- 英
- afatinib
- 商
- ジオトリフ
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アファチニブ
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-[4-[(3-Chloro-4-fluorophenyl)amino]-7-[[(3S)-tetrahydro-3-furanyl]oxy]-6-quinazolinyl]-4(dimethylamino)-2-butenamide
|
臨床データ |
商品名 |
Gilotrif, Giotrif |
AHFS/Drugs.com |
Multum Consumer Information |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- CA: ℞-only
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
92%[1] |
血漿タンパク結合 |
95% |
代謝 |
CYP not involved |
半減期 |
37 hours |
排泄 |
Faeces (85%), urine (4%) |
識別 |
CAS番号 |
439081-18-2 |
ATCコード |
L01XE13 |
PubChem |
CID: 10184653 |
ChemSpider |
8360155 |
UNII |
41UD74L59M |
ChEBI |
CHEBI:61390en:Template:ebicite |
ChEMBL |
CHEMBL1173655en:Template:ebicite |
別名 |
BIBW 2992 |
化学的データ |
化学式 |
C24H25ClFN5O3 |
分子量 |
485.937 g/mol |
SMILES
-
CN(C)C\C=C\C(=O)Nc3cc1c(Nc(cc2Cl)ccc2F)ncnc1cc3OC4COCC4
|
InChI
-
InChI=1S/C24H25ClFN5O3/c1-31(2)8-3-4-23(32)30-21-11-17-20(12-22(21)34-16-7-9-33-13-16)27-14-28-24(17)29-15-5-6-19(26)18(25)10-15/h3-6,10-12,14,16H,7-9,13H2,1-2H3,(H,30,32)(H,27,28,29)/b4-3+/t16-/m0/s1
-
Key:ULXXDDBFHOBEHA-CWDCEQMOSA-N
|
アファチニブ(Afatinib、商品名:ジオトリフ)は、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に用いられるチロシンキナーゼ阻害薬(英語版)(TKI)の一つである。EGFR及びerbB-2(HER2)を非可逆的に阻害する。米国、欧州、台湾、メキシコ、チリ、日本等で承認されている。
目次
- 1 効能・効果
- 2 臨床試験
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 参考資料
効能・効果
日本での承認は「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」である[2]。他国でも非小細胞肺癌の治療に用いられる[3][4][5][6]。
臨床試験
2010年10月、NSCLCを対象とした第III相臨床試験Lux-Lung 5が開始された[7]。2010年の中間解析では、偽薬に比べて無増悪生存期間(英語版)が3倍延長したが、全生存期間は延長しなかった[8]。2012年5月、第IIb/III相臨床試験Lux-Lung 1の結果から同じ結論が得られた[9]。
又、乳癌等に奏効するという報告も有る[10] 。
HER2が過剰発現した乳癌を対象とした第II相臨床試験が報告され、41名の患者中19名でアファチニブに因る利益が得られた[10]。その結果を受けて第III相二重盲検臨床試験が企画されている。HER2過剰発現の見られない患者では、効果は期待出来ない[11]。
副作用
添付文書に重大な副作用として記載されているものは、間質性肺疾患、重度の下痢、重度の皮膚障害(発疹、座瘡等)、肝不全、肝機能障害、左室駆出率低下、心不全、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、消化管潰瘍、消化管出血である[2]。
その他、10%以上に発現する副作用として、全身性発疹・斑状丘疹性・紅斑性皮疹、爪囲炎、皮膚乾燥、痤瘡、瘙痒症、味覚異常、結膜炎、結膜炎、下痢、口内炎、悪心、嘔吐、口唇炎、食欲減退、鼻出血、鼻炎、疲労、粘膜炎症、体重減少、肝機能検査値異常が有る。太字で示した項目は半数以上の患者で発現するもので、中でも下痢はほぼ必発である。
作用機序
ラパチニブやネラチニブ(英語版)同様、アファチニブはヒトEGFR関連物質2(HER2)及び上皮成長因子受容体(EGFR)に対する非可逆的阻害薬である。アファチニブは第一世代のTKI(エルロチニブやゲフィチニブ)がターゲットとしたEGFRだけでなくHER2にも作用するので、標準治療に反応しない患者にも奏効する事が有る。EGFRとHER2が発現している乳癌等への効果も検討中である[12]。
アファチニブはEGFRの797番のシステインにマイケル付加し、共有結合を形成する。(IC
50=0.5nM)
[13]
参考資料
- ^ “Gilotrif (afatinib) dosing, indications, interactions, adverse effects, and more”. Medscape Reference. WebMD. 2014年1月28日閲覧。
- ^ a b “ジオトリフ錠20mg/ ジオトリフ錠30mg/ ジオトリフ錠40mg/ ジオトリフ錠50mg 添付文書”. 2015年1月26日閲覧。
