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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スタリビルド配合錠
組成
有効成分(1錠中)
- エルビテグラビル150mg,コビシスタット150mg,エムトリシタビン200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)
添加物
- 二酸化ケイ素,クロスカルメロースNa,ヒドロキシプロピルセルロース,乳糖,セルロース,ラウリル硫酸Na,ステアリン酸Mg,ポリビニルアルコール(部分けん化物),青色2号,マクロゴール,三二酸化鉄,酸化チタン,タルク
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 次の薬剤を投与中の患者
- リファンピシン,セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴタミン酒石酸塩,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,シンバスタチン,ピモジド,シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ),バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル(アドシルカ),ブロナンセリン,アゼルニジピン,リバーロキサバン,トリアゾラム,ミダゾラム(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 治療経験のないHIV-1感染症患者に使用すること。また,抗HIV薬による治療経験のあるHIV-1感染症患者に対しては,本剤投与による有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤による治療にあたっては,可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
- 小児HIV感染症に対しては,本剤投与による有効性,安全性が確立していない。
- 通常,成人には1回1錠(エルビテグラビルとして150mg,コビシスタットとして150mg,エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。
- 本剤は,エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の4成分を含有した配合錠である。本剤の有効成分であるエムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。
- 投与開始時にクレアチニンクリアランスが70mL/min以上であることを確認すること。また,本剤投与後,クレアチニンクリアランスが50mL/min未満に低下した場合には本剤の投与を中止すること。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者[中等度及び重度の腎機能障害のある患者では,エムトリシタビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する(「薬物動態」の項参照)。]
- 重度の肝機能障害のある患者[エルビテグラビルの血中濃度が上昇する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。]
重大な副作用
腎不全又は重度の腎機能障害(<1%)
- 腎機能不全,腎不全,急性腎不全,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
膵炎(頻度不明)注2)
- 膵炎があらわれることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシス(頻度不明)注2)
- 乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
エルビテグラビル
- エルビテグラビルは,HIV-1インテグラーゼの阻害薬である。インテグラーゼの阻害により,HIV-DNAの宿主DNAへの組み込みを抑え,HIV-1プロウイルスの形成及びウイルス増殖を阻止する。エルビテグラビルは,ヒトトポイソメラーゼI及びIIをいずれも阻害しない28)。
コビシスタット
- コビシスタットは,CYP3Aの選択的な阻害薬である2)。
エムトリシタビン
- エムトリシタビンは,シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり,細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5'-三リン酸となる29)。エムトリシタビン5'-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5'-三リン酸と競合すること及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後に,DNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する30)。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β,ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5'-三リン酸の阻害作用は弱い。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
- テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は,アデノシン一リン酸の非環状ヌクレオシド・ホスホン酸ジエステル誘導体である。テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩からテノホビルへの変換にはジエステルの加水分解が必要であり,その後細胞内酵素によりリン酸化を受け,テノホビル二リン酸となる31)。テノホビル二リン酸は,HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5'-三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い32)。
抗ウイルス作用(in vitro)
- 培養細胞を用いたin vitro併用試験では,エルビテグラビル,エムトリシタビン及びテノホビルの3薬併用による拮抗作用はなく,コビシスタットを加えても影響は認められなかった。
エルビテグラビル
- ヒトTリンパ芽球様細胞,単球/マクロファージ及び末梢血リンパ球初代培養細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエルビテグラビルの抗ウイルス活性を評価した。エルビテグラビルの50%阻害濃度(EC50値)は0.02〜1.7nMの範囲であった33)。
コビシスタット
- コビシスタットは,HIV-1,HBV及びHCVに対する抗ウイルス活性を有さず,またエルビテグラビル,エムトリシタビンあるいはテノホビルの抗ウイルス活性に対する拮抗作用は認められなかった34)。
エムトリシタビン
