蛋白尿

出典: meddic

proteinuria
タンパク尿
尿タンパク尿症蛋白尿症
(臨床検査)尿蛋白

定義

  • 蛋白質の尿中排泄量が150 mg/日(4mg/時/m2)を超えた尿 ⇔ 健常者 10-100 mg/日

分類

疾患と部位

IMD.162
腎前性 多発性骨髄腫、横紋筋融解症、
不適合輸血
腎性 糸球体性 急性腎炎、慢性腎炎、
ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、
全身性エリテマトーデス、アミロイドーシス、
腎硬化症
尿細管性 Fanconi症候群、急性尿細管壊死、
慢性腎孟腎炎、痛風腎、
重金属中毒、アミノグリコシド系抗菌薬、
間質性腎炎
腎後性 尿路感染症、尿路結石症、尿路系腫瘍
出典不明
  • オーバーフロー性タンパク尿
  • 高アルブミン血症によるアルブミン尿
  • 異常症タンパク質出現によるタンパク尿:多発性骨髄腫 BJP
  • 糸球体性タンパク尿
  • 透過性上昇・ネフローゼ症候群・AGN
  • 尿細管性タンパク尿
  • 100%が近位尿細管(特に曲部)における再吸収
  • 刷子縁膜に共輸送体担体が存在する


  • Kidney International, Vol. 63 (2003), pp. 1468?1474
  • Proteinuria and the risk of developing end-stage renal disease


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/03 23:50:50」(JST)

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和文文献

  • 血尿を呈した、成人発症のC1q腎症の1例
  • 菅生 太朗,斎藤 修,斎藤 孝子,秋元 哲,井上 真,安藤 康宏,竹本 文美,草野 英二
  • 自治医科大学紀要 34, 67-74, 2012-03-01
  • … 一般的にC1q腎症では蛋白尿が主体の症状であり,場合によってはネフローゼ症候群を呈することもある。 …
  • NAID 110008922589
  • 周産期 妊娠時蛋白尿はpreeclampsia発症の前兆か? : 発症予知の評価
  • 日高 敦夫,廣田 憲二,福田 洋 [他]
  • 産婦人科治療 103(6), 676-682, 2011-12
  • NAID 40019086884
  • 腎・尿路系疾患 (特集 内科医が知っておくべき検査の最新情報 : 臨床検査の進歩) -- (各論 : 注目される新しい検査を中心に)
  • 和田 隆志,古市 賢吾
  • 日本内科学会雑誌 100(11), 3247-3255, 2011-11-10
  • 末期腎不全による透析患者がいまだ増加しており、腎臓病の予防、早期発見、適切な治療、予後改善が求められている。慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱され、検尿に加えて、推算式による推算糸球体濾過量(eGFR)が日常臨床に用いられている。さらに、病態、予後を反映する新規バイオマーカー、画像診断が開発・臨床応用されている。検査の適切な使用ならびに評価により、包括的な腎臓病の理解と予後の改善が期待される。
  • NAID 40019078162
  • ちょっと気になるこのケース 血圧は正常範囲だが,蛋白尿のみ出ている (特集 ガイドラインに学んで重症化をSTOP ! 妊娠高血圧症候群の早期発見・対応ナビ)
  • 渡辺 員支
  • ペリネイタルケア 30(11), 980-984, 2011-11
  • NAID 40019082106

関連リンク

蛋白尿を指摘されたら、腎炎かあるいは他の病気か見定める必要があります。尿沈渣が 出ていたり、早朝尿による再検査でも蛋白尿陽性であったり、1日の尿蛋白が0.5g以上 であるような場合には専門医を受診して下さい。
腎臓の機能が落ちてると尿蛋白が出ます。 ○尿蛋白とは血液中には、人間の生命に 欠かせない蛋白が一定量ふくまれています。その一部は、腎臓の糸球体でろ過されて尿 の中にでてきますが、尿細管で吸収され血液中にもどります。腎臓や尿 ...

