- ラ
- Cinnamomum camphora
- 関
- クスノキ科
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| クスノキ |
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クスノキ
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| 分類 |
| 界 |
: |
植物界 Plantae |
| 門 |
: |
被子植物門 Magnoliophyta |
| 綱 |
: |
双子葉植物綱 Magnoliopsida |
| 目 |
: |
クスノキ目 Laurales |
| 科 |
: |
クスノキ科 Lauraceae |
| 属 |
: |
ニッケイ属 Cinnamomum |
| 種 |
: |
クスノキ C. camphora |
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| 学名 |
Cinnamomum camphora
(L.) J.Presl |
| 和名 |
| 樟、楠 |
| 英名 |
| Camphor Laurel |
クスノキ(樟、楠、Cinnamomum camphora)とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木である。一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来は中国のタブノキを指す字である。別名クス、ナンジャモンジャ(ただし、「ナンジャモンジャ」はヒトツバタゴなど他の植物を指して用いられている場合もある)。
暖地で栽培される変種としてホウショウがある。食用となるアボカドや、葉が線香の原料となるタブノキ、樹皮が香辛料などに利用されるシナモンは近縁の種である。
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目次
- 1 特徴
- 2 生育地
- 3 利用
- 4 ダニ室について
- 5 自治体・大学の木
- 5.1 日本国内
- 5.1.1 県の木
- 5.1.2 市・特別区の木
- 5.1.3 行政区の木
- 5.1.4 町の木
- 5.1.5 村の木
- 5.1.6 大学の木
- 5.1.7 かつて指定していた自治体(廃止)
- 5.2 国外
- 6 参考文献
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
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特徴
幹周囲10m以上の巨樹になる個体も珍しくない。単木ではこんもりとした樹形をなす。木肌は綿密で、耐湿・耐久性に優れている。葉はつやがあり、革質で、先の尖った楕円形で長さ5~10cm。主脈の根本近くから左右に一対のやや太い側脈が出る三行脈である。その三行脈の分岐点には一対の小さな膨らみがあり、これをダニ室という(後述)。4月末から5月上旬にかけて大量に落葉する。
5月から6月にかけて、白く淡い黄緑色の小さな花が咲く。10月から11月にかけて、直径7~8mm程度の青緑色で球形の果実が紫黒色に熟す。鳥が食べて種子散布に与るが、人間の食用には適さない。中には直径5~6mm程度の種子が一つ入っている。
各部全体から樟脳の香りがする。樟脳とはすなわちクスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体のことで、防虫剤や医薬品等に使用される。カンフル注射のカンフルはこの樟脳を指しており、“camphora”という種名にもなっている。
- クスノキの姿
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蒲生のクス、幹周24m
国指定の特別天然記念物で日本最大の巨樹
生育地
世界的には、台湾、中国、ベトナムといった暖地に生息し、それらの地域から日本に進出した。(史前帰化植物)
日本では、主に、本州西部の太平洋側、四国、九州に広く見られるが、特に九州に多く、生息域は内陸部にまで広がっている。生息割合は、東海・東南海地方、四国、九州の順に8%、12%、80%である。人の手の入らない森林では見かけることが少なく、人里近くに多い。とくに神社林ではしばしば大木が見られ、ご神木として人々の信仰の対象とされるものもある。
利用
全体に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となった。「薬(樟脳)の木」が語源とする説もある。またそのことや防虫効果から元来虫除け(魔除け:アジア圏では古来から虫(蟲)は寄生虫や病原菌などの病魔を媒介すると考えられていた)に使われたくす玉(楠玉)の語源であるという説もある。材や根を水蒸気蒸留し樟脳を得る。そのため古くからクスノキ葉や煙は防虫剤、鎮痛剤として用いられ、作業の際にクスノキを携帯していたという記録もある。また、防虫効果があり、巨材が得られるという長所から家具や飛鳥時代の仏像にも使われていた。
枝分かれが多く直線の材料が得難いという欠点はあるが、虫害や腐敗に強いため、古来から船の材料として重宝されていた。古代の西日本では丸木舟の材料として、また、大阪湾沿岸からは、クスノキの大木を数本分連結し、舷側板を取り付けた古墳時代の舟が何艘も出土している。その様は、古事記の「仁徳記」に登場するクスノキ製の快速船「枯野」の逸話からもうかがうことができる。室町から江戸時代にかけて、軍船の材料にもなった。
クスノキの葉は厚みがあり、葉をつける密度が非常に高いため、近年交通騒音低減のために街路樹として活用されることも多い。
ダニ室について
