シクロスポリン
- 英
- cyclosporine, CyA, CsA, ciclosporin
- 同
- シクロスポリンA cyclosporine A cyclosporin A、サイクロスポリン、サイクロスポリンA
- 商
- アマドラ、サンディミュン Sandimmun、シクポラール、ネオーラル Neoral、パピロックミニ
- 関
- 免疫抑制薬、
- シクロスポリンはシクロスポリンA、CsAともよばれ、1976年にT細胞を介する免疫抑制剤であり、臓器移植を可能にした薬剤である。
- 1970年代初めにノルウェーの土壌中の真菌(Tolypocladium inflatum)の培養液から分離された、分子量1202の環状ポリペプチドで環状部分は10個のアミノ酸から構成される。
- C62H111N11O12の分子式で表される。
- 拒絶反応抑制効果が強く、1980年代になって副腎皮質ステロイドとの併用によって、従来の肝移植の1年生存率25%が80%に上昇し、臓器移植が現在のように医療として定着することに貢献した。
- 宿主の移植片に対する反応のみならずGVH反応にも有効であるとされる。
- シクロスポリンは活性化T細胞のIL-2産生を抑制する。
- IL-2はT細胞により自己分泌/傍分泌されT細胞の活性化と増殖を起こす。
- 細胞質に存在するリン酸化された転写因子NFAT(nuclear factor of activated T cells)は、活性型のカルシニューリン(Ca2+とカルモジュリンが結合した形)により脱リン酸化されると、活性化したNFATとなる。
- 活性化したNFATは核内に移行しIL-2の転写しIL-2 mRNAが産生され、結果としてIL-2合成に繋がる。
- さて、細胞内に入ったシクロスポリン(CsA)はシクロフィリン(cyclophilin)と結合する。
- CsA-cyclophilin複合体はカルシニューリンに結合し、結果としてカルシニューリンを不活化して、脱リン酸化活性を抑制する。
- 副作用として、腎毒性、高血圧、脂質異常症、神経毒性、肝毒性がある。
- シクロスポリンの腎毒性は、シクロスポリンがTGF-β産生を刺激することと関係があるらしい。
- TGF-βは細胞外基質の産生を促し、間質の線維化を来す。
- ヘルパーT細胞の作用を抑制するがサプレッサーT細胞には影響しない。
- 移植当日から10~15mg/kgで投与開始し,次第に4mg/kg程度に減量する。
- トラフ値は50-250ng/mlが目標となる。
- 肝・腎移植後は150-250ng/mlで維持されるが、最終的には100ng/ml以下まで減量される。
- 骨髄移植では150-250ng/ml、再生不良性貧血では250ng/ml以下、ネフローゼ症候群では150ng/ml以下で維持される。
- 自己免疫疾患では血中濃度と効果の相関は、明確ではないが、一般的にBehcet病・乾癬では50-200ng/mlに維持される。
- もともとのシクロスポリンは腸管からの吸収が悪く,マイクロエマルジョン化したサンディミュンやネオーラルはこの問題を軽減した。
- 代謝は肝臓でP450によって行われるので,この酵素に関与する薬剤との併用時には血中濃度に注意する。
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