前置胎盤
概念
- 胎盤の一部または大部分が子宮下部に付着し内子宮口におおう状態
疫学
- 総分娩数の0.5%。初産婦0.2%、多産婦5%。 (NGY.408)
分類
- 全前置胎盤 :組織学的内子宮口を覆う胎盤の辺縁から内子宮口までの最短距離が2cm以上の状態:25%程度
- 部分前置胎盤:組織学的内子宮口を覆う胎盤の辺縁から内子宮口までの最短距離が2cm未満の状態:最多。50%程度
- 辺縁前置胎盤:組織学的内子宮口を覆う胎盤の辺縁から内子宮口までの最短距離がほぼ0cmの状態:25%程度
リスクファクター
- 前回帝王切開、中絶を含む子宮内手術の既往、喫煙、多胎妊娠、多産、母体の高齢
合併症
症状
- 妊娠後期に生じる無痛性の出血
- 妊娠中:無痛性の出血で、妊娠週数を重ねるにつれ出血量が増加する。最初の出血が少量でも、将来の大出血を示唆する(1週間以内の大出血を示唆。1日200g以上の出血をみたら帝王切開する場合がある)。
- 分娩中:陣痛時には出血が増加し、間欠期には減少する。辺縁前置胎盤では分娩中は帰って出血が減少する。
- 分娩後:子宮峡部の弛緩や癒着胎盤により出血が持続しやすい。
検査
- 内診:禁忌
- 経腹超音波検査/経腟超音波検査
管理
- 資料1
- いずれの場合でも、入院後、大量出血に備えて自己貯血を行う。
入院中期以降に出血が無い場合
- 全前置胎盤では、妊娠28週以降、遅くても34週には入院管理とし、出血がない場合には妊娠36週以降に予定帝王切開術を行う。自己貯血は可能であれば用意しておく。
入院中期以降に出血がある場合
- 入院安静とし、子宮の収縮が認められれば子宮収縮抑制薬を投与する。妊娠期間の延長をはかり、妊娠36週になるか出血がコントロールができなくなった場合に帝王切開術を行う。 ← 妊娠37週以降の帝王切開を目標にする(G9M.113)
参考
- 1. 前置胎盤 - 日産婦誌59巻12号