関連画像

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★リンクテーブル★
国試過去問106A042」「108I067」「104G053」「101C017」「104F018」「103D018」「102H005」「093B059
リンク元100Cases 10」「ネフローゼ症候群」「膜性腎症」「尿蛋白」「インターフェロン
拡張検索Bence Jones蛋白尿」「起立性蛋白尿
関連記事尿

106A042」

  [★]

  • 64歳の女性。息切れ食欲不振とを主訴に来院した。 22歳以降、健康診断のたびに蛋白尿尿潜血および高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため受診しなかった。最後に健康診断を受けたのは5年前である。 2か月前に両下肢の浮腫が出現し、次第に増強してきた。 1週前から歩行時の息切れを自覚し、 3日前から食欲がなくなったため受診した。
  • 身長164cm、体重66kg。脈拍104/分、整。血圧174/104mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 84%(room air)。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。眼瞼結膜は蒼白である。聴診で収縮期心雑音を聴取し、呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟である。両下肢に圧痕を伴う高度な浮腫を認める。
  • 尿所見:蛋白3+、潜血2+。血液所見:赤血球224万、 Hb7.2g/dl、 Ht20%、白血球7,000、血小板16万。血液生化学所見:アルブミン2.4g/dl、尿素窒素102mg/dl、クレアチニン9.2mg/dl、総コレステロール280mg/dl、 Na130mEq/l、K6.8mEq/l、 Cl102mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、 6l/分酸素投与下) : pH7.18、 PaCO2 36Torr、 PaO2 98Torr、 HCO3- 13mEq/l。胸部エックス線写真(別冊No. 16)を別に示す。
  • 対応として適切なのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 106A041]←[国試_106]→[106A043

108I067」

  [★]

  • 58歳の男性。倦怠感と歩行時の息切れとを主訴に来院した。 20年前に糖尿病を指摘されたが治療は受けていない。 5年前から蛋白尿、 2年前から高血圧を認めていた。母親が糖尿病である。意識は清明。身長 170 cm、体重 68 kg。脈拍 96/分、整。血圧 168/96 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。 II /VIの収縮期心雑音を認める。両側の下胸部に coarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 2+、糖 (-)、沈渣に赤血球 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 270万、 Hb 8.0 g/dl、Ht 25%、白血球 7,200、血小板 12万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.2 g/dl、フェリチン 85 ng/ml(基準 20~120)、尿素窒素 58 mg/dl、クレアチニン 5.1 mg/dl、尿酸 9.5 mg/dl、空腹時血糖 140 mg/dl、HbA1c(NGSP) 7.2% (基準 4.6~6.2)、総コレステロール 190 mg/dl、Na 140 mEq/l、K 5.5 mEq/l、Cl 111 mEq/l、Ca 8.0 mg/dl、 P 5.5 mg/dl、Fe 80μg/dl、総鉄結合能〈TIBC〉300 μg/dl(基準 290~390)。動脈血ガ-ス分析 ( room air): pH 7.34、PaCO2 35 Torr、PaO2 92 Torr、HCO3 16.5 mEq/l。腹部超音波検査で両腎の大きさは正常である。
  • この患者に対する治療薬として適切でないのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 108I066]←[国試_108]→[108I068

104G053」

  [★]

  • 65歳の男性。悪心下腿浮腫および労作時呼吸困難を主訴に来院した。10年前の健康診断で、蛋白尿高血圧とを指摘されたが放置していた。1か月前から呼吸困難が徐々に出現し、体重が3kg増加した。血圧 178/96mmHg。下腿圧痕浮腫を認める。血液所見: 赤血球 230万、Hb 6.8g/dl、Ht 21%、白血球 6,000、血小板 23万。血液生化学所見: 血糖 180mg/dl、尿素窒素 98mg/dl、クレアチニン 9.1mg/dl、Na 121mEq/l、K 8.2mEq/l、Cl 85mEq/l、Ca 8.1mg/dl、P 6.6mg/dl、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air) : pH 7.32、PaO2 98Torr、PaCO2 29Torr、HCO3- 15 mEq/l。胸部エックス線写真(別冊No.9A)と心電図(別冊No.9B)とを別に示す。
  • 緊急血液透析の準備中にまず行う治療はどれか。




[正答]


※国試ナビ4※ 104G052]←[国試_104]→[104G054

101C017」

  [★]

