脳死判定基準

出典: meddic

criteria of brain death diagnosis
脳死個体死臓器の移植に関する法律


法に規定する脳死判定を行ったとしたならば、脳死とされうる状態

参考2,3 臓器の移植に関する法律施行規則
  • 器質的脳障害により深昏睡、及び自発呼吸を消失した状態と認められ、かつ器質的脳障害の原疾患が確実に診断されていて、原疾患に対して行い得るすべての適切な治療を行った場合であっても回復の可能性がないと認められる者。
  • ただし、下記1)-4)は除外する。
  • 1) 生後12週(在胎週数が40週未満であった者にあっては、出産予定日から起算して12週)未満の者
  • 2) 急性薬物中毒により深昏睡、及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
  • 3) 直腸温が32.0℃未満(6歳未満の者にあっては、35.0℃未満)の状態にある者
  • 4) 代謝性障害、または内分泌性障害により深昏睡、及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
  • かつ、下記①~④のいずれもが確認された場合。
  • ①深昏睡
  • ②瞳孔が固定し、瞳孔径が左右とも4ミリメートル以上であること
  • ③脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、及び咳反射)
  • の消失
  • ④平坦脳波


「脳死とされうる状態」と判断されたならば、家族への臓器移植という選択肢の提示・承諾、臓器移植コーディネーターから家族への説明を経て、法的脳死判定が2回行われる。

法的脳死判定の資格

参考3
4つの条件からなる。
  • 脳死判定は、(1)脳神経外科医、神経内科医、救急医、麻酔・蘇生科・集中治療医又は小児科医であって、(2)それぞれの学会専門医又は学会認定医の資格を持ち、かつ(3)脳死判定に関して豊富な経験を有し、しかも(4)臓器移植にかかわらない医師が2名以上で行うこと。

脳死判定基準

↑これが法的脳死判定の基準
(1) deep coma, (2) mydriasis, (3) loss of brain stem reflex, (4) flat EEG, (5) loss of spontaneous breathing


参考1を改変
法的脳死判定の項目 具体的検査方法 脳内の検査部位と結果 参考
1.深い昏睡 顔面への疼痛刺激(ピンで刺激を与えるか、まゆげの下あたりを強く押す) 脳幹(三叉神経):痛みに対して反応しない
大脳:痛みを感じない
まゆ毛の下には三叉神経が通っていて、強く押すとかなり痛みます。
JCS=300, GCS=E1V1M1
2.瞳孔の散大と固定 瞳孔に光をあてて観察 脳幹:瞳孔が直径4mm以上で、外からの刺激に変化がない 正常時には、瞳孔は副交感神経と交感神経のバランス調整によって大きくなったり、小さくなったりします。
3.脳幹反射の消失 のどの刺激(気管内チューブにカテーテルを入れる 咳こまない=咳反射がない 脳幹に存在する第2~第12脳神経全てをチェックできます。
(第1脳神経は嗅神経で脳幹にはありません)
咳反射角膜反射前庭反射対光反応咽頭反射眼球頭反射毛様脊髄反射
※ 自発運動、除脳硬直、除皮質硬直、痙攣があれば除外
角膜を綿で刺激 まばたきしない=角膜反射がない
耳の中に冷たい水を入れる 眼が動かない=前庭反射がない
瞳孔に光をあてる 瞳孔が小さくならない=対光反応がない
のどの奥を刺激する 吐き出すような反応がない=咽頭反射がない
顔を左右に振る 眼球が動かない=眼球頭反射がない(人形の目現象)
痛みを与える 瞳孔が大きくならない=毛様脊髄反射がない
4.平坦な脳波 脳波の検出 大脳:機能を電気的に最も精度高く測定して脳波が検出されない 正常時には神経細胞の情報伝達は電位の変化(脳波)によって表される
5.自発呼吸の停止 無呼吸テスト
(人工呼吸器をはずして一定時間経過観察)
脳幹:(呼吸中枢):自力で呼吸できない 正常時には、脳幹が呼吸や血圧の調整を行っています。
6.6時間以上経過した後の 同じ一連の検査 (2回目) 上記5種類の検査 状態が変化せず不可逆的(二度と戻らない状態)であることの確認 絶対に過誤をおこさない為の確認です

脳死判定基準(1985年 厚生省脳死に関する研究班(竹内基準))

