出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/22 21:05:11」(JST)
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カボチャ属 | ||||||||||||||||||
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カボチャ
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分類 | ||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||
カボチャ(南瓜) | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Pumpkin、Squash | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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カボチャ(南瓜)は、ウリ科カボチャ属(学名 Cucurbita)の総称である。特にその果実をいう。原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカ。果実を食用とし、カロテン、ビタミン類を多く含む緑黄色野菜。
日本語における呼称は、この果菜が国外から渡来したことに関連するものが多い。
一般にはポルトガル語由来であるとされ、通説として「カンボジア」を意味する Camboja (カンボジャ)の転訛であるとされる[1]。 方言では「ぼうぶら」「ボーボラ」などの名を用いる地方もあり、これはやはりポルトガル語で、「カボチャ」や「ウリ類」を意味する abóbora (アボボラ)に由来するとされる。 ほかに「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などの名もある。 漢字表記「南瓜」は中国語: 南瓜 (ナングァ; nánguā)によるもの。
英名は pumpkin (パンプキン)であると理解されている場合が少なくないが、実際には、少なくとも北米では、果皮がオレンジ色の種類のみが pumpkin であり、その他のカボチャ類は全て squash (スクウォッシュ)と総称される[2]。 したがって日本のカボチャは、kabocha squash (カボチャ・スクウォッシュ)などと呼ばれている。
属名Cucurbita はラテン語で、一般的には「ウリ」と訳される語を転用したもの。
葉は大きく突起を持ち、斑模様や裂片をつける。花は黄色や橙色であり、短命。そのため受粉に人工授粉が施されることが多い。
栽培されているのは主に次の3種類である。
栽培は日本では春に播種し夏から秋にかけて果実を収穫する。野菜の中でも特に強健で、こぼれ種から発芽することもある。栽培法はいたって簡単で、無農薬栽培も可能。播種・植えつけ後は放置してもよい。ただし、都会などで花粉の媒介を行う昆虫がいない場合は人工授粉しなければならない場合がある。人工授粉は午前9時までに行う。また垣根に這わせたり日よけ代わりに使うこともできる。施肥では窒素過多の場合、つるぼけを起こすことがある。
日本への渡来については諸説あるが、東洋カボチャは天文年間(1532年-1555年)に豊後国(現在の大分県)にポルトガル人がカンボジアから持ち込み、当時の豊後国の大名であった大友義鎮(宗麟)に献上したという説が有力である[3]。このカボチャは「宗麟かぼちゃ」と名づけられ大分県などで伝統的に栽培されている[4]。ペポ種は中国を経由して来たため唐茄子とも呼ばれる。強健な性質を利用して、カボチャをキュウリやメロンの接ぎ木の台にすることもある。
この節の正確性に疑問が呈されています。問題箇所に信頼できる情報源を示して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2015年4月) 疑問点:栄養価の表の出典は、USDA栄養データベースとのことですが、日本で一般に食される日本カボチャや西洋カボチャの含まれるsquashではなく、pumpkinのものを記述しているようです。 五訂増補日本食品標準成分表における、日本カボチャ: 49kcal / 西洋カボチャ: 91kcalに比較し、明らかにエネルギーが少ないなど、差が著しいため検証・修正が必要かと思われます。また、後半部に掲載の食物繊維量は、五訂増補日本食品標準成分表における日本カボチャの値のようですが、やはり西洋カボチャとは差があるので、明記するのが適当かと思います。なお、本記事の他の部分にも書かれている通り、現在の主流は西洋カボチャであるようなので、どちらかのみ記述する場合は明記、あるいは両方の値を記述することも、考慮すべきかと思います。 |
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 109 kJ (26 kcal) |
炭水化物
|
6.5 g
|
糖分 | 1.36 g |
食物繊維 | 0.5 g |
脂肪
|
0.1 g
|
飽和脂肪酸 | 0.052 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.013 g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.005 g |
タンパク質
|
1 g
|
トリプトファン | 0.012 g |
トレオニン | 0.029 g |
イソロイシン | 0.031 g |
ロイシン | 0.046 g |
リシン | 0.054 g |
メチオニン | 0.011 g |
シスチン | 0.003 g |
フェニルアラニン | 0.032 g |
チロシン | 0.042 g |
バリン | 0.035 g |
アルギニン | 0.054 g |
ヒスチジン | 0.016 g |
アラニン | 0.028 g |
