- 英
- black currant
- 関
- スグリ、スグリ属、スグリ科
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/03/24 23:00:41」(JST)
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クロスグリ |
クロスグリ
|
分類(APG III) |
界 |
: |
植物界 Plantae |
階級なし |
: |
被子植物 angiosperms |
階級なし |
: |
真正双子葉類 eudicots |
階級なし |
: |
コア真正双子葉類 core eudicots |
目 |
: |
ユキノシタ目 Saxifragales |
科 |
: |
スグリ科 Grossulariaceae |
属 |
: |
スグリ属 Ribes |
種 |
: |
クロスグリ R. nigrum |
|
学名 |
Ribes nigrum
L. |
和名 |
クロスグリ |
英名 |
Blackcurrant |
クロスグリ(黒酸塊、別名クロフサスグリ、英名ブラックカラント (Blackcurrant)、学名 Ribes nigrum)は、小さな食用の果実をつける温帯性の落葉低木。カシス(仏: Cassis)とも呼ばれる。果実は黒に近い濃紫色で、ビタミンCやアントシアニンが豊富。他のスグリの仲間と同じく、スグリ科スグリ属に分類される。
目次
- 1 生産
- 2 利用法
- 3 成分
- 4 関連項目
- 5 脚注
- 6 外部リンク
生産
カシスの世界最大の産地はポーランドで、毎年10万トンから14万5千トンの収穫高があり、これは世界全体の収穫高の約半分を占める。ポーランドは同時に輸出高でも世界最大である[1]。またポーランドは品種改良も盛んで、頻繁に新品種を生み出している[2]。
日本では青森県青森市が国内最大の産地となっている。
- アメリカ合衆国では19世紀まではクロスグリが広く栽培されていたが、1900年代にアジアからヨーロッパ経由で侵入し、抵抗性のないアメリカ大陸のマツ類に壊滅的被害を出し続けている五葉マツ類発疹さび病(英名:white pine blister rust)の原因菌Cronartium ribicolaの中間宿主になるということで クロスグリの栽培は禁止された。連邦政府によるクロスグリの栽培禁止令は1966年に廃止され、バーモント州、ニューヨーク州、コネティカット州、オレゴン州などでクロスグリ栽培が再び盛んになってきたが、現在でもマサチューセッツ州、メイン州、ニューハンプシャー州などの東部の諸州ではクロスグリの栽培が禁止されている。合衆国におけるクロスグリの認知度は低く、禁止令以前のレベルや欧州ほど一般的にはなっていない。
利用法
クロスグリの実はかすかな苦味をもち、ゼリー、ジャム、アイスクリーム、コーディアル、リキュールなどに利用される。イギリス、ヨーロッパ、イギリス連邦諸国では、クロスグリの風味を加えたり、干した果実を加えたクッキーなどの菓子が多数存在する。しかし、同じブランドの製品でも北アメリカでは、この風味が取り除かれていることが多く、代わりに利用しやすいブドウ味が使用されている。
また、クロスグリを使った飲み物は様々なものが販売されているが、国によって呼び方が異なる。
- 酒場では、クロスグリのコーディアルは単に「ブラック」と呼ばれる。例えば、「ウォッカ・アンド・ブラック」「スネークバイト・アンド・ブラック」「ペルノー・アンド・ブラック」「ブラック・アンド・レモネード」など。
- 北アメリカでは、クロスグリのコーディアルを「クレーム・ド・カシス (仏: creme de cassis)」と呼ぶ。
- イギリスやフランスでは、「キール」などで用いるクロスグリのリキュールを「クレーム・ド・カシス」と呼ぶ。
- オランダでは、赤い色のクロスグリ味のソフトドリンクをカシスと呼ぶ。
- イギリスのグラクソ・スミスクライン社は「ライビーナ」という商品名のクロスグリのコーディアルを生産している。ライビーナはイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港などで販売されており、とても甘いが、主に子供向けの「健康飲料」として販売されている。
アガサ・クリスティの創作したベルギー人の名探偵エルキュール・ポアロは、しばしばクロスグリのシロップを飲んでいる。
成分
- 果実以外の植物の性質はフサスグリにとても似ているが、両者は明確に見分けることができる。クロスグリの葉や茎は、「ネコの尿」を思わせる強烈な臭いがする。葉芽からこの臭いのする精油が得られて香水などにアクセントとして使用されている。この臭いの本体は4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールという化合物である。
4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールの構造式
- クロスグリの種子油(カシスオイル)は、必須脂肪酸であるγ-リノレン酸 (GLA) を多量に含む。
- マウスでの動物実験では、A型インフルエンザウイルスに対し抗インフルエンザウイルス作用が示唆される[3]。
- かつて、クロスグリに限らず、ベリーはデザイナーフーズ計画のピラミッドで3群に属しており、3群の中でも、ローズマリー、セージ、大麦、ジャガイモと共に3群の最下位に属するが、癌予防効果のある食材であると位置づけられていた[4]。
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、クロスグリに関連するメディアがあります。 |
- クレーム・ド・カシス - クロスグリのリキュール
- フサスグリ
- 五葉マツ類発疹さび病
脚注
- ^ Stanislaw Pluta et al. (2008). “Evaluation of the suitability of Polish blackcurrant cultivars for commercial cultivation”. Journal of Fruit and Ornamental Plant Research 16: 153-166. http://www.insad.pl/files/journal_pdf/journal_2008/full15%202008.pdf.
- ^ “Breeding of Blackcurrant suitable for Processing and fresh market”. 2012年8月21日閲覧。
- ^ 野口茜、武田俊之・渡辺剛・ほか「カシスエキスの抗インフルエンザウイルス作用」、『信州大学農学部紀要』第44巻1-2、2008年3月、 1-8頁、 NAID 120000823053。
- ^ がん予防と食品、大澤 俊彦、日本食生活学会誌、Vol.20 (2009) No.1
外部リンク
- “日本カシス協会”. 2012年8月21日閲覧。
- “カシス、ブラックカラント、クロフサスグリ(黒房酸塊)、クロスグリ(黒酸塊) - 「健康食品」の安全性・有効性情報”. 国立健康・栄養研究所. 2012年8月21日閲覧。
- “Black currants could relieve stress” (2010年7月28日). 2012年8月21日閲覧。
Japanese Journal
- 複数の演奏空間をネットワーク接続する「音響樽」の実現 (特集 音響制御の最前線 : 再び注目されるアクティブコントロール技術)
- 二酸化炭素マイクロバブルによるカシス飲料中のアントシアニンの安定化
- 川崎 保美,大原 浩樹,中村 宣貴 [他]
- 日本食品科学工学会誌 = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 59(12), 611-615, 2012-12
- NAID 40019515112
- プローブカーデータによるリンク交通量推定手法の有効性評価
- 大道 修,廣森 聡仁,梅津 高朗,山口 弘純,東野 輝夫
- 情報処理学会研究報告. ITS, [高度交通システム] 2012-ITS-51(20), 1-8, 2012-11-08
- 近年,車両自体がセンサとなって,走行速度やその変化などの走行状況を逐次収集するプローブカーシステムが注目を浴びている.しかし,車両全体に占めるプローブカーの割合は現状では数 % 程度に留まっており,プローブカーで観測されたデータのみからの交通量推定は容易ではない.我々の研究グループでは,あらかじめ様々な交通状況を集計しておき,プローブカーにより観測されたデータに適合する交通状況を発見することにより …
- NAID 110009486432
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