脊髄視床路

出典: meddic

spinothalamic tract
tractus spinothalamicus
上行性伝導路

  • 図:BET.332

概念

  • 体幹や四肢の皮膚感覚の中でも生命の維持に重要な原始的感覚、すなわち痛覚、温度覚、および識別力のない触覚や圧覚を中枢に伝達する原始性感覚路をいう。系統発生学的に古い伝導路である。


走行

  • 後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。
  • 脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。
  • 温覚 + 痛覚 + 粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)


感覚の伝導路


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和文文献

  • 顔面をふくまない半身の温痛覚障害のみを呈した延髄外側梗塞の67歳男性例
  • 柏村 陽子,川井 元晴,小笠原 淳一,古賀 道明,根来 清,神田 隆
  • 臨床神経学 49(5), 262-266, 2009-05-01
  • NAID 10024899499
  • In vivo パッチクランプ記録法の実際と応用 : 大脳皮質体性感覚野のシナプス応答
  • 吉村 恵,土井 篤,水野 雅晴,古江 秀昌
  • 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 128(6), 381-387, 2006-12-01
  • … -118(2004)」に詳細をのべた.そこで,本稿では大脳皮質体性感覚野に焦点をあわせ,筆者らが開発した方法と実験結果について紹介したい.周知のように体性感覚情報は脊髄で修飾・統合をうけたのち,脊髄視床路や後索―内側毛帯路,または脊髄網様体視床路を通り,第一次体性感覚野に投射される.また,網様体視床路の一部は扁桃体や前帯状回,島などに送られ情動的な変化を誘起する.体性感覚野は視床から …
  • NAID 10018553362
  • 脳深部刺激装置, 脊髄硬膜外刺激装置(<特集>慢性疼痛治療における医療機器の現状と展望)
  • 小林 一太,片山 容一
  • 医科器械学 75(3), 121-124, 2005-03-01
  • … 痛みの求心路として重要な脊髄視床路系ないしは脊髄視床路系への入力がいずれかで遮断されると, その支配領域に自発痛が生ずることがある. …
  • NAID 110002521848

関連リンク

脊髄視床路(痛みの伝導路) 痛みの伝導路は、侵害受容器(神経細胞一次ニューロン)が痛み刺激を受けた後、 →脊髄後角(二次ニューロン)→視床(三次ニューロン)→大脳皮質へ伝導される。 ニューロン同士はくっついている ...
脊髄視床路(せきずいししょうろ、英: spinothalamic tract )は脊髄から発している感覚伝導路である。痛覚、温度覚、触覚、圧覚といった情報を視床に伝達する。 脊髄視床路には、前脊髄視床路と外側脊髄視床路の2つがある。
外側脊髄視床路: LSTT Lateral spinothalamic tract =新脊髄視床路 neospinothalamic tract 外側系 ←→脊髄切截術 ←→脊髄前交連切断術 脊髄後角第I層のNSニューロンと第IV-VI層のWDRニューロンから。 2(3)次ニューロンの ...

関連画像

新脊髄視床路と古脊髄視床路2007-06-28-2220-06_edited.jpg300px-Gray669-ja.svg.png脊髄視床路http://physiology1.org/media/original http://pub.ne.jp/yukuchmo/image/user 救急医の挑戦 in 宮崎


★リンクテーブル★
国試過去問099I023」「096F005
リンク元上行性伝導路」「ワレンベルグ症候群」「脳幹網様体」「前脊髄動脈症候群」「痛覚
拡張検索外側脊髄視床路」「前脊髄視床路
関連記事視床」「脊髄」「

099I023」

  [★]

