100Cases 34

出典: meddic

☆case34 てんかん発作
症例
23歳 アフリカ-カリブ系 女性 銀行の店員
主訴てんかん発作
現病歴強直間代発作を2回起こしたところを母親が目撃していた。娘の行動次第におかしくなり、また娘は自分のことを話している声が聞こえていた(幻聴)。最近頭痛を訴えていた。体重が減少し、脱毛があった。盗汗と主に足と手の小関節に及ぶflitting 関節痛を訴えていた。服用薬なし。タバコ1日5-10本、アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱)
既往歴:特記なし(medical or psychiatric history)
家族歴
生活歴
・身体診断
意識:眠そうだが痛みに反応頚部硬直:なし。頭髪:薄く斑状体温38.5℃。リンパ節:たくさんの部位で触知。
心拍:104/分、整。血圧:164/102 mmHg心血管系呼吸器系腹部:異常なし。
神経所見focal anormalityなし(局所性異常)。乳頭浮腫:認めず。
検査
(血液生化学)
上昇erythrocyte sedimentation rateureacreatinine
低下:hemoglobinwhite cell countplatelet
正常mean corpuscular volumesodiumpotassiumglucose
(腰椎穿刺)
上昇leukocytesCSF protein
正常CSF glucose
(尿検査)
蛋白:+++。血尿:+++。赤血球:++。赤血球円柱:あり。
(その他)
胸部X線:異常なし。ECG洞性頻脈頭部CT正常CSFグラム染色陰性(光顕レベル細菌なし)
glossary
fall out (毛髪などが)抜ける
night sweat 盗汗寝汗
tonic-clonic generalized seizure 全般性強直間代発作
flit vi (鳥・蝶など)すいすい/ひらひら飛ぶ、飛び回る、飛翔する。(人が)軽やかに通る、行き交う。(時が)(飛ぶように)すぎる。(幻想など)去来する、よぎる、(表情が)かすめる
drowsy adj. 眠い。眠そうな。眠気を誘う。ものうい。眠ったような
stiffness n. 堅いこと、堅ぐるしさ、がんこさ
delirium tremens 振戦譫妄
hypertensive encephalopathy血圧性脳症
alopecia 脱毛
African-Caribbean アフリカ-カリブ系
fit n. (病気の)発作。引きつけ、痙攣。(感情の)激発、一時的興奮、気まぐれ
chorea n. 舞踏病
recreational drug 耽溺性があり乱用される脱法薬物
urgent adj. (物・事が)急を要する、緊急の、背拍質(pressing)。(~を)緊急に必要とする(in)。(S is ~ (with O1) for [in] O2)(人が)(O1(人)に)O2(物・事)をしつこく求める。(人に/~するように)催促する(for/to do)。(要求などが)執拗な。
てんかん発作
・新規発生したてんかん発作原因(ICU.805-806)
薬物中毒(テオフィリンなど)
薬物からの離脱(アルコールなど)
感染症(髄膜炎膿瘍など)
頭部外傷
虚血障害(虚血あるいはびまん性)
占拠性病変(腫瘍あるいは血腫)
代謝性障害(肝性脳症尿毒症性脳症敗血症低血糖、低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)
合併症(ICU.805-806)
全身性てんかん発作場合:高血圧乳酸アシドーシス、高体温呼吸障害誤嚥肺水腫横紋筋融解自傷不可逆性神経学的障害(30分間以上てんかん発作持続した場合)
可能性の高い診断
 全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus(SLE)
■鑑別診断ポイント
 自己免疫疾患多彩症状を示す。そのため、個々の症状着目して鑑別診断をあげるのではなく、症状検査値の異常を総合的に見て判断する必要がある。
解答
 (第1パラグラフ)SLE病態
精神症状:(SLEは脳で血管炎を呈することで生じる)うつ(depression)、統合失調症様の精神病痙攣(fits)、舞踏病(chorea)、脳梗塞/脊髄梗塞
脳脊髄液:白血球増多(leukopenia)、蛋白増加
血液:自己免疫性溶血貧血(Coombs'-positive hemolytic anemia)がありうる。白血球減少血小板減少症普通にみられる。
症状ループス腎炎普通に見られ、顕微鏡的血尿タンパク尿、ネフローゼ、あるいは腎不全が現れるかもしれない。
関節症状変形を伴わない関節痛(PIP関節(近位指節間関節)、MP関節(中手指節関節)、手関節)
 (第2パラグラフ)SLEの確定診断のための検査治療
 ・すぐにすべきことは降圧薬、抗痙攣薬の投与
 ・確定診断のために次の検査を行っていく(もっとも症例提示された所見で(日本の?)SLE診断基準を満たすけど)
  ・検疫血清検査:抗DNA抗体C3C4
  ・腎生検ループス腎炎程度把握
 ・治療活動性感染がないことを確認 ← 薬物療法ではステロイド免疫抑制薬を使うため
  ・ステロイド静脈内投与、あるいはシクロホスファミドなどの細胞毒性薬(cytotoxic agents)の投与
  ・重症治療抵抗性だったら血漿交換を行う。
■鑑別診断 頭痛/精神病的様態(psychiatric features)/痙攣
髄膜炎脳炎
レクリエーショナルドラッグ中毒(例えばコカイン)
・脳腫瘍
急性アルコール禁断症状振戦譫妄
・高血圧脳症
■KEYPOINT
SLEは特に若いアフリカ系-カリブ系に普通一般的
SLEでは主に神経症状と精神症状をを伴って現れることがある
・白血球低下と血小板の低下はしばしばSLE示唆する
tonic-clonic seizure 強直間代発作
 意識消失とともに全身随意筋強直痙攣が生じ(強直痙攣tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連発作
□350ml アルコール5%
350x0.05/10=1.75 unit
細胞毒性薬
 免疫抑制薬や抗腫瘍薬として用いられる。
antimetabolites
アザチオプリン azathioprine
メトトレキセート methotrexate
ミコフェノール酸 mycophenolic acid, ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil
レフルノミド leflunomide
alkylating agents
シクロホスファミド cyclophosphamide