  • 蛋白尿について正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 101C016]←[国試_101]→[101C018

104F018」

  [★]

  • 16歳の男子。顔面の浮腫を主訴に来院した。約2週前に扁桃炎に罹患し、昨日から顔面の浮腫が出現した。尿の色は暗赤色である。
  • この疾患の主徴候とならないのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 104F017]←[国試_104]→[104F019

103D018」

  [★]

  • IgA腎症で腎機能低下の予測因子となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 103D017]←[国試_103]→[103D019

102H005」

  [★]

  • 無月経と関連が深いのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102H004]←[国試_102]→[102H006

093B059」

  [★]

  • 乳幼児の腎盂腎炎について正しいのはどれか
  • (1) 大腸菌によることが多い
  • (2) 尿路系以外の症状は見られない
  • (3) 高度の蛋白尿を認める
  • (4) 肉眼的血尿を認める
  • (5) 反復例には予防投薬をする。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)

100Cases 10」

  [★]

☆case10 背痛
症例
27歳 女性
主訴背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
現病歴背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎
・身体診断
調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg心血管系呼吸器系に異常を認めず。腹部全体的圧痛両側腰部著明圧痛
検査
(血液生化学)
白血球↑、血清尿素↑、CRP
(尿検査)
タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
腹部X線:正常
glossary
loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部生殖器性器
腸雑音腸音intestinal murmurintestinal soundbowel sound
urine microscopy 尿の顕微鏡検査
dysuria 排尿障害
urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
hydronephrosis 水腎症
-nephros 腎臓
-stomy 開口術
nephrostomy n. 腎瘻造設術腎造瘻術腎瘻術
obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
intravenous fluid 静脈内輸液
commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
urgently
eradication n. 根絶、撲滅
mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
renal ultrasound 腎臓超音波検査
obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
medullary sponge kidney 海綿腎
loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
解説
(第1パラグラフ)疫学
 急性腎盂腎炎男性より女性more common尿路からの細菌の上行感染リスク妊娠糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分狭窄していたりして結石閉塞されやすいこともあると思う)
(第2パラグラフ)病態
 食欲不振悪心嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎先行症状(排尿障害頻尿、尿意切迫血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎既往がある。
 老人場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎急性膵炎下葉肺炎
 普通体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
 未治療腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
(第3パラグラフ)本ケースについて
 ・CRP上昇急性感染症示唆
 ・顕微鏡的血尿タンパク尿、白血球増多は尿路炎症を示す。
 ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌存在確認される。
  覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
  でも複雑です。
   HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
   HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate   。硝酸塩 nitrate
(第4パラグラフ)管理
 ・女性入院すべき。
 ・血液と尿の採取
 ・静脈内輸液抗生物質治療開始微生物同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシンアンピシリンシプロフロキサシンを用いる
 ・腎臓エコー検査尿路閉塞除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱敗血症ショック腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
 ・尿路敗血症経過水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
(第5パラグラフ)薬物治療
 ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者抗生物質2週間のコース治療すべき。
 ・感染根絶確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
 ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
鑑別診断ポイント
 腎盂腎炎片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
 腰部痛の鑑別診断
  閉塞性尿路疾患
  腎梗塞心疾患などで生じた血栓腎動脈またはその分枝閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態
  腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
  腎乳頭壊死腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
  腎結石
  糸球体腎炎
  多発性嚢胞腎先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
  海綿腎腎錐体における集合管先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
  腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛血尿主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿軽度蛋白尿がみられることもあるが、特異的検査所見はなく、診断は他疾患除外診断による
■KEYPOINT
急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
腎臓超音波検査尿路閉塞否定するために入院24時間後に行うべき。
抗菌薬は、再発リスク最小限するために、少なくとも2週間継続すべき。
閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
KUB陰影から尿路結石成分の推定
 リンカルシウム(22.0)
 シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリンカルシウムとの混合結石である。
 リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染原因で、尿素分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石形成される。
 シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
 尿酸(1.4):痛風
 キサンチン(1.4):プリン
□多嚢胞
 常染色体劣性多発性嚢胞腎ARPKD
  旧名:幼児型嚢胞
 常染色体優性多発性嚢胞腎ADPKD
  旧名:成人型嚢胞

