骨盤内炎症性疾患

出典: meddic

pelvic inflammatory disease, PID
子宮付属器炎、淋疾骨盤内感染症

定義

  • 外性器から上行性に感染が波及して、骨盤内に炎症を起こすこと。(NGY.178)

病因



症状

  • 下腹部痛、あるいは無症状
  • 症状がない無症候性骨盤内感染症を発症し、子宮付属器周辺の癒着などを起こす。不妊の原因となる

検査

  • 子宮頚管分泌物の細菌培養、クラミジア抗原検査、淋菌培養

超音波検査

  • 骨盤内腫瘤

診断

  • 内診痛、性交痛、下腹部痛、発熱、白血球増加

鑑別疾患

  • 虫垂炎、腸炎、憩室炎などの消化器疾患
  • 卵巣腫瘍の茎捻転、子宮外妊娠

上行性感染



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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/01 12:03:34」(JST)

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和文文献

  • 症例報告 骨盤内炎症性疾患を呈したA群β溶血連鎖球菌感染症の1例
  • 大西 賢人,中西 美紗緒,大垣 洋子
  • 東京産科婦人科学会会誌 61(3), 419-423, 2012-10
  • NAID 40019492703
  • 腹痛 : 腹腔内感染症の診療 (特集 症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療) -- (症候から迫る感染症診療)
  • 症例報告 骨盤内炎症性疾患2症例から考える腹腔内感染症治療のストラテジー (特集 骨盤内における感染症(消化管を除く)に対する治療戦略)
  • 山岸 由佳,三鴨 廣繁
  • 日本外科感染症学会雑誌 8(3), 259-267, 2011-06
  • NAID 40018925980

関連リンク

骨盤内炎症性疾患が影響を及ぼす部位としては、子宮頸部(粘液膿性子宮頸炎)、子宮 (子宮内膜炎)、卵管(卵管炎)があり、ときには卵巣に影響が及ぶこともあります(卵巣 炎)。骨盤内炎症性疾患は米国では、不妊の原因のうち予防可能なものとして最も多く ...
骨盤内炎症性疾患は,上部女性生殖器官(子宮頸部,子宮,卵管,および卵巣)の感染 症である;膿瘍が生じることがある。一般的な症状および徴候としては,下腹部痛,頸管 帯下,および不正性器出血がある。長期合併症には,不妊,慢性骨盤痛,および子宮外 ...

関連画像

スクリーンショット 2013-09-30 15 ベクター - 骨盤, 炎症性, 病気 骨盤骨内炎症性疾患(c)Brian Evans  骨盤内へと侵入し、そこで炎症内生殖器の炎症


★リンクテーブル★
国試過去問100D034」「107A017
リンク元下腹部痛」「淋病」「フィッツ・ヒュー・カーティス症候群」「付属器炎」「骨盤死腔炎
関連記事炎症」「骨盤」「疾患」「骨盤内」「炎症性

100D034」

  [★]

  • 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
  • 32歳の女性。無月経を主訴に来院した。
  • 現病歴 :毎月規則正しかった月経が今月はなかったため来院した。1年前から月経量の増量に加え、月経痛もひどくなってきており、1週前から嘔気と乳房緊満感とを認めている。最近排尿回数が増えている。未婚であるがパートナーはいる。婦人科受診は初めてである。
  • 既往歴 : 妊娠・分娩歴はない。
  • 現症 : 意識は清明。身長160cm、体重46kg。脈拍72/分、整。血圧118/70mmHg。全身所見で特に異常は認めない。内診上、子宮は前傾前屈、新生児頭大、弾性硬。可動性はやや不良であるが圧痛はない。両側付属器は触知しない。
  • 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球360万、Hb10.0g/dl、白血球8,400、血小板28万。血清生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.9g/dl、尿素窒素14mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール180mg/dl、AST26単位、ALT28単位、LDH310単位(基準176~353)。妊娠反応陽性。
  • この女性の合併疾患で最も考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100D033]←[国試_100]→[100D035

107A017」

  [★]

  • a 子宮頸管炎として発症する。
  • b Gram陽性球菌が認められる。
  • c 潜伏期間は4~6か月である。
  • d 女性では骨盤内炎症性疾患(PID)に進展する。
  • e 検査法としてのPCR法の感度はGram染色と同等である。


[正答]


※国試ナビ4※ 107A016]←[国試_107]→[107A018

下腹部痛」

  [★]

lower abdominal pain
下腹痛腹痛

診療エッセンシャルズ.271 改変

  • 右下腹部+左下腹部
消化器 虫垂炎腸炎憩室炎炎症性腸疾患虚血性大腸炎ヘルニア嵌頓(内鼠径/外鼠径、閉鎖孔大腿)、過敏性腸症候群、S状結腸捻転、腸結核
婦人科 子宮外妊娠卵巣腫瘍茎捻転骨盤内炎症性疾患子宮内膜症
泌尿器 尿管結石膀胱炎精巣捻転

産婦人科疾患

NGY.138

急性かつ重篤な下腹痛

中等度の下腹痛

  • 1. 鎖陰
  • 2. 卵巣嚢腫破裂
  • 3. 子宮内膜症
  • 4. 月経困難症
  • 5. 子宮筋腫
  • 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
  • 7. 流産

