- 英
- indisetron、
- 化
- 塩酸インジセトロン indisetron hydrochloride
- 商
- シンセロン
Japanese Journal
- P-0123 化学療法時の悪心・嘔吐および下痢に対するインジセトロン塩酸塩錠の有効性の検討(一般演題 ポスター発表,がん薬物療法(副作用対策),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 岩永 陽子,柿原 圭佑,井上 智行,平川 智規,平城 守,古賀 恭子,井上 雅子,森田 桂子,前間 邦生,原田 秀徳
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 202, 2011-09-09
- NAID 110008909593
- EC・FEC療法における塩酸インジセトロン錠と塩酸グラニセトロン注射液の比較検討(一般演題(口頭)2,がん薬物療法(副作用対策 他)(2),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 櫻下 弘志,佐伯 康之,吉川 博,村瀬 哲也,畝井 浩子,木村 康浩,木平 健治
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 133, 2011-09-09
- NAID 110008909261
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
シンセロン錠8mg
組成
販売名
成分・含量(1錠中)
添加物
- ステアリン酸Mg、ケイ酸Mg、乳糖水和物、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルナウバロウ、メチルセルロース、酸化チタン
色・剤形
禁忌
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
- 通常、成人にはインジセトロン塩酸塩として1回8mgを1日1回、経口投与する。
本剤の投与にあたっては、抗悪性腫瘍剤投与の30分〜2時間前に投与する。
癌化学療法の各クールにおいて、本剤は抗悪性腫瘍剤を投与する当日に投与し、抗悪性腫瘍剤を連日投与する場合には、その投与期間中(通常3〜5日間)に投与する。
抗悪性腫瘍剤投与終了後、翌日以降にみられる悪心、嘔吐に対する本剤の有効性は確立していないので、抗悪性腫瘍剤投与終了日の翌日以降は本剤の投与を継続しないように注意すること。
慎重投与
薬物過敏症の既往歴のある患者
重篤な肝障害のある患者
- [肝機能異常があらわれるおそれがあるので慎重に投与する。]
薬効薬理
制吐作用
シスプラチン誘発嘔吐に対する作用
- イヌにシスプラチン3mg/kgを静脈内投与し、その30分後にインジセトロン塩酸塩1mg/kgを経口投与した結果、初回嘔吐までの時間を有意に延長し、嘔吐回数を有意に減少させた7)。
- フェレットにインジセトロン塩酸塩0.1及び1mg/kgを経口投与し、その30分後にシスプラチン10mg/kgを腹腔内投与した結果、初回嘔吐までの時間を有意に延長し、1mg/kgの用量で嘔吐回数を有意に減少させた7)。
シクロホスファミド水和物誘発嘔吐に対する作用
- フェレットにインジセトロン塩酸塩1mg/kgを経口投与し、その30分後にシクロホスファミド水和物200mg/kgを腹腔内投与した結果、初回嘔吐までの時間を有意に延長し、また、嘔吐回数を有意に減少させた7)。
5-HT3受容体拮抗作用
- 5-HT3受容体への親和性:インジセトロン塩酸塩はラット大脳皮質膜画分に対する[3H]GR65630結合を抑制し(Ki: 1.82nmol/L)、その親和性はグラニセトロン塩酸塩、オンダンセトロン塩酸塩、アザセトロン塩酸塩とほぼ同程度であった8)。
- 2-メチルセロトニン(2-Me-5-HT)誘発徐脈:インジセトロン塩酸塩はラットへの経口投与により、2-Me-5-HTによる一過性の徐脈を抑制した。その効力はグラニセトロン塩酸塩あるいはオンダンセトロン塩酸塩より20倍以上強く、アザセトロン塩酸塩とほぼ同程度であった8)。また、インジセトロン塩酸塩をラットへ経口投与(1mg/kg)した時の5-HT3受容体拮抗作用は24時間持続した8)。
その他の受容体に対する作用
- 5-HT4受容体:インジセトロン塩酸塩は、ラット摘出食道粘膜筋板のカルバコール収縮に対する5-メトキシトリプタミン(5-HT4受容体作動薬)による弛緩を抑制し、5-HT4受容体拮抗作用を示した(pA2:7.01)8)。
- ベンゾジアゼピン受容体:ベンゾジアゼピン受容体に親和性を示したが(Ki:0.29μmol/L)8)、ラットにインジセトロン塩酸塩1mg/kgを経口投与しても、高架式十字迷路のオープンアームへの入所回数、滞在時間及び社会的相互作用行動(ソーシャルインターラクション)に費やす時間に影響は認めなかった8)。
- その他の受容体:その他の受容体(5-HT1、5-HT2、アドレナリン-α1、-α2、-β、ドパミン-D1、-D2受容体)に対する親和性は認めなかった8)。
作用機序
- 抗悪性腫瘍剤による悪心・嘔吐は、抗悪性腫瘍剤により消化管に存在する腸クロム親和性(Enterochromaffin:EC)細胞から遊離したセロトニンが、その近傍に位置する腹部求心性迷走神経に存在する5-HT3受容体に作用し、これにより腹部求心性迷走神経が活性化され、この信号が嘔吐中枢に伝わることにより嘔吐機構が働くと考えられている。インジセトロン塩酸塩は、この5-HT3受容体に拮抗することで、抗悪性腫瘍剤投与により生じる消化器症状(悪心・嘔吐)を抑制するものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:インジセトロン塩酸塩 (Indisetron Hydrochloride)
- 別名:塩酸インジセトロン
- 化学名:N-(3,9-Dimethyl-endo-3,9-diazabicyclo[3.3.1]non-7-yl)-1H-indazole-3-carboxamide dihydrochloride
- 構造式:
- 分子式:C17H23N5O・2HCl
- 分子量:386.32
- 融点:約265℃(分解)
- 性状:白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
- ギ酸又は水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
- 吸湿性である。
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インジセトロン
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