腫瘍崩壊症候群

出典: meddic

tumor lysis syndrome
腫瘍融解症候群腫瘍溶解症候群
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概念

  • 高乳酸血症をきたすのは腫瘍細胞もっぱら解糖系でエネルギーを産生するためか?(NADHの再生とピルビン酸の処理のために乳酸が産生される?)
  • 急性腎不全を来しやすいために尿量を保ち尿のアルカリ化を計るなどする。

国試



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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/13 23:01:54」(JST)

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和文文献

  • PP-054 高度進行胚細胞腫瘍に対する初期治療時の腫瘍崩壊症候群の経験(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
  • 石田 寛明,岸田 健,塩井 康一,滝沢 明利,三浦 猛,河合 弘二
  • 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 412, 2011-03-20
  • NAID 110008612428
  • 腫瘍崩壊症候群の新しい治療薬ラスブリカーゼ(尿酸酸化酵素)

関連リンク

腫瘍崩壊症候群(しゅようほうかいしょうこうぐん、英:tumor lysis syndrome)または 腫瘍融解症候群(しゅようゆうかいしょうこうぐん)とは抗がん剤治療や放射線療法等で がん細胞が短時間に大量に死滅することで起こる症候群で、腫瘍学的緊急症の一つで ある ...
腫瘍崩壊症候群とは、悪性腫瘍の治療の際に抗がん剤治療や放射線療法の効果が 優れており、腫瘍が急速に死滅(崩壊)するときに起きます。体内の尿酸が増える、 カリウム、カルシウム、リンなどの電解質のバランスが崩れる、血液が酸性になる、腎臓 からの ...

関連画像

腫瘍崩壊症候群アルゴリズム国際的には表1のように定義 images by google死亡数の多いがん腫瘍崩壊症候群(TLS)診療 腫瘍崩壊症候群とは腫瘍崩壊症候群の定義


★リンクテーブル★
国試過去問101A034
リンク元尿沈渣」「尿酸」「高尿酸血症」「腫瘍融解症候群」「腫瘍溶解症候群
関連記事症候群」「腫瘍」「崩壊」「」「症候

101A034」

  [★]

  • 32歳の男性。頸部と鼠径部との腫瘤を主訴に来院した。1か月前に歩行中、右鼠径部の違和感を覚え腫瘤に気付いたが痛みはなかった。その後、髭を剃っている時に偶然右頸部の腫れに気付いた。喫煙30本/日を12年間。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧122/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。体表リンパ節は表面平滑、弾性硬で、右頸部に径2cmを3個、右鎖骨上窩に径3cmを1個、左頸部に径1.5cmを2個、右腋窩に径1.5cmを2個、右鼠径部に径2.5cmを1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。左肋骨弓下に脾を3cm触知し、臍下正中部に径5cmの腫瘤を触知する。血液所見:赤血球460万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球6,700、血小板18万。血清生化学所見:総蛋白6.3g/dl。アルブミン4.2g/dl、尿素窒素20mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl。総コレステロール156mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST42IU/l、ALT30IU/l、LDH875IU/l(基準176~353)。免疫学所見:CRP4.2mg/dl、可溶性IL-2受容体2,300U/ml(基準550以下)。右頸部リンパ節生検H-E染色標本を以下に示す。
  • 治療開始後に注意すべきことはどれか。2つ選べ。


[正答]
※国試ナビ4※ 101A033]←[国試_101]→[101A035

尿沈渣」

  [★]

urinary sediment
尿沈渣検査 urinary sediment examination尿沈液


概念

  • 尿中に含まれる各種の細胞、円柱、結晶、微生物などの有形成分。
  • 尿沈渣の検査は腎・尿路系疾患の診断、進行度、予後の推定を目的に行う。

検体

  • 検体は早朝起床時尿(早朝第一尿)の中間尿約10mL。早朝第一尿では円柱がみられやすい
  • 検体は採尿後1時間以内になるべく早く観察 → 室温2時間以上放置すると細菌が増殖し、アルカリ化が進む。尿路感染が分からなくなるうえ、円柱や細胞が崩壊して観察できない。
  • 古い尿やアルカリ性尿では血球、円柱、上皮細胞の崩壊が強く正しい判定ができないことがある。
  • 女性の場合、月経時における血液の混入、腟分泌物の混入(中間尿を採るようにしてもらう)