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てんかん」

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epilepsy
epilepsia
癲癇
抗てんかん薬てんかん発作 seizure

091009 III

大脳灰白質神経細胞の過剰で無秩序な電気的発射による
  • 種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患

WHOの定義

  • さまざまな原因で起こる慢性の脳疾患で、大脳神経細胞の過剰な放電からくる繰り返す発作(てんかん発作)を主な徴候とし、多種多様な臨床及び検査所見を伴う

分類

  • 1. 運動徴候を有するもの
  • 2. 知覚症状を有するもの
  • 3. 自律神経症状ないし徴候を有するもの
  • 4. 精神症状を有するもの
  • 1. 単純部分発作に意識の障害が続く
  • a. 単純部分発作で発症し、意識障害が次に続く
  • b. 自動症を伴う
  • 2. 意識障害で発症
  • a. 意識障害のみを伴う
  • b. 自動症を伴う
  • 1. 単純部分発作で全身発作に進展
  • 2. 複雑郡分発作で全身発作に進展
  • 3. 単純部分発作で複雑部分発作、全身発作へと進展
  • 未分類てんかん発作 unclassified seizure

てんかん、てんかん症候群および発作性関連疾患の分類(1989) (PED.1424)

  • 1. 局在関連性てんかんおよび症候群
  • 1-1. 特発性
  • 1-2. 症候性
  • 1-3.
  • 2. 全般性てんかん及び症候群
  • 2-1. 特発性
  • 2-2. 潜因性あるいは症候性
  • 2-3.
  • 3. 焦点性か全般性かを決定できないてんかん及び症候群
  • 3-1. 全般発作と症候発作を併有するてんかん

単純化

  • 特発性:原因不明
  • 特発性全般性てんかん
  • 特発性局所関連性てんかん:大脳の特定の位置に焦点がある
  • 症候性:先行疾患あり
  • 症候性全般性てんかん
  • 症候性局所関連性てんかん:大脳の特定の位置に焦点がある

疫学

  • 200人に1人 (0.5%)
  • 人口1000対3-10(0.3-1.0%) (PSY.376)
  • 小児期~思春期、老年期(60歳以降)に好発

病因

  • 遺伝的素因、周産期異常、炎症、腫瘍、外傷など
  • 乳児(0-2歳)、幼児(2-10歳)
出産障害(酸素不足)、先天性異常、熱性血栓症
  • 成人
外傷、腫瘍
  • GABA作動性ニューロンなどの抑制性のニューロンは損傷を受けやすい→ニューロンの過剰興奮につながる

症状

  • 発作前症状
  • 発作症状
  • 発作後症状:
post ictal state:もうろうとした状態。
postictal psychosis:発作後精神病はてんかんの発作後に幻覚妄想状態が出現するものであり、数時間から数日の経過で消退する。
  • 発作間欠期症状
  • 慢性経過のてんかんで幻覚妄想状態が出現しうる、らしい。

診断

  • てんかん発作→バイタルサインの確認→医療面接→身体所見・神経学的所見

医療面接

病歴の問診

てんかん治療ガイドライン2010
  • 発作の頻度
  • 発作の状況と誘因(光過敏性など)
  • 発作の前および発作中の症状(身体的,精神的症候および意識障害)
  • 症状の持続
  • 発作に引き続く症状
  • 外傷,咬舌,尿失禁の有無
  • 発作後の頭痛と筋肉痛
  • 複数回の発作のある患者では初発年齢
  • 発作および発作型の変化・推移
  • 最終発作
  • 発作と覚醒・睡眠との関係

身体所見・神経学的所見

  • 1. 外傷、咬舌の有無
  • 2. 尿失禁の有無
  • 3. 意識レベル:発作時の意識の有無、post ictal state(発作後のもうろう状態)
  • 4. 眼位:眼球偏倚(皮質注視中枢が興奮することにより、病側と反対側を見つめる)
  • 5. 局所神経症状の有無

治療



女性」

  [★]

womanwomenfemale sexfemale
オス雌性メス女子


発作」

  [★]

attack, paroxysm, ictus, insult, fit, stroke


銀行」

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bank
堤防預けるバンク斜面

症例」

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case
ケース場合


100Cases」

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