- ヒトTリンパ芽球様細胞株,MAGI-CCR5細胞株及び末梢血単核球初代培養細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンのEC50値は,0.0013〜0.64μMの範囲であった35)36)。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
- ヒトTリンパ芽球様細胞株,単球/マクロファージ初代培養細胞及び末梢血リンパ球を用いてHIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビルの抗ウイルス活性を評価した。テノホビルのEC50値は,0.04〜8.5μMの範囲であった。
薬剤耐性
in vitro試験
エルビテグラビル
- in vitro試験で誘導されたエルビテグラビルに対する感受性が低下したHIV-1分離株には,インテグラーゼのT66A/I,E92G/Q,S147G及びQ148Rが主要変異として認められた。また主要変異を認めたHIV-1分離株には,D10E,S17N,H51Y,F121Y,S153F/Y,E157Q,D232N,R263K及びV281Mも認められた。
エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
- エムトリシタビン又はテノホビルに対する感受性が低下したHIV-1株を誘導した。エムトリシタビンに対する感受性低下は,HIV-1逆転写酵素のM184V/I変異と関連が認められた37)。テノホビルに対する感受性が低下したHIV-1株では,K65R変異が発現しており,EC50値の野生株との比であるfold-change(FC値)は2〜4倍に上昇した38)。
臨床試験
抗HIV薬による治療経験のないHIV-1感染症患者
- 236-0102試験,236-0103試験において,ウイルス学的失敗と判定された被験者のうち,48週後,96週後又は早期に試験中止となった時点の血漿中HIV-1 RNA量が>400copies/mLであった被験者のHIV-1分離株を解析し,36例(5%,36/701例)の遺伝子型及び表現型解析結果が得られた。遺伝子型解析結果から,エルビテグラビル,エムトリシタビン又はテノホビルの1つ以上の主要耐性関連変異は,16例(44%,16/36例)に認められた。16例のうち13例は試験開始後48週の間に認められ,3例は試験開始後49週から96週の間に認められた。最も高頻度で認められた変異は,HIV-1逆転写酵素のM184V/I(15例),エルビテグラビルの主要耐性関連変異であるインテグラーゼのT66I(2例),E92Q(9例),Q148R(3例)及びN155H(5例)であった。HIV-1逆転写酵素のK65R(5例)も認められた。エルビテグラビルの主要耐性関連変異を認めたHIV-1株では,副次変異としてインテグラーゼのH51Y,L68I/V,G140C,S153A,E157Q,V165I及びH183Pも認められた。遺伝子型解析結果でエルビテグラビルの主要耐性関連変異を認めた14例のHIV-1株は,表現型解析結果でエルビテグラビルに対する感受性が低下し,FC値(中央値)が野生株及び各被験者の本剤投与前のHIV-1分離株に対してそれぞれ64倍(範囲;6倍から198倍超)及び50倍(範囲;4倍から122倍超)に上昇した。インテグラーゼの変異を認めた被験者の多く(13例)は,HIV-1逆転写酵素のM184I/Vも認められ,エルビテグラビル及びエムトリシタビンに対する感受性が低下した。表現型解析の結果,13例(36%,13/36例)にエルビテグラビルに対する感受性が低下したHIV-1が認められた。また,エムトリシタビン及びテノホビルに対する感受性が低下したHIV-1は,それぞれ15例(42%,15/36例)及び2例(6%,2/36例)認められた。
交差耐性
- 本剤の治療失敗例から分離したHIV-1株は,インテグラーゼ阻害薬及び核酸系逆転写酵素阻害薬に対し様々な交差耐性を示し,その程度は特定のアミノ酸置換に応じて変化した。これらのHIV-1株は,すべての非核酸系逆転写酵素阻害薬及びプロテアーゼ阻害薬に対して感受性を維持していた。
エルビテグラビル
- インテグラーゼ阻害薬の間で交差耐性が認められた。培養細胞系においてエルビテグラビル耐性ウイルスは,ラルテグラビルに対し様々な交差耐性を示し,その程度はHIV-1インテグラーゼのアミノ酸置換の数や種類に応じて変化した。本剤のウイルス学的治療失敗例から検出された4種類のエルビテグラビルの主要耐性関連変異のうち,E92Q,Q148R及びN155Hの個々の変異は,エルビテグラビル及びラルテグラビルに対する感受性の低下を示し,FC値はそれぞれ32倍以上及び5倍以上に上昇した。T66Iは,エルビテグラビルに対する感受性が低下し,FC値が14倍以上に上昇したが,ラルテグラビルに対するFC値は3倍以下であった。3種類のラルテグラビル主要耐性関連変異(Y143H/R,Q148H/K/R及びN155H)のうち,Y143Hを除くすべての変異がエルビテグラビルに対する感受性の低下を示し,FC値は5倍以上に上昇した。
エムトリシタビン
- 核酸系逆転写酵素阻害薬の間で交差耐性が認められた。HIV-1逆転写酵素のM184V/Iを有するHIV-1株は,ラミブジンに対して交差耐性を示した。また,アバカビル,ジダノシン及びテノホビルによりin vivoで出現したK65R変異を有するHIV-1株では,エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
- 核酸系逆転写酵素阻害薬の間で交差耐性が認められた。テノホビルにより出現したK65R変異を持つHIV-1株は,アバカビル又はジダノシンが投与された患者においても出現することがある。K65R変異を持つHIV-1株は,エムトリシタビン及びラミブジンに対する感受性も低下したため,K65R変異ウイルスを有する患者では,これらの核酸系逆転写酵素阻害薬に対し交差耐性を示す可能性がある。平均3ヵ所のジドブジン関連変異(M41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F又はK219Q/E/N)を有するHIV-1臨床分離株(20例)では,テノホビルに対する感受性が低下し,FC値は3.1倍に上昇した39)。ジドブジン耐性関連変異がなく,L74V変異ウイルスを有する患者(8例)では,テノホビルの治療効果が低下した。Y115F変異(3例),Q151M変異(2例)又はT69挿入変異(4例)を持つ患者のデータは限られているが,全例でテノホビルの感受性が低下していた。
有効成分に関する理化学的知見
性 状
- 白色〜帯黄白色の結晶性の粉末であり,メタノール,エタノール(95)にやや溶けやすく,アセトン,水にやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点
分配係数
- 1.25(1-オクタノール/pH6.5のリン酸塩緩衝液)
★リンクテーブル★
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- HIV-1感染症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤
【希少疾病用医薬品】
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会社名
日本たばこ産業
成分
薬効分類
抗ウイルス剤(HIV-1感染症用薬)
[★]
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- 関
- 建物