原発性副甲状腺機能亢進症
概念
- 副甲状腺に腺腫、過形成あるいは癌などが生じて副甲状腺ホルモン(PTH)の産生亢進を来し、PTH高値、高カルシウム血症、低リン血症を来し、消化器症状や骨病変を呈する疾患である。
- 下部副甲状腺に発生する例が最も多く、縦隔内発生例もある。
疫学
- 2500-5000人に1人、1:2で女性に多い、好発年齢は50歳代
病因
- 副甲状腺における腺腫(80-90%)、過形成(10%前後)、癌(1%)の産生が関連している。
- 過形成は多発性内分泌腫瘍(MEN)の部分症の可能性がある。
- MEN1型の約90%に本症がみられ、これが初発である場合が多い.
- MEN2型での合併は少ない。
病型
症状
- 全身:倦怠感、胃疲労感
- 精神:錯乱、昏迷、うつ気分、精神症状、社会との関わりの低下、認知機能障害
- 消化器系:食欲不振、悪心、悪心、嘔吐、便秘、消化性潰瘍、膵炎
- 腎泌尿器:口渇、多飲、多尿、夜間尿
- 筋肉:易疲労感、脱力、近位筋筋力低下、偽痛風、
- 尿路結石:(反復性、両側性)尿路結石
- 骨 :嚢胞性線維性骨炎 手指骨の骨膜下吸収像、長管骨の骨嚢腫、頭蓋骨のスリガラス様骨萎縮像(頭蓋骨の顆粒状脱灰 salt and pepper appearance)
検査
- 血液検査:PTH高値、高カルシウム血症、低リン血症、アルカリホスファターゼ高値、高クロル血症性アシドーシス、1,25-ジヒドロキシビタミンD3高値
- 尿検査:リン再吸収率低下、尿中サイクリックAMP増加、
- 画像検査:頚部超音波検査
治療
- 1. 外科的治療
- 単一の腺腫:腫大腺を摘出
- 過形成:4腺を全摘し1/2腺を自家移植。MEN2型で褐色細胞腫を伴う場合は必ずその摘除術を優先する。
- 癌腫:拡大頚部手術による周囲組織を含めた広範囲の摘除
- 2. 内科的治療:経過観察、ないし手術不能例