膜性腎症

出典: meddic

membranous
membranous nephropathy, MN
膜性糸球体腎炎 membranous glomerulonephritis, membranous GN, MGN
ネフローゼ症候群

まとめ

  • 膜性腎症は免疫複合体が糸球体基底膜上皮下に沈着することで基底膜の肥厚をきたす疾患である。中年以降(30-40歳以降)の男性に多い。自覚症状なしにネフローゼ症候群を来たし、ネフローゼ症候群の原因として成人では30%、小児では5%を占める。病因としては特発性と続発性があるが、免疫複合体の抗原が不明な特発性が大部分(85%)を占め、残りは感染症(B型肝炎、梅毒、住血吸虫マラリア)、膠原病(SLE)、悪性腫瘍、無機金属(金、水銀)、薬剤(ペニシラミン、カプトプリル、NSAID)などによる続発性である。病理組織像では光顕的に糸球体膜の重層化・二重化・肥厚が認められ、PAM染色で糸球体基底膜上皮下にスパイク状・顆粒状の沈着物が認められる。これらは蛍光顕微鏡ではIgG、C3の沈着として認められる。電顕的には電子高密度沈着物(免疫複合体)として認められる。自覚症状はなく検診などで蛋白尿陽性として見いだされることが多い。診断には腎生検の所見による。治療は特発性の場合、無症候性であれば経過観察、ネフローゼ症候群が存在していればステロイドによる治療を行う。二次性の場合は原因疾患の治療も行う。治療抵抗例では免疫抑制薬、抗血小板薬、抗凝固療法を行う。経過は緩徐であり、予後は良好であることが多い。症例の2/3は緩徐進行、1/3は自然緩解する。(YN.E-50 SPE.599)

概念

  • 糸球体腎炎の病理診断名の一つ
  • 糸球体基底膜の上皮側にびまん性の免疫複合体が沈着し、基底膜が肥厚する疾患。
  • (1)糸球体基底膜のびまん性肥厚、(2)糸球体基底膜上皮下へのびまん性沈着
  • ネフローゼ症候群を来す。成人ネフローゼの典型例

疫学

  • 中年以降(30-50%)の男性に好発。 30-40歳代の男性に多い(QB.E-173)。
  • 健診で発覚(チャンス蛋白尿)
  • ネフローゼ症候群の原因となる。ネフローゼ症候群のうちそれぞれ占める割合は成人30%、小児5%。 (YN.E-50)

分類

病因による分類

  • 特発性(85%) ← 免疫複合体の抗原が不明
  • 続発性


APT.241
  • B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、腫瘍、薬物(NSAID)、SLE

病理

蛍光抗体法
  • 糸球体基底膜のびまん性肥厚  → 糸球体膜の重層化・二重化・肥厚
  • 免疫複合体糸球体基底膜上皮下に沈着 ← 糸球体の外側  → スパイク(PAM染色で) 、 granular pattern(IgG)
  • メサンギウム領域の細胞増殖(-)

病態生理

  • 80%がネフローゼ症候群で発症し、あとは無症候性蛋白尿(QB.E-173)

症状

検査

  • 血液検査
  • ネフローゼ症候群を来す場合には低蛋白血症、低アルブミン血症
  • 尿検査
  • 尿蛋白陽性。
  • 腎生検
  • 光学顕微鏡(PAM染色):基底膜の肥厚
[show details]
  • 蛍光顕微鏡(蛍光抗体法):IgG、C3よりなる免疫複合体が糸球体上皮下腔に顆粒状に沈着
[show details]
  • 電子顕微鏡
  • 糸球体基底膜上皮下に高電子密度の顆粒状沈着物
[show details]


診断

  • 膜性腎症の診断は腎生検でのみなされる。原因不明のネフローゼ症候群には腎生検を提案している。(uptodate)
  • 蛋白尿に対する検査を行う→ネフローゼ症候群 → uptodate Serologic tests in the evaluation of nephrotic syndrome
  • 膜性腎症の原因を検索するために以下の検査を行う:自己抗体、血清C3(普通は正常)、血清学的ウイルス検査(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)、悪性腫瘍スクリーニング (uptodate)