産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患

参考1

妊娠の有無による鑑別

参考

  • 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療

3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号

http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf


淋病」

  [★]

gonorrhea (US)(oは発音しない), gonorrhoea (UK?)
gonorrhoea
淋疾 (淋病の方がよく使われるらしい)、gonococcal infectiongonococcal infections
淋菌細菌性感染症
  • 淋菌 Neisseria gonorrhoeaeによって起こる性病、性感染症

特徴

病原体

疫学

潜伏期間

感染経路

  • 性行為

症状(SMB.215)

  • 著明な排尿痛を伴った尿道炎(急性前部尿道炎)に始まり膿性分泌物(外尿道口からの乳白色から黄色の排膿)を排出。潜伏期は2-5日。発熱は大抵ない。 →淋菌性尿道炎
  • 進展すると後部尿道炎、精巣炎、前立腺炎、精巣上体炎を合併。発熱を来す。
  • 菌血漿を来たし、関節炎などを併発することもある
  • 子宮頚管炎/頚管炎。尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎等の骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory diseases, PID)に進展 →不妊、子宮外妊娠などの原因。
  • 婦人科的炎症症状(膿性帯下、不正性器出血、性交痛、下腹部痛など)を呈する
  • 半数近くが不顕性。

合併症

経過

検査

培養

治療(SMB.215)

  • 第一選択:ペニシリン系抗菌薬。
  • ペニシリナーゼ産生淋菌 penicillinase-producing N. gonorrhoeae PPNG:βラクタマーゼ阻害薬を合剤した合剤ペニシリン
  • スペクチノマイシン、セフトリアキソンも評価されている
  • ニューロキノロン耐性淋菌20-60%

予防

フィッツ・ヒュー・カーティス症候群」

  [★]

Fitz-Hugh-Curtis syndrome, Fitz-Hugh and Curtis syndrome
Fitz-Hugh-Curtis症候群
肝周囲炎腹痛

概念

  • 肝周囲炎
  • 肝臓と横隔膜の間の癒着がみられる。
  • 症状は上腹部痛
  • 骨盤内炎症性疾患の上行性感染
  • 原因体はクラミジアとされる

参考

  • 1. 腹腔鏡 - Young Woman With Atypical Presentation of Fitz-Hugh-Curtis Syndrome
[display]http://69.167.169.96/content/young-woman-atypical-presentation-fitz-hugh-curtis-syndrome
  • 2. CT - Spectrum of CT Findings in Acute Pyogenic Pelvic Inflammatory Disease1
[display]http://radiographics.rsna.org/content/22/6/1327/F18.expansion



付属器炎」

  [★]

adnexitis
子宮付属器炎
卵巣炎卵管炎骨盤内炎症性疾患
[show details]

概念

  • 子宮の付属器(卵管、卵巣、およびその周囲組織)の炎症

病因

  • 病原体の感染

病原体

症状

合併症


骨盤死腔炎」

  [★]

inflammation of pelvic dead space or paramedritis
骨盤内炎症性疾患
  • 各種外科手術後にできた腹膜外の死腔に炎症が生じた物



炎症」

  [★]

inflammation
炎症反応 inflammatory reaction
  • 急性炎症による有害な刺激物が除去され組織が修復されるが、障害が続けば慢性炎症となる。

主徴 (BPT.32)

原因

  • 病原微生物の感染
ウイルス、リケッチア、細菌、真菌、原虫、寄生虫
  • 外傷
  • 物理的刺激
日光、放射線物質、電気的刺激、摩擦
  • 化学的刺激
酸・アルカリ
  • 壊死物
  • 異物
  • 免疫学的な刺激(アレルギー、自己免疫疾患)

分類

  • 急性 acute
比較的短期間で終了し滲出と好中球浸潤が主体
  • 亜急性 subacute
  • 慢性 chronic
長時間持続し、組織増殖とリンパ球・組織球浸潤が主体
  急性炎症 慢性炎症
概要 滲出性病変が主体 増殖性変化が主体
経過 急性・一過性 遷延性・潜行性
血管 血管透過性亢進 血管新生
間質組織 充血・浮腫 線維芽細胞・血管・間質結合組織の増生
浸潤細胞 好中球→マクロファージ→リンパ球

急性炎症 (BPT.33)

  • vascular change
vasolilation
increased vascular permeability
  • cellular events
cellular recruitment and activation

慢性炎症

骨盤」

  [★]

pelvis (Z)
小骨盤


  • N.340-341,342(性差) KA.435(性差, 上面)

血管分布

動脈

  1. 内腸骨動脈
  2. 卵巣動脈
  3. 正中仙骨動脈
  4. 上直腸動脈

静脈

  1. 内腸骨静脈
  2. 卵巣静脈精巣静脈
  3. 正中仙骨静脈
  4. 上直腸静脈
  5. 内椎骨静脈叢



疾患」

  [★]

disease, disorder, disturbance, illness, sickness, malady
疾病病気
疾病障害乱れ無秩序病害病気病弊



骨盤内」

  [★]

interior of the pelvis, intrapelvic, pelvis
骨盤


炎症性」

  [★]

inflammatoryinflamed
炎症起炎性




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