100Cases 04

☆case4 息切れ
■glossary
general practitioner 一般開業医、開業医、一般医
amoxicillin アモキシシリン(経口投与可能なアンピシリンに類似した抗菌薬)
bronchitis 気管支炎
diurnal
 adj.
  昼間の、日中の(⇔nocturnal) 
  日ごとの(daily)。1日昼夜の、日周的な 
fibrosing alveolitis 線維化肺炎(= 間質性肺線維症?)。線維化性胞隔炎。線維化性肺胞炎。

■症例
26歳、女性、学校教師
主訴:持続性の咳(長引く咳)
現病歴:アモキシシリン一コースを服用したが改善しないため、もう一コースを希望。新しい学校に引っ越してから三ヶ月間咳で悩まされている。咳で眠りが妨げられて日中疲れている。運動時に咳が出る。
既往歴 past history:3年前に虫垂切除。子供の時に口蓋扁桃摘出術。3-6歳の間に、気管支炎に反復感染。
喫煙無し。服薬:避妊薬。
家族歴 family history:両親元気に生存。2人の兄弟有り。1人は花粉症

・検査
 呼吸数 18/min
 胸部聴診 清、胸部視診 異常なし。鼻、喉頭、心血管、呼吸、神経系に異常なし

・investigations
 胸部X線 正常
 スパイロメトリー FEV1, FVC, FER, PEF 異常なし
  Peak flow 朝低く午後高い

■原因が不明の慢性に持続する咳を見たら?
 原因が不明の慢性に持続する咳を訴える患者には胸部X線撮影を行うべき。

■喘息と胸部X線
 一般に正常である。重症発作を繰り返す重症患者、あるいは発作時は肺が膨らみすぎて明るく見える。他の疾患の除外診断に用いる

■喘息の診断上の注意
 喘息の診断には、呼吸困難などの喘息症状と可逆性の気流制限・喘息症状があって他の心疾患・肺疾患を除外できることが重要である。
 肺機能検査は喘息の非発作時には正常であることが多いが、発作時には閉鎖性障害が見られる。

■喘息と肺機能検査 lung function abnormalities in astham (NEL.957)
 Spirometry(in clinic)
  Airflow limitation
   Low FEV1 (relative to percentage of predicted norms)
   FEV1/FVC ratio < 0.8
  Bronchodilator response(to inhaled β-agonist)
   Improvement in FEV1≧12% or ≧200ml*
  Exercise challenge
   Worsening in FEV1≧15%*
 Daily peak flow or FEV1 monitoring: day to day and/or AM-to-PM variation≧20%*
 * Main criteria consistent with asthma


■KEY POINT
・正常な胸部X線像をともなう持続する乾性咳の原因は
 喘息(50%)、鼻炎・副鼻腔炎に伴う後鼻漏(25%)、逆流性食道炎(20%)。その他(外来異物、気道の腺腫・サルコイドーシス・間質性肺線維症、ACE inhibitorの副作用)
・喘息では、最初に気流閉塞がないか、これをほとんど伴わずに、咳が出現することがある。これはcough variant asthmaという。
・持続する乾性咳では原因が細菌である可能性は低く、抗生剤に反応する可能性は低い。

口蓋扁桃摘出術 tonsillectomy 
手術の適応は次のようなものである。 
1)反復性扁桃炎で、1年間に3-4回以上急性扁桃炎をくり返すもの。 
2)病巣性扁桃炎で、扁桃を病巣とした二次疾患を有するもの。 
3)扁桃肥大*が高度で、上気道狭窄症状、肺性心あるいは摂食障害を有するもの。 
4)扁桃周囲膿瘍を反復するもの。 
5)慢性扁桃炎で抗生物質に耐性を示し頚部リンパ節腫脹が持続するもの。 
6)扁桃腫瘍