ネフローゼ症候群」

  [★]

nephrotic syndrome, NS
ネフロージス nephrosis
腎 ネフローゼ症候群、小児ネフローゼ症候群
蛋白分画

概念

  • 高度の蛋白尿とそれに起因する低蛋白血症、浮腫および高脂血症を呈した臨床病態
  • 臨床的な概念であり、尿中に多量の血清タンパク成分を喪失するときにみられる共通の病態

病型

  • 原発性糸球体腎炎
  • 続発性ネフローゼ症候群:先行する疾患(膠原病、糖尿病など)に続発する

疫学

成人(IMD)

微小変化型ネフローゼ症候群 42%
膜性腎症 25%
びまん性増殖性糸球体腎炎 17%
巣状増殖性糸球体腎炎 12%
膜性増殖性糸球体腎炎 5%

ネフローゼ症候群の原因

病理

  • 広範囲にわたる著明な糸球体臓側上皮細胞の障害が認められ、足突起が単純化(simplification; 足突起の突起が減少すること?))および消失している。(PRE.224)

ネフローゼ症候群に関わる3つの基本的な病型

PRE.224
  • 1. 糸球体上皮細胞の障害:微小鹸化群、原発性巣状硬化症  ←  単球から放出されたサイトカインが上皮細胞の障害に関わっている
  • 2. 上皮下における免疫複合体の形成と補体の活性化により、沈着した免疫複合体の周りに基底膜マトリックスが沈着し、基底膜が肥厚する膜型病変を呈する
  • 3. 糸球体壁に影響を及ぼす蓄積病変は、ALアミロイドーシスや軽鎖蓄積病、あるいは糖尿病性腎症がある。

検査

IMD

血液検査

  • 血小板:増加

凝固系検査

  • 凝固因子の増加
  • フィブリノゲン、第I因子、第VIII因子、第X因子など → 肝臓で産生される。肝臓機能の亢進を示唆

血液生化学検査

  • アルブミン:低値
  • γ-グロブリン:低値  →  IgGが低値となる。これが易感染性と関連している。なぜこうなるかは分かっていない。 → 易感染性につながる
  • α2-グロブリン高値
  • β-グロブリン:高値
  • コレステロール:高値
  • 中性脂肪:増加(特にLDLVLDL)
  • 低カルシウム血症  ←  アルブミン低値による(アルブミン1.0 g/dlの低下により血清カルシウム0.8mg/dlの低下)。
  • フィブリノゲン:高値  →  肝機能の亢進による

α2グロブリンが高値になるメカニズム

ネフローゼの場合血中のタンパクはどんどん尿に漏出していく。そのためアルブミン、γグロブリンは割合が低下している。α2分画にはα2マクログロブリンが存在する。これは分子量が77万から82万という大きな分子であるので、ネフローゼで糸球体のサイズバリアが崩壊しているとしても尿中に排出されず残るため、相対的にα2分画が高くなる。

赤沈が亢進するメカニズム

赤沈は第1相で赤血球同士が連銭形成し、第2相で沈んでいき、第3相では沈んできた赤血球の密度が上昇して沈降速度が鈍ってくる。赤沈が亢進するには、凝集が促進されるか、沈降の抵抗が少ないかである。赤血球の膜は負に帯電しており、正に帯電しているフィブリノゲン、γグロブリンが増加すると負の電荷同士で集まり合い凝集が促進される。逆に負に帯電しているアルブミンの量が減少すると、負同士の反発が軽減し凝集が容易になる。また貧血であると第3相で密度が低くなり沈降が早くなる。以上より、ネフローゼの場合アルブミンが尿中に排泄され血清アルブミンの濃度が低下、また、β分画のフィブリノゲンが上昇しているため赤沈は亢進する。

尿検査

  • 蛋白尿
  • 顕微鏡的血尿
  • 顆粒円柱、脂肪球、卵円脂肪体

診断基準(厚生省特定疾患 ネフローゼ症候群 調査研究班)

