出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/18 18:06:22」(JST)
クモ綱 | ||||||||||||
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様々なクモ綱
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クモ綱(クモこう、羅: Arachnida)は、節足動物門鋏角亜門に属する分類群。かつては蛛形綱とも呼ばれ、クモだけでなく、ダニ、サソリなどを含む、大きなグループである。いずれも8本の脚を持ち、触角はなく、口には鋏状の鋏角(きょうかく)という器官を持っている。
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体は頭部と胸部が合着した頭胸部と腹部からなる。頭胸部と腹部の間はくびれるものとくびれないものがある。くびれるものでは腹柄によって両者は繋がる(クモ目など)。くびれないものでも両者の区画は明確なものが多い(サソリ目など)が、ダニ目では極めて強く密着する。腹部の後ろに尾部を持つ仲間もある。腹部はクモ目、ダニ目をのぞいては節に分かれている。
頭胸部は背面を1枚の外骨格(背甲)に覆われ、ここに眼を持つものが多い。複眼は持たない。体節はほとんど区別できないが、腹面の外骨格にその痕跡が見られる例もある(コヨリムシ目)。 口のところには鋏角という鋏状の口器があるだけで、その後ろに触肢という歩脚状または鋏状の付属肢がある。甲殻類や昆虫に見られるような大顎などの口器は存在せず、また触角もない。胸部の腹面側方には4対の歩脚がある。
腹部には付属肢はない。付属肢由来の器官として、書肺や出糸突起を持つものがある。また、後半部が細くなって尾部を形成するものがある。サソリではこの部分に毒腺を持ち、自由に動かすことができるが、それ以外のものでは単なるひも状(サソリモドキ目など)、あるいはごく短い(ヤイトムシ目など)。
呼吸器官としては、腹部の下面に書肺と、気管がある。両方を持つもの、片方だけを持つものがある。
生殖孔は腹部前方の腹面に開口する。本当の交尾は、ザトウムシ目にのみ見られる。その他のものでは、精子の入った袋(精包)を受け渡す形を取るものが多い。
クモ綱の動物はほとんどが肉食性である。ダニ目には非常に多くの例外があるが、それ以外のものはザトウムシ目に雑食性のものが報告されている程度で、基本的には小動物を捕食する。このようにその食性に多様性が低いのは、口器の構造が余りに単純であることによるともいわれる。
多くのものは真の交尾を行わず、精包の受け渡しを行う。その際に、雌雄で一種のダンスを行うなど、特殊な配偶行動が見られる例が多い。ザトウムシ目では真の交尾が行われる。
産卵した卵を自分で守ったり、自分の体に乗せて孵化まで保護するといった行動が見られるものも多い。
カブトガニ綱、ウミグモ綱とともに鋏角亜門を構成する。古くは三葉虫との系統関係があるとされてきたが、最近は否定的である。
古生代から知られるウミサソリも、鋏角亜門であり、サソリとの形質的共通点がある。そのため、ウミサソリをサソリの直接の先祖と見なし、ここから他のクモ綱のグループが派生したとする説もあるが、疑問視する向きもある。ほかに光楯類がこの群に属するが、詳細はよくわかっていない。
現生のものでは、以下の11の目がある。多くは熱帯を中心に分布し、最後の3つの目は、日本に分布しない。
それぞれの目の特徴は明確で、紛らわしい部分、あるいはその位置に悩む種などはほとんど無い。綱内部の目の間の関係については、諸説あって定まっていない。
なお、化石でのみ知られている絶滅群として、以下の目がある。
現生群の中では、ダニ目が最大で約5万種、クモ目は4万種と大きく、ザトウムシ目とカニムシ目が数千種、サソリ目が千種を越える程度。特にダニ類はその形態・習性・生育環境等が非常に多様で、その多様性はほぼ昆虫に匹敵するとも言われる。逆にウデムシ目、コヨリムシ目、クツコムシ目等は数十種があるにすぎない。
大まかに言えば、クモ綱は昆虫に先立って上陸し、肉食動物として進化したにもかかわらず、昆虫などの進歩発展の中でついて行けずに衰退し、一部が遺存している群である。その中でクモ目は糸と網を駆使して昆虫を餌とすることで、ダニ目は小さな体で多様なニッチに進出(動物・昆虫・植物への寄生、昆虫食・植物食・腐植食など)したことで成功したと見られる[1]。
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