  • 1) 深昏睡
  • 2) 自発呼吸の消失
  • 3) 瞳孔の固定ならびに散大
  • 4) 脳幹反射の消失
  • 5) 1) -4) がすべてそろった場合に、正しい技術基準を守り、脳波が平坦であることを確認
  • 6) 以上の各条件がすべてそろった後、 6時間が経過をみて変化がないことを確認(二次性脳障害、 6歳以下の小児はそれ以上観察する)
以上を充足した場合

脳死判定の除外

参考2
改正臓器移植法の施行に際してはガイドライン等の規定により、以下のような状況では法的脳死判定から除外される。
  • (1)脳死と類似した状態になりうる症例
1)急性薬物中毒:中枢神経作用薬(静脈麻酔薬、鎮静薬、鎮痛薬、向精神薬、抗てんかん薬)、筋弛続薬
2) 代謝・内分泌障害:肝性昏睡、糖尿病性昏睡、尿毒症性脳症、その他
  • (2)知的障害者等の臓器提供に関する有効な意思表示が困難となる障害を有する
  • (3)被虐待児、または虐待が疑われる18歳未満の児童
  • (4)年齢科目応の血圧(収縮期血圧)
1歳未満     : < 65mmHg
1歳以上13歳未満 : < (年齢×2) + 65mmHg
13歳以上    : < 90mmHg
  • (5)低体温(直腸温、食道温等の深部温)
6歳未満     :< 35.0℃
6歳以上     :< 32.0℃

参考

  • 1.
[display]http://www.jotnw.or.jp/studying/09.html
  • 2. 法的脳死判定マニュアル - 日本臓器移植ネットワーク 平成22年度
[display]http://www.jotnw.or.jp/jotnw/law_manual/pdf/noushi-hantei.pdf
  • 3. 「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)平成23年10月 1日一部改正
[display]http://www.jotnw.or.jp/jotnw/pdf/pdf12.pdf


国試


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和文文献

  • 小児法的脳死判定基準についての検討 (ミニ特集 小児の脳死判定)
  • 小児の脳死と臓器移植にかかわる諸問題 (特集 子どもの生体肝移植をめぐる現状と看護実践)
  • 荒木 尚,師田 信人,横田 裕行
  • 小児看護 33(6), 780-784, 2010-06
  • NAID 40017101693
  • 法的脳死判定基準をめぐって
  • 小児長期脳死の3例
  • 今高 城治,塚田 佳子,藤澤 正英,宮本 健志,萩澤 進,山内 秀雄,平尾 準一,有阪 治
  • Dokkyo journal of medical sciences 36(3), 161-165, 2009-10-25
  • … 当院で臨床的に脳死状態と判定してから長期間の入院経過をたどった3小児例を報告した.脳死判定の基準は,平成11年度・厚生省「小児における脳死判定基準」を参考とした.国内の小児脳死症例調査の蓄積は十分ではないが,小児の脳死では長期間の経過をたどる例が多く問題視されている.現在,当院の小児病棟には,長期の臨床的脳死児を管理するための終末期医療に適した病床環境がなく,一般の急性期入院児と同室で長 …
  • NAID 110007615342

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脳死が判定されるまで脳死判定基準(竹内基準)判定を行うのは脳死判定経験が  脳死した者の身体」の定義の法的脳死判定の検査方法(生後 脳死判定基準(竹内基準)厚生省基準以外の検査脳死判定のプロトコール


★リンクテーブル★
先読み臓器の移植に関する法律」「個体死
国試過去問099D074」「100G065」「105E010
リンク元竹内基準」「平坦脳波」「前庭眼反射」「ドナーカード」「自発呼吸
関連記事基準」「判定」「脳死」「判定基準」「

臓器の移植に関する法律」

  [★]

Act of Organ Transplantation
臓器移植法、法令


臓器移植法 従来案の問題点

参考2
  • 現行法における臓器移植が可能となる要件
  • 1. 脳死は「人の死」か? →臓器提供する場合にのみ限定
  • 2.臓器提供が可能な条件 →本人の書面による意思表示と家族の承諾
  • 3. 臓器提供が可能な年齢 →意思表示が有効な15歳以上のみ
  • 4. 脳死判定について →自発呼吸・瞳孔の大きさ・脳波などで判断
  • 5. 親族への優先提供は? →認めない