検査所見

尿検査

  • 蛋白尿

治療

  • 免疫抑制薬
  • ステロイド(微小変化群より奏効しない)

予後

  • 治療への反応性がよく予後良好。半数例が自然寛解。   1/3は自然寛解。2/3はゆっくり進行。75%は寛解/腎機能安定/極めて緩徐な進行。(YN.E-50)
  • 10-20%が末期腎不全に移行。ネフローゼ症候群が持続する例に多い傾向。


  • 左下の図のような病変


国試


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/06 15:05:03」(JST)

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和文文献

  • 抗PLA受容体抗体と特発性膜性腎症 (AYUMI 自己免疫疾患 : 自己抗体の認識抗原と病因的意義)
  • 症例 原発性胆汁性肝硬変の経過中に膜性腎症と抗GBM抗体型腎炎を合併した1例
  • 森 大輔,角谷 裕之,山口 嘉土 [他]
  • The Japanese journal of nephrology 54(4), 550-555, 2012
  • NAID 40019351353
  • 足細胞陥入糸球体症と膜性腎症の関係 : 電顕・蛍光所見
  • 飛田野 清美,二階堂 貴章,櫻井 達夫
  • 臨床検査栃木 : 栃木県臨床衛生検査技師会雑誌 7(2), 43-46, 2012
  • NAID 40019334550
  • 同種造血幹細胞移植後に膜性腎症によるネフローゼ症候群を発症した急性リンパ性白血病
  • 相本 瑞樹,山根 孝久,一居 充,森 克仁,相本 蘭,井上 恵里,康 秀男,中根 孝彦,武岡 康信,中前 美佳,小坂 さおり,寺田 芳樹,中前 博久,高 起良,中尾 隆文,大澤 政彦,若狭 研一,石村 栄治,稲葉 雅章,日野 雅之
  • 臨床血液 52(7), 556-562, 2011-07-30
  • NAID 10029425994

関連リンク

膜性腎症(まくせいじんしょう、Membranous nephropathy:MN、Membranous glomerulonephropathy:MGN)とは、成人のネフローゼ症候群の原因 ... また、明らか な病因がある二次性の膜性腎症と、それらが特定できない一次性の膜性腎症とに分け られる。 ...
家庭医学館 膜性腎症の用語解説 - [どんな病気か] 膜性腎症は、免疫複合体(めんえき ふくごうたい)(体内に入ったウイルス、細菌、異物などの抗原(こうげん)と、それを無害 化する抗体(こうたい)が結合したもの)が、糸球体(しきゅうたい)の基底膜(きていまく) ...

関連画像

膜性腎症電子顕微鏡像:Stage Ⅳ膜性腎症ミクロ像(PAM染色強 膜性腎症ミクロ像(HE強拡大)膜性腎症ミクロ像(蛍光染色強  膜性腎症・・・[ サイトへ膜性腎症膜性腎症電子顕微鏡像:Stage Ⅲ


★リンクテーブル★
先読みmembranous
国試過去問104E068」「106A038」「101G036」「105I079」「096D036」「102D050」「099G035」「105D013」「096H039」「101F044」「097H038」「108A017」「096B025」「088A094
リンク元関節リウマチ」「ネフローゼ症候群」「慢性糸球体腎炎」「蛍光抗体法」「suggest
拡張検索特発性膜性腎症」「続発性膜性腎症
関連記事腎症」「」「膜性

membranous」

  [★]

  • adj.
  • 膜状の、膜性の


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「relating to or made of or similar to a membrane; "membranous lining"」

PrepTutorEJDIC   license prepejdic

「膜の;皮膜に似ている」

WordNet   license wordnet

「characterized by formation of a membrane (or something resembling a membrane); "membranous gastritis"」
membrane-forming

104E068」

  [★]