アスパラギン酸 | 0.102 g |
グルタミン酸 | 0.184 g |
グリシン | 0.027 g |
プロリン | 0.026 g |
セリン | 0.044 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量
β-カロテン
ルテインと
ゼアキサンチン |
(46%)
369 μg (29%)
3100 μg1500 μg
|
チアミン (B1) |
(4%)
0.05 mg |
リボフラビン (B2) |
(9%)
0.11 mg |
ナイアシン (B3) |
(4%)
0.6 mg |
パントテン酸 (B5)
|
(6%)
0.298 mg |
ビタミンB6 |
(5%)
0.061 mg |
葉酸 (B9) |
(4%)
16 μg |
ビタミンB12 |
(0%)
0 μg |
コリン |
(2%)
8.2 mg |
ビタミンC |
(11%)
9 mg |
ビタミンD |
(0%)
0 IU |
ビタミンE |
(7%)
1.06 mg |
ビタミンK |
(1%)
1.1 μg |
ミネラル | |
カルシウム |
(2%)
21 mg |
鉄分 |
(6%)
0.8 mg |
マグネシウム |
(3%)
12 mg |
マンガン |
(6%)
0.125 mg |
セレン |
(0%)
0.3 μg |
リン |
(6%)
44 mg |
カリウム |
(7%)
340 mg |
ナトリウム |
(0%)
1 mg |
亜鉛 |
(3%)
0.32 mg |
他の成分 | |
水分 | 91.6 g |
|
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
完全に熟してから食する。ビタミンAを豊富に含む。皮は硬いが長く煮ることでやわらかくして食べることができる。サツマイモと同様にデンプンを糖に変える酵素を含んでおり、貯蔵によってあるいは低温でゆっくり加熱することによって甘味が増す。従って、収穫直後よりも収穫後、約1か月頃が糖化のピークで食べ頃となる。日本には冬至にカボチャを食べる風習があるが、前述のように糖化に時間がかかり晩秋以降が食べ頃になるのと、それによって年末まで日持ちする数少ない野菜であるのが一因である。
甘みの強い品種は菓子作りにも向いており、パンプキンパイや、南アメリカのフランやタイの「サンカヤー・ファクトン」などのプリンなどに加工される。
フランスではスープの材料として使われることが一般だが、南部ではパイやパンに料理される。アルゼンチンでは中をくりぬいたカボチャにシチューを入れる。
種子(パンプキンシード)も食品として市販されており、ナッツとして扱われる。パンや洋菓子のトッピングとして用いられることが多い。メキシコにはカボチャの種子をすりつぶしたソースで肉や野菜を煮込んだ、ピピアン (pipián) という伝統料理がある。また、種子から食用油(パンプキンシードオイル)が取れる。
米国ではシナモンやクローブなど、パンプキンパイに用いる香辛料とカボチャを使って醸造したビールが生産されている。 日本では北海道での生産量が多い。アイヌの人々もカボチャを栽培しており、北海道での栽培の歴史は古い[5]。
項目 | 分量 |
---|---|
炭水化物 | 10.9 g |
食物繊維総量 | 2.8 g |
水溶性食物繊維 | 0.7 g |
不溶性食物繊維 | 2.1 g |
乾燥した種子は南瓜仁(ナンカニンまたはナンガニン)という生薬で条虫、回虫駆除に用いられる。
など。 このうちトンガでは、もともとかぼちゃの栽培が行われていなかったが、気候がかぼちゃの生育に最適であることと、日本でカボチャの需要が多いにもかかわらず収穫の出来ない12月ごろに収穫期を迎えることに目をつけた日本の商社が1990年代にカボチャ栽培を持ち込んだ。現在ではカボチャはトンガの主要輸出品目となっている。
日本における収穫量上位10都道府県(2012年)[8]
収穫量順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 作付面積(ha) |
---|---|---|---|
1 | 北海道 | 113,300 | 8,850 |
2 | 鹿児島県 | 12,800 | 983 |
3 | 茨城県 | 9,420 | 532 |
4 | 長崎県 | 8,160 | 537 |
5 | 千葉県 | 5,380 | 265 |
6 | 宮崎県 | 5,170 | 234 |
7 | 神奈川県 | 3,660 | 230 |
8 | 沖縄県 | 3,100 | 478 |
9 | 石川県 | 2,830 | 223 |
10 | 岡山県 | 2,820 | 168 |
― | 全国計 | 227,100 | 17,800 |
世界のカボチャ類(pumpkins, squash and gourds)の収穫量上位10か国(2012年)[9]
収穫量順位 | 国 | 収穫量(t) | 作付面積(ha) |
---|---|---|---|
1 | 中華人民共和国 | 7,000,000 | 380,000 |
2 | インド | 4,900,000 | 510,000 |
3 | ロシア | 1,080,845 | 53,400 |
4 | イラン | 965,000 | 60,000 |
5 | アメリカ合衆国 | 900,880 | 36,980 |
6 | ウクライナ | 587,800 | 26,000 |
7 | メキシコ | 564,986 | 34,001 |
8 | エジプト | 559,606 | 30,906 |
9 | イタリア | 520,000 | 19,000 |
10 | スペイン | 502,600 | 10,000 |
― | 世界計 | 24,616,114.6 | 1,788,773 |
日本の収穫量は23位で212,000t、作付面積は18位で18,200haである[9]。
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