- 英
- iguratimod
- 商
- ケアラム、コルベット
- 関
- 他に分類されない代謝性医薬品
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/31 07:38:02」(JST)
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Iguratimod
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-(3-Formamido-4-oxo-6-phenoxy-4H-chromen-7-yl)methanesulfonamide |
臨床データ |
商品名 |
Careram; Kolbet |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
123663-49-0 |
ATCコード |
? |
PubChem |
CID 124246 |
ChemSpider |
110694 |
別名 |
T-614 |
化学的データ |
化学式 |
C17H14N2O6S |
分子量 |
374.368 g/mol |
InChI
-
InChI=1S/C17H14N2O6S/c1-26(22,23)19-13-8-15-12(17(21)14(9-24-15)18-10-20)7-16(13)25-11-5-3-2-4-6-11/h2-10,19H,1H3,(H,18,20)
Key:ANMATWQYLIFGOK-UHFFFAOYSA-N
|
イグラチモド (Iguratimod) は、関節リウマチ治療薬のひとつ[1][2]。日本において、富山化学により開発された。2012年6月厚生労働省より製造販売承認を受け、製品名をエーザイが「ケアラム25mg錠」、大正富山医薬品が「コルベット25mg錠」として販売している[3][4]。
作用機序[編集]
- リンパ球B細胞に直接作用し、IgGやIgMなどの免疫グロブリンの産生を抑制する。
- 単球・マクロファージに作用し、TNFα・インターロイキン-1β・インターロイキン-6などの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
これらは NF-κB (nuclear factor-kappa B) を介した作用であることが示唆されている。 [5]
脚注[編集]
- ^ Keiichi Tanaka (2009). “Iguratimod (T-614): A novel disease modifying anti-rheumatic drug”. Rheumatology Reports 1 (1).
- ^ Lu, Liang-jing; Teng, Jia-lin; Bao, Chun-de; Han, Xing-hai; Sun, Ling-yun; Xu, Jiang-hua; Li, Xing-fu; Wu, Hua-xiang (2008). “Safety and efficacy of T-614 in the treatment of patients with active rheumatoid arthritis: a double blind, randomized, placebo-controlled and multicenter trial”. Chinese Medical Journal 121 (7): 615–619. PMID 18466681.
- ^ Joanne Bronson, Murali Dhar, William Ewing, Nils Lonberg. 31. In Manoj C. Desai. “To Market, To Market - 2011”. Annual Reports in Medicinal Chemistry 47: 499–569.
- ^ Eisai Co. (2012年6月29日), “Eisai and Toyama Chemical Receive Approval to Market Anti-rheumatic Agent Iguratimod in Japan” (プレスリリース), http://www.eisai.com/news/news201239.html 2012年11月15日閲覧。
- ^ Aikawa Y; Yamamoto M; Yamamoto T; Morimoto K; Tanaka K (2002). “An anti-rheumatic agent T-614 inhibits NF-kappaB activation in LPS- and TNF-alpha-stimulated THP-1 cells without interfering with IkappaBalpha degradation”. Inflammation Research 51 (4): 188–194. doi:10.1007/PL00000291. PMID 12058956.