  • 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
  • 56歳の男性。会議中に突然めまいと吐き気とが出現したため救急車で搬送された。
  • 現病歴 :半年前から会社の仕事が忙しく睡眠不足が重なり、過労気味であった。今朝、起床した時はいつもと変わらなかったが、14時ころ会社の会議室で立って発言中に突然、周りがぐるぐる回るめまいと吐き気とが出現し、立っていられなくなった。すぐ、同僚にかかえられて横になったが、めまいと吐き気とが持続した。
  • 既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され、食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
  • 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。心拍90/分、整。血圧170/nommHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では、左顔面と頭部から下の右半身とに温痛覚低下、左上下肢の小脳性運動失調、構音障害、嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺、難聴、触覚・深部感覚障害、深部(腱)反射の異常、病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
  • 検査所見 : 血液所見:赤血球470万、Hb12.8g/dl、白血球6,500、血小板25万。
  • 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1。。0mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、トリグリセライド190 mg/dl、AST28単位、ALT22単位、Na 140mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl、15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
  • この患者で障害されていないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 099I022]←[国試_099]→[099I024

096F005」

  [★]

  • 24歳の女性。1週前から両手足の先がしびれてきたので来院した。四肢遠位部の表在感覚と深部感覚との低下および四肢深部腱反射の低下を認める。病変部位はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096F004]←[国試_096]→[096F006

上行性伝導路」

  [★]

ascending pathway (KL)
伝導路下行性伝導路

上行性伝導路を伝導する感覚

上行性伝導路の種類

上行性伝導路 交叉のレベル ニューロン 一次

ニューロンの 種類

体性感覚 深部感覚
1 2 3 4 痛覚 温度覚 粗大な触圧覚 識別性触覚
後索-内側毛帯系 毛帯交叉 脊髄神経節 薄束楔状束 視床        
外側脊髄視床路 脊髄 脊髄神経節 後角 視床   C      
前脊髄視床路 脊髄 脊髄神経節 後角 視床          
脊髄網様体視床路 脊髄 脊髄神経節 後角 延髄網様体 視床            

各伝導路の概要 (SP.231)

後索-内側毛帯系

 皮膚、特に四肢遠位端無毛部の触圧覚受容器や筋、関節受容器からの太い有髄線維は、脊髄に入り同側の後索を上行する。延髄レベルで、上下肢からの線維はそれぞれ楔状束核、薄束核のニューロンに終わる。これら後索核ニューロンの軸索は交差して内側毛帯となり、その大部分が視床外側部の腹側基底核に、一部は後核群にも終わっている(SP.231)。  深部感覚+繊細な触圧覚、振動覚(B.P-2)

脊髄視床路

 後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。  脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。  温覚+痛覚+粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)

脊髄網様体視床路

 視床下部や大脳辺縁系を介して痛みの情動的側面に関係(SP.231)。  視床、脳幹網様体を介して睡眠覚醒サイクル、意識レベル、注意などに影響を及ぼす(SP.231)。


ワレンベルグ症候群」

  [★]

Wallenberg's syndrome, Wallenberg syndrome
ワレンベルグ症候群Wallenberg症候群
延髄外側症候群 lateral medullary syndrome LMS
後下小脳動脈血栓橋延髄外側症候群
[show details]
  • 表:BET.235(脳神経を侵す脳幹障害)
  • 図:BET.370,376 N.159(自律神経),164(脊髄の動脈)
障害部位:5, 8(vestibular n.), 9, 10, Sympathetic, Cerebellar, Lateral spinothalamic tract

疫学

  • 若年に多く、椎骨動脈の解離が原因であることが多い。

病因

障害部位

see BET.376
  • 延髄外側

症状

  • 全身:頭痛、回転性めまい、悪心・嘔吐
  • 同側:顔面の温度・痛覚消失(感覚解離)、角膜反射低下、ホルネル症候群、眼振(回旋性眼振)、眼球側方突進、発声困難、嚥下困難、小脳性運動失調、筋緊張低下
  • 対側:体幹・上下肢の温度・痛覚消失
[show details]

BET.235

症候
障害側 健側
CN V(感覚解離) 半身感覚解離(顔面をのぞく)
CN IX, Xの麻痺  
ホルネル症候群
小脳性運動失調、眼振



  • 椎骨動脈が脳底動脈となるより下位で後下小脳動脈(PICA)を分枝。PICAは延髄を後方に回り込み小脳の下面に分布

国試



脳幹網様体」

  [★]

brainstem reticular formation (KL), reticular formation of brain stem
formatio reticularis truncus cerebri
網様体脳幹