- ^ “[http://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/lookup.cfm?setid=fd638e5e-8032-e7ca-0179-95e96ab5d387 GILOTRIF (afatinib) tablet, film coated [Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc.]]”. DailyMed. Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc. (2013年11月). 2014年1月28日閲覧。
- ^ “GIOTRIF® Afatinib (as afatinib dimaleate) (PDF)”. TGA eBusiness Services. Boehringer Ingelheim Pty Limited (2013年11月7日). 2014年1月28日閲覧。
- ^ “Giotrif 20 mg film-coated tablets - Summary of Product Characteristics (SPC)”. electronic Medicines Compendium. Boehringer Ingelheim Limited (2014年1月20日). 2014年1月28日閲覧。
- ^ “Giotrif : EPAR -Product Information (PDF)”. European Medicines Agency. Boehringer Ingelheim International GmbH (2013年10月16日). 2014年1月28日閲覧。
- ^ 臨床試験番号 NCT01085136 研究名 "LUX-Lung 5: BIBW 2992 Plus Weekly Paclitaxel Versus Investigator's Choice of Single Agent Chemotherapy Following BIBW 2992 Monotherapy in Non-small Cell Lung Cancer Patients Failing Erlotinib or Gefitinib" - ClinicalTrials.gov
- ^ “Afatinib (BIBW 2992*) Triples Progression Free Survival in Phase III Study in Lung Cancer Patients”. BusinessWire. (2010年10月11日). http://www.businesswire.com/news/home/20101011005810/en/Afatinib-BIBW-2992*-Triples-Progression-Free-Survival
- ^ Miller VA, Hirsh V, Cadranel J, Chen YM, Park K, Kim SW, Zhou C, Su WC, Wang M, Sun Y, Heo DS, Crino L, Tan EH, Chao TY, Shahidi M, Cong XJ, Lorence RM, Yang JC (2012). “Afatinib versus placebo for patients with advanced, metastatic non-small-cell lung cancer after failure of erlotinib, gefitinib, or both, and one or two lines of chemotherapy (LUX-Lung 1): A phase 2b/3 randomised trial”. The lancet oncology 13 (5): 528–38. doi:10.1016/S1470-2045(12)70087-6. PMID 22452896.
- ^ a b Lin NU, Winer EP, Wheatley D, Carey LA, Houston S, Mendelson D, Munster P, Frakes L, Kelly S, Garcia AA, Cleator S, Uttenreuther-Fischer M, Jones H, Wind S, Vinisko R, Hickish T (2012). “A phase II study of afatinib (BIBW 2992), an irreversible ErbB family blocker, in patients with HER2-positive metastatic breast cancer progressing after trastuzumab”. Breast Cancer Research and Treatment 133 (3): 1057–65. doi:10.1007/s10549-012-2003-y. PMC 3387495. PMID 22418700. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3387495.
- ^ Schuler M, Awada A, Harter P, Canon JL, Possinger K, Schmidt M, De Grève J, Neven P, Dirix L, Jonat W, Beckmann MW, Schütte J, Fasching PA, Gottschalk N, Besse-Hammer T, Fleischer F, Wind S, Uttenreuther-Fischer M, Piccart M, Harbeck N (2012). “A phase II trial to assess efficacy and safety of afatinib in extensively pretreated patients with HER2-negative metastatic breast cancer”. Breast cancer research and treatment 134 (3): 1149–59. doi:10.1007/s10549-012-2126-1. PMC 3409367. PMID 22763464. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3409367.