1.と2.が 成人ネフローゼ症候群の必須条件。
また尿沈渣中多数の卵円形脂肪体、重屈折脂肪体は参考所見となる
高脂血症と浮腫は必須条件ではない。

合併症

IMD

予後

  • SI(selectivity index)=(尿中IgG/血清IgG)/(尿中Tf/血清Tf)。
  • SIが小さいほどサイズバリアーが機能しているということ。
0.2以下:high selective :プレドニゾロンに反応しやすい
0.2以上:low selective  :プレドニゾロンに反応しにくい




膜性腎症」

  [★]

membranous
membranous nephropathy, MN
膜性糸球体腎炎 membranous glomerulonephritis, membranous GN, MGN
ネフローゼ症候群

まとめ

  • 膜性腎症は免疫複合体が糸球体基底膜上皮下に沈着することで基底膜の肥厚をきたす疾患である。中年以降(30-40歳以降)の男性に多い。自覚症状なしにネフローゼ症候群を来たし、ネフローゼ症候群の原因として成人では30%、小児では5%を占める。病因としては特発性と続発性があるが、免疫複合体の抗原が不明な特発性が大部分(85%)を占め、残りは感染症(B型肝炎、梅毒、住血吸虫マラリア)、膠原病(SLE)、悪性腫瘍、無機金属(金、水銀)、薬剤(ペニシラミン、カプトプリル、NSAID)などによる続発性である。病理組織像では光顕的に糸球体膜の重層化・二重化・肥厚が認められ、PAM染色で糸球体基底膜上皮下にスパイク状・顆粒状の沈着物が認められる。これらは蛍光顕微鏡ではIgG、C3の沈着として認められる。電顕的には電子高密度沈着物(免疫複合体)として認められる。自覚症状はなく検診などで蛋白尿陽性として見いだされることが多い。診断には腎生検の所見による。治療は特発性の場合、無症候性であれば経過観察、ネフローゼ症候群が存在していればステロイドによる治療を行う。二次性の場合は原因疾患の治療も行う。治療抵抗例では免疫抑制薬、抗血小板薬、抗凝固療法を行う。経過は緩徐であり、予後は良好であることが多い。症例の2/3は緩徐進行、1/3は自然緩解する。(YN.E-50 SPE.599)

概念

  • 糸球体腎炎の病理診断名の一つ
  • 糸球体基底膜の上皮側にびまん性の免疫複合体が沈着し、基底膜が肥厚する疾患。
  • (1)糸球体基底膜のびまん性肥厚、(2)糸球体基底膜上皮下へのびまん性沈着
  • ネフローゼ症候群を来す。成人ネフローゼの典型例

疫学

  • 中年以降(30-50%)の男性に好発。 30-40歳代の男性に多い(QB.E-173)。
  • 健診で発覚(チャンス蛋白尿)
  • ネフローゼ症候群の原因となる。ネフローゼ症候群のうちそれぞれ占める割合は成人30%、小児5%。 (YN.E-50)

分類

病因による分類

  • 特発性(85%) ← 免疫複合体の抗原が不明
  • 続発性
APT.241
  • B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、腫瘍、薬物(NSAID)、SLE

病理

蛍光抗体法
  • 糸球体基底膜のびまん性肥厚  → 糸球体膜の重層化・二重化・肥厚
  • 免疫複合体糸球体基底膜上皮下に沈着 ← 糸球体の外側  → スパイク(PAM染色で) 、 granular pattern(IgG)
  • メサンギウム領域の細胞増殖(-)

病態生理

  • 80%がネフローゼ症候群で発症し、あとは無症候性蛋白尿(QB.E-173)

症状

検査

  • 血液検査
  • ネフローゼ症候群を来す場合には低蛋白血症、低アルブミン血症
  • 尿検査
  • 尿蛋白陽性。
  • 腎生検
  • 光学顕微鏡(PAM染色):基底膜の肥厚
[show details]
  • 蛍光顕微鏡(蛍光抗体法):IgG、C3よりなる免疫複合体が糸球体上皮下腔に顆粒状に沈着
[show details]
  • 電子顕微鏡
  • 糸球体基底膜上皮下に高電子密度の顆粒状沈着物
[show details]

