- 英
- emetine、emetin
- 関
- 吐根アルカロイド
emetine
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/18 12:14:02」(JST)
[Wiki ja表示]
エメチン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(2 S,3 R,11b S)-2-{[(1 R)-6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-
tetrahydroisoquinolin-1-yl]methyl}-3-ethyl-9,10-
dimethoxy-2,3,4,6,7,11b-hexahydro-1H-pyrido
[2,1- a]isoquinoline
|
識別 |
CAS番号 |
483-18-1 |
ATCコード |
P01AX02 QP51AX02 |
PubChem |
CID: 10219 |
ChemSpider |
9802 |
UNII |
X8D5EPO80M |
KEGG |
C09421 |
化学的データ |
化学式 |
C29H40N2O4 |
分子量 |
480.639 g/mol |
SMILES
-
O(c1cc2c(cc1OC)[C@H](NCC2)C[C@H]5C[C@H]4c3c(cc(OC)c(OC)c3)CCN4C[C@@H]5CC)C
|
InChI
-
InChI=1S/C29H40N2O4/c1-6-18-17-31-10-8-20-14-27(33-3)29(35-5)16-23(20)25(31)12-21(18)11-24-22-15-28(34-4)26(32-2)13-19(22)7-9-30-24/h13-16,18,21,24-25,30H,6-12,17H2,1-5H3/t18-,21-,24+,25-/m0/s1
-
Key:AUVVAXYIELKVAI-CKBKHPSWSA-N
|
エメチン(Emetine)は、催吐薬及び抗原虫薬として用いられる薬品である。トコンの根から作られる。
目次
- 1 初期の利用
- 2 抗アメーバ剤としての利用
- 3 デヒドロエメチン
- 4 セフェリン
- 5 タンパク質合成阻害剤としての利用
- 6 副作用
- 7 出典
初期の利用
初期のエメチンの利用は、トコンシロップの経口摂取という形で行われた。この抽出物はかつてはアルカロイドとして唯一エメチンを含むと考えられてきたが、後にエメチンの他にセフェリンやプシコトリン等も発見された。この治療法は成功していたと伝えられているものの、多くの患者に吐き気を起こさせたため、その利用は少なくなっていった。吐き気を抑えるためにオピオイドとともに与えられることや他の物質でコーティングされることもあった[1]。
抗アメーバ剤としての利用
エメチンにはアメーバ赤痢を治療する効果もあることが明らかとなった。また、やはり吐き気は催すものの、トコンの根の粗抽出物の方がより効果が高いことが分かった。さらに、エメチンを皮下投与しても吐き気を催すが、経口摂取よりもましであることが判明した。
エメチンは抗原虫活性を持つが、筋肉収縮を阻害し、心不全を起こす場合もある。このため、利用の際には医師の指示に従う必要がある。
デヒドロエメチン
詳細は「デヒドロエメチン」を参照
デヒドロエメチンは抗原虫薬として化学合成される物質で、性質や構造はエメチンと似る(エチルラジカルの隣の二重結合だけが異なる)が、副作用が少ない。
セフェリン
詳細は「セフェリン」を参照
セフェリンはトコンの根に含まれるエメチンのデスメチルアナログである。
タンパク質合成阻害剤としての利用
エメチンのデヒドロクロロ水和物は、研究室で真核細胞のタンパク質合成を阻害するために用いられる。エメチンはリボソームの40Sサブユニットに結合することでタンパク質合成を阻害する[2]。細胞内のタンパク質分解の実験等に用いられる。
副作用
エメチンを過剰に摂取すると、近位筋障害や心筋症の副作用が起きる可能性がある。
出典
- ^ Cushny, Arthur Robertson (1918). A Textbook of pharmacology and therapeutics, or the action of drugs in health and disease. Lea and Febiger, New York. pp. 438–442. http://books.google.com/?id=gjGrgWJ9q1oC&pg=PA438&dq=emetine.
- ^ (Jimenez et al., Enzymatic and nonenzymatic translocation of yeast polysomes. Site of action of a number of inhibitors. Biochemistry, 1977 16;4727-4730)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- In vitro における塩酸エチメンの幼肝蛭殺菌効果の判定
- 河野 潤一 [他],清水 晃,山本 健,石丸 司,木村 重
- 神戸大学農学部研究報告 21(1), 19-21, 1994-01
- … 日本産脱嚢幼肝蛭に対する塩酸エメチンの殺滅効果を人工培養法を用いて検討した。 … 塩酸エメチンにおけるLD_<<50>/_<5 days>>値は8.1μg/mlであった。 …
- NAID 110000410439
- トコンシロップ中のエメチン,セファエリンの定量法について
- 手嶋 大輔,青山 敏信
- 病院薬学 19(1), 80-83, 1993-02-20
- We established an easy and quick determination method of emetine (EM) and cephaeline (CP) in ipecac syrup by HPLC, which was carried out by using chloroquine as an internal standard. The calibration p …
- NAID 110001798910
- トコンシロップ中のエメチン,セファエリンの定量法について
- 手嶋 大輔,青山 敏信
- 病院薬学 19(1), 80-83, 1993
- We established an easy and quick determination method of emetine (EM) and cephaeline (CP) in ipecac syrup by HPLC, which was carried out by using chloroquine as an internal standard. The calibration p …
- NAID 130004103100
Related Links
- 初期の利用 [編集] 初期のエメチンの利用は、トコンシロップの経口摂取という形で行われた。この抽出物はかつてはアルカロイドとして唯一エメチンを含むと考えられてきたが、後にエメチンの他にセフェリンやプシコトリン等も発見 ...
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - エメチンの用語解説 - C29H40N2O4 。塩酸塩としてアメーバ赤痢の特効薬として用いるトコンアルカロイドの一つ。催吐作用があり,この少量が去痰に用いられた。白色粉末で融点 74 。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
エメチン
- 関
- emetine
[★]
- 英
- desmethylemetine
- 関
- セファエリン
[★]
- 英
- dehydroemetine
- 商
- Mebadin