閉塞性肥大型心筋症

出典: meddic

hypertrophic obstructive cardiomyopathy, HOCM
特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症 idiopathic hypertrophic subaortic stenosis IHSS
肥大型心筋症
非対称性心室中隔肥大肥大型閉塞性心筋症肥大性閉塞性心筋症特発性肥大性大動脈弁下狭窄症

病態

  • 心筋の肥大に伴い左室流出路狭窄を来しており、心拍出量が低下する。
  • 心房細動などにより心房からの駆出量が減少すれば、心拍出量低下に繋がる。

類似疾患との鑑別

QB.C-495改変
  大動脈弁狭窄症 閉塞性肥大型心筋症
聴診 駆出性収縮期雑音 駆出性収縮期雑音
最強点 2RSB 3LSB-4LSB
頚部への放散
駆出音
頚動脈圧 遅脈 二峰性
Brockenbrough現象

病理

  • 錯綜配列

病態

  • 左室流出路狭窄 → 心拍出量低下

症状

合併症

検査

心エコー

  • 形態:左心室壁の肥厚、非対称性中隔肥大(ASH)
[show details]

僧帽弁

  • 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
  • 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)

大動脈弁

  • 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)

心臓カテーテル検査

  • 左室~大動脈圧:左室流入路圧 > 左室流出路圧
  • ブロッケンブロウ現象:期外収縮が起きた場合、心室性期外収縮の休止期後の期外収縮後増強により収縮力が増強し、左室流出路閉塞が増強するためにかえって大動脈圧が低下する
  • 造影:左室流出路狭窄

治療

治療目標:自覚症状の軽減、突然死、不正脈の予防
  • βブロッカー、カルシウム拮抗薬   →  左室流出路狭窄の軽減   ⇔  ×硝酸薬、ジギタリス:左室流出路狭窄を増強
  • Ia群抗不整脈薬

予後

  • 比較的良好

国試



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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/19 04:13:04」(JST)

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和文文献

  • 症例報告 経皮的中隔心筋焼灼術が奏功した閉塞性肥大型心筋症による血液透析困難症例
  • 大森 隼人,小口 智雅,白鳥 勝子 [他]
  • 相澤病院医学雑誌 9, 57-61, 2011
  • NAID 40018938598
  • Respiration & Circulation 閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的経中隔心筋焼却術(percutaneous trans-septal myocardial ablation;PTSMA)治療
  • P2-509 閉塞性肥大型心筋症に対するシベンゾリン投与の有効性の検討(一般演題 ポスター発表,薬物療法(その他),臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
  • 坪田 吉宏,大野 哲郎,大野 恵子,岸野 吏志,高山 守正,梅村 純
  • 日本医療薬学会年会講演要旨集 20, 474, 2010-10-25
  • NAID 110008109507

関連リンク

... 期に左室から血液が出ていく部位(流出路)が狭くなる場合があり、そのような場合は閉塞性肥大型心筋症と呼ばれます。これに対する非閉塞性肥大型心筋症の他、心尖部肥大型心筋症、心室中部閉塞型心筋症、拡張相肥大型心筋 ...
肥大型心筋症とは、原因不明の心筋疾患(特発性心筋症のひとつ)で、高血圧や心臓弁膜症などの原因疾患がないのに、心臓の壁が厚くなる(肥大)病気です。 心臓のポンプ機能(収縮性)は一般に良好ですが、左心室(時には右心室 ...
閉塞性肥大型心筋症の場合、流出路に近く、また心筋が厚くなるほど重症になります。非閉塞性心筋症のなかに、とくに心臓の底の部分(心尖部(しんせんぶ))の心筋が厚くなる心尖部肥大型心筋症(しんせんぶ ...

関連画像

肥大型心筋症の問題点閉塞性肥大型心筋症,閉塞性肥 心筋症閉塞性肥大型心筋症ではどんな 150心室中部閉塞性肥大型心筋症 左室流出路閉塞のメカニズム 肥大型心筋症(hypertrophic 当院で施行した経皮的中隔心筋


★リンクテーブル★
先読みIHSS」「idiopathic hypertrophic subaortic stenosis
国試過去問102D026」「097D020」「098G075」「103C014
リンク元肥大型心筋症」「失神」「ジギタリス」「奇異性分裂」「拡張期弁後退速度
拡張検索非閉塞性肥大型心筋症
関連記事心筋」「心筋症」「閉塞」「閉塞性」「肥大

IHSS」

  [★] 特発性肥大型大動脈弁下狭窄症 idiopathic hypertrophic subaortic stenosis, 特発性大動脈弁下狭窄


idiopathic hypertrophic subaortic stenosis」

  [★] 特発性肥大型大動脈弁下狭窄症 IHSS


102D026」

  [★]