方法

  • 1. 新鮮尿10mLを尿沈渣用試験管にとり500Gで5分間遠心する
  • 2. 上清を捨て残液約0.2mLとする
  • 3. そのまま、あるいは尿沈渣用染色液を加えて混和する
  • 4. 1滴(15μl)をスライドガラスに載せカバーガラスをかけ鏡検する

観察方法

  • 光学顕微鏡
  • LPF(low power field 、弱拡大、100倍):3.14 mm2、7.27ul
  • HPF(high power field、強拡大、400倍):0.196 mm2、0.45ul

病的所見

  • 赤血球と白血球はそれぞれ5/HPF以上、硝子円柱は1/HPF以上、上皮細胞性円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱の各種円柱類、異常結晶(ビリルビン、チロジン、ロイシン、コレステロール、シスチン、2,8-ジヒドロキシアデニンなど)、細菌、真菌、原虫、虫卵、腫瘍細胞の出現

判断基準

赤血球 ≧5個/HPF
白血球 ≧5個/HPF
上皮細胞(正常) 扁平上皮細胞をのぞく全て(移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮)
上皮細胞(異常) すべて(卵円系脂肪体、多核巨細胞、封入体細胞)
異型細胞 癌細胞
大食細胞 ≧1個/HPF
円柱 <1個/HPFの硝子円柱をのぞく全て
粘液系 ≧1+
結晶 病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時
細菌 ≧1+(>/HPFの桿菌)
真菌 すべて
原虫 すべて
寄生虫 すべて

OLM.53

尿沈渣成分の基準値
  強拡大視野あたり(/HPF)
赤血球数 1/4-7≧
白血球数 1-2/4-7≧
上皮細胞数 1/10≧
円柱 1/20≧

結晶 (LAB.217)

液性 成分 形態
酸性 尿酸 菱形 黄褐色
 
アルカリ性~酸性 シュウ酸カルシウム 正八面体  
リン酸カルシウム 板状、針状 灰白色
 
アルカリ性 炭酸カルシウム 顆粒状ダンベル型 無色~灰白色
リン酸アンモニウムマグネシウム 長方形 無色
尿酸アンモニウム 棘のある小円状 黄褐色~茶褐色
  • アルカリ性尿で見られる血症はウレアーゼ産生菌のプロテウスやクレブシエラなどによる尿路感染症でみられるが、正常尿でも見られうる。

病的意義のある結晶

液性 病的結晶成分 形態 疾患
  シスチン 正六角形板状構造 無色 シスチン尿症
ロイシン 円形放射状   重症肝障害
チロシン 針状  
ビリルビン 針状  
コレステロール 長方形板状 無色 ネフローゼ症候群

急性腎不全を背景とする場合

液性 病的結晶成分 形態 疾患
  尿酸     腫瘍崩壊症候群
シュウ酸カルシウム     エチレングリコール中毒

円柱 (LAB.214)

  • 硝子円柱は正常でも見られるので病的意義はない。尿量の少ないとき、運動後や利尿薬の使用時にみられる。
  上皮円柱 剥離した尿細管上皮細胞 尿細管の病変と尿細管腔の閉塞 ネフローゼ症候群急性尿細管壊死アミロイドーシス子癇移植腎急性拒絶反応
顆粒円柱 崩壊した上皮円柱中の尿細管上皮細胞   急性腎盂腎炎尿細管間質性腎炎糸球体腎炎
ろう様円柱 微細顆粒円柱が変性・脱水し均一無構造化 長期間の尿細管腔の局所的閉塞と無尿 慢性腎不全
血球円柱 赤血球円柱 赤血球が尿細管腔内で集結 糸球体の出血 糸球体腎炎(IgA腎症膜性増殖性腎炎巣状糸球体硬化症溶連菌感染後急性糸球体腎炎ループス腎炎など)、血管炎腎梗塞
白血球円柱 尿細管腔ないへの白血球の浸潤   急性腎盂腎炎尿細管間質性腎炎糸球体腎炎(溶連菌感染後急性糸球体腎炎膜性増殖性腎炎ループス腎炎ANCA関連腎炎など)
脂肪円柱 脂肪顆粒   重症ネフローゼ症候群、ループス腎炎糖尿病腎症