診断

  • 膜性腎症の診断は腎生検でのみなされる。原因不明のネフローゼ症候群には腎生検を提案している。(uptodate)
  • 蛋白尿に対する検査を行う→ネフローゼ症候群 → uptodate Serologic tests in the evaluation of nephrotic syndrome
  • 膜性腎症の原因を検索するために以下の検査を行う:自己抗体、血清C3(普通は正常)、血清学的ウイルス検査(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)、悪性腫瘍スクリーニング (uptodate)

検査所見

尿検査

  • 蛋白尿

治療

  • 免疫抑制薬
  • ステロイド(微小変化群より奏効しない)

予後

  • 治療への反応性がよく予後良好。半数例が自然寛解。   1/3は自然寛解。2/3はゆっくり進行。75%は寛解/腎機能安定/極めて緩徐な進行。(YN.E-50)
  • 10-20%が末期腎不全に移行。ネフローゼ症候群が持続する例に多い傾向。
  • 左下の図のような病変


国試



尿蛋白」

  [★]

urine protein, urinary protein, protein in urine
尿中タンパク質、尿タンパク
蛋白尿尿蛋白/クレアチニン比


尿蛋白の生化学

  • 1/3は血清アルブミン
  • 1/3はアルブミン以外の小分子蛋白質
  • 1/3は尿細管上皮細胞中のタム-ホースフォール蛋白質(ムコ蛋白質)

基準値

24時間蓄尿

  • 40-100 mg/day
運動、体位、精神的ストレスによって変動しうる
  • 20-120 mg/day (臨床検査法提要第32版 p.1806)
  • <150 mg/day (HIM.A-11)

生理的な尿蛋白

  • 起立性蛋白尿:体位による。糸球体濾過圧が高まる?
  • 機能性蛋白尿:運動、発熱、ストレス

診断

  • 24時間蓄尿:150 mg/日以上で異常。1 g/day以上で糸球体疾患疑い。 ネフローゼ症候群の診断基準は3.5g/day以上
  • 随時尿:30 mg/dl以上で異常

尿蛋白量と診断の目安

内科診断リファレンス.350
尿蛋白  
150mg/日未満 健常者の基準(15mg/dL 10dL)
300mg/日 糖尿病性腎症の顕性タンパク尿の定義
1000mg/日 起立性タンパク尿熱性タンパク尿などの良性タンパク尿の上限
(血尿があるときは500mg/日のタンパク尿で腎疾患を考慮)
1500-3000mg/日 尿細管障害によるタンパク尿の限界で、これ以上は糸球体疾患と考える。

腎前性

  • 低分子タンパク質の過剰産生

腎性(腎実質性)

  • 糸球体毛細血管の障害、内圧亢進、尿細管障害

腎後性

  • 下部尿路系の炎症、結石、腫瘍
  • 下部尿路系の尿路結石
  • 腎盂腫瘍
  • 尿管腫瘍
  • 膀胱腫瘍

尿蛋白による尿細管の障害

  • 尿蛋白→尿細管での過剰吸収・蓄積→尿細管間質へのマクロファージ・T細胞の浸潤→(in vitroでは尿細管細胞をアルブミンと共存させるとMCP-1・炎症性サイトカイン(TNF, IL-1, LPS, 変性IgG)を分泌→間質炎症反応→間質線維化→腎瘢痕

臨床関連

異常値の出るメカニズム第5版 p.177改

  分子量
(kDa)
糖質
(%)
機能
β2ミクログロブリン 11 0 構造タンパク・HLAのL鎖
リゾチーム 15 0 消化殺菌酵素
レチノール結合蛋白 20 0 ビタミンA担体
免疫グロブリンL鎖 22 0 構造タンパク質
α1ミクログロブリン 30 20 輸送担体
α1酸性糖タンパク 44 38 急性相蛋白
アルブミン 67 0 膠質浸透圧維持、輸送担体

検査

試験紙法

  • 随時尿で施行可能。感度が低い。
  • 強アルカリ性で偽陽性   ←  アルカリ性で青変する試薬を使用
  • X線造影剤で偽陽性はでない。
  • Bence Jones蛋白に対しては偽陰性