  • 64歳の男性。労作時の息切れと胸部圧迫感とを主訴に来院した。以前から心電図異常を指摘されていたが精査は受けていなかった。呼吸数18/分。脈拍72/分、整。血圧130/80mmHg。頸静脈の怒張はない。収縮期雑音とIV音とを聴取する。呼吸音に異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。心エコー図の左室長軸断層像と僧帽弁のMモード像とを以下に示す。
  • 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。


[正答]
※国試ナビ4※ 102D025]←[国試_102]→[102D027

097D020」

  [★]

  • 62歳の女性。一過性意識消失のため来院した。5年前から労作時に胸部圧迫感を感じていた。心尖部にIII音IV音とを聴取し、胸骨左縁第4肋間に3/6度の駆出性収縮期雑音を聴取する。心電図と心エコーの左室Mモード像とを以下に示す。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)


[正答]
※国試ナビ4※ 097D019]←[国試_097]→[097D021

098G075」

  [★]

  • 正しい組合せはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 098G074]←[国試_098]→[098G076

103C014」

  [★]

  • 失神発作を起こしにくいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 103C013]←[国試_103]→[103C015

肥大型心筋症」

  [★]

hypertrophic cardiomyopathy HCM, HCMJ
心筋症

病因

  • 半数が常染色体優性遺伝による。sarcomere complexを構成する蛋白をコードする遺伝子の異常による。この遺伝子にはβミオシン重鎖、トロポニンT、ミオシン結合蛋白Cをコードするものがある。(PHD.259) → 蛋白の構造異常によるからAD

病型

病理

  • pattern of extensive disarray. Short, wide, hypertrophied fibers are oriented in chaotic directions and surrounded by numerous cardiac fibroblasts and extracellular matrix.(PHD.259) → これが拡張障害や不整脈の原因となる

症候

  • dyspnea, palpirations, bifid apical impulse, coarse systolic murmur at the left sternal border, and ventricular hypertrophy with asymmertric septal thickening on echo cardiogram.(Q book p.304)
  • bifid apical impulse: the forceful atrial contraction may also result in a palpable presystolic impulse over the cardiac apex (=double apical impulse)
  • coarse systolic murmur: LA contraction into the stiffened LV

身体所見

PHD.262

心音

  • S4:肥大した左心室壁に対して左心房が無理に血液を送り込むため
  • double apical impulse:心尖部で触れる。左心房の懸命な収縮+左心室の収縮
  • (左室流出路が狭窄している場合)systolic murmur at the left lower sternal border → AS like でダイアモンド型の駆出期雑音を生じる
  • (左室流出路が狭窄している場合)holosystolic blowing murmur at apex by MR → 僧帽弁前尖を左室流出路に引き寄せるからMRが生じる。汎収縮期雑音を生じる。(also see PHD.44)
  • 各種手技による雑音の変化。ASと反対の挙動を示す
  • 静脈還流量減少によりmurmurが増強
  • 静脈還流量増加によりmurmurが減弱
  • elevating one's leg
  • increasing sympathetic tone
  • squatting → HOCMにおいて、姿勢性めまいは一般的。The LV thus decreases in size and outflow tract obstruction intensifies.(PHD.262)

検査

頚動脈圧

  • 二峰性頚動脈波
  • 左室流出路が狭窄している場合は、頚動脈圧波の収縮期早期における急峻な立ち上がりと急激な低下がみられる(PHD.262)。HOCMでは収縮中期に駆出される血液量が低下し収縮期の脈波が二つの峰を形成する(参考2)。
その他、二峰性の頚動脈が認められる病態:大動脈閉鎖不全症閉塞性肥大型心筋症、開存の大きい動脈管開存症Valsalva洞破裂

心エコー

Mモードで観察
  • 左心室壁の肥厚
  • 非対称性中隔肥大(ASH)
  • 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
  • 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)
  • 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)

心電図

  • ST下降、T波の陰転化、左室高電位、QRS時間の院長、Q波異常 (ECGP.118)
  • V3-V5における巨大陰性T波 → 心尖部肥大型心筋症
[show details]
V3-V6のST低下と陰性T波

治療

PHD.264
  • 生活療法:激しい運動や競争をするような運動は避ける → 突然死のリスクが高まる。
  • 薬物療法:
  • βブロッカー:(1)心筋酸素需要減少→狭心痛・呼吸困難↓、(2)左室流出路の圧勾配減少←心収縮力の低下により左室流出路の狭窄が解除される、(3)心室充満量増加←HR低下による、(4)心室期外収縮抑制。ただし、βブロッカーは不整脈による死亡は抑制できないらしい。
  • カルシウムチャネル拮抗薬:(1)心室のコンプライアンス上昇(reduce ventricular stiffness)、(2)βブロッカーが不応の患者での運動耐性を上げる。
  • 抗不整脈薬:心室細動や心室性頻拍から死に至ることがあるため。
  • 抗菌薬:閉塞性肥大型心筋症では感染性心内膜炎が起こりやすいため。
  • 埋め込み型除細動器 ICD:高リスクの患者に適応
  • カテーテルインターベンション:percutaneous septal albation
  • 手術療法:myomectomy

