- 英
- caspofungin
- 化
- カスポファンギン酢酸塩
- 関
- 抗真菌薬、キャンディン系抗真菌薬
- 作用はアムホテリシンBと同等、副作用の発現率はミカファンギンと同等
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カンサイダス点滴静注用50mg
組成
有効成分の名称
含量注)(カスポファンギンとして)
添加物注)
- 精製白糖:39.0mg
D-マンニトール:26.0mg
氷酢酸:2.0mg
水酸化ナトリウム:適量
- 注)バイアルには調製時の損失を考慮し、カスポファンギン及び添加物が過量充填されている。最終溶解液には50mg相当量のカスポファンギンが含まれている。
禁忌
効能または効果
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症
- ・食道カンジダ症
- ・侵襲性カンジダ症
- ・アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ)
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
- 本剤は以下の3条件を満たす症例に投与すること。
- ・1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
- ・好中球数が500/mm3未満の場合、又は1,000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
- ・適切な抗菌薬投与を行っても解熱せず、抗真菌薬の投与が必要と考えられる場合
- 発熱性好中球減少症の患者への投与は、発熱性好中球減少症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
- 発熱性好中球減少症に投与する場合には、投与前に適切な培養検査等を行い、起炎菌を明らかにする努力を行うこと。起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること。
侵襲性カンジダ症
- カンジダ血症、腹腔内膿瘍、腹膜炎、胸腔内感染以外における検討は行われていない。〔「臨床成績」の項参照〕
侵襲性アスペルギルス症
- 他の治療が無効あるいは忍容性に問題がある患者に本剤の使用を考慮すること。
成人
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
- 通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。
カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症
・食道カンジダ症
- 通常、カスポファンギンとして50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。
・侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
- 通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。
小児
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属又はアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
- 通常、カスポファンギンとして投与初日に70mg/m2(体表面積)を、投与2日目以降は50mg/m2(体表面積)を1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。なお、1日1回50mg/m2(体表面積)の投与で効果不十分の場合には、1日1回70mg/m2(体表面積)まで増量することができる。いずれの場合も1日用量として70mgを超えないこと。
点滴静注液の調製法
成人
バイアル中の本剤の溶解
- バイアルを常温に戻し、本品1バイアル(70mgバイアル又は50mgバイアル)に、生理食塩液あるいは注射用水10.5mLを注入し、ゆっくりと振り混ぜて粉末状の本剤を完全に溶解させる。バイアル中に溶解した本剤の溶液が混濁又は沈殿している場合はその溶液を使用しないこと。本剤の溶解後の濃度は、7.2mg/mL(70mgバイアル)又は5.2mg/mL(50mgバイアル)とそれぞれ異なるので希釈する時は注意すること。
本剤投与時の調製方法
- 希釈液は、生理食塩液又は乳酸リンゲル液を用いる。通常、バイアル中で溶解した本剤の溶液の必要量(下記参照)を、250mLの希釈液の入った点滴静注用バッグ又はボトルに添加して希釈し、点滴静注液とする。調製後の点滴静注液が混濁又は沈殿している場合はその静注液を使用しないこと。1日1回用量が50mg又は35mgの場合には、必要に応じて希釈液を100mLに減じて用いることができる。
点滴静注液の調製法
1日1回用量:70mg
- 調製に用いるバイアルと本数†:70mg バイアル1本
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:10mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.28mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):推奨しない||
1日1回用量:70mg
- 調製に用いるバイアルと本数†:50mg バイアル2本‡
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:14mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.28mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):推奨しない||
1日1回用量:50mg
- 調製に用いるバイアルと本数†:70mg バイアル1本§
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:7mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.20mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.47mg/mL
1日1回用量:50mg
- 調製に用いるバイアルと本数†:50mg バイアル1本
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:10mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.20mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.47mg/mL
1日1回用量:35mg(中等度肝機能障害用)
- 調製に用いるバイアルと本数†:70mg バイアル1本
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:5mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.14mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.34mg/mL
1日1回用量:35mg(中等度肝機能障害用)
