ベーチェット病
- 英
- Behçet disease, Behcet disease, Behcet's disease, BD
- 同
- ベーチェット症候群 Behcet syndrome, (国試)Behcet病
- 関
概念
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
- 急性の炎症が反復し、増悪と寛解を繰り返す慢性疾患であり、繰り返す口内アフタが特徴的である。その他、性器潰瘍、皮膚病変、眼病変、神経病変、血管病変、消化管病変、関節病変を伴う。全身の血管(動静脈)にそのサイズに関係なく炎症を起こすのが特徴的である(参考2)。
病因
- 遺伝要因(HLA-B51)と環境要因が発症に関与。
疫学
- 20歳代に初発。中年男性では多発する。日本人に多い。(NDE.145)
症状
- 特殊型は予後が悪い。
主症状:4主徴
- 1. 口腔内アフタ性潰瘍:ほぼ全例に出現。初発症状で最多。口腔粘膜、舌。有痛性。再発性。
- 2. 陰部潰瘍:70-80%に出現。有痛性の深い潰瘍。男性は陰嚢、女性は大小陰唇。
- 3. 皮膚症状:下腿に好発する結節性紅斑。毛嚢炎様皮疹。血栓性静脈炎(高頻度らしい(NDE.145))など。 皮膚症状の出現頻度は90%(QB.F-147)
- 4. 眼症状:40-50%。男性に多い。網膜ぶどう膜炎、虹彩毛様体炎(前眼房蓄膿)。霧視羞明、眼痛。
副症状
- 5. 関節症状:関節炎症状(腫脹、疼痛)。大関節に多く、骨の破壊や変形は起きない傾向。
- 6. 精巣上体炎:10%以下。腫脹と疼痛。
特殊型
- 7. 消化器症状:回盲部潰瘍。回盲部を中心とした腹痛、下痢、黒色便など。腸Behcet病
- 難治性のことが多い。
- 8. 血管炎症状:大血管の動脈瘤や閉塞。脈拍や血圧の左右差。脳、腎などの循環障害症状。無症状の場合もありうる。血管Behcet病
- 9. 中枢神経症状:髄膜炎症状から、四肢麻痺、痙攣、運動失調、精神症状の出現など。神経Behcet病
ベーチェット病による血管疾患
- 参考1
- 728名のベーチェット病患者における血管疾患
| 疾患名 | 患者数 | |
| 静脈疾患 | 深部静脈血栓症 | 221 |
| 皮下血栓性静脈炎 | 205 | |
| 上大静脈閉塞 | 122 | |
| 下大静脈閉塞 | 93 | |
| 脳静脈洞血栓症 | 30 | |
| バッド・キアリ症候群 | 17 | |
| その他の静脈閉塞 | 24 | |
| 動脈疾患 | 肺動脈閉塞/肺動脈瘤 | 36 |
| 動脈瘤 | 17 | |
| 四肢動脈閉塞/四肢動脈瘤 | 45 | |
| その他の動脈閉塞/動脈瘤 | 42 | |
| 右室血栓症 | 2 | |
検査
- 針反応:皮膚を針で刺すと膿疱ができる。皮膚の被刺激性、好中球機能過剰による
診断
治療
- 眼症状
- 前部ぶどう膜炎:ステロイド点眼、散瞳薬
- 後部ぶどう膜炎:ステロイド結膜下注射/テノン嚢下注射
- 眼炎症予防:コルヒチン、炎症が起きればNSAIDを用いる。
- 難治例ではシクロスポリンを投与、インフリキシマブ投与