クスノキの葉に2つずつ存在するダニ室にはクスノキにとって無害なフシダニの一種が生息している。ダニ室で増殖したフシダニは少しずつダニ室の外に溢れ、これをダニ室には侵入できないサイズの捕食性のダニが捕食することでクスノキの樹上には常にフシダニ捕食性のダニが一定密度で維持されている。このダニ室を人為的に塞いでダニ室のフシダニやこれを捕食する捕食性のダニを排除すると、クスノキにとって有害な虫えいを形成するフシダニが増殖し、多くの葉がこぶだらけになることが知られている。従って、クスノキの葉のダニ室はクスノキに病変を引き起こすフシダニの天敵の維持に役立っていると考えられている。
自治体・大学の木
日本国内
県の木
市・特別区の木
- 群馬県:藤岡市
- 東京都:大田区、江戸川区、調布市
- 神奈川県:平塚市
- 静岡県:富士市、磐田市、静岡市
- 岐阜県:大垣市
- 愛知県:名古屋市、豊橋市、刈谷市、西尾市、蒲郡市、東海市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、田原市
- 三重県:四日市市
- 滋賀県:長浜市、守山市
- 京都府:八幡市
- 大阪府:岸和田市、池田市、吹田市、泉大津市、守口市、富田林市、河内長野市、和泉市、門真市、摂津市、東大阪市、泉南市、四條畷市
- 兵庫県:西宮市、伊丹市
- 奈良県:五條市、御所市、葛城市
- 和歌山県:和歌山市
- 岡山県:倉敷市、津山市
- 広島県:広島市、福山市、三原市
- 山口県:下関市、宇部市、周南市
- 香川県:善通寺市
- 愛媛県:今治市、新居浜市
- 高知県:宿毛市
- 福岡県:福岡市、飯塚市、筑後市、中間市、小郡市、宗像市、太宰府市
- 長崎県:島原市
- 大分県:別府市
- 宮崎県:宮崎市
- 鹿児島県:鹿児島市、鹿屋市、姶良市
行政区の木
町の木
- 千葉県:香取郡神崎町
- 神奈川県:足柄下郡真鶴町
- 愛知県:知多郡東浦町、武豊町
- 大阪府:三島郡島本町、泉北郡忠岡町、南河内郡太子町
- 島根県:鹿足郡津和野町
- 広島県:安芸郡府中町、海田町
- 山口県:阿武郡阿武町
- 徳島県:板野郡藍住町、三好郡東みよし町
- 福岡県:糟屋郡宇美町、新宮町、遠賀郡岡垣町、鞍手郡鞍手町、京都郡苅田町、築上郡築上町
- 長崎県:西彼杵郡時津町、東彼杵郡東彼杵町
- 大分県:玖珠郡玖珠町
- 鹿児島県:曽於郡大崎町、肝属郡肝付町
村の木
大学の木
かつて指定していた自治体(廃止)
- 静岡県:小笠郡菊川町
- 愛知県:西春日井郡西枇杷島町、海部郡甚目寺町
- 三重県:三重郡楠町、志摩郡磯部町
- 大阪府:南河内郡美原町
- 奈良県:北葛城郡當麻町
- 和歌山県:海草郡野上町、有田郡吉備町、日高郡中津村
- 広島県:深安郡神辺町
- 山口県:徳山市、厚狭郡楠町、豊浦郡豊浦町
- 徳島県:海部郡日和佐町
- 香川県:木田郡庵治町、香川郡香川町、三豊郡大野原町
- 愛媛県:伊予三島市、北条市、越智郡朝倉村、伯方町、大三島町、北宇和郡三間町
- 高知県:香美郡土佐山田町
- 福岡県:嘉穂郡筑穂町、三井郡北野町、築上郡築城町、八女郡黒木町、立花町
- 佐賀県:神埼郡神埼町
- 長崎県:南高来郡有明町、南串山町
- 熊本県:玉名郡岱明町、菊水町、天草郡栖本町、五和町、鹿本郡植木町
- 宮崎県:北諸県郡高崎町
- 鹿児島県:川辺郡川辺町、肝属郡内之浦町、姶良郡加治木町、蒲生町
国外
県の木
参考文献
矢野憲一・矢野高陽 『楠(くすのき)』 法政大学出版局(ものと人間の文化史)、2010年
関連項目
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ウィキスピーシーズにクスノキに関する情報があります。 |
|
ウィキメディア・コモンズには、クスノキに関連するカテゴリがあります。 |
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ウィキメディア・コモンズには、日本のクスノキに関連するカテゴリがあります。 |
- 樟脳 - クスノキから採れる成分
- アオスジアゲハ - 幼虫がクスノキ科の植物の葉を食べる
- 立花山 - クスの群落がある
- ホウショウ - クスノキの変種
- 鎮守の森
- 萱島駅 - ホームの間にある
外部リンク
- 波田善夫. “クスノキ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学. 2010年12月17日閲覧。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- クスノキ科アオモジ愛知県尾張旭市森林公園付近に野生化
- 被爆したクスノキを囲む遊びを誘発する園舎 日本キリスト教団 広島牛田教会+牛田教会学園 あやめ幼稚園 : 設計 仲子盛進綜合環境デザイン (特集 保育の場をめぐる思考 : 保育施設(保育所・幼稚園・こども園)の実践から)
- 都市域成熟林における林冠層優占種エノキ,ムクノキ,ケヤキ,クスノキ実生の成長特性 (平成27年度日本造園学会全国大会研究発表論文集(33))
- 田端 敬三,橋本 啓史,森本 幸裕
- ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture 78(5), 663-666, 2015-03
- NAID 40020469123
Related Links
- クスノキ Cinnamomum camphora (L.) Sieb. (クスノキ科 ニッケイ属) 暖地に野生し、しばしば公園や、社寺林に栽培されるクスノキ科の常緑高木。大きく生長し、神社などで神木として崇められている巨樹も多い。常緑樹ではあるが ...
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