
- くも膜
- 関
- 脳クモ膜、脊髄クモ膜。クモ膜下腔
概念
臨床関連
[★]
- 英
- fimbria of hippocampus
- ラ
- fimbria hippocampi
[★]
- 英
- spinal subarachnoid space
[★]
- 英
- cavity
[★]
- 英
- submembranous
- 関
- 偽膜性