脳幹網様体

脳幹網様体の分類

入出力

(KL.708)

  入力 出力
求心性線維 遠心性線維
大脳皮質 網様体視床路経由
小脳 網様体小脳路
中脳 上丘赤核 中脳核
脊髄 脊髄網様体路 脊髄視床路 網様体脊髄路

機能 (KL.709)

  • 大脳:上行性網様体賦活系
  • 体性運動:骨格筋の筋緊張を維持し、筋活動を調節する
    • 線維連絡:小脳、赤核、黒質、線条体?
  • 内臓運動:内蔵の機能の反応・調節に関与(特に延髄網様体)
    • 線維連絡:自律神経中枢、脳神経の自律神経性核、脊髄の自律神経性ニューロン


前脊髄動脈症候群」

  [★]

anterior spinal artery syndrome
前脊髄動脈血栓症 thrombosis of anterior spinal artery
大前根動脈


病態

  • 前脊髄動脈(多くは大前根動脈 アダムキービッツ動脈)の狭窄・閉塞により生じ、本動脈の灌流域にある脊髄視床路(前脊髄視床路外側脊髄視床路)、前角、側角・中間外側角核、皮質脊髄路が障害される。
  • これにより、障害レベル以下に弛緩性の対麻痺、粗大感覚障害(触覚)、温度痛覚を生じ、また膀胱直腸障害を呈する。
  • つまり、保たれるのは後索路をとおる深部感覚のみ?



痛覚」

  [★]

pain sensation, algesthesia, algesia
痛感覚侵害感覚 nociception
上行性伝導路痛覚の中枢
2007年度後期生理学授業プリント

痛みの分類

  • 鋭痛(Aδ線維)
  • 鈍痛(C線維) 

内因性発痛物質

  • ブラディキニン・ヒスタミン・セロトニン・プロスタグランジン・乳酸・K+

痛覚過敏

痛覚の伝導路



外側脊髄視床路」

  [★]

lateral spinothalamic tract (B)
tractus spinothalamicus lateralis
上行性伝導路脊髄視床路
  • 温痛覚を伝える。
  • 脊髄レベルで対側に入り、外側脊髄視床路を通って上行する。
  • 橋レベルでは背外側(やや腹側寄り)を通過する → ワレンベルグ症候群で巻き込まれる

臨床関連


前脊髄視床路」

  [★]

anterior spinothalamic tract (B)
tractus spinothalamicus anterior
上行性伝導路脊髄視床路



視床」

  [★]

thalamus
  • 図:N.105 B.41 KL.719

機能 (KL.719-722)

  視床核 入力 出力 関連している機能
1 視床前核 AP 乳頭体 帯状回 大脳辺縁系の一部
  前背側核 A      
  前腹側核 AV      
  前内側核 AM      
2 視床内側核 M 視床核 視床下部前頭葉 情動の体験・情動の具現
3 視床外側核 LT      
  背側外側核 LD 帯状回帯状回情動の発現
  後外側核 LP 頭頂葉連合野頭頂葉連合野高等な精神作用と関連
  前腹側核 VA 淡蒼球 前頭葉運動前野 運動系と関連
  外側腹側核 VL 小脳歯状核 前頭葉運動野運動前野 運動系と関連
  後外側腹側核 VPL 体性感覚(下肢~上肢) 頭頂葉の感覚野  
  後内側腹側核 VPM 体性感覚(頭部) 頭頂葉の感覚野  
4 視床後核   上丘側頭葉頭頂葉後頭葉 側頭葉頭頂葉後頭葉 視覚、聴覚、体性感覚

解剖 (KL.719-722)

7.中心正中核 8.視床網様核




脊髄」

  [★]

spinal cord (M)
medulla spinalis









  • 成人の脊髄は大後頭孔からL1-L2の椎骨まで達する (M.279)

解剖



路」

  [★]

tract
tractus




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