- 調製に用いるバイアルと本数†:50mg バイアル1本
点滴静注用バッグ又はボトルへ添加する本剤の溶液量:7mL
希釈後の本剤の濃度
通常の調製法(250mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.14mg/mL
希釈液を減量した調製法(100mLの希釈液に本剤溶液を添加):0.34mg/mL
- † 70mgバイアル、50mgバイアルのいずれを用いる際も、バイアル中の本剤の溶解には生理食塩液あるいは注射用水を10.5mL用いること。
- ‡ 70mgバイアルが利用できない場合には、50mgバイアル2本を用いて1日1回用量70mgの点滴静注液を調製することができる。
- § 50mgバイアルが利用できない場合には、70mgバイアル1本を用いて1日1回用量50mgの点滴静注液を調製することができる。
- || 100mLの希釈液を用いた調製法は推奨しない。調製後の最終濃度が0.5mg/mLを超えないこと。
小児
患者の体表面積(BSA)に基づく1日1回の用量の計算
- 本剤投与前に患者の体表面積(BSA)に基づいて用量を計算する。〔Mosteller式によるBSAの算出方法は、【薬物動態】の項参照〕
投与初日の用量(mg)は、BSA(m2)×70mg/m2で計算し、投与2日目以降の用量(mg)は、BSA(m2)×50mg/m2で計算する。
ただし、投与初日及び投与2日目以降の1日用量は、患者毎に計算された用量に関わらず、70mgを超えないこと。
バイアル中の本剤の溶解
- バイアルを常温に戻し、本品1バイアル(70mgバイアル又は50mgバイアル)に、生理食塩液あるいは注射用水10.5mLを注入し、ゆっくりと振り混ぜて粉末状の本剤を完全に溶解させる。バイアル中に溶解した本剤の溶液が混濁又は沈殿している場合はその溶液を使用しないこと。本剤の溶解後の濃度は、7.2mg/mL(70mgバイアル)又は5.2mg/mL(50mgバイアル)とそれぞれ異なるので希釈する時は注意すること。
本剤投与時の調製方法
- 希釈液は、生理食塩液又は乳酸リンゲル液を用いる。バイアル中で溶解した本剤の溶液から計算した用量に相当する必要量〔(1)項参照〕を、点滴静注用バッグ又はボトルに添加して希釈し、点滴静注液とする。調製後の点滴静注液が混濁又は沈殿している場合はその静注液を使用しないこと。調製後の最終濃度が0.5mg/mLを超えないこと。
- 本剤の投与期間は患者の臨床症状、効果等に基づき決定し、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。〔「臨床成績」の項参照〕
- 成人に対しては、下記の点に注意すること。
- 中等度の肝機能障害を伴う患者に対しては、下記を目安に本剤の用量調節をすること。〔「薬物動態」の項参照〕
Child-Pughスコア:7〜9(中等度)
- 効能・効果
食道カンジダ症:35mgを1日1回
発熱性好中球減少症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症:投与初日に70mg、投与2日目以降は35mgを1日1回
- 軽度の肝機能障害(Child-Pughスコア5〜6)を伴う患者に対しては通常の用量を投与する。
重度の肝機能障害(Child-Pughスコア10以上)を伴う患者に対しては本剤の投与経験がない。
- エファビレンツ、ネビラピン、リファンピシン、デキサメタゾン、フェニトイン、カルバマゼピンと本剤を併用する場合、本剤70mgの1日1回投与を検討すること。〔「相互作用」及び「薬物動態」の項参照〕
- 小児に対しては、下記の点に注意すること。
- 3ヵ月未満の患者では血中濃度が高くなる可能性があるので、3ヵ月未満の患者に投与する際は減量を考慮すること。〔「薬物動態」の項参照〕
- 小児の肝機能障害患者に対する検討は行われていない。
- エファビレンツ、ネビラピン、リファンピシン、デキサメタゾン、フェニトイン、カルバマゼピンと本剤を併用する場合、本剤70mg/m2の1日1回投与を検討すること。なお、1日用量として70mgを超えないこと。〔「相互作用」及び「薬物動態」の項参照〕
- 本剤の調製に際しては、ブドウ糖を含む希釈液を使用しないこと。〔本剤はブドウ糖を含む希釈液中では不安定である。〕
- 本剤の投与に際しては、他の薬物と混合しないこと。また、他剤と同じラインで同時に点滴静注を行わないこと。他剤と連続注入する場合には、本剤の投与前後にラインを生理食塩水又は乳酸リンゲル液でフラッシュすること。〔他の薬物と混合した場合及び他剤と同じラインで同時に点滴静注を行った場合のデータはない。〕
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者。特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。
重大な副作用
アナフィラキシー(頻度不明)注1)
- アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分行い、発疹、顔面腫脹、血管浮腫、そう痒症、熱感、気管支痙攣、呼吸困難、潮紅等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(頻度不明)注1)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇や肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)注1)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗真菌作用22)〜29)
- カスポファンギンは、アスペルギルス属(A.fumigatus、A.flavus、A.nidulans、A.niger、A.terreusを含む)及びカンジダ属(C.albicans、C.glabrata、C.guilliermondii、C.kefyr(旧名C.pseudotropicalis)、C.krusei、C.lusitaniae、C.parapsilosis、C.tropicalisを含む)に対して幅広いin vitro抗真菌作用を示す。カンジダ属に対しては殺菌的に作用し、アスペルギルス属には菌糸の伸長抑制作用を示す。
In vivoでは、アスペルギルス属(A.fumigatus)の播種性感染又は肺感染による免疫不全モデル(マウス、ラット)への非経口投与により、生存期間の延長が認められた。また、カンジダ属の播種性感染、並びに口腔咽頭及び消化器感染による免疫正常又は免疫不全モデル(マウス)への非経口投与により、生存期間の延長(C.albicans)又は標的器官からの除菌作用(C.albicans、C.glabrata、C.krusei、C.lusitaniae、C.parapsilosis、C.tropicalis)がみられた。
作用機序25)
- 真菌(アスペルギルス属及びカンジダ属)細胞壁の主要構成成分である1,3-β-D-グルカンの生合成を阻害する。なお、哺乳類の細胞は、1,3-β-D-グルカンを合成しない。
耐性菌30)〜32)
- カンジダ属においてカスポファンギンに対して低感受性を示す株が報告されている。この感受性の低下にはグルカン合成酵素のFKSサブユニットの変異が関与しているとの報告がある。
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- カスポファンギン、主としてカビに作用するもの、抗真菌薬
[★]
- 英
- fan
- 関
- 送風機