臓器移植法 2009年改正点

→ 参考3

第1条

(目的)

  • この法律は、臓器の移植についての基本的理念を定めるとともに、臓器の機能に障害がある者に対し臓器の機能の回復又は付与を目的として行われる臓器の移植術(以下単に「移植術」という。)に使用されるための臓器を死体から摘出すること、臓器売買等を禁止すること等につき必要な事項を規定することにより、移植医療の適正な実施に資することを目的とする。

第6条

臓器摘出の適応

  •  医師は、次の各号のいずれかに該当する場合には、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。
  • 一 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないとき。
  • 二 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているとき。

脳死した身体の定義 → 脳死の定義は臓器移植に供するかどうかを問わずに適用される。

  • 2 前項に規定する「脳死した者の身体」とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された者の身体をいう。

脳死判定の適応 → ただし、脳死判定は臓器移植を行うときにしかやらない

  • 3 臓器の摘出に係る前項の判定は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、行うことができる。
  • 一 当該者が第一項第一号に規定する意思を書面により表示している場合であり、かつ、当該者が前項の判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その旨の告知を受けたその者の家族が当該判定を拒まないとき又は家族がないとき。
  • 二 当該者が第一項第一号に規定する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であり、かつ、当該者が前項の判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その者の家族が当該判定を行うことを書面により承諾しているとき。
  • 4 臓器の摘出に係る第二項の判定は、これを的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師(当該判定がなされた場合に当該脳死した者の身体から臓器を摘出し、又は当該臓器を使用した移植術を行うこととなる医師を除く。)の一般に認められている医学的知見に基づき厚生労働省令で定めるところにより行う判断の一致によって、行われるものとする。

法令

  • 臓器の移植に関する法律(平成九年七月十六日法律第百四号)
[display]http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO104.html
  • 臓器の移植に関する法律施行規則(平成九年十月八日厚生省令第七十八号)
[display]http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09F03601000078.html

参考

  • 1. Wikipedia - 臓器の移植に関する法律
  • 2. 福岡市医師会 医療情報室医療情報室レポート



個体死」

  [★]

individual deathsomatic death


099D074」

  [★]

  • 脳死判定基準に含まれないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 099D073]←[国試_099]→[099D075

100G065」

  [★]

  • 脳死の判定を行えないのはどれか。
  • a. 年齢が17歳
  • b. 直腸温が35℃
  • c. 痛み刺激に無反応
  • d. 瞳孔径が左右7mm
  • e. 収縮期血圧が80mmHg
[正答]


※国試ナビ4※ 100G064]←[国試_100]→[100G066

105E010」

  [★]

  • 法的な脳死判定基準に含まれないのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 105E009]←[国試_105]→[105E011

竹内基準」

  [★]

Takeuchi criteria
脳死判定基準

参考

  • 1. 小児脳死判定基準の再検討
[display]http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/dl/s0405-4g.pdf%23search=%27%E7%AB%B9%E5%86%85%E5%9F%BA%E6%BA%96%27



平坦脳波」

  [★]

flat electroencephalogram, flat EEG
電気的脳無活動 electrocerebral inactivity
電気脳沈黙、脳死判定基準



前庭眼反射」

  [★]

vestibuloocular reflex VOR, vestibulo-ocular reflex
脳死判定基準前庭反射


ドナーカード」

  [★]

donor card
臓器提供意思表示カード
脳死判定基準


自発呼吸」

  [★]

spontaneous breathing
脳死判定基準




基準」

  [★]

ウエイト関連クライテリア計測言及参考、参照、照会、処置、診断基準スケール正準測定程度判定基準標準標準化標準品標線標準物質規格尺度目安リファレンス参考文献、判断基準、標準的スタンダードベンチマーク標準試料


判定」

  [★]

determinationdecisionassessmentdeterminedecide
アセスメント決断決定査定試験診断測定定量判断評価特定決める影響評価確定


脳死」

  [★]

brain death, cerebral death
脳死判定基準


  • けいれん、除皮質硬直、除脳硬直は脳死では起こらない。


判定基準」

  [★]

criterioncriteria
基準クライテリア診断基準目安、判断基準


準」

  [★]

semi, quasi
セミ




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