- 英
- copepod
- 関
- 橈脚類
WordNet
- minute marine or freshwater crustaceans usually having six pairs of limbs on the thorax; some abundant in plankton and others parasitic on fish (同)copepod crustacean
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/08 18:05:44」(JST)
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カイアシ類 |
海産のカイアシ類カラヌス目の一種
|
分類 |
界 |
: |
動物界 Animalia |
門 |
: |
節足動物門 Arthropoda |
亜門 |
: |
甲殻亜門 Crustacea |
綱 |
: |
顎脚綱 Maxillopoda |
亜綱 |
: |
カイアシ亜綱(橈脚亜綱)
Copepoda |
|
学名 |
Copepoda
H. Milne-Edwards, 1840 |
英名 |
Copepod |
下綱 |
- 原始前脚下綱 Progymnoplea
- 新カイアシ下綱 Neocopepoda
|
カイアシ類(橈脚類)とは、節足動物門 甲殻亜門 顎脚綱 カイアシ亜綱に属する動物の総称である。ケンミジンコ、コペポーダとも呼ばれる。多くはプランクトンとして生活する微小な甲殻類であるが、底生のもの、寄生性のもの、陸生のものも存在する。
目次
- 1 概要
- 2 形態
- 3 分類
- 4 参考文献
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要
カイアシ類は、甲殻類のカイアシ亜綱(以前は橈脚(とうきゃく、じょうきゃく)亜綱といわれた)に属する動物の総称である。ケンミジンコ、また、学名の copepoda をカナ読みにしてコペポーダという場合も多い。いわゆるミジンコとは、大きさやその生活は類似するが、形態は大きく異なる。
大部分はプランクトン生活をしている。一部に底生のもの、間隙性のものもある。また、生活史の一部で寄生生活[1][2]を送るものもある。淡水[3]にも海水[4]にも多くの種があるが、海水の方が多様である。地下水生の種も知られる。
プランクトンネットで採集される、海の動物プランクトンでは、カイアシ類が数、量ともに最大の割合を占めることが多い。魚やクラゲなどの肉食性の生物の餌としてきわめて重要である。海洋表層の食物連鎖では、藻類による光合成で生産された有機物を、魚[5]など高次の捕食者に転送する、重要な位置を占める。
形態
たいていは前方が太くて後方に向けてすぼまった、いわば野球のバットやスリコギのような形をしている。背面は甲羅に覆われ、腹面には付属肢が並んでいる。付属肢の多くは短くて、上から見ると体の下に隠れている。前端からは一対の長い触角、後方には一対の尾肢、場合によっては腹部に一個又は一対の卵嚢が目立つ。一対の卵嚢を持つ場合、一個の卵嚢の大きさが体に近いくらいあるので、上から見ると、三菱のマークに似て見える。
体は前半の頭胸部と後半の尾部に分かれている。頭胸部はまとまった形をしているが、後半の胸部は節に分かれている。前端からは一対の触角が伸びるが、これは第一触角である。第一触角はカラヌス目では長く伸び、体長と同じくらいとなる。種によっては触角から長い毛が伸びる。また、カラヌス目では雄の右側触角が変形して雌を保持する働きをする把握器となっている。他の類でも、この触角で雌を保持するために雌雄で形が異なる。第二触角はごく短く、頭部の下に折り曲げられており、二肢型であるか、外肢がなくなっている。触角より後には大顎・小顎二対・顎脚が並ぶ。第一触角の間には中央に一個の眼がある。往々にして赤く光ってよく目立つ。なお、代表的な属のひとつ、キクロプス(Cyclops)属の属名はギリシャ神話の一つ目巨人キュクロープスに由来する。
胸部には四対の脚が並ぶが、いずれも胴体の下に隠れている。脚はいずれも二肢型で、それぞれ三節からなる。遊泳用に用いられ、遊泳用の毛が多数はえている。左右同時に前後に動かす。それに続く五対目の付属肢は交尾肢となっており、雄のそれは複雑な構造になり、雌の生殖孔付近へ精包をつける役割を果たす。雌のそれは退化的である。
腹部は頭胸部よりも幅が狭くなっており、これらの間はややくびれて、曲げられるようになっている。体節は少なく、鰓もない。最後の尾節からは一対の尾又が出て、そこから数本の長い毛が伸びている。
生殖孔は腹部の第一節に開く。雌はその入り口に一個、又は一対の卵嚢をぶら下げて保持する。
卵から孵化した幼生はノープリウスで、次第に体節を増やして成長する。ノープリウス期に六期、その後コペポディド期に五期があり、その後に成体となる。都合11回の脱皮によって成熟する。
分類
カイアシ亜綱には11の目がある。種類は多いが、外見はよく似たものが多い。属の同定には、触角,大顎,小顎や胸肢の形を観察・識別する必要があり、実体顕微鏡下での解剖針を用いた解剖が必須である。
- 原始前脚下綱 Progymnoplea
- プラティコピア目 Platycopioida:自由生活性
- 新カイアシ下綱 Neocopepoda
- 前脚上目 Gymnoplea
- カラヌス目(ヒゲナガケンミジンコ目) Calanoida:頭胸部は腹部より幅広い。第五胸脚は前半部にある。第一触角の長いものが多い。雄の第一触角右側は雌を保持するための、把握器となっており、たいていは中ほどが幅広くなり、突起がある。卵嚢は一個で、腹部基部の下面にぶら下がる。主として海洋に分布、魚類やヒゲクジラの餌として重要な種を含む。淡水産もある。
- カラヌス属 Calanus:海産の代表的な属。
- Diaptomus:淡水性、湖水に普通。
- 後脚上目 Podoplea
- キクロプス目(ケンミジンコ目) Cyclopoida:頭胸部は腹部より幅広い。第五胸脚は腹部の側についている。触角は雌雄で形が異なるが左右対称。卵嚢は一個または一対で、腹部基部の左右に突き出る。淡水産、海産、一部に寄生性の種がある。
- キクロプス属 Cyclops:淡水産。