注意

  • 利尿薬

禁忌

  • 硝酸薬 (禁忌と言い切って良いのか知らないが、お手軽教科書には大抵禁忌と書いてある)

参考

  • 1. 分かりやすい
[display]http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s1/s14222.htm
  • 2.
[display]http://kokushinado.ame-zaiku.com/circu/4_hm.html
  • 3. 肥大型心筋症の診療に関するガイドライン
2007年改訂版
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_doi_h.pdf
2012年改訂版
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_doi_h.pdf

国試




失神」

  [★]

syncope, faint


定義

  • 1. 発作的に起こる脳の血流低下による一過性意識消失
  • 2.
  • 一過性の意識消失の結果、姿勢が保持できなくなり、かつ自然に、また完全に意識の回復が見られること(失神の診断・治療ガイドライン)
  • 発症は比較的速やかであり、意識は多くの場合速やかに回復する。「意識障害」のうちで、特異な臨床像を持った1 つの症候である。(失神の診断・治療ガイドライン)
  • 3. 元来、一過性の全脳虚血による一時的な意識消失で、かつ数秒から数分で意識を回復する物を指していたが、現在ではあいまい、より広義となっている。例えば、てんかん発作、低血糖、過換気、一過性脳虚血発作を含んでいる。(IMD.241) ← ホント?誰かが誤用しつづけているだけなんちゃうか?

症状

  • 眼前暗黒感、めまい感、悪心などの前駆症状に引き続き、顔面が蒼白となり、ついに意識が消失

意識消失までの時間経過と症状

  • 脳への血流停止が5-10秒程度で失神、10秒前後で筋弛緩・尿失禁、15秒以上で痙攣を生じる、らしい(参考2)  ← 根拠となる文献を調査中

原因

救急での覚え方
  • SYNCOPE
QB.C345
  • 起立性低血圧
  • 局所的脳血流低下:subclavian steal症候群
  • 血管迷走神経反射
  • 循環血液量の一過性の低下:胸腔内圧の上昇(排尿、咳嗽)
  • 過換気症候群:過換気による動脈血炭酸ガス分圧の低下 → 脳血管収縮 → 脳血流が減少


研修医当直御法度 症例帳 p.36
    (%)
1 血管迷走神経性失神 39.5
2 体位性低血圧による失神 7.6
3 心血管性失神 4.1
4 目撃者なしの痙攣 8.8
5 低血糖 1.8
6 ヒステリー 0.6
7 原因不明 37.6

参考

  • 1. 失神の診断・治療ガイドライン(2007)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_inoue_h.pdf
  • 2. 失神 国立療養所西札幌病院循環器科 別役徹生
http://www.aurora-net.or.jp/life/heart/saizensen/86/index.html



ジギタリス」

  [★]

digitalis
強心薬強心配糖体, cardiac glycosidesジギタリス効果メチルジゴキシンジゴキシンジギトキシン
  • 血中薬物濃度:

強心配糖体

  effect expression max ffect sustain half-time absorbance excertion 治療域血中濃度
ジゴキシン -1hr 3-6hr 2-6day 36hr 60-85% kidney 1-2 ng/ml
ジギトキシン 1-4hr 5-10hr 2-3week 4-5day 90-100% liver 10-25 ng/ml

特徴

構造

薬理作用

  • 1. 心筋収縮の増強 (mechanical effect)
  • 2. 房室結節で不応期を延長 (electrical effect)
  • 洞房結節での伝導速度が低下し、不応期が延長する → だから上室性頻拍のおいて心拍数を下げることができるし、リエントリー性の上室性頻拍を洞調律に戻すことができる。

作用機序

  • Na+-K+ポンプを阻害

房室結節で不応期を延長 (mechanical effect)

→心筋収縮を増強する

房室結節で不応期を延長 (electrical effect)

→房室結節をブロックする。
  • 1. 心臓組織に直接作用
  • 2. 自律神経に作用し、副交感神経の緊張亢進、交感神経の活動性抑制

動態

  • ジゴキシンは腎代謝で半減期が短い。治療濃度 1-2ng/ml
  • ジギトキシンは肝代謝で半減期が長い。

適応

  • 強心薬
  • 心不全患者の心不全入院を減らす。予後は改善しない。
  • AFを伴うHFでは、心室レートをコントロールし十分な心室充満圧を得るためにジギタリスが用いられる。(ジゴキシンは1-2ng/mlで用いる)