- ^ Minkovsky N, Berezov A (December 2008). “BIBW-2992, a dual receptor tyrosine kinase inhibitor for the treatment of solid tumors”. Curr Opin Investig Drugs 9 (12): 1336–46. PMID 19037840.
- ^ Schubert-Zsilavecz, M, Wurglics, M, Neue Arzneimittel Frühjahr 2013. (ドイツ語)
UpToDate Contents
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- 1. 上皮成長因子受容体変異を有する進行非小細胞肺癌に対する全身療法 systemic therapy for advanced non small cell lung cancer with an activating mutation in the epidermal growth factor receptor
- 2. 進行非小細胞肺癌の治療の役割 overview of the treatment of advanced non small cell lung cancer
- 3. 進行非小細胞肺癌に対する遺伝子型による個別治療 personalized genotype directed therapy for advanced non small cell lung cancer
- 4. 分子標的剤およびその他の生物製剤を用いた癌治療による皮膚合併症 cutaneous complications of molecularly targeted therapy and other biologic agents used for cancer therapy
- 5. 化学療法剤の腸管毒性 enterotoxicity of chemotherapeutic agents
Japanese Journal
- 転移性肺腫瘍の原発巣の鑑別を要し組織所見を経時的に観察し得た肺癌・直腸癌の重複癌の症例
- 伊藤 悠,伊藤 優,川島 英俊,山本 健嗣,金子 猛,角田 幸雄,前原 孝光
- 肺癌 60(2), 109-114, 2020
- … と判断され肺癌治療先行の方針とし,アファチニブの投与を開始した.左肺上葉の原発巣は縮小が認められたが,右肺結節影は増大が認められた.診断と治療方針決定のために胸腔鏡下右肺下葉部分切除術を施行し,右肺結節影は直腸癌肺転移の診断となった.直腸癌に対する腹腔鏡下直腸切除術施行後に,左肺癌に対して根治的肺切除術を施行しアファチニブ投与を終了した.その後再び右肺に多 …
- NAID 130007840528
- 超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)により診断した肺腺癌と甲状腺乳頭癌の同時性重複癌の1例
- 松本 錦之介,伏見 博彰,谷崎 智史,柳瀬 隆文,九野 貴華,新津 敬之,玄山 宗到,内田 純二,上野 清伸,北村 貴裕
- 気管支学 41(6), 613-618, 2019
- … も考慮し,気管分岐下リンパ節に対してEBUS-TBNAを施行した.その結果,Napsin-A,EGFR遺伝子変異陽性の肺腺癌と診断され,甲状腺癌(cT2N1bM0/Stage II)と肺癌(cT4N3M1c/Stage IVB)の同時性重複癌と考えられた.アファチニブを開始したところ,甲状腺以外の病変は著明な縮小を認めた.<b>結論.</b>甲状腺乳頭癌に肺門あるいは縦隔リンパ節腫大が認められる場合,同部位へのEBUS-TBNAは肺癌との重複癌と甲状腺癌単独 …
- NAID 130007769197
- EGFR-TKIによる形質転換との鑑別を要した肺大細胞神経内分泌癌の1例
- 熊谷 英之,渡邉 恵介,三宅 暁夫,篠田 雅宏,湯本 健太郎,池田 美彩子,佐藤 隆,新海 正晴,金子 猛
- 気管支学 41(6), 585-590, 2019
- … 異陽性肺癌におけるキードラッグだが,耐性がいずれ獲得される.耐性機序の1つとして形質転換が報告されている.<b>症例.</b>71歳,男性.肺腺癌術後再発(EGFR遺伝子exon 19欠失陽性)の診断でアファチニブを内服し,部分奏効が得られていた.多発結節影の出現,縦隔リンパ節の腫大を認め,病勢進行と診断し再生検を施行する方針となった.経食道的超音波内視鏡下穿刺吸引法により縦隔リンパ節生検を施 …
- NAID 130007769157
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ジオトリフ錠20mg
組成
成分・含量
- アファチニブマレイン酸塩29.56mg(アファチニブとして20mg)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、酸化チタン、タルク、ポリソルベート80
禁忌
効能または効果
- EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
- EGFR遺伝子変異検査を実施すること。EGFR遺伝子変異不明例の扱い等を含めて、本剤を投与する際は、日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」等の最新の情報を参考に行うこと。
- 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- がん化学療法歴等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
- 通常、成人にはアファチニブとして1日1回40mgを空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。
