膵神経内分泌腫瘍
概念
- 膵臓に認められる神経内分泌腫瘍である。
疫学
- PNENの疫学調査が行われ、2005年と比較して2010年の年間受療者数の増加を認めており、また非機能性PNENの割合が増加してきている。これは、EUS-FNAの普及による組織診断の向上によるものと考えられている。2020年の疫学調査ではPNECはPNEN全体の7.5%程度を占めており、遠隔転移例はPNET G1/G2で12.9%であったのに対し、PNECでは46.3%と高値であった(日本内科学会雑誌 2017年 Vol.106No.3)。
診断、検査
- 超音波内視鏡 EUS
- 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA endoscopic ultrasound-guided fine neekle aspiration)
- クロモグラニンA(CgA):診断、治療効果判定マーカー。NET G1/G2で高値、NECで低値との報告がある。機能性腫瘍は非機能性腫瘍と比べて高値となる。また、腫瘍サイズや遠隔転移例で高値となる。
- 病理組織:
- グロモグラニンによる免疫染色:CgAの陽性率はNET G1/G2で高く、NECで低下する。
分類
| Ki-67 index | mitotic index | ||
| 高分化 Well differentiated |
NET G1 | < 3 % | < 2 /10 HPF |
| NET G2 | 3-20 % | 2-20 /10 HPF | |
| NET G3 | >20 % | >20 /10HPF | |
| 低分化 Poorly differentiated |
NEC G3 | ||
| Small cell NEC | |||
| Large cell NEC | |||
| Mixed neuroendocrine non-neuroendocrine neoplasm (MiNEN) | |||
検査
CT
- uptodate
- 被曝はあるが非侵襲的ですぐに施行できる検査であり、特に造影CTは施行する価値が高い。
- 多くの神経内分泌腫瘍は血管が多いため、CTでは肝臓とほぼ同じ濃度で描出される。造影により動脈相で増強し、門脈層で造影剤が流出した後の像を認める。
- 感度は80%程度で4mmの腫瘤も描出することが可能であるが、直径2cm未満の腫瘤は感度は低下する。
- 症候性の非機能性腫瘍、VIPoma、グルカゴノーマは診断時は3cm以上と大きく、造影CTの感度はほぼ100%である。
治療
- 分子標的薬が出現する前は、肝転移が予後因子として重要であったが、分子標的が使えるようになってからは肝転移を制御することが生命予後に関連していることが明らかとなった。
参考
- 膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年