- 英
- imiglucerase
- 商
- セレザイム
- 関
- ゴーシェ病
- マクロファージに蓄積する糖脂質グルコセレブロシド分解酵素の改良型でゴーシェ病に適応
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/06 09:33:29」(JST)
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セレザイム
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
ATCコード |
A16AB02 |
KEGG |
D02810 |
化学的データ |
化学式 |
C2532H3854N672O711S16 |
セレザイム (Cerezyme) とはグルコセレブロシダーゼの改良型酵素を製剤にした医薬品。一般名イミグルセラーゼ。
点滴による投与によりゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝臓や脾臓の肥大、骨症状)の改善を目的とした製剤である。ジェンザイム社により開発・製造を行っている。薬価が非常に高いため、2001年に特定疾患治療研究事業に認定されているためゴーシェ患者は公費負担で治療を受けられる。
目次
- 1 セレデースとセレザイム
- 2 製造方法
- 3 副作用
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
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セレデースとセレザイム[編集]
セレザイム登場前は、女性が出産時に排出される胎盤より成分を抽出し製造したセレデース(Ceredase)を製造・投与していたが、エイズなどの感染症の恐れがあった。そこで新たに開発したセレザイムでは、DNA組換え技術を用いるようになる。そのため感染症の恐れは無くなった。
製造方法[編集]
製造方法はチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたヒトβ-グルコセレブロシダーゼの糖鎖を修飾し、マンノース末端にすることにより、標的細胞であるマクロファージに効率よく取り込まれるようにしてある。なお現在ではセレデースは製造および投与は行っていない。
副作用[編集]
掻痒感、潮紅、じんま疹、血管浮腫、胸部不快感、呼吸器症状(これらの症状に低血圧を伴うことがある)
関連項目[編集]
- ゴーシェ病 - この疾病専用の治療薬。
- グルコセレブロシダーゼ - この製剤の主成分の酵素。
外部リンク[編集]
- ジェンザイム・ジャパン株式会社 - 製薬企業のジェンザイムのサイト。
- ゴーシェ病
- セレザイム(R) - ジェンザイムによる製品情報ページ(医療関係者向け)。
- ゴーシェ病患者及び親の会 - 日本での公式な患者会
- Gaucher Hotweb - 患者間のコミュニティサイト。
- 特定疾患情報 - 難病情報センターの情報ページ。
- Gaucher Disease - U.K.のゴーシェ病公式サイト。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
セレザイム注200U
組成
組成
- 1バイアル中(注射用水5.1mLで溶解した5.0mL中)
有効成分(1バイアル中の含量)
- イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)注1) 200単位注2)
賦形剤(1バイアル中の含量)
安定剤(1バイアル中の含量)
緩衝剤(1バイアル中の含量)
pH調整剤(1バイアル中の含量)
注1)チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生。
- 本剤は製造工程でドナー仔牛血清を使用している。また、セルバンク調製時にブタの膵臓由来のトリプシン及びウシ胎仔血清を使用した。
注2)イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)1単位:
- 合成基質 p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドを37℃で1分間に1μmol分解する単位
効能または効果
- ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
- 本剤はゴーシェ病における諸症状の治療剤であり、その適用にあたっては、ゴーシェ病との診断が確立した患者を対象とすること。
- 本剤のゴーシェ病II型及びIII型患者におけるゴーシェ病の諸症状(特に骨症状)に対する効果は必ずしも十分な有効性が示されていない。
- 本剤のゴーシェ病の神経症状に対する有効性は確立していない。
- イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kg当たり60単位を隔週、1〜2時間かけて点滴静注するか、又は適切な用量を1単位/kg/分を超えない注入速度で投与する。
投与に当たっては用時1バイアルを注射用水5.1mLで溶解し、1バイアルあたり5.0mL(200単位)を採取する。必要な薬液量を生理食塩液で希釈し、最終容量は100〜200mLとする。
なお、症状の程度により適宜増減する。
また、一定期間投与した後治療効果を判定し、良好な改善状態が持続してみられた場合には、維持用量として初期量より減量してよい。治療効果を注意深く観察しながら3〜6ヵ月の間隔でさらに減量を行ってもよい。
慎重投与
- 本剤に対する抗体産生がみられたことのある患者、又は本剤に対して過敏症が発現した患者[現在までに本剤を投与し、抗体検査を実施した患者341例のうち、約15%に投与開始後1年以内にIgG抗体の産生がみられた。IgG抗体の産生は、6ヵ月以内にみられる場合が多く、1年を経過すると抗体の産生はまれである。IgG抗体が検出された患者のうち、約46%が過敏症状を呈した。]
- 先に類似薬であるセレデース注を投与した患者、特にセレデース注に抗体産生歴がある患者又はセレデース注に対する過敏症が発現したことのある患者。
重大な副作用
アナフィラキシー様反応:
- アナフィラキシー様反応(そう痒感、潮紅、蕁麻疹、血管浮腫、胸部不快感、呼吸困難、喘鳴、血圧低下、チアノーゼ等の過敏反応)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
薬効薬理
- 本剤は、ゴーシェ病のマクロファージに蓄積している糖脂質グルコセレブロシドの分解酵素グルコセレブロシダーゼの改良型酵素である。本剤は、DNA組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたヒトβ-グルコセレブロシダーゼ4)の糖鎖を修飾し、マンノース末端にすることにより、標的細胞であるマクロファージに効率よく取り込まれ、効力を発揮する。
グルコセレブロシドに対する作用
- 天然基質グルコセレブロシドのアナログである合成基質 p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドに対する本剤及び胎盤由来のβ-グルコセレブロシダーゼ製剤(一般名:アルグルセラーゼ、商品名:セレデース注)の酵素反応性を検討したところ、酵素反応速度定数(Km及びVmax)に差はなく、酵素特性は同等であった。
マクロファージレセプターに対する反応性
- 本剤は、ラット肺胞マクロファージのマンノースレセプターに対する、125I-マンノシレートウシ血清アルブミンの結合を阻害し、その阻害能はアルグルセラーゼと同等であった。また、本剤及びアルグルセラーゼの125I-標識体のラット肺胞マクロファージマンノースレセプターへの結合能について検討した結果、本剤はアルグルセラーゼと同等の親和性及び結合速度を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
- イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)
imiglucerase(genetical recombination)
化学名
- ヒト胎児肺線維芽細胞に由来するヒトcDNAの発現によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたβ-グルコセレブロシダーゼを、シアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ及びヘキソサミニダーゼの酵素処理により糖鎖末端をマンノースにした497個のアミノ酸残基(C2532H3843N671O711S16;分子量:55,509)からなる糖蛋白質(分子量:約60,000)