  • 次の文を読み、67-69の問いに答えよ。
  • 58歳の男性。体重増加下肢浮腫とを主訴に来院した。
  • 現病歴: 3年前から降圧薬の投与を受けていた。3か月前から尿の泡立ちに気付き、1か月前から下肢の浮腫と3kgの体重増加とを認めている。
  • 既往歴: 特記すべきことはない。
  • 生活歴: 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
  • 家族歴: 父に高血圧がある。
  • 現症:  意識は清明。身長167cm、体重72kg。体温36.4℃。脈拍68/分、整。血圧146/90mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾・腎を触知しない。前脛骨部に圧痕を伴う浮腫を認める。
  • 検査所見: 尿所見:蛋白(4+)、糖(-)、尿潜血(1+)。24時間尿蛋白4.2g/day.尿赤血球5-10/HPF、尿沈渣(超生体染色)の写真(別冊No.16A)を別に示す。血液所見:赤血球 420万、Hb l2.4g/dl、Ht 38%。血液生化学所見:血糖 98mg/dl、HbA1c 5.2、総蛋白 5.0g/dl、アルブミン 2.4g/dl、尿素窒素 18mg/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、尿酸 6.2mg/dl、総コレステロール 325mg/dl、Na l42mEq/l、K 3.6mEq/l、Cl 108mEq/l、Ca 8.4mg/dL、P 2.7mg/dl。腎生検のH-E染色標本(別冊No.16B)、蛍光抗体基底膜(緑)とIgG(赤)染色標本(別冊No.16C)及び電子顕微鏡写真(別冊No.16D)を別に示す。
  • 診断はどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 104E067]←[国試_104]→[104E069

106A038」

  [★]

  • 50歳の女性。足の甲のむくみを主訴に来院した。 7年前に関節リウマチと診断され、以後メトトレキサートによる治療を継続している。 6か月前から腹痛と下痢とを認めるようになり、その頻度が増加してきた。 2週前に出現した足背の浮腫が改善しないため受診した。身長154cm、体重58kg(6か月前と比べて4kgの体重増加)。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧128/68mmHg。呼吸数14/分。足背圧痕を伴う浮腫を認める。両側肩関節、両側手関節、右第2-4中手指節間関節および両側膝関節に疼痛と腫脹とを認める。 尿所見:蛋白3+、糖(-)、ケトン体(-)、潜血1 +、沈渣に円柱を認めない。血液所見:赤血球328万、 Hb9.8g/dl、Ht27%、白血球11,800、血小板48万。血液生化学所見:総蛋白4.8g/dl、アルブミン2.0g/dl、尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総コレステロール328mg/dl、トリグリセリド182mg/dl。 CRP16mg/dl。直腸生検でコンゴーレッド染色陽性の沈着物を認めた。
  • 腎病変として最も考えられるのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 106A037]←[国試_106]→[106A039

101G036」

  [★]

  • 55歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。4か月前に夕方になると靴下のゴムの痕がつくことに気付いた。徐々に浮腫の程度が強くなってきた。意識は清明。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧150/86mmHg。皮膚に発疹と発赤とを認めない。眼瞼に軽度の浮腫を認める。頸部と胸部とに異常はない。下腿と足背とに圧痕を残す浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(-)、沈渣に赤血球0/1視野、脂肪円柱3/1視野。血液所見:赤血球520万、Hb16.2g/dl、Ht48%、白血球4,600。血清生化学所見:空腹時血糖96mg/dl、HbA1c5.4%(基準4.3~5.8)、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.2g/dl、尿素窒素22mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、Na135mEq/l、K4.6mEq/l。免疫学所見:抗核抗体陰性、CH50 37U/ml(基準30~40)。腎生検PAS染色標本を以下に示す。
  • 最も可能性の高い疾患はどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 101G035]←[国試_101]→[101G037

105I079」

  [★]

  • 68歳の男性。進行する下腿の浮腫を主訴に来院した。2か月前から両側下腿の浮腫を自覚していたが、次第に増惑するため紹介されて受診した。10年前から高血圧症降圧薬を服用している。6年前から関節リウマチで自宅近くの診療所にて薬物治療中である。脈拍76/分、整。血圧138/86mmHg。尿所見:蛋白3+、糖(+)、潜血(±)。血液生化学所見:総蛋白 5.5g/dL、アルブミン 2.6g/dl、総コレステロール 368mg/dl、尿素窒素 22mg/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、尿酸 7.4 mg/dl。腎生検の蛍光抗体IgG染色標本(別冊No.26)を別に示す。
  • この腎病変をきたす原因として可能性が低いのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 105I078]←[国試_105]→[105I080

096D036」

  [★]