24時間蓄尿

  • 尿の生化学的な分析を行う。

検査法の比較(QB E-134)

  煮沸法 スルフォサリチル酸法 試験紙法
原理 蛋白質の熱変性による混濁
(特異性が高い)
蛋白と酢酸の不溶性塩による混濁 指示薬の蛋白誤差を利用
感度 5mg/dl 1.5-2mg/dl
(鋭敏)
5-20 mg/dl
偽陽性 ヨード造影剤
トルブタミド
ペニシリン系抗菌薬
セフェム系抗菌薬
リン酸塩を含むアルカリ性尿
第4級アンモニウム化合物
(防腐剤、洗浄剤)EDTAのことか?
偽陰性 リン酸塩を含むアルカリ性尿 低分子タンパク尿(BJP等)

試験紙法による蛋白尿の評価

参考1
  • 尿蛋白:± = 15 mg/dL。1+ = 30 mg/dL2+ = 100 mg/dL。3+ = 300mg/dL  ← 赤字はメーカー間で差が少ないらしい。
1+では蛋白尿が存在すると考えて良い水準。

参考

  • 1. CKD診察ガイド2009
[display]http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf



インターフェロン」

  [★]

interferon interferons IFN
オーアイエフIFNβモチダアドバフェロンアボネックスイムノマックス-γ、イントロンA、スミフェロンフエロンベタフェロンペガシスペグイントロン

概念

  • サイトカインの一種で抗ウイルス作用、免疫修飾作用、抗増殖活性を有する。(GOO.1261)

種類

  • I型インターフェロン
ウイルスに感染して誘導され、強い抗ウイルス作用を有する
  • II型インターフェロン
非ウイルス誘導性

表(SMB.426)

    産生細胞 種類 誘発因子 作用
I型インターフェロン IFN-α 好中球マクロファージなど 14種類以上 ウイルス細菌内毒素 抗ウイルス効果、抗腫瘍効果
IFN-β 線維芽細胞、上皮細胞など 1種類 ウイルス、2本鎖RNA 抗ウイルス効果、抗腫瘍効果
II型インターフェロン IFN-γ T細胞NK細胞など 1種類 抗原刺激、サイトカイン 免疫細胞の活性化、免疫系の制御

各インターフェロンについて

GOO.1261
  • ウイルス感染に対する非特異的な初期防御に関わる
  • 意義:ウイルス感染に対する非特異的な初期防御に関わる
  • 産生細胞:ほとんど全ての細胞
  • 産生のトリガー:二本鎖RNA、ある種のサイトカイン(IL-1, IL-2, TNF)
  • 作用:抗ウイルス作用、抗増殖作用:(1) リンパ球、NK細胞、およびマクロファージの細胞障害作用の亢進、(2) MHC class Iの発現の亢進作用  ← 抗ウイルス活性
  • 意義:マクロファージの活性化
  • 産生細胞:T細胞、NK細胞、マクロファージのみ!
  • 産生のトリガー:抗原刺激、mitogen、特定のサイトカイン
  • 作用:抗ウイルス作用は弱い。強力な免疫調整作用:(1) マクロファージの強力な活性化、(2) MHC class IIの発現の亢進、(3) 局所炎症反応の仲介(madiation)

インターフェロンの抗ウイルス作用

  • インターフェロンをシグナルとして受け取った細胞は以下の物質を産生して抗ウイルス作用を発揮する。

適応

副作用

発熱 ほぼ必発
甲状腺機能異常 約10%
間質性肺炎 非常に稀
精神症状 約10%
白血球減少 ほぼ必発
血小板減少 ほぼ必発
蛋白尿 約10%
糖尿病 0.1-5%
口腔内病変 約20%
脱毛 約5%
眼底出血 約20%


Bence Jones蛋白尿」

  [★] ベンスジョーンズ蛋白


起立性蛋白尿」

  [★] 起立性タンパク尿


尿」

  [★]

urine
urina
尿浸透圧尿量


臨床関連

尿中への代謝物質の異常排出

尿の色

決定する要素:ウロビリノゲンヘモグロビンミオグロビンなど




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