尿酸」

  [★]

uric acid, UA
2,6,8-トリヒドロキシプリン 2,6,8-trihydroxypurine
結石アロプリノールウリカーゼ法痛風リンタングステン酸法

概念

物性

  • 分子式:C5H4N4O3
  • 溶解度:溶解度 70mg/L  水に不溶
  • 構造式:
     O
   ||
  /C\ /N\
 N      C     \
 |     ||       C=O
  C   C     /
//  \N/ \N/ 
O

解離定数

  • pK1=5.8
  • pK2=10.3
  • pH↓→非電離型の尿酸↑→尿酸溶解度↓
-NH-CO- (エノール型) ⇔ -NH-C(OH)- (ケト型)  (FB.482)
ケト型の尿酸は電離しており、尿酸の電離型はpH↑で増加、pH↓で減少する。非電離型はpH↑で減少、pH↓で増加する。

物性のまとめ

  • 温度が低いほど、pHが低いほど析出しやすい (GOO.706)
 → 腫瘍崩壊症候群における尿酸腎症を予防するために尿をアルカリ化して尿酸結晶の析出を防ぐし、末梢で尿酸結晶が形成されやすい。

生理作用

尿酸の合成系路

代謝の制御 (PPC.842)

de novo pathway

  • the cellular level of PRPP is the most important determinant of de novo purine synthesis
  • high de novo pathway activity increases purine turnover, resulting in higher plasma uric acid concentrations

salvage pathway

  • increased salvage pathway activity leads to devrease de novo synthesis and reduced plasma uric acid level
  • 1. increased scavenging activity depletes cells of PRPP, thus decreasing the rate of de novo purine synthesis
  • 2. the salvage pathway leads to the generation of more ATP and GTP. Increased levels of these nucletide inhibit amidoPRT in a feedback manner, also resulting in decreasd de novo purine synthesis.

尿酸の排泄

参考1

  • 4コンパートメントモデルによれば尿酸は(1)糸球体濾過の後、近位尿細管で(2)ほとんど全て再吸収され、(3)S2 segmentで50%が再分泌され、さらに(4)S3 segmentで再吸収されるという。
  • 尿酸排泄に関わる運搬体:URAT1, Glut9. これらは有機酸トランスポーター(OAT)の一員である。
  • 尿酸/有機酸陽イオン交換体(URAT1運搬体)は尿酸に特異的で有機酸トランスポーターとは別の運搬体である。11q13のSLC22A12遺伝子にコードされている。
  • URAT1は近位尿細管管腔側の膜上に発現している。
  • 乳酸、ニコチン酸、アセト酢酸、ヒドロキシ酪酸、などの有機酸が近位尿細管上皮細胞内に蓄積すると、尿細管腔から尿酸を取り入れて有機酸を排泄する。
  • これが有機酸血症のときに高尿酸血症をきたす原因である。 → 飢餓(ケトン体増加)、von Gierke病(乳酸増加)のときに高尿酸血症をきたすのはこのため。

SP.807

  • 近位尿細管上皮細胞の管腔側膜に尿酸を再吸収して有機酸を分泌するURAT1という交換輸送体が存在する。
  • また管腔側膜にはナトリウムとアニオンを再吸収する共輸送体が存在する。
  • 基底側膜には血管側から尿細管上皮細胞内にアニオンを取り込む有機アニオン輸送体 OATが存在する。
  • 正常では尿酸の排泄率は10%、pyrazinoateを投与すると1%、プロベネシド(有機酸輸送の抑制薬)を投与すると50%となる。
  • 上記のメカニズムが存在するため、近位尿細管でナトリウムの再吸収が亢進する状態、あるいは血液内に有機酸が豊富に存在する状況では尿細管上皮内におけるアニオンの濃度が上昇する。この結果、URAT1による有機酸の排泄、尿酸の再吸収が起こる事になる → 高尿酸血症
  • 近位尿細管でのナトリウム再吸収が亢進する状態とは、利尿薬を使用した場合に起こるとされている。利尿薬の使用により組織灌流量が減少するので、RAA系の亢進あるいはNAの産生が増加し近位尿細管におけるナトリウムと水の再吸収が増加すると共に尿酸の再吸収も増加する(renal pathophysiology 3rd edition p.123)。