  • 16歳の男子。眼瞼浮腫全身倦怠感とを主訴に来院した。
  • これまで健康診断で異常を指摘されたことはない。2週前に上気道炎に罹患し、4日前から急に眼瞼の浮腫と全身倦怠感とが出現した。血圧148/92mmHg。眼瞼と下腿とに浮腫を認めるほかに身体所見に異常はない。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、赤血球円柱20~30/1視野を認める。
  • 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、クレアチニン1.5mg/dl。免疫学所見:ASO 640単位(基準250以下)、抗核抗体陰性、C3 12mg/dl(基準55~112)、C4 5mg/dl(基準16~51)。腎生検組織のH-E染色標本と蛍光抗体法抗C3染色標本とを以下に示す。
  • 考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 096D035]←[国試_096]→[096D037

102D050」

  [★]

  • 67歳の男性。数週前から夕方になると足がむくみ、靴が履きにくくなるため来院した。足背に浮腫を認める以外特記すべき所見はない。血圧142/86mmHg。尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈さに赤血球1~3/1視野、白血球1~3/1視野。血液生化学所見:総蛋白5.1g/dl、アルブミン2.2g/dl、尿素窒素18.0mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール310mg/dl。腎生検組織の蛍光抗体IgG染色標本と電子顕微鏡写真とを以下に示す。
  • 基礎疾患として考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 102D049]←[国試_102]→[102D051

099G035」

  [★]

  • 55歳の女性。3か月前から下腿浮腫が出現してきたため来院した。15年前から関節リウマチに罹患し、3年前から金製剤で治療されている。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(-)、尿蛋白5.5g/日。血清生化学所見:総蛋白5.0g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール385mg/dl。考えられる腎病変はどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 099G034]←[国試_099]→[099G036

105D013」

  [★]

  • 感染症と腎疾患の組合せで正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 105D012]←[国試_105]→[105D014

096H039」

  [★]

  • 細菌感染が発症に関与するのはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H038]←[国試_096]→[096H040

101F044」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 101F043]←[国試_101]→[101F045

097H038」

  [★]

  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 097H037]←[国試_097]→[097H039

108A017」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108A016]←[国試_108]→[108A018

096B025」

  [★]

  • 浮腫が主な症候でないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096B024]←[国試_096]→[096B026

088A094」

  [★]

  • 薬物と副作用の組み合わせで間違っているもの

関節リウマチ」

  [★]

rheumatoid arthritis, RA
リウマチ様関節炎萎縮性関節炎 atrophic arthritis
カプラン症候群膠原病

概要

  • 原因不明のchronic multisystem disease
  • 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
  • 経過は多様

症候

  • 関節症状
  • 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
  • 手指の近位指節間関節(PIP関節)中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
  • 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
  • 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)

関節外症状

100CASE p.76
SOR.213改変

症候スペクトル

病態 レイノー現象 抗核抗体 リウマトイド因子 抗好中球細胞質抗体 皮疹 皮下結節 関節炎 筋炎 漿膜炎 自己抗体
                  RF
                     
病理 壊死性血管炎 糸球体腎炎 間質性肺炎 心炎 唾液腺炎 オニオンスキン病変 ワイヤーループ病変 ヘマトキシリン体 LE細胞  
                   

合併症

YN. F-43

検査

単純X線

  • 関節X線写真所見異常
  • 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)

血液

  • 赤血球:小球性低色素性貧血
  • 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
  • 血小板:増加
  • 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
  • リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
  • 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値

関節液

  • 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)

関節内視鏡

  • 非特異的慢性滑膜炎

身体所見 (SOR.213,417)

  • 図:SOR.213

  • (ムチランス型RAにおいて)オペラグラス手

手関節

手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
  • 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
  • 手根骨の尺側移動、掌側移動
  • 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。

MP関節(MCP関節)

掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼

PIP関節

MP関節(MTP関節)

  • 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。

診断基準

  7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される 備考
1 1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること  
2 3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること 領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
3 手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること 少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
4 対称性関節腫脹 PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
5 リウマトイド結節 骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
6 リウマトイド因子が陽性 正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
7 X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる 手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む