Japanese Journal
- 新薬紹介総説 低分子抗リウマチ薬イグラチモド(コルベット/ケアラム錠25mg)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 田中 啓一,山口 友伸
- 日本薬理学雑誌 = Folia pharmacologica Japonica : くすりとからだ : ファーマコロジカ 140(6), 285-292, 2012-12-00
- NAID 40019498602
- 抗リウマチ薬 (新薬展望2010) -- (治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉--新薬の広場)
Related Links
- 2012年6月29日、抗リウマチ薬のイグラチモド(商品名ケアラム錠25mg、コルベット錠2… ... 連載の紹介 最近の新薬や添付文書改訂の中から、週に1回、必ず押さえておきたい注目情報をピックアップしてお届けします。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コルベット錠25mg
組成
成分
含量(1錠中)
添加物
- 結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、タルク、酸化チタン、カルナウバロウ
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
〔動物実験(ラット)で、催奇形性、早期胎児死亡率の増加及び胎児の動脈管収縮が認められている(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)〕
- 重篤な肝障害のある患者
〔副作用として肝機能障害があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある〕
- 消化性潰瘍のある患者
〔副作用として消化性潰瘍があらわれることがあるので、消化性潰瘍を更に悪化させるおそれがある〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- ワルファリンを投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
効能または効果
- 関節リウマチ
- 通常、成人にはイグラチモドとして、1回25mgを1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mgを1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。
- 1日50mgから開始した場合、1日25mgの場合と比較して、AST(GOT)、ALT(GPT)増加の発現率が高かったため、投与開始から4週間は1日25mgを投与すること。
- 1日50mgを超えて投与しないこと(「過量投与」の項参照)。
- 本剤の効果は、通常、投与開始後16週までに発現するので、16週までは継続投与し、効果を確認することが望ましい。
- 本剤並びに疾患の特性を考慮して、治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しないこと。
慎重投与
- 授乳婦
〔「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照〕
- 肝障害又はその既往歴のある患者
〔肝障害を更に悪化又は再発させるおそれがある〕
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者
〔消化性潰瘍を再発させるおそれがある〕
- 低体重の患者
〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 貧血、白血球減少症、血小板減少症を伴う患者、骨髄機能低下患者
〔血液障害を更に悪化させるおそれがある〕
- 腎障害のある患者
〔副作用の発現が増加するおそれがある〕
重大な副作用
肝機能障害(0.49%)、黄疸(0.10%):
- AST(GOT)、ALT(GPT)の増加等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
汎血球減少症、白血球減少(いずれも0.10%):
- 汎血球減少症、白血球減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍(0.68%):
- シクロオキシゲナーゼ阻害作用によると考えられる消化性潰瘍があらわれることがあるので、下血等の消化器症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(0.29%):
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
感染症(0.19%):
- 敗血症、膿胸等の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
関節炎モデルに対する作用8)9)
- 慢性関節炎モデルであるラットのアジュバント関節炎に対して、予防及び治療投与で関節腫脹を軽減し、骨病変の進展を抑制した。また、マウスのコラーゲン誘発関節炎に対して、用量に応じた関節炎腫脹の進展抑制作用を示し、更に、自然発症型関節炎モデルであるMRL/lprマウスにおいて、後肢関節にみられる滑膜や骨・軟骨病変を組織学的に改善した。
細胞性免疫関与の炎症モデルに対する作用10)11)
- ラットの自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいて麻痺症状の発現を抑制し、マウスの遅延型足蹠浮腫反応も抑制した。
免疫グロブリン産生に対する作用8)12)13)
- マウス及びヒトのB細胞を用いた培養実験において、免疫グロブリン(IgG及びIgM)産生を抑制した。また、関節リウマチ患者由来滑膜組織を移植した重症複合型免疫不全マウス(SCIDマウス)において、血清中に認められるヒトのIgG量を低下させた。更に、ラットのアジュバント関節炎及びMRL/lprマウスの自然発症型関節炎で認められる高ガンマグロブリン血症を改善した。
サイトカイン産生に対する作用14)
- 単球系細胞や関節リウマチ患者由来の滑膜細胞を用いた培養実験において、細胞刺激時にみられる炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-8及びMCP-1)の産生を抑制した。また、免疫応答性肝障害モデルであるマウスのコンカナバリンA誘発肝炎において血清中TNFα量を、空気嚢型炎症モデルで滲出液中MCP-1量を、コラーゲン関節炎モデルで血清中IL-6量を用量に応じて抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- N-[7-[(Methanesulfonyl)amino]-4-oxo-6-phenoxy-4H-1-benzopyran-3-yl]formamide
- 238〜242℃
★リンクテーブル★
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