注意

  • 低カルシウム血症、腎機能低下例、薬物相互作用に注意

禁忌

YN.C-59

副作用

also see GOO.922




奇異性分裂」

  [★]

paradoxical splitting
II音生理的分裂 physiologic splitting


概要

  • 通常の心音はS1→A2→P2 だけど、奇異性分裂ではS1→P2→A2となる。

原因

  • A弁閉鎖の遅延:(1)left bundle branch block(LBBB), (2)advanced aortic stenosis(AS), 高血圧?, (4)閉塞性肥大型心筋症 HOCM(YN.C-135).
  • (1) left bundle branch block(LBBB):心筋収縮の時間的な遅れによる。収縮が右室→左室の順に起これば、P弁→A弁の順に閉鎖する。
  • (2)大動脈弁狭窄症A弁の狭窄により大動脈側の押し戻す圧力(back pressure)が上がるのに時間がかかり、A2音のdelayとなる。
  • (4)閉塞性肥大型心筋症:(2)のASと同じ理屈

呼吸性変動との関連

生理的分裂では、吸気時には、肺血管抵抗が下がる事によるP2の遅れ + 肺静脈拡張にともなうLVの拍出量減少によるA2の早期閉鎖により大きくA2→P2と広がっている。
  • 呼気時:S2(P2→A2が打ち消されるため)
  • 吸気時:P2→A2(A2のdelay)


拡張期弁後退速度」

  [★]

diastolic descent rate, DDR
E-Fスロープ E-F slope、僧帽弁後退速度、僧帽弁前尖後退速度
[show details]

定義

  • 左室拡張期の急速流入期に僧帽弁前尖は最大に開放(最大開放点:E点)し、その後、半閉鎖を示す(F点)。このE点とF点を結んだ線分の勾配をいう。(医学大事典)
  • 急速流入期において僧帽弁を通過する血流量僧帽弁の可動性心室コンプライアンスを反映している。

基準値

  • 正常人:60-170mm/sec(医学大事典)

僧帽弁前尖後退速度の低下

僧帽弁前尖後退速度の上昇

  • 僧帽弁閉鎖不全症 MR:僧帽弁を通過する血液量の増加
  • 高拍出状態:僧帽弁を通過する血液量の増加

参考

  • 1. 図
[display]http://square.umin.ac.jp/kennsa/echocardiography/echo_basictech/basic_section/pslvl_mv.gif



非閉塞性肥大型心筋症」

  [★]

non-obstructive hypertrophic cardiomyopathy, hypertrophic nonobstructive cardiomyopathy HNCM, hypertrophic non-obstructive cardiomyopathy, HnOCM
肥大型心筋症閉塞性肥大型心筋症


心筋」

  [★]

cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
心筋の活動電位横紋筋筋肉
筋小胞体が発達していない

心筋の酸素消費量 (SPC.226)

(tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
(doble product)∝(tension-time index)

心筋の筋収縮

  • 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
  • 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
  • 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
  • 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
  • 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
  • 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
  • 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
  • 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
  • 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
  • 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.



心筋症」

  [★]

cardiomyopathy CM

心筋症比較

HIM.1482
YN C-132 C-134 C-136
HIM 1481 1484 1485
  拡張型心筋症 肥大型心筋症 拘束型心筋症
DCM HCM RCM
胸部単純X線写真 中等度~重度心陰影拡大 中等度~重度心陰影拡大 軽度心陰影拡大
肺静脈拡張    
心電図 ST領域、T波の異常 ST領域、T波の異常 低電位
  左室肥大 伝導障害
  異常Q波  
心エコー 左心室拡張・機能不全 非対称性中隔肥大 左心室壁肥厚
  収縮期僧帽弁前方運動 収縮能:正常~軽度減少
核医学検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
  血液還流異常(201Tl/Tc-MIBI)  
心カテーテル検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
左室・(右室)充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇
心拍出量減少 左室流出路狭窄  



閉塞」

  [★]

occlusion
促通
  • 詰まること、詰まっていること
  • (神経)2種の異なる興奮性のシナプス前性のニューロン群が1つのニューロン群へ収束と発散によりシナプス結合する回路において、2種のシナプス前線維群内の同期して興奮するニューロンの数が多い場合には、興奮するシナプス後ニューロンの数は、個々のシナプス前線維群だけの活動による場合の和よりも少なくなる。



閉塞性」

  [★]

obstructiveocclusiveobliterativeconstrictiveobliteransocclusively
狭窄筋収縮性収縮収縮性


肥大」

  [★]

hypertrophy
hypertrophia
過形成増殖
  • 組織や臓器が反応性に一定以上に容積を増すこと。





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