診断

治療

以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
  • 非ステロイド性抗炎症薬 NSAIDs:(副)間質性腎炎、消化性潰瘍。
  • 金製剤:(副)ネフローゼ症候群(膜性腎症)。
  • D-ペニシラミン:(副)薬剤誘発性ループス膜性腎症
  • 副腎皮質ステロイド薬
  • 免疫抑制薬

TNF阻害薬の適応

  • 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
  • 1) 圧痛関節数6関節以上
  • 2) 腫脹関節数6関節以上
  • 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
  • これらの基準を満足しない患者においても、
  • a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
  • b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
  • 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
3) 血中β-D-グルカン陰性

参考

  • 1. 診断基準
  • 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
  • 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html




ネフローゼ症候群」

  [★]

nephrotic syndrome, NS
ネフロージス nephrosis
腎 ネフローゼ症候群、小児ネフローゼ症候群
蛋白分画

概念

  • 高度の蛋白尿とそれに起因する低蛋白血症、浮腫および高脂血症を呈した臨床病態
  • 臨床的な概念であり、尿中に多量の血清タンパク成分を喪失するときにみられる共通の病態

病型

  • 原発性糸球体腎炎
  • 続発性ネフローゼ症候群:先行する疾患(膠原病、糖尿病など)に続発する

疫学

成人(IMD)

微小変化型ネフローゼ症候群 42%
膜性腎症 25%
びまん性増殖性糸球体腎炎 17%
巣状増殖性糸球体腎炎 12%
膜性増殖性糸球体腎炎 5%

ネフローゼ症候群の原因

  • 微小変化群:大人,約20-30%. 子供,70-80%
  • 膜性腎症:大人,約30%. 子供,5%
  • 膜増殖性糸球体腎炎:大人,5-7%

病理

  • 広範囲にわたる著明な糸球体臓側上皮細胞の障害が認められ、足突起が単純化(simplification; 足突起の突起が減少すること?))および消失している。(PRE.224)

ネフローゼ症候群に関わる3つの基本的な病型

PRE.224
  • 1. 糸球体上皮細胞の障害:微小鹸化群、原発性巣状硬化症  ←  単球から放出されたサイトカインが上皮細胞の障害に関わっている
  • 2. 上皮下における免疫複合体の形成と補体の活性化により、沈着した免疫複合体の周りに基底膜マトリックスが沈着し、基底膜が肥厚する膜型病変を呈する
  • 3. 糸球体壁に影響を及ぼす蓄積病変は、ALアミロイドーシスや軽鎖蓄積病、あるいは糖尿病性腎症がある。

検査

IMD

血液検査

  • 血小板:増加

凝固系検査

  • 凝固因子の増加
  • フィブリノゲン、第I因子、第VIII因子、第X因子など → 肝臓で産生される。肝臓機能の亢進を示唆

血液生化学検査

  • アルブミン:低値
  • γ-グロブリン:低値  →  IgGが低値となる。これが易感染性と関連している。なぜこうなるかは分かっていない。 → 易感染性につながる
  • α2-グロブリン高値
  • β-グロブリン:高値
  • コレステロール:高値
  • 中性脂肪:増加(特にLDLVLDL)
  • 低カルシウム血症  ←  アルブミン低値による(アルブミン1.0 g/dlの低下により血清カルシウム0.8mg/dlの低下)。
  • フィブリノゲン:高値  →  肝機能の亢進による

α2グロブリンが高値になるメカニズム

ネフローゼの場合血中のタンパクはどんどん尿に漏出していく。そのためアルブミン、γグロブリンは割合が低下している。α2分画にはα2マクログロブリンが存在する。これは分子量が77万から82万という大きな分子であるので、ネフローゼで糸球体のサイズバリアが崩壊しているとしても尿中に排出されず残るため、相対的にα2分画が高くなる。

赤沈が亢進するメカニズム

赤沈は第1相で赤血球同士が連銭形成し、第2相で沈んでいき、第3相では沈んできた赤血球の密度が上昇して沈降速度が鈍ってくる。赤沈が亢進するには、凝集が促進されるか、沈降の抵抗が少ないかである。赤血球の膜は負に帯電しており、正に帯電しているフィブリノゲン、γグロブリンが増加すると負の電荷同士で集まり合い凝集が促進される。逆に負に帯電しているアルブミンの量が減少すると、負同士の反発が軽減し凝集が容易になる。また貧血であると第3相で密度が低くなり沈降が早くなる。以上より、ネフローゼの場合アルブミンが尿中に排泄され血清アルブミンの濃度が低下、また、β分画のフィブリノゲンが上昇しているため赤沈は亢進する。