- オイトナ属 Oithona:海産。
- ゲリエラ目 Gelyelloida:自由生活性
- ソコミジンコ目(ツツガタミジンコ目、ハルパクチクス目) Harpacticoida:体は筒形で前体部と腹部の間はあまりくびれない。触角は短め。卵嚢は一個、腹部下面につく。海産、淡水産、プランクトンもあるが、ほとんどは底面や海藻の表面などをはい回る。一部に間隙性の種や、土壌動物として陸上から発見されるものがある。
- ハルパクチクス属 Harpacticus:海産、汽水産など。海藻表面を這う。
- シオダマリミジンコ属 Tigriopus:水温、塩分濃度の変化に強く、高潮帯の潮溜まりに出現する。
- ミソフリア目 Misophrioida:自由生活性
- モンストリラ目 Monstrilloida:幼生時に寄生性、口器を欠く。
- モルモニラ目 Mormonilloida:自由生活性
- ツブムシ目(ポエキロストム目) Poecilostomatoida:寄生性、自由生活性
- Corycaeus:自由生活性
- Oncaea:自由生活性
- ウオジラミ目(シフォノストム目) Siphonostomatoida:寄生性
- タウマトプシルス目 Thaumatopsylloida:寄生性
参考文献
- 長澤和也編、大塚攻・長澤和也・菊地義昭・上真一・池田勉他著 『カイアシ類学入門』 東海大学出版会、2005年、326頁、ISBN 4-486-01673-4
- 大塚攻・駒井智幸 「3.甲殻亜門」 『節足動物の多様性と系統』 石川良輔編、岩槻邦男・馬渡峻輔監修、裳華房、2008年、172-268頁
脚注
- ^ 近藤昌和、安本信哉、高橋幸則、寄生性カイアシ類Acanthochondria eptatreti (PDF) Journal of National Fisheries University 63 (4) 232-236 (2015)
- ^ 大塚攻ほか、有明海産スズキにおけるカイアシ類の寄生状況 日本水産学会誌 Vol.73 (2007) No.4 P693-702, doi:10.2331/suisan.73.693
- ^ 石田昭夫、多摩川上流域のカイアシ類 陸水学雑誌 Vol.55 (1994) No.2 P125-129, doi:10.3739/rikusui.55.125
- ^ 岡崎雄二ほか、有明海におけるカイアシ類ノープリウスの分布・変動特性 水産海洋研究 69(1), 10-17, 2005-02-28, NAID 10015465464
- ^ 山田秀秋ほか、東北太平洋沿岸域におけるヒラメの摂餌生態 日本水産学会誌 Vol.64 (1998) No.2 P249-258, doi:10.2331/suisan.64.249
関連項目
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ウィキスピーシーズにカイアシ類に関する情報があります。 |
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ウィキメディア・コモンズには、カイアシ類に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク
- “地球で最も繁栄している甲殻類『カイアシ類』”. 広島大学デジタル博物館. 2012年8月7日閲覧。
- “ケンミジンコ”. 淡水プランクトンのページ. 2012年8月7日閲覧。
- 近藤昌和、安本信哉、高橋幸則、カイアシ類の血球の形態学的特徴 (PDF) 水産大学校研究報告, 2014
- 大塚攻、西田周平、海産浮遊性カイアシ類(甲殻類)の食性再考 海の研究 Vol.6 (1997) No.5 P299-320, doi:10.5928/kaiyou.6.299
UpToDate Contents
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- 1. その他の線虫 miscellaneous nematodes
- 2. 感染性疾病の媒介蚊 mosquito vectors of infectious diseases
Japanese Journal
- Acartia属カイアシ類の生物学 : 2015年日本プランクトン学会春季シンポジウム
- 日本プランクトン学会報 = Bulletin of the Plankton Society of Japan 63(1), 16-20, 2016-02
- NAID 40020774438
- 三河湾におけるメソ動物プランクトン生物量とカイアシ類群集の長期変動 : 特に貧酸素水塊との関係について
- 日本プランクトン学会報 = Bulletin of the Plankton Society of Japan 63(1), 1-7, 2016-02
- NAID 40020774407
- 日本の高標高地における魚類寄生虫の記録, 特にヤマトイワナへのチョウモドキの寄生
- 日本生物地理学会会報 = Bulletin of the Biogeographical Society of Japan 70, 261-265, 2015-12-20
- NAID 120005702893
Related Links
- 広島大学デジタル博物館 地球で最も繁栄している甲殻類 『カイアシ類』 1. 初めに カイアシ類とは? 2. さまざまなカイアシ類の紹介 ・海産浮遊性種 ・寄生性種 3.カイアシ類と共生する生物 カイアシ類と共に生きている生物の ...
- 1-1.カイアシ類とは・・・ カイアシ類といってピンとこなくても、ケンミジンコ、ヒゲナガミジンコといえば聞き覚えがあるのではないでしょうか?「ミジンコ」という名前がついていても、実は、フジツボ、フクロムシあるいは ...
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- 関
- 橈脚目、カイアシ類、カイアシ目
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橈脚類、カイアシ類
- 関
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