- 副作用が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮し、休薬、減量又は中止すること。
[「重大な副作用」の項参照]
副作用のグレード注1):グレード1又は2
副作用のグレード注1):グレード2(症状が持続的注2)又は忍容できない場合)若しくはグレード3以上
- 休薬及び減量基準:症状がグレード1以下に回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量から10mg減量して再開する注3)、4)。
- 注1)グレードはNCI-CTCAE 3.0版による。
- 注2)48時間を超える下痢又は7日間を超える皮膚障害
- 注3)1日1回20mg投与で忍容性が認められない場合は、投与中止を考慮すること。
- 注4)一旦減量した後は、増量を行わないこと。
- 1日1回40mgで3週間以上投与し、下痢、皮膚障害、口内炎及びその他のグレード2以上の副作用が認められない場合は1日1回50mgに増量してもよい。
- 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後3時間までの間の服用は避けること。
[「薬物動態」の項参照]
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
慎重投与
- 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
[間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
- 重度の肝機能障害のある患者
[安全性は確立していない。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」、「薬物動態」の項参照)]
- 重度の腎機能障害のある患者
[安全性は確立していない。(「薬物動態」の項参照)]
- 心不全症状のある患者又はその既往歴のある患者
[症状が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
- 左室駆出率が低下している患者
[症状が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
重大な副作用
間質性肺疾患(3.1%)
- 間質性肺疾患(間質性肺炎、肺浸潤、肺臓炎、急性呼吸窮迫症候群、アレルギー性胞隔炎等)があらわれることがあり、死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。
重度の下痢(27.3%)
- 重度の下痢があらわれることがある。また、重度の下痢に伴って脱水症状をきたし、急性腎不全に至った症例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬・減量又は投与中止を考慮すること。
重度の皮膚障害(22.7%)
- 重度の発疹、ざ瘡等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬・減量等の適切な処置を行うこと。なお、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
肝不全(頻度不明注5))、肝機能障害(6.3%)
- ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、肝不全により死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の休薬・減量又は投与中止など、適切な処置を行うこと。
心障害(0.8%)
- 左室駆出率低下があらわれ、心不全等の重篤な心障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注5))
- 皮膚粘膜眼症候群等の重篤な水疱性・剥脱性の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化管潰瘍、消化管出血(頻度不明注5))
- 消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍効果
- 本剤は、in vitro試験において、EGFR(ErbB1)遺伝子野生型を有する非小細胞肺癌由来H1666細胞株、EGFR遺伝子のL858R変異を有する非小細胞肺癌由来NCI-H3255細胞株及びL858R変異とT790M変異を有する非小細胞肺癌由来NCI-H1975細胞株の増殖を抑制した17), 18)。
作用機序
- 本剤は、EGFR及びEGFR変異だけではなく、ErbB受容体ファミリーに属する他の受容体HER2(ErbB2)及びErbB4(HER4)のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害し、ErbB受容体ファミリー(EGFR、HER2、ErbB3(HER3)並びにErbB4)が形成するホモ及びヘテロダイマーの活性を阻害することにより、異常シグナルを遮断し、腫瘍細胞の増殖を抑制する19)〜22)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
性状
- 白色〜黄褐色の粉末である。本品は水又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
分配係数
- log P=4.7(pH9以上)、log D=3.8(pH7.4)
★リンクテーブル★
[★]
会社名
ベーリンガー
成分
薬効分類
その他の腫瘍用薬
薬効
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