尿検査

  • 蛋白尿
  • 顕微鏡的血尿
  • 顆粒円柱、脂肪球、卵円脂肪体

診断基準(厚生省特定疾患 ネフローゼ症候群 調査研究班)

1.と2.が 成人ネフローゼ症候群の必須条件。
また尿沈渣中多数の卵円形脂肪体、重屈折脂肪体は参考所見となる
高脂血症と浮腫は必須条件ではない。

合併症

IMD

予後

  • SI(selectivity index)=(尿中IgG/血清IgG)/(尿中Tf/血清Tf)。
  • SIが小さいほどサイズバリアーが機能しているということ。
0.2以下:high selective :プレドニゾロンに反応しやすい
0.2以上:low selective  :プレドニゾロンに反応しにくい




慢性糸球体腎炎」

  [★]

chronic glomerulonephritis CGN
慢性腎炎 chronic nephritis, 慢性腎炎症候群 chronic nephritic syndrome慢性糸球体腎炎症候群 chronic glomerulonephritic syndrome

概念

  • 蛋白尿・血尿が1年以上持続する病態
  • 透析導入原疾患の第2位をしめる。

疫学

参考1
  • 慢性糸球体腎炎が減少し続ける理由:学校検尿・健康健診・人間ドックによる早期発見治療。治療の進歩、生活環境の清潔化、RAA系の抑制薬の登場、腎炎に関する知識の普及

原疾患

  • IgA腎症 → 約半数を占める
  • 非IgA型腎炎

診断基準


参考

  • 1. CKD診察ガイド2009
[display]http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf


蛍光抗体法」

  [★]

fluorescent antibody technique
免疫蛍光法 immunofluorescence technique


QB.E-173

  IgG IgM IgA C3  
急性糸球体腎炎     糸球体係蹄に沿って顆粒状
急速進行性糸球体腎炎 フィブリン 半月体形成
グッドパスチャー病     基底膜に沿って線状に
IgA腎症     メサンギウムに顆粒状に
膜性増殖性糸球体腎炎   メサンギウム・基底膜に顆粒状に
膜性腎症     糸球体係蹄に沿って顆粒状
巣状糸球体硬化症     硬化病変やメサンギウムに顆粒状に

suggest」

  [★]

  • v.
  • 示唆する、提案する、示す
The diagnosis of MN can only be made by kidney biopsy, and we suggest obtaining a kidney biopsy in all patients with unexplained nephrotic syndrome.(uptodate 膜性腎症)
demonstratedepictdisplayexhibitgiveindicateindicativepoint outpresentproposalproposepropositionreflectshowsignifysuggestion

mediawiki

  • api.phpをoffにしたらサジェスト機能が無効となる。
  • api.phpの機能にdependしているためらしい。
var wgMWSuggestTemplate = "http://meddic.jp/api.php?action=opensearch\x26search={searchTerms}\x26namespace={namespaces}\x26suggest";

WordNet   license wordnet

「imply as a possibility; "The evidence suggests a need for more clarification"」
intimate

WordNet   license wordnet

「call to mind; "this remark evoked sadness"」
evoke, paint a picture

PrepTutorEJDIC   license prepejdic

「〈考え・計画など〉‘を'『提案する,』言い出す / 〈物事が〉…‘を'『連想させる,』思い起こさせる / …‘を'『それとなく示す』」

特発性膜性腎症」

  [★]

idiopathic membranous nephropathyidiopathic membranous glomerulonephritis
特発性膜性糸球体腎炎 idiopathic membranous glomerulonephritis
膜性腎症ヘイマン腎炎膜性糸球体症特発性膜性糸球体腎炎


続発性膜性腎症」

  [★]

secondary membranous nephropathy
膜性腎症


腎症」

  [★]

nephropathy
ネフロパシー腎障害 renal damage
腎炎ネフローゼ nephrosis
[show details]



症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態

膜性」

  [★]

membranousmembraneous
膜状




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