出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/18 15:12:39」(JST)
IUPAC命名法による物質名 | |
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(RS)-N,N-dimethyl-2- (1-phenyl-1-pyridin-2-yl-ethoxy)- ethanamine | |
臨床データ | |
胎児危険度分類 | A(US) |
法的規制 | Pharmacy Only (S2) (AU) OTC (US) OTC(CA) |
投与方法 | 経口 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | 24.7%[1] |
代謝 | 肝臓 |
半減期 | 変動が大きい; 6–12 時間 |
排泄 | 尿(主に代謝物として) |
識別 | |
CAS登録番号 | 469-21-6 |
ATCコード | R06AA09 |
PubChem | CID 3162 |
DrugBank | APRD00937 |
ChemSpider | 3050 |
KEGG | D07878 |
化学的データ | |
化学式 | C17H22N2O |
分子量 | 270.369 g/mol |
ドキシラミン(doxylamine)は鎮静作用のある抗ヒスタミン薬の一つである。医薬品として用いられるのはコハク酸塩(コハク酸ドキシラミン)である。米国などでは、単独で短時間作用型の睡眠改善薬として用いられるほか、他の成分と組み合わせて風邪やアレルギーの諸症状を緩和するための夜間服用型の薬として用いられることがある。また、米国などでは妊娠中の女性のつわりの諸症状を緩和するための薬としてビタミンB6(ピリドキシン)と組み合わせて処方されることがある。
ドキシラミンはエタノールアミン系抗ヒスタミン薬であり、その抗アレルギー作用は米国で市販されるジフェンヒドラミン以外のほぼ全ての抗ヒスタミン薬を上回る[2]。(この比較については不確かであると指摘する専門家が多く、ましてや本邦未発売の医薬品である為、邦人に於いては抗ヒスタミン作用強度等全てに於いて現在時点(H24.3/15)では当然の締結として決定不可能。)また、ドキシラミンは米国の店頭で市販される睡眠改善薬の中では最も効き目が強く[2]、その強さは一部の処方箋が必要な睡眠薬を上回り、ドキシラミンの鎮静作用はフェノバルビタールより強いとする研究もある[2]。
コハク酸ドキシラミンの米国での睡眠改善薬としての用量は6.25mg~25mgである。米国FDAは高用量を推奨していないが、一般的な一回分の用量が米国より高用量の国もあり、中にはオーストラリア(RestavitやDozileの商品名で販売されている)のように50mgに上る国もある。
主な代謝物は、デスメチルドキシラミンとジデスメチルドキシラミンの2つである。
ドキシラミンには強い抗コリン作用があるため、口渇、運動失調、排尿障害、眠気などの副作用が生じることがある。排尿障害の副作用が強く顕れる可能性があるが故に、尿閉の症状を伴う前立腺肥大症(男性特有の疾患)は勿論、(種類に依るが)緑内障の診断を受けた者及びその疑いが有る者、シェーグレン症候群罹患者には投与すべきでない。(本邦未発売であるが故、日本人のドキシラミンに対する、あらゆる感受性のデータが無い為、「投与禁忌」とは言えない。) 他、抗コリン作用を有する医薬品(第一世代、第二世代抗うつ薬等多数)との併用に関しても、リスクとベネフィットの見極めが問題となろうが、優先されるべきはドキシラミンによる催眠鎮静、抗アレルギー作用ではないとは思われる。
単回投与毒性試験におけるLD50は次の表の通り[3]。
動物/投与経路 | 経口 | 静注 | 皮下注射 |
---|---|---|---|
マウス | 470 mg/kg | 62 mg/kg | 460 mg/kg |
ラット | 440 mg/kg | ||
ウサギ | 250 mg/kg | 49 mg/kg |
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