基準値

  • 尿酸の血清尿酸値は男性より女性の方が低い。これはエストロゲンに関係する物質(estrogenic compounds)により尿酸輸送体が抑制されるためらしい。(参考1)


臨床関連

参考

  • 1. [charged]Uric acid balance - uptodate [1]





高尿酸血症」

  [★]

hyperuricemia
尿酸過剰血症
尿酸 uric acid血清尿酸痛風

概念

  • 尿酸の血漿中溶解度を考慮し、男女を問わず血清尿酸値7.0mg/dlを超える状態(医学事典)

病因

  • 産生過剰
  • 原発性
  • 続発性
  • von Gierke病
  • 多血症、慢性骨髄性白血病 ← 乳酸過多による尿酸クリアランスの低下???、核酸分解産物の増加
  • 排泄低下
  • 続発性:利尿薬(サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬(フロセミド))

HIM.2445

  • 尿酸過剰産生
  • 尿酸排泄低下

ガイドライン

  • 高尿酸血症・痛風ガイドラインダイジェスト版
[display]http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf

治療

治療開始基準

  • 腫瘍崩壊症候群の予防
  • 無症候性持続性高尿酸血症(9mg/dl) ← これをトリガーにして治療するのは、ないわー、と言われている。

生活食事療法

回避すべき食習慣

  • 肉(レバー、ホルモン、砂肝など)、魚類(エビ、カツオなど)、菓子パンの過剰摂取
  • ビール、紹興酒など酒類: (禁酒週に2回。1日ビール500ml以下、日本酒1合以下、ウイスキー60ml以下
  • 果糖/ジュースの採りすぎ
  • カロリーの過剰摂取

尿酸を下げる食事

参考

  • 1.
[display]http://www.nmt.ne.jp/~nagioo/gout.htm



腫瘍融解症候群」

  [★]

tumor lysis syndrome
腫瘍崩壊症候群腫瘍溶解症候群

腫瘍溶解症候群」

  [★]

tumor lysis syndrome
腫瘍崩壊症候群腫瘍融解症候群

症候群」

  [★]

syndrome, symptom-complex
症状群
[[]]
  • 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患


内分泌

先天的代謝異常

高プロラクチン血症

分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。

性腺機能低下

嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長

性早熟

思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。

脳神経外科・神経内科

  • Wallenberg症候群 ワレンベルグ症候群:椎骨動脈、後下小脳動脈の血栓塞栓症などで生じる。頚部より下位で温度覚の障害が健側に出現するのに対し、頚部より上位では障害側に温度覚の障害が出現する。



腫瘍」

  [★]

tumor
新生物 neoplasm new growth NG


分類(EPT.65)

悪性度

細胞と間質の割合

発生学的由来

  • 上皮性腫瘍
  • 外胚葉性、中胚葉性、内胚葉性
  • 非上皮性腫瘍
  • 間質由来(中胚葉性)

組織学的分類

上皮性腫瘍

良性腫瘍
悪性腫瘍

非上皮性腫瘍

良性腫瘍
悪性腫瘍

臓器別分類

外陰部(女性)

子宮

卵巣

  • 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
  • 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
  • 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors

腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294

崩壊」

  [★]

decaybreakdowndisruptioncollapsedisintegrationcollapsedisintegrate
圧潰壊変虚脱減衰故障、混乱、破壊破損分解分裂破綻コラプス


群」

  [★]

group
グループ集団分類群れグループ化


症候」

  [★]

symptom and sign
症状, 徴候 兆候




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