筋萎縮性側索硬化症
- amyotrophic
- 英
- amyotrophic lateral sclerosis, ALS
- 同
- シャルコー病 Charcot disease、ゲーリック病、Gehrig病 Gehrig's disease、ルー・ゲーリック病 Lou Gehrig病 Lou Gehrig's disease
- 関
- 運動ニューロン疾患
まとめ
- 上位運動ニューロンと下位ニューロンが障害される運動ニューロン疾患の一つである。多くが孤発性であるが、5-10%に家族性の発症が見られ、発症年齢は20歳と若いが、進行は緩徐である。通常は、40歳以降の発症、特に50歳代が多い。下位ニューロンの障害が先行する。一側上肢遠位の筋萎縮で始まり対側上肢、両下肢に筋萎縮が進行し、球麻痺の出現、呼吸筋萎縮に至る。下位ニューロンの障害により、舌の線維束性攣縮、四肢筋の脱力、萎縮、線維性攣縮(これらは上肢優位、遠位筋優位)、また腱反射消失が見られる。また、上位ニューロンの障害により構音障害、嚥下障害、舌運動障害が認められ、下顎反射亢進が認められる。四肢では痙縮が下肢優位にまた、腱反射の亢進と病的反射が認められる。自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されないため、他覚的感覚障害、眼球運動障害、膀胱・直腸障害、小脳徴候、錐体外路徴候、認知症、褥瘡は認められない。根治療法はなく、リルゾールでの延命治療、対症療法として、嚥下障害に対して経管栄養、呼吸障害に対して人工呼吸器を用いる。(BET.440)
概念
- 軸索変性をきたす神経変性疾患
- 誘発筋電図上ではM波の振幅の減衰が見られる
- 上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが侵される。四肢、呼吸筋が侵される。ついには球麻痺をきたす。
- 自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されない → (筋萎縮性側索硬化症の陰性症状) (1) 他覚的感覚障害、(2) 眼球運動障害、(3) 膀胱・直腸障害、(4) 小脳徴候、(5) 錐体外路徴候、(6) 認知症、(7) 褥瘡
疫学
- 有病率:4-6人/10万人
- 男女比=1.3:1 (YN.J-130)
- 発症年齢:中年以降。40歳以降でみられ、多くは50歳以降
- 日本では紀伊半島、米国ではグアムで多く見られる。
病因
- 孤発性:90%以上
- 遺伝性:5-10%
病理
- Lwey body-like hyaline inclusions, Hirano bodies, ブニナ体, slein-like inclusions
症状
| 症状 | 上肢 | 下肢 | ||
| 脊髄神経 | 上位運動ニューロン | 錐体路症状(痙性麻痺、腱反射亢進、バビンスキー徴候陽性) | 優勢 | |
| 下位運動ニューロン | 筋力低下、線維束性収縮、筋萎縮、呼吸障害 | 優勢 | ||
| 脳神経 | 上位運動ニューロン | 偽性球麻痺 | ||
| 下位運動ニューロン | 球麻痺(構音障害、嚥下障害、舌の萎縮・線維束性収縮)、顔面神経麻痺 | |||
検査
- 軸索変性を来すので、神経伝導速度の低下は顕著ではない → 筋電図で神経原性変化を見る!!
鑑別診断
- 変形性頚椎症:知覚障害が出現するので鑑別されるが、症状が神経所見がはっきり分からず、診断に難渋することがある、らしい。
| 腱反射 | 病的反射 | クレアチンキナーゼ | 神経伝導検査 | 筋電図 | |
| 筋萎縮性側索硬化症 | ↑↑ | + | 軽度高値 | 正常 | 神経原性変化 |
| 重症筋無力症 | → | - | 正常 | 正常 | waning |
| 多発性筋炎 | → | - | 著明高値 | 正常 | 筋原性変化 |
| ギラン・バレー症候群 | ↓ | - | 正常 | 脱髄/ブロック | 神経原性変化 |