肺クリプトコッカス症
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概念
- Cryptococcus neoformansによる肺真菌症である。
- Cryptococcus neoformansはハトの糞や土壌中に存在しており、空気中に飛散したものを吸入することで発症する。
- 吸入された真菌は肺に入るため、初期病変は肺である。
- 健常者でも易感染性宿主でも発症することがあり、前者を原発性、後者を続発性と区別している。
- 後者の場合、肺にとどまらず、髄膜炎をきたしたり、全身に播種する可能性がある。
病型
- 原発性:健常人の発症。若年者で多い。
- 続発性:易感染性宿主(AIDS、糖尿病、腎疾患、膠原病、ステロイドなどの免疫抑制薬内服中)
症状
- いろいろ
- 原発性:無症状
- 続発性:発熱、倦怠感、咳嗽、喀痰、呼吸困難などを認める。
検査
- 血液検査:
- 真菌特異的多糖体の検出:原発性肺クリプトコッカス症ではβ-D-グルカンの上昇は稀。(参考1)
- クリプトコッカス・ネオフォルマンスの莢膜多糖体を検出:グルクロノキシロマンナン
- 胸部レントゲン:
- 空洞を伴う結節性陰影、浸潤性陰影(健康人に発症する場合は結節影、易感染性宿主に発症する場合は浸潤影をとりやすい)
- 下肺野に多く認める。
- 胸部CT:
- 胸膜から数cm離れた肺の末梢に結節影を認める。撒布像、スピキュラ、胸膜陥入像を認めることが多く、肺癌・肺結核との鑑別は困難。
- 経気管支肺生検:検体をGrocott染色にて茶褐色に染まるクリプトコッカスを認める。
診断
- 菌の分離
- 血清中の抗原検出
- 確定診断のためには、経気管支肺生検や気管支肺胞洗浄液で得た組織・洗浄液から、菌体を染色(PAS染色,Grocott染色,ムチカルミン染色)や培養でその存在を証明することである。
鑑別診断
- 肺結核、肺癌(肺腺癌、空洞を伴うことがあるので肺扁平上皮癌)、ヒト肺犬糸状虫症
治療
- 抗真菌薬に対する感受性は高い。フルコナゾールは髄液移行性が高い。
- アゾール系抗真菌薬:フルコナゾール(FLCZ)、ミコナゾール(MCZ)、イトコナゾール(ITCZ)
- アムホテリシンB(AMPH)
- フルシトシン(5-FC)
参考
- 1. (1→3)-β-D-グルカン/臨床検査の三菱化学メディエンス
- <click2in>http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=06&m_class